_malloca
スタックにメモリを割り当てます。この関数は、「CRT のセキュリティ機能」に説明されているように、_alloca のセキュリティが強化されたバージョンです。
void *_malloca(
size_t size
);
パラメーター
- size
スタックから割り当てられるバイト。
戻り値
_malloca ルーチンは、割り当てられたメモリ領域への void ポインターを返します。戻り値が指すメモリ領域は、どの型のオブジェクトを格納する場合でも、適切にアラインメントされます。size が 0 の場合、_malloca 関数は長さが 0 のアイテムを割り当て、そのアイテムへの有効なポインターを返します。
領域の割り当てが実行できない場合は、スタック オーバーフロー例外が発生します。スタック オーバーフロー例外は C++ の例外ではなく、構造化例外です。C++ の例外処理機能ではなく、構造化例外処理 (SEH) を使用する必要があります。
解説
_malloca は、要求が _ALLOCA_S_THRESHOLD に指定されているバイト数を超える場合に、プログラム スタックまたはヒープから size バイトを割り当てます。_malloca と _alloca の違いは、_alloca がサイズに関係なく常にスタックを割り当てることです。_alloca で割り当てたメモリは free を呼び出して解放することが必要なく、また許可もされていないのに対し、_malloca では _freea を使用してメモリを開放する必要があります。デバッグ モードでは、_malloca は常にヒープからメモリを割り当てます。
例外ハンドラー (EH) で _malloca を明示的に呼び出す場合は制限があります。x86 クラスのプロセッサで動作する EH ルーチンは、自身のメモリ フレーム内で処理されるため、外側の関数のスタック ポインターが示す現在位置を基にしたメモリ領域ではタスクを実行しません。一般的な実装には、Windows NT 構造化例外処理 (SEH: structured exception handling) や C++ catch 節の式などがあります。このため、次のようなシナリオで _malloca を明示的に呼び出すと、呼び出した EH ルーチンへ戻る時点でプログラム エラーとなります。
Windows NT SEH 例外フィルター式 : __except (_malloca () )
Windows NT SEH 最終例外ハンドラー : __finally(_malloca () )
C++ EH catch 句式
ただし、_malloca は、EH ルーチン内から直接呼び出すか、または事前にリストされた EH シナリオのいずれかで呼び出されるアプリケーション供給のコールバックから、直接呼び出すことができます。
セキュリティに関するメモ |
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Windows XP では、try/catch ブロック内で _malloca を呼び出した場合、その catch ブロック内で _resetstkoflw を呼び出す必要があります。 |
上記の制限に加え、/clr (共通言語ランタイムのコンパイル) オプションを使用する場合は __except ブロックで _malloca を使用できません。詳細については、「/clr の制約」を参照してください。
必要条件
ルーチン |
必須ヘッダー |
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_malloca |
<malloc.h> |
使用例
// crt_malloca_simple.c
#include <stdio.h>
#include <malloc.h>
void Fn()
{
char * buf = (char *)_malloca( 100 );
// do something with buf
_freea( buf );
}
int main()
{
Fn();
}
// crt_malloca_exception.c
// This program demonstrates the use of
// _malloca and trapping any exceptions
// that may occur.
#include <windows.h>
#include <stdio.h>
#include <malloc.h>
int main()
{
int size;
int numberRead = 0;
int errcode = 0;
void *p = NULL;
void *pMarker = NULL;
while (numberRead == 0)
{
printf_s("Enter the number of bytes to allocate "
"using _malloca: ");
numberRead = scanf_s("%d", &size);
}
// Do not use try/catch for _malloca,
// use __try/__except, since _malloca throws
// Structured Exceptions, not C++ exceptions.
__try
{
if (size > 0)
{
p = _malloca( size );
}
else
{
printf_s("Size must be a positive number.");
}
_freea( p );
}
// Catch any exceptions that may occur.
__except( GetExceptionCode() == STATUS_STACK_OVERFLOW )
{
printf_s("_malloca failed!\n");
// If the stack overflows, use this function to restore.
errcode = _resetstkoflw();
if (errcode)
{
printf("Could not reset the stack!");
_exit(1);
}
};
}
入力
1000
出力例
Enter the number of bytes to allocate using _malloca: 1000
同等の .NET Framework 関数
該当なし標準 C 関数を呼び出すには、PInvoke を使用します。詳細については、「プラットフォーム呼び出しの例」を参照してください。