再配布する DLL の決定
アプリケーションと共に再配布する必要がある DLL を判断するには、アプリケーションが依存する DLL の完全な一覧を収集します。その一覧を収集する方法の 1 つは、Visual C++ アプリケーションの依存関係の理解 で説明されているように、Dependency Walker (depends.exe) を実行することです。
依存関係の一覧がある場合は、Redist.txt (既定の場所は \Program Files\Microsoft Visual Studio 2010\ ディレクトリ、または VSINSTALLDIR 環境変数で指定されているユーザー定義のディレクトリ) の一覧と比較します。Visual Studio に含まれているすべてのファイルを再配布することはできません。再配布を許可されているのは、Redist.txt で指定されているファイルだけです。アプリケーションの デバッグ バージョンと、各種の Visual C++ DLL は、再配布できません。詳細については、「配置方法の選択」を参照してください。
アプリケーションが依存する Visual C++ DLL について、次の表に示します。DLL が再頒布可能かどうかを判断するには、Redist.txt を確認します。
Visual C++ ライブラリ |
説明 |
対象 |
---|---|---|
atl100.dll |
ATL (Active Template Library) |
ATL を使用するアプリケーション |
msvcr100.dll |
ネイティブ コード用の C ランタイム ライブラリ (CRT) |
CRT ライブラリの機能を使用するアプリケーション |
msvcp100.dll |
ネイティブ コード用の標準 C++ ライブラリ |
標準 C++ ライブラリを使用するアプリケーション |
mfc100.dll |
MFC (Microsoft Foundation Class) ライブラリ |
MFC ライブラリ を使用するアプリケーション。 |
mfc100u.dll |
Unicode をサポートする MFC ライブラリ |
MFC ライブラリを使用し、Unicode のサポートを必要とするアプリケーション。 |
mfcmifc80.dll |
MFC マネージ インターフェイス ライブラリ |
Windows フォーム コントロールと共に MFC ライブラリを使用するアプリケーション。 |
mfcm100.dll |
MFC マネージ ライブラリ |
Windows フォーム コントロールと共に MFC ライブラリを使用するアプリケーション。 |
mfcm100u.dll |
Unicode をサポートする MFC マネージ ライブラリ |
Windows フォーム コントロールと共に MFC ライブラリを使用し、Unicode のサポートを必要とするアプリケーション。 |
アプリケーションと共にこのような DLL を再配布する方法の詳細については、「Visual C++ ファイルの再配布」を参照してください。例については、「配置例」を参照してください。
通常、システム DLL (たとえば、Kernel32.dll、User32.dll、Ole32.dll、ShDocVW.dll) を再配布する必要はありません。これらの DLL はオペレーティング システムの一部であり、同じバージョンのオペレーティング システムがインストールされているコンピューターに存在します。ただし、Microsoft オペレーティング システムの複数のバージョンでアプリケーションを実行する場合など、これが該当しない可能性もあります。この場合、使用許諾契約書を必ずお読みください。また、Microsoft が提供する Service Pack や小さな再頒布可能パッケージを使用して、システム DLL のアップグレードを試みてください。使用可能なパッケージは、マイクロソフト サポート オンライン を検索してください。