チュートリアル : 操作ウィンドウから文書へのテキストの挿入
このチュートリアルでは、Microsoft Office Word 文書で操作ウィンドウを作成する方法について説明します。操作ウィンドウには、入力を収集するコントロールと、そのテキストを文書に送信するコントロールがあります。
対象: このトピックの情報は、Word 2013 と Word 2010 のドキュメント レベルのプロジェクトに適用されます。詳細については、「Office アプリケーションおよびプロジェクト タイプ別の使用可能な機能」を参照してください。
このチュートリアルでは、次の作業について説明します。
操作ウィンドウ コントロール上で Windows フォーム コントロールを使用してユーザー インターフェイスをデザインします。
アプリケーションが開かれたときに操作ウィンドウを表示します。
[!メモ]
次の手順で参照している Visual Studio ユーザー インターフェイス要素の一部は、お使いのコンピューターでは名前や場所が異なる場合があります。これらの要素は、使用する Visual Studio のエディションとその設定によって決まります。詳細については、「Visual Studio の設定」を参照してください。
必須コンポーネント
このチュートリアルを実行するには、次のコンポーネントが必要です。
-
Microsoft Office Developer Tools が含まれているエディションの Visual Studio 2012。詳細については、「[Office ソリューションを開発できるようにコンピューターを構成する](bb398242\(v=vs.110\).md)」を参照してください。
- Word 2013 または Word 2010。
プロジェクトの作成
まず、Word 文書プロジェクトを作成します。
新しいプロジェクトを作成するには
My Basic Actions Pane という名前の Word 文書プロジェクトを作成します。ウィザードで、[新規ドキュメントの作成] をクリックします。詳細については、「方法: Visual Studio で Office プロジェクトを作成する」を参照してください。
Visual Studio により、デザイナーで新しい Word 文書が開き、My Basic Actions Pane プロジェクトがソリューション エクスプローラーに追加されます。
文書へのテキストとブックマークの追加
操作ウィンドウは、文書内のブックマークにテキストを送信します。文書をデザインするには、いくつかのテキストを入力して基本となるフォームを作成します。
文書にテキストを追加するには
次のテキストを Word 文書に入力します。
March 21, 2008
名前
Address
This is an example of a basic actions pane in Word.
文書に Bookmark コントロールを追加するには、Visual Studio でツールボックスからコントロールをドラッグするか、Word で [ブックマーク] ダイアログ ボックスを使用します。
文書に Bookmark コントロールを追加するには
ツールボックスの [Word コントロール] タブから Bookmark コントロールを文書にドラッグします。
[ブックマーク コントロールの追加] ダイアログ ボックスが表示されます。
文書内の "Name" という語を、段落記号は除いて選択し、[OK] をクリックします。
[!メモ]
段落記号はブックマークに含めないようにします。文書に段落記号が表示されていない場合は、[ツール] メニューをクリックし、[Microsoft Office Word ツール] をポイントして、[オプション] をクリックします。[表示] タブをクリックし、[オプション] ダイアログ ボックスの [編集記号の表示] セクションの [段落記号] チェック ボックスをオンにします。
[プロパティ] ウィンドウで [Name] プロパティを Bookmark1 から showName に変更します。
"Address" という語を、段落記号は除いて選択します。
リボンの [挿入] タブの [リンク] で [ブックマーク] をクリックします。
[ブックマーク] ダイアログ ボックスで、[ブックマーク名] ボックスに「showAddress」と入力し、[追加] をクリックします。
操作ウィンドウへのコントロールの追加
操作ウィンドウのインターフェイスをデザインするには、プロジェクトに操作ウィンドウ コントロールを追加し、追加した操作ウィンドウ コントロールに Windows フォーム コントロールを追加します。
操作ウィンドウ コントロールを追加するには
ソリューション エクスプローラーで My Basic Actions Pane プロジェクトを選択します。
[プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。
[新しい項目の追加] ダイアログ ボックスで [操作ウィンドウ コントロール] をクリックし、コントロールに InsertTextControl という名前を指定して、[追加] をクリックします。
操作ウィンドウ コントロールに Windows フォーム コントロールを追加するには
デザイナーで操作ウィンドウ コントロールが非表示になっている場合は、InsertTextControl をダブルクリックします。
ツールボックスの [コモン コントロール] タブから Label コントロールを操作ウィンドウ コントロールにドラッグします。
Label コントロールの Text プロパティを Name に変更します。
操作ウィンドウ コントロールに Textbox コントロールを追加し、以下のプロパティを変更します。
プロパティ
価値
名前
getName
サイズ
130, 20
操作ウィンドウ コントロールに 2 番目の Label コントロールを追加し、Text プロパティを Address に変更します。
操作ウィンドウ コントロールに 2 番目の Textbox コントロールを追加し、以下のプロパティを変更します。
プロパティ
価値
名前
getAddress
AcceptsReturn
True
Multiline
True
サイズ
130, 40
操作ウィンドウ コントロールに Button コントロールを追加し、以下のプロパティを変更します。
プロパティ
価値
名前
addText
テキスト
[挿入]
文書にテキストを挿入するコードの追加
操作ウィンドウで、テキスト ボックスのテキストを文書内の対応する Bookmark コントロールに挿入するコードを記述します。Globals クラスを使用して、操作ウィンドウ上のコントロールから文書上のコントロールにアクセスできます。詳細については、「Office プロジェクト内のオブジェクトへのグローバル アクセス」を参照してください。
操作ウィンドウから文書内のブックマークにテキストを挿入するには
addText ボタンの Click イベント ハンドラーに次のコードを追加します。
Private Sub addText_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) _ Handles addText.Click If Me.getName.Text <> String.Empty Then Globals.ThisDocument.showName.Text = Me.getName.Text End If If Me.getAddress.Text <> String.Empty Then Globals.ThisDocument.showAddress.Text = Me.getAddress.Text End If Me.getName.Text = String.Empty Me.getAddress.Text = String.Empty End Sub
private void addText_Click(object sender, System.EventArgs e) { if (this.getName.Text != String.Empty) { Globals.ThisDocument.showName.Text = this.getName.Text; } if (this.getAddress.Text != String.Empty) { Globals.ThisDocument.showAddress.Text = this.getAddress.Text; } this.getName.Text = String.Empty; this.getAddress.Text = String.Empty; }
C# では、ボタン クリックのイベント ハンドラーを追加する必要があります。このコードは、IntializeComponent の呼び出しの後の InsertTextControl コンストラクターに追加できます。イベンド ハンドラーの作成方法の詳細については、「方法: Office プロジェクトでイベント ハンドラーを作成する」を参照してください。
public InsertTextControl() { InitializeComponent(); this.addText.Click += new EventHandler(addText_Click); }
操作ウィンドウを表示するコードの追加
操作ウィンドウを表示するには、作成したコントロールをコントロール コレクションに追加します。
操作ウィンドウを表示するには
ThisDocument クラスで、操作ウィンドウ コントロールの新しいインスタンスを作成します。
Dim insertText As New InsertTextControl
private InsertTextControl insertText = new InsertTextControl();
ThisDocument の Startup イベント ハンドラーに次のコードを追加します。
Me.ActionsPane.Controls.Add(insertText)
this.ActionsPane.Controls.Add(insertText);
アプリケーションのテスト
文書をテストして、文書を開いたときに操作ウィンドウが開くこと、およびボタンをクリックしたときにテキスト ボックスに入力したテキストがブックマークに挿入されることを確認します。
文書をテストするには
F5 キーを押してプロジェクトを実行します。
操作ウィンドウが表示されていることを確認します。
操作ウィンドウ上のテキスト ボックスに自分の名前と住所を入力し、[Insert] をクリックします。
次の手順
次に行う作業は以下のとおりです。
Excel の操作ウィンドウの作成。詳細については、「How to: Add an Actions Pane to Excel Workbooks」を参照してください。
操作ウィンドウ上のコントロールへのデータのバインド。詳細については、「チュートリアル : Word の操作ウィンドウ上のコントロールへのデータ バインディング」を参照してください。
参照
処理手順
方法: Word 文書または Excel ブックに操作ウィンドウを追加する
方法 : アクション ペイン上のコントロールのレイアウトを管理する