方法: WRL コンポーネントを直接インスタンス化する

Windows ランタイム C++ テンプレート ライブラリ (WRL) Microsoft::WRL::Make と Microsoft::WRL::Details::MakeAndInitialize 関数の要素を定義したモジュールからコンポーネントをインスタンス化する方法について説明します。

コンポーネントを直接インスタンス化することにより、クラス ファクトリまたはそのほかの機構が必要ない場合は、オーバーヘッドを低減できます。Windows ストア の両方の apps とデスクトップ アプリケーション コンポーネントを直接インスタンス化できます。

詳細については を Windows ランタイム の基本的なコンポーネントを作成および Windows ストア 外部アプリケーションからのインスタンスを作成する方法を チュートリアル: WRL を使用した基本的な Windows ランタイム コンポーネントの作成"を参照してください。詳細については WRL を従来の COM コンポーネントを作成および外部デスクトップ アプリケーションからインスタンスを作成する方法を 方法: WRL を使用して従来の COM コンポーネントを作成するを参照してください。

このドキュメントでは、2 例を次に示します。最初の例では、コンポーネントをインスタンス化するために Make 関数を使用します。2 番目の例は、構築時に失敗したことがあるコンポーネントをインスタンス化するために MakeAndInitialize 関数を使用します。エラーを示すために、COM が例外ではなく、通常 HRESULT の値が使用されるため、COM (通常はコンストラクターからスロー入力します。MakeAndInitialize は RuntimeClassInitialize のメソッドによって構築引数を検証することにより、コンポーネントを)どちらの例も、基本的なロガーのインターフェイスを定義し、メッセージをコンソールにクラスを定義して、そのインターフェイスを実装します。

重要
WRL のコンポーネントをインスタンス化するために new の演算子は使用できません。したがって、は、コンポーネントを直接インスタンス化に Make か MakeAndInitialize を常に使用することをお勧めします。

基本的なロガーのコンポーネントをインスタンス化し、作成するには

1. Visual Studio で、[Win32 コンソール アプリケーション] のプロジェクトを作成します。プロジェクト (たとえば、WRLLoggerを付けます。

2. [MIDL ファイル (.idl)] ファイルをプロジェクトに追加し、ファイル ILogger.idlを付けておくと、このコードを追加します:

   import "ocidl.idl";
   
   // Prints text to the console.
   [uuid(AFDB9683-F18A-4B85-90D1-B6158DAFA46C)]
   interface ILogger : IUnknown
   {
       HRESULT Log([in] BSTR text);
   }
   

3. WRLLogger.cpp の内容を置き換えるには、次のコードを使用します。

   #include "stdafx.h"
   #include <wrl\implements.h>
   #include <comutil.h>
   
   #include "ILogger_h.h"
   
   // comutil.h requires static linkage to comsuppw.lib.
   #pragma comment(lib, "comsuppw")
   
   using namespace Microsoft::WRL;
   
   // Writes logging messages to the console.
   class CConsoleWriter : public RuntimeClass<RuntimeClassFlags<ClassicCom>, ILogger>
   {
   public:
       STDMETHODIMP Log(_In_ BSTR text)
       {
           if (text == nullptr)
           {
               return E_POINTER;
           }
           wprintf_s(L"%s\n", text);
           return S_OK;
       }
   
   private:
       // Make destroyable only through Release.
       ~CConsoleWriter()
       {
       }
   };
   
   int _tmain()
   {
       ComPtr<CConsoleWriter> writer = Make<CConsoleWriter>();
       HRESULT hr = writer->Log(L"Logger ready.");
       return hr;
   }
   
   /* Output:
   Logger ready.
   */
   

基本的な logger コンポーネントの構造体のエラーを処理するには

1. CConsoleWriter クラスの定義を置き換えるには、次のコードを使用します。このバージョンは、プライベート文字列のメンバー変数を保持し、RuntimeClass::RuntimeClassInitialize のメソッドをオーバーライドします。RuntimeClassInitialize は、指定されたパラメーターが nullptrである場合に失敗します。

   // Writes logging messages to the console.
   class CConsoleWriter : public RuntimeClass<RuntimeClassFlags<ClassicCom>, ILogger>
   {
   public:
       // Initializes the CConsoleWriter object.
       // Failure here causes your object to fail construction with the HRESULT you choose.
       HRESULT RuntimeClassInitialize(_In_ BSTR category)
       {
           if (category == nullptr)
           {
               return E_POINTER;
           }
           m_category = category;
           return S_OK;
       }
   
       STDMETHODIMP Log(_In_ BSTR text)
       {
           if (text == nullptr)
           {
               return E_POINTER;
           }
           wprintf_s(L"%s: %s\n", m_category.GetBSTR(), text);
           return S_OK;
       }
   
   private:
       _bstr_t m_category;
   
       // Make destroyable only through Release.
       ~CConsoleWriter()
       {
       }
   };
   

2. _tmainの定義を置き換えるには、次のコードを使用します。このバージョンは CConsoleWriter の 2 種類のオブジェクトをインスタンス化するために MakeAndInitialize を使用します。デモについては、最初の呼び出しは成功し、目は失敗します。

   int _tmain()
   {
       BSTR category = L"INFO";
       ComPtr<CConsoleWriter> writer;
       HRESULT hr = MakeAndInitialize<CConsoleWriter>(&writer, category);
       if (FAILED(hr))
       {
           wprintf_s(L"Object creation failed. Result = 0x%x", hr);
           return hr;
       }
       hr = writer->Log(L"Logger ready.");
       if (FAILED(hr))
       {
           return hr;
       }
   
       wprintf_s(L"\n");
   
       category = nullptr;
       hr = MakeAndInitialize<CConsoleWriter>(&writer, category);
       if (FAILED(hr))
       {
           wprintf_s(L"Object creation failed. Result = 0x%x.\n", hr);
           return hr;
       }
       else
       {
           return writer->Log(L"Logger ready.");
       }
   }
   
   /* Output:
   INFO: Logger ready.
   
   Object creation failed. Result = 0x80004003.
   */
   

参照

関連項目

Microsoft::WRL::Make

Microsoft::WRL::Details::MakeAndInitialize

概念

Windows ランタイム C++ テンプレート ライブラリ (WRL)