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Visual Studio アプリケーションへの印刷可能なレポートの追加

Visual Studio では、Visual Basic アプリケーションにリッチ データ レポート機能を追加するのに役立つさまざまなレポート ソリューションが用意されています。レポート ビューアー コントロール、Crystal Reports、または SQL Server Reporting Services を使用して、レポートを作成したり追加したりできます。

[!メモ]

SQL Server Reporting Services は、Visual Studio ではなく SQL Server 2005 の一部です。Reporting Services は、SQL Server 2005 をインストールしていなければ、システムにインストールされていません。

Visual Basic アプリケーションの Microsoft レポート テクノロジの概要

アプリケーションで Microsoft レポート テクノロジを使用するには、以下のいずれかの方法を選択します。

  • レポート ビューアー コントロールの 1 つ以上のインスタンスを Visual Basic Windows アプリケーションに追加します。

  • レポート サーバー Web サービスを呼び出すことにより、プログラムによって SQL Server Reporting Services を統合します。

  • レポート ビューアー コントロールと Microsoft SQL Server 2005 Reporting Services を併用します。レポート ビューアー コントロールはレポート ビューアーとして、レポート サーバーはレポート プロセッサとして使用します。レポート サーバーと レポート ビューアー コントロールを併用する場合は、SQL Server 2005 バージョンの Reporting Services を使用する必要があります。

レポート ビューアー コントロールの使用

レポート機能を Visual Basic Windows アプリケーションに組み込む一番簡単な方法は、アプリケーションのフォームにレポート ビューアー コントロールを追加することです。このコントロールは、レポート処理機能を直接アプリケーションに追加し、統合レポート デザイナーを提供して、ADO.NET データ オブジェクトのデータを使用してレポートを作成できるようにします。多機能 API により、プログラムによってコントロールおよびレポートにアクセスして、ランタイム機能を構成できます。

レポート ビューアーには、単一の無償配布データ コントロール内にレポート処理機能とレポート表示機能が組み込まれています。次のようなレポート機能が必要な場合は、レポート ビューアー コントロールを選択します。

  • クライアント アプリケーションでのレポート処理。処理されたレポートは、コントロールが提供するビュー領域に表示されます。

  • ADO.NET データ テーブルへのデータ バインディング。コントロールに渡される DataTable インスタンスを使用するレポートを作成できます。ビジネス オブジェクトに直接バインドすることもできます。

  • アプリケーションに組み込むことができる再頒布可能なコントロール。

  • ページの移動、印刷、検索、エクスポート形式などのランタイム機能。レポート ビューアーのツール バーでこれらの操作がサポートされています。

レポート ビューアー コントロールを使用する場合は、レポート ビューアー コントロールを、Visual Studio のツールボックスの [データ] セクションから Visual Basic Windows アプリケーションのフォームにドラッグできます。

ms233804.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifVisual Studio でのレポート ビューアー コントロールに対応するレポートの作成

レポート ビューアーで実行するレポートを作成するには、プロジェクトに レポート テンプレートを追加します。Visual Studio により、クライアント レポート定義ファイル (.rdlc) が作成され、プロジェクトにファイルが追加され、Visual Studio ワークスペース上に統合レポート デザイナーが開きます。

Visual Studio レポート デザイナーは [データ ソース] ウィンドウと統合されています。[データ ソース] ウィンドウからレポートにフィールドをドラッグすると、レポート デザイナーはデータ ソースについてのメタデータをレポート定義ファイルにコピーします。このメタデータは、レポート ビューアー コントロールがデータ バインディング コードを自動的に生成するために使用します。

Visual Studio レポート デザイナーにプレビュー機能はありません。レポートをプレビューするには、アプリケーションを実行し、そのアプリケーションに埋め込まれているレポートをプレビューします。

アプリケーションに基本的なレポート機能を追加するには

  1. レポート ビューアー コントロールを、ツールボックス[データ] タブからフォーム上にドラッグします。

  2. [プロジェクト] メニューの [新しい項目の追加] をクリックします。[新しい項目の追加] ダイアログ ボックスの [レポート] アイコンを選択し、[追加] をクリックします。

    開発環境にレポート デザイナーが開き、レポート (.rdlc) ファイルがプロジェクトに追加されます。

  3. レポート アイテムをツールボックスからレポート レイアウトにドラッグし、必要に応じて配置替えします。

  4. フィールドを [データ ソース] ウィンドウからレポート レイアウト上のレポート アイテムにドラッグします。

Visual Basic アプリケーションでの Reporting Services の使用

Reporting Services は SQL Server に組み込まれているサーバー ベースのレポート テクノロジです。Reporting Services には、レポート ビューアー コントロールにはない機能が含まれています。次のような機能が必要な場合は、Reporting Services を選択します。

  • 複雑なレポートや長期のレポート、および大容量レポート アクティビティに対して優れたパフォーマンスを提供する、スケール アウトの配置とサーバー側のレポート処理。

  • カスタム レポート制御とリッチ レンダリング出力形式をサポートする、統合されたデータ処理とレポート処理。

  • レポートの実行時間を正確に指定できるレポート スケジュール処理。

  • 電子メールを使用した、またはファイル共有場所への、サブスクライバー ベースのレポート配布。

  • ビジネス ユーザーが適宜レポートを作成できるアドホック レポート。

  • カスタマイズされたレポート出力を動的な受信者リストにルーティングするデータドリブン サブスクリプション。

  • データ処理、レポート配信、カスタム認証、およびレポート レンダリング用のカスタム拡張機能。

レポート サーバーは Web サービスとして実装されます。レポートおよび他のメタデータにアクセスするには、アプリケーション コードに Web サービスへの呼び出しが含まれている必要があります。Web サービスにより、プログラムによってレポート サーバー インスタンスにアクセスできます。

Reporting Services は Web ベースのレポート テクノロジなので、既定のビューアーでは、レポートは HTML 形式で表示されます。既定のレポート表示形式として HTML 形式を使用しない場合は、アプリケーションに対してカスタム レポート ビューアーを記述する必要があります。

ms233804.collapse_all(ja-jp,VS.110).gifVisual Studio での Reporting Services に対応するレポートの作成

レポート サーバーを実行するレポートを作成するには、SQL Server 2005 に組み込まれている Business Intelligence Development Studio を介して Visual Studio 上にレポート定義 (.rdl) ファイルを作成します。

[!メモ]

SQL Server Reporting Services と Business Intelligence Development Studio を使用するには、SQL Server 2005 がインストールされている必要があります。

Business Intelligence Development Studio は、SQL Server コンポーネント固有のプロジェクト テンプレートを追加します。レポートを作成するには、レポート サーバー プロジェクト テンプレートまたは レポート サーバー プロジェクト ウィザード テンプレートを選択します。SQL Server、Oracle、Analysis Services、XML、SQL Server Integration Services などさまざまなデータ ソース タイプに対するデータ ソース接続およびクエリを指定できます。[データ][レイアウト]、および [プレビュー] の各タブにより、データの定義、レポート レイアウトの作成、およびレポートのプレビューを同じワークスペースから実行できます。

コントロールまたはレポート サーバー用に作成するレポート定義は、どのテクノロジでも再利用できます。

レポート サーバー上で実行するレポートを作成するには

  1. [ファイル] メニューの [新しいプロジェクト] をクリックします。

    [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [プロジェクトの種類] ペインで、[ビジネス インテリジェンス プロジェクト] をクリックします。

  3. [テンプレート] ペインで、[レポート サーバー プロジェクト] または [レポート サーバー プロジェクト ウィザード] を選択します。

レポート ビューアー コントロールと SQL Server Reporting Services の併用

レポート ビューアー コントロールと SQL Server 2005 Reporting Services を同じアプリケーションで併用できます。

  • レポート ビューアー コントロールは、アプリケーション上でレポートを表示するためのビューアーを提供します。

  • Reporting Services は、レポートを提供し、リモート サーバー上のすべての処理を実行します。

リモートの Reporting Services レポート サーバー上で格納および処理されるレポートを表示するようにレポート ビューアー コントロールを構成できます。この種類の構成は、リモート処理モードと呼ばれます。リモート処理モードでは、コントロールはリモート レポート サーバー上に格納されるレポートを要求します。レポート サーバーが、レポート処理、データ処理、およびレポート レンダリングをすべて実行します。処理が終了し、レンダリングされたレポートがコントロールに返され、ビュー領域に表示されます。

レポート サーバー上で実行するレポートは、他のエクスポート形式をサポートし、異なるレポート パラメーター化を実装します。また、レポート サーバーによってサポートされるデータ ソースの種類を使用し、レポート サーバー上のロール ベースの承認モデルを介してアクセスされます。

リモート処理モデルを使用するには、レポート ビューアー コントロールを構成するときにサーバー レポートの URL とパスを指定します。