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Visual C++ の紹介 (UNIX ユーザー向け)

このトピックでは、Visual C++ を初めて使用する UNIX ユーザーを対象に、Visual C++ を使用して生産性を向上させる方法について説明します。

コマンド ラインの使用について

Visual C++ は、UNIX コマンド ライン環境と同様の方法でコマンド ラインから使用できます。コンパイルは、コマンド ライン C および C++ コンパイラ (CL.EXE) と NMAKE.EXE、Microsoft バージョンの UNIX make ユーティリティなどのツールを使用してコマンド プロンプトから実行します。

UNIX の場合、コマンドは /usr/bin などの共通フォルダーにインストールされます。Visual C++ の場合、コマンド ライン ツールはインストール ディレクトリの VC\bin にインストールされます (標準インストールの場合は Program Files\Microsoft Visual Studio 8\VC\bin)。これらのコマンド ライン ツールを使用するには、インストール ディレクトリの Common7\Tools 内にある vsvars32.bat を実行します。これを実行することで、bin ディレクトリがパスに追加され、コマンド ラインから Visual C++ プログラムをコンパイルするために必要な他のパスが設定されます。

[!メモ]

[スタート] メニューの [Visual Studio 2005 コマンド プロンプト] でコマンド プロンプトを開くと、vsvars32.bat が自動的に実行されます。

デバッガー、ステートメント入力候補など、さらに強力な機能を利用するには、開発環境を使用する必要があります。詳細については、「コマンド ラインでのビルド」および「Walkthrough: Compiling a Native C++ Program on the Command Line」を参照してください。

コードのデバッグ

コマンド ラインを使用して開発ワークステーション上でアプリケーションを実行した場合に、コードでメモリ アクセス違反、未処理の例外、または他の回復不能なエラーが検出されると、Visual Studio デバッガー実行用のダイアログ ボックスが表示されます。[OK] をクリックすると、Visual Studio 開発環境が起動し、デバッガーがエラーの位置を示します。アプリケーションはこの方法でデバッグできます。さらに、この場合、ソース コードは /Z7、/Zi、/ZI (デバッグ情報の形式) スイッチを使用してコンパイルした場合にのみ使用できます。詳細については、「ネイティブ コードのデバッグ」および「C++ 開発のための Visual Studio IDE の使用」を参照してください。

開発環境の使用

開発環境を使用すると、プロジェクトのソース コードの編集とビルドをより簡単に行うことができます。プロジェクトとは、単一の単位 (ライブラリ、実行可能ファイルなど) にコンパイルされるソース ファイルと関連ファイルの集合です。プロジェクトにはファイルのビルド方法に関する情報も含まれています。プロジェクトに関する情報はプロジェクト ファイル (拡張子 .prj) に格納されます。

アプリケーションによっては複数のライブラリと実行可能ファイルで構成される場合があり、これらのライブラリや実行可能ファイルはそれぞれ異なるコンパイラ オプションや別の言語でビルドされる場合があります。このようなアプリケーションは、単一のソリューションの一部である複数のプロジェクトに分けて格納されます。ソリューションは、複数のプロジェクトを単一のグループとして扱うための抽象化です。ソリューションに関する情報はソリューション ファイル (拡張子 .sln) に格納されます。詳細については、「ソリューション、プロジェクト、およびファイルの管理」および「C++ 開発のための Visual Studio IDE の使用」を参照してください。

既存のコードのインポート

Visual C++ では、makefile を使用して (または使用せずに) コンパイルするように設定されている既存のコードを使用して、Visual Studio プロジェクトに配置できます。詳細については、既存コード ファイルからの新しいプロジェクトの作成ウィザードに関する説明を参照してください。詳細については、「方法 : 既存のコードから C++ プロジェクトを作成する」を参照してください。

新規プロジェクトの作成

新しいプロジェクトは開発環境で作成できます。Visual C++ には、一般的な各種プロジェクトについて、標準的なコードを提供するテンプレートが多数用意されています。アプリケーション ウィザードを使用すると、さまざまなアプリケーションの種類に対応したコードのアウトラインを取り込んだプロジェクトを生成できます。

Win32 コンソール アプリケーション ウィザードを使用すると、空プロジェクトから作業を開始できます。[空のプロジェクト] チェック ボックスをオンにします。後で、新規ファイルや既存のファイルをプロジェクトに追加できます。

プロジェクトを作成するには、プロジェクト名を付ける必要があります。既定では、プロジェクトからビルドされるダイナミック リンク ライブラリ (DLL) または実行可能ファイルの名前と同じです。詳細については、「ソリューションとプロジェクトの作成」を参照してください。

Microsoft 固有の修飾子

Visual C++ は、標準 C++ プログラミング言語用のいくつかの拡張機能を備えています。これらの拡張機能は、ストレージ クラスの属性の指定、関数の呼び出し規約の指定、およびベースとなるアドレス指定の指定などに使用されます。Visual C++ 拡張機能の一覧については、「Microsoft 仕様の修飾子」を参照してください。

/Za コンパイラ オプションを使用すると、C++ 用の Microsoft 固有の拡張機能をすべて無効にできます。複数のプラットフォームで実行するコードを記述する場合は、このオプションを使用することをお勧めします。/Za コンパイラ オプションの詳細については、「/Za、/Ze (言語拡張機能の無効化)」を参照してください。Visual C++ の準拠の詳細については、「Visual C++ の互換性と準拠の問題」を参照してください。

プリコンパイル済みヘッダー

Microsoft C コンパイラおよび C++ コンパイラには、インライン コードなど、C コードまたは C++ コードをプリコンパイルするためのオプションが用意されています。このパフォーマンス機能を使用すると、安定したコード本体をコンパイルし、コンパイル済みのコードをファイルに格納し、以降のコンパイルでプリコンパイル済みコードと開発中のコードを組み合わせることができます。安定したコードは再度コンパイルする必要がないため、以降のコンパイルが高速化されます。

既定では、すべてのプリコンパイル済みコードは stdafx.h ファイルと stdafx.cpp ファイルに指定されます。新しいプロジェクト ウィザードでは、[プリコンパイル済みヘッダー] オプションの選択を解除しない限り、これらのファイルが自動的に作成されます。プリコンパイル済みヘッダーの詳細については、「プリコンパイル済みヘッダー ファイルの作成」を参照してください。

関連項目

詳細については、「UNIX から Win32 への移植」を参照してください。

参照

処理手順

Visual C++ ガイド ツアー