コード エディターとテキスト エディターでのコードの作成
Visual Studio エディターには、コードの記述と管理を容易にする多数の機能が用意されています。アウトラインを使用すると、個々のコード ブロックを展開したり折りたたんだりできます。コードの詳細を調べるには、IntelliSense、オブジェクト ブラウザー、および呼び出し階層を使用します。コード内を移動するには、[移動]、[定義へ移動]、[すべての参照の検索] などの機能を使用します。コード スニペットを使用してコード ブロックを挿入し、[使用法から生成] などの機能を使用してコードを生成することもできます。
コードは、いくつかの方法で表示できます。ソリューションのクラス ビューを表示するには、[クラス ビュー] ウィンドウを開くか、ソリューション エクスプローラーでクラス ファイル以下のノードを展開します。
1 つまたは複数のファイルについて、テキストを検索および置換することもできます。詳細については、「テキストの検索と置換」を参照してください。正規表現を使用する場合、検索と置換では現在、.NET の正規表現が使用されます。詳細については、「Visual Studio での正規表現の使用」を参照してください。
Visual Studio では、言語によって異なる機能がサポートされています。同じ機能の動作が、言語によって異なる場合もあります。これらの相違点の多くは機能の説明に示されていますが、詳細については、各 Visual Studio 言語のセクションを参照してください。
重要 |
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使用する Visual Studio のエディションと設定が、IDE の機能に影響することもあります。このため実際の機能は、このトピックに記載されている内容と異なる場合があります。 |
エディターの機能
構文の色分け表示 |
コード ファイルやマークアップ ファイルでは、他と区別するために一部の構成要素が色分け表示されます。たとえば、キーワード (C# の using、Visual Basic の Imports など) に使用される色と、型 Console、Uri など) に使用される色は異なります。文字列リテラルやコメントなど、他の構文要素も色分け表示されます。C++ では、型、列挙、マクロ、およびその他のトークンの中で区別するための色が使用されています。 [ツール] メニューから開くことができる [フォントおよび色] ([オプション] ダイアログ ボックス - [環境])では、各型の既定の色を確認し、特定の構成要素の色を変更することができます。 |
エラー マークと警告マーク |
コードを追加してソリューションを作成する際に、コードにさまざまな色の波線が表示されることがあります。これらのマークは、Visual Studio によってコード内で検出された問題を示しています。たとえば、赤い波線は構文エラー、青い波線はコンパイル エラー、緑の波線は警告、紫色の波線はその他の種類のエラーを示しています。これらは、たとえば Visual Basic の rude 編集用に使用されます。rude 編集とは、エディット コンティニュで行われた、コンパイル エラーにつながる変更です。 各エラーおよび警告の波線については、既定の色を [ツール]、[オプション]、[環境]、[フォントおよび色] の順にクリックして開くダイアログ ボックスで確認できます。[構文エラー]、[コンパイル エラー]、[警告]、および [その他のエラー] を探してください。 |
中かっこの一致 |
コード ファイル内の開いている始め中かっこ内に挿入ポイントがある場合、始め中かっこと終わり中かっこの両方が強調表示されます。この機能により、中かっこの配置ミスや不足を直ちに知ることができます。かっこの一致のオンとオフを切り替えるには、[区切り記号を自動強調表示する] ([ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]) の設定を使用します。強調表示色を変更するには、[フォントおよび色] ([ツール]、[オプション]、[環境]) を使用します。[かっこの一致 (強調表示)] または [かっこの一致 (四角形)] を探してください。 |
[行番号] |
行番号はコード ウィンドウの左余白に表示できます。これらは、既定では表示されません。このオプションを有効にするには、テキスト エディターの [すべての言語] ([ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]、[すべての言語]) の設定を使用します。各言語 ([ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]、[<言語>]) の設定を変更することで、個々のプログラミング言語で行番号を表示できます。印刷時に行番号を含めるには、[印刷] ダイアログ ボックスで、[行番号を入れる] を選択する必要があります。 |
変更の追跡 |
左余白の色を使用すると、ファイルに対する変更を追跡することができます。ファイルを開いてから保存していない変更は、左余白 (選択余白と呼ばれます) に黄色バーで示されます。変更を保存した後 (ファイルを閉じる前) は、バーが緑色に切り替わります。ファイルを保存した後で変更を元に戻すと、バーはオレンジ色に切り替わります。この機能のオンとオフを切り替えるには、[テキスト エディター] ([ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]) の設定の [変更履歴を記録する] オプションを変更します。 |
コードおよびテキストの選択 |
テキストは、標準の連続ストリーム モードか、ボックス モード (行単位ではなく、テキストを四角形で部分的に選択する) で選択できます。ボックス モードで選択を行うには、Alt キーを押しながらマウスをドラッグします (または、Alt キーと Shift キーを押しながら <方向キー> を押します)。選択範囲の先頭の文字から最後の文字までの四角形で囲まれた範囲に入っているすべての文字が選択されます。選択した領域に入力した、または貼り付けた内容が、各行の同じ位置に挿入されます。 |
ズーム |
どのコード編集ウィンドウでも、Ctrl キーを押しながらマウスのスクロール ホイールを回転させると、簡単に表示を拡大縮小することができます (または、Ctrl + Shift + . で拡大、Ctrl + Shift + で縮小)。また、コード ウィンドウの左下隅にあるズーム ボックスを使用すると、特定のズーム倍率を設定できます。ズーム機能は、ツール ウィンドウでは使用できません。 |
仮想空白文字 |
既定では、Visual Studio エディター内の行末は、最後の文字の直後になります。このため、行末で右方向キーが押されると、カーソルが次の行の先頭に移動します。他のエディターには、行末が最後の文字の直後ではないものもあります。この場合は、カーソルを行内の任意の位置に置くことができます。エディターの仮想空白文字を有効にするには、[ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]、[すべての言語] の設定を使用します。[仮想空白を使用] と [右端で折り返す] のうち、いずれかのみを有効にすることができます。 |
印刷 |
ファイルの印刷時に行番号を含める場合や、コードの折りたたまれた領域を非表示にするには、[印刷] ダイアログ ボックスのオプションを使用します。[ページ設定] ダイアログ ボックスで [ページ ヘッダー] を選択すると、ファイルの完全パスと名前を印刷できます。 カラー印刷オプションを設定するには、[ツール]、[オプション]、[環境]、[フォントおよび色] の順にクリックして開くダイアログ ボックスを使用します。[設定の表示] ボックスの一覧の [プリンター] をクリックしてカラー印刷をカスタマイズします。ファイルの印刷用には、ファイルの編集用とは異なる色を指定できます。 |
全体的な操作を元に戻す/やり直す |
複数ファイルに影響する全体的な操作を元に戻すかやり直すには、[編集] メニューの [直前の全体的な操作を元に戻す] または [直前の全体的な操作をやり直す] を使用します。全体的な操作には、クラスや名前空間の名前の変更、ソリューション間での検索置換操作、データベースのリファクタリング、複数のファイルを変更するなどの操作があります。現在の Visual Studio セッション中に、全体的に元に戻すコマンドと全体的にやり直すコマンドを操作に適用できます。これは、元の操作を適用したソリューションを閉じた後でも実行できます。 |
詳細な編集機能
[編集]、[詳細設定] サブメニューには、多数の詳細機能があります。これらの機能のうち、コード ファイル種類によっては、使用できないものもあります。
ドキュメントのフォーマット |
ドキュメント内で、コード行に適切なインデントを設定し、中かっこを移動して行を区切ります。 |
[書式の選択] |
選択範囲内で、コード行に適切なインデントを設定し、中かっこを移動して行を区切ります。 |
選択した行でのタブ化 |
適切な箇所で、先頭の空白をタブに変換します。 |
選択した行でのタブ化解除 |
先頭のタブを空白に変換します。ファイル内のすべての空白をタブに変換 (または、すべてのタブを空白に変換) する場合は、Edit.ConvertSpacesToTabs コマンドまたは Edit.ConvertTabsToSpaces コマンドを使用できます。これらのコマンドは、Visual Studio のメニューには表示されませんが、クイック アクセス ウィンドウまたはコマンド ウィンドウから呼び出すことができます。 |
[大文字に変換] |
選択範囲内のすべての文字を大文字に変更します。範囲が選択されていない場合は、カーソル位置の文字をまたは大文字に変更します。 |
小文字に変換 |
選択範囲内のすべての文字を小文字に変更します。範囲が選択されていない場合は、カーソル位置の文字をまたは小文字に変更します。 |
ドキュメントの検証 |
JScript コード ファイルを検証します。 |
左右スペースの削除 |
現在の行の末尾にあるタブまたは空白を削除します。 |
スペースの表示 |
空白を中黒、タブを矢印として表示します。ファイルの末尾は四角形の記号として表示されます。[ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]、[すべての言語]、[右端の折り返しの記号を表示する] が選択されている場合は、その記号も表示されます。 |
[右端で折り返す] |
ドキュメント内のすべての行が見えるように、コード ウィンドウ内に収めます。[右端で折り返す] を無効にするには、テキスト エディターの [すべての言語] ([ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]、[すべての言語]) の設定を使用します。 |
選択範囲のコメント解除 |
選択項目または現在の行にコメント文字を追加します。 |
選択範囲のコメント |
選択項目または現在の行からコメント文字を削除します。 |
行インデント |
選択された行または現在の行にタブ (または同等の空白) を追加します。 |
行インデント解除 |
選択された行または現在の行からタブ (または同等の空白) を削除します。 |
タグの選択 |
タグが含まれるドキュメント (XML、HTML など) で、タグを選択します。 |
タグ内容の選択 |
タグが含まれるドキュメント (XML、HTML など) で、内容を選択します。 |
コード ウィンドウ内の移動
ドキュメント内では、複数の方法で移動できます。アクティブなドキュメント内では、標準的な操作に加えて、ツール バーの [前に戻る] ボタン (または Ctrl + マイナス記号 (-)) および [次に進む] ボタン (または Ctrl + Shift + マイナス記号 (-)) を使用することにより、カーソルを前にあった位置に戻すことも、それより後にあった位置に進めることもできます。これらのボタンでは、最近のカーソル位置が 20 個まで保持されます。
また、コード ウィンドウの強化されたスクロール バーを使用すると、コード全体を見渡すことができます。詳細については、「方法: ScrollBar のカスタマイズによるコードの追跡」を参照してください。
次のコマンドは、コード特有のナビゲーションに使用できます。
<行番号> にジャンプ |
([編集]、[ジャンプ] または Ctrl + G): アクティブなドキュメント内の特定の行番号に移動します。 |
移動 |
([編集]、[移動] または Ctrl + ,): アクティブなソリューション内でシンボルまたはファイルを検出します。これにより、クエリから一致結果の適切なセットを選択できます。シンボルを複数のキーワードに分ける Camel 形式およびアンダースコア文字を利用することで、シンボルに含まれているキーワードを検索できます。 |
[すべての参照の検索] |
(コンテキスト メニュー): ソリューション内で選択された要素へのすべての参照を検出します。 |
[定義へ移動] |
(コンテキスト メニューまたは F12): 選択された要素の定義を検出します。 |
定義をここに表示 |
(コンテキスト メニューまたは Alt + F12): 選択された要素の定義を検出し、ポップアップ ウィンドウに表示します。詳細については、「方法: [定義をここに表示] を使用してコードを表示および編集する (Alt + F12)」を参照してください。 |
次のメソッド、前のメソッド |
([編集]、[次のメソッド]、[前のメソッド]): Visual Basic コード ファイル内でカーソルをメソッド間で移動するには、これらのコマンドを使用します。 |
参照の強調表示 |
ソース コードでシンボルをクリックすると、ドキュメント内にあるそのシンボルのすべてのインスタンスが強調表示されます。強調表示されるシンボルとしては、宣言や参照のほかに、[すべての参照の検索] によって返されるその他多数のシンボルも対象となります。これらには、クラス、オブジェクト、変数、メソッド、プロパティなどの名前があります。Visual Basic コードでは、多くの制御構造のキーワードも強調表示されます。強調表示された次のシンボル、または前のシンボルに移動するには、Ctrl キーと Shift キーを押しながら下方向キーを押すか、Ctrl キーと Shift キーを押しながら上方向キーを押します。強調表示色を変更するには、[ツール]、[オプション]、[環境]、[フォントおよび色]、[強調表示された参照] を使用します。 |
コード関連情報の確認 |
コード エディターの CodeLens を使用すると、特定のコードに関する情報 (コードの変更内容、変更者、参照、バグ、作業項目、コード レビュー、単体テストの状態など) を確認できます。Visual Studio Ultimate with Team Foundation Server を使用する場合、CodeLens はヘッドアップ ディスプレイのように機能します。「CodeLens によるコード変更とその他の履歴の検索」を参照してください。 |
また、ナビゲーション バーを使用してコード ファイル内を移動することもできます。ナビゲーション バーは、コード ウィンドウの上部に 2 つのドロップダウン ボックスとして表示されます。ナビゲーション バーを使用すると、特定の型または型のメンバーに直接移動できます。ナビゲーション バーは、Visual Basic、C#、および C++ コード ファイルで表示されます。
ナビゲーション バーを非表示にするには、テキスト エディターの [すべての言語] ([ツール]、[オプション]、[テキスト エディター]、[すべての言語]) の設定で [ナビゲーション バー] オプションを変更するか、個々の言語について設定を変更します。ドロップダウン ボックス内では、次のように移動できます。
コード ウィンドウからナビゲーション バーにフォーカスを移動するには、ショートカット キー (Ctrl + F2) を押します。
ナビゲーション バーからコード ウィンドウにフォーカスを戻すには、Esc キーを押します。
ナビゲーション バーの項目間でフォーカスを切り替えるには、Tab キーを押します。
ナビゲーション バーでフォーカスのある項目を選択して IDE に戻るには、Enter キーを押します。
クラスまたは型に移動するには、左のドロップダウン内で名前をクリックします。
クラス内のプロシージャに直接移動するには、右のドロップダウン内でプロシージャをクリックします。
部分クラスでは、現在のコード ファイル以外で定義されているメンバーは淡色表示されます。
エディターのカスタマイズ
[設定のインポートとエクスポート]: [ツール] メニューの [設定のインポートとエクスポート ウィザード] を使用すると、設定を他の開発者と共有することも、設定を標準に準拠させることも、Visual Studio の既定の設定に戻すこともできます。全般設定または言語固有とプロジェクト固有の設定を変更することができます。
[キーボード マップ]: [ツール]、[オプション]、[環境]、[キーボード] の設定を使用すると、新しいアクセス キーを定義することも、既存のアクセス キーを再定義することもできます。アクセス キーの詳細については、「定義済みショートカット キー」を参照してください。
言語固有のエディター オプションについては、次のトピックを参照してください。