分散スキャン サーバーをインストールする
適用対象: Windows Server 2012
このガイドでは、Windows Server 2012 を実行する 1 台のコンピューターで分散スキャン サーバーをインストールして構成する方法について説明します。 分散スキャン サーバーはサーバーの役割の 1 つであり、印刷とドキュメント サービスのサーバーの役割に含まれています。 分散スキャン サーバーを使用すると、より簡単に組織内のドキュメント プロセスを自動化し、ネットワーク スキャナーの共有と管理を一元的に行うことができます。
重要
コンピューターに分散スキャン サーバーをインストールするには、そのコンピューターがドメインのメンバーであることが必要です。
プリント サーバーの詳細については、「印刷とドキュメント サービスの概要」を参照してください。
Windows Server 2012 でのスキャン サーバーの新機能として、スキャン サーバーへの接続用に Kerberos ユーザー認証がサポートされるようになりました。 また、スキャン プロセスを追加するとき、スキャナーでのユーザーによるドキュメント名の入力を許可するオプション、さらに、ユーザーの電子メールにスキャンのコピーを送信するオプションも新たに加わりました。
重要
分散スキャン サーバーの役割には、分散スキャン管理 (DSM) をサポートするスキャナーが必要です。Windows Server 2012 は DSM を実装し、Web Services on Devices (WSD) テクノロジを使用してスキャン デバイスをシステムに統合します。 DSM をサポートする使用可能なスキャナーの一覧については、「分散スキャン管理 (DSM) スキャナー」を参照してください。 DSM の詳細については、MSDN テクニカル ライブラリの分散スキャン管理 (DSM) に関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=204841) を参照してください。
役割と機能の追加ウィザードを使用して役割サービスをインストールできます。 ただし、ウィザードを完了した後、ネットワーク スキャナーを個別に追加、共有、構成する必要があります。 そのインストール時、関連する Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップイン、サービス、その他のツールもインストールされます。 これらのツールを使用して、その他の共有と構成のタスクを実行できます。
重要
分散スキャン サーバーには、フル インストールが必要です。 Server Core インストールまたは最小サーバー インターフェイス インストールでは分散スキャン サーバーをインストールすることはできません。 サーバー インストール オプションの詳細については、「Windows Server インストール オプション」を参照してください。
このトピックで説明しているすべてのタスクを実行するには、Administrators グループのメンバーであるか、適切な権限が委任されている必要があります。 ユーザーとグループのアクセス許可の構成の詳細については、スキャン サーバーに関する「スキャン ユーザーおよびグループのアクセス許可を変更する」 (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=171019) を参照してください。
このガイドは次のセクションで構成されます。
手順 1: ソフトウェアをインストールする
手順 2: サーバーを構成する
手順 3: スキャン デバイスを追加および共有する
手順 1: ソフトウェアをインストールする
サーバー マネージャーの役割と機能の追加ウィザードを使用して、印刷とドキュメント サービスの役割 (分散スキャン サーバーの役割サービスに必要)、関連の役割サービス、MMC スナップイン、ツールをインストールできます。
次の MMC スナップインがインストールされます。
印刷の管理。 このスナップインにより、プリンター、印刷キュー、プリンター ドライバー、プリンター接続を管理できます。
スキャン管理。 このスナップインにより、スキャナーとスキャン プロセスを管理できます。 スキャン プロセスでは、スキャンしたドキュメントを処理する方法を定義し、それらのドキュメントをネットワーク フォルダー、SharePoint サイト、電子メール受信者にルーティングできます。 リモート管理はサポートされていません。 分散スキャン サーバーの管理はローカル コンソールから行う必要があります。
重要
分散スキャン サーバーの役割には、分散スキャン管理 (DSM) をサポートするスキャナーが必要です。Windows Server 2012 は DSM を実装し、Web Services on Devices (WSD) テクノロジを使用してスキャン デバイスをシステムに統合します。 DSM の詳細については、MSDN テクニカル ライブラリの分散スキャン管理 (DSM) に関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=204841) を参照してください。
これらのスナップインを使用して、ネットワーク プリンターとスキャン プロセスへのアクセスやそれらの使用に必要なセキュリティ アクセス許可をユーザーとグループ用に定義することもできます。
印刷とドキュメント サービスの役割をインストールするには
タスク バーで [サーバー マネージャー] をクリックします。
ダッシュボードで [役割と機能の追加] をクリックします。
役割と機能の追加ウィザードの [開始する前に] ページで、[次へ] をクリックします。
[インストールの種類の選択] ページで、[役割ベースまたは機能ベースのインストール] が選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。
[対象サーバーの選択] ページで、対象サーバーが選択されていることを確認し、[次へ] をクリックします。
[サーバーの役割の選択] ページで [印刷とドキュメント サービス] をクリックし、[機能の追加] をクリックして、[次へ] をクリックします。
[印刷とドキュメント サービス] の概要ページで、[次へ] をクリックします。
[機能の選択] ページで、[次へ] をクリックします。
[役割サービスの選択] ページで、[分散スキャン サーバー] チェック ボックスをオンにし、[プリント サーバー] チェック ボックスがオンになっていることを確認したら、[次へ] をクリックします。
[インストール オプションの確認] ページで、[インストール] をクリックします。
[閉じる] をクリックしてウィザードを閉じてから、サーバーを再起動します。
手順 2: サーバーを構成する
サーバーの構成の一部はインストール中に行います。 ただし、インストール後の構成を行う環境には、次のいくつかの問題が当てはまる場合があります。
Web Services on Devices (WSD) プリンターおよびスキャナーを検出して、ネットワーク上でそれらを表示および監視するには、ネットワーク検出を有効にする必要があります。 WSD プリンターを検出するには、デバイス関連付けサービスが実行中であることも必要です。
スキャン プロセスを実行するには、書き込みと一覧表示のアクセス許可が必要です。 Active Directory ドメイン サービス (AD DS) に保存されたスキャン プロセスを読み取るには、読み取りアクセス許可が必要です。 分散スキャン サーバー サービス アカウントから不要なアクセス許可を削除することを検討する必要があります。
このセクションでは、次の手順について説明します。
ネットワーク上の WSD プリンターおよびスキャナーを検出するには
スキャン サーバーの設定を構成するには
ネットワーク上の WSD プリンターおよびスキャナーを検出するには
プリンターとスキャナーのネットワーク検出を有効にするには、[スタート] チャームを右クリックし、[コントロール パネル]、[ネットワークとインターネット] の順にクリックします。
[ネットワークとインターネット] ページで、[ネットワークと共有センター] をクリックします。
[ネットワークと共有センター] ページで、[共有の詳細設定の変更] をクリックします。
[共有の詳細設定] ページで、[ドメイン] のドロップダウン矢印をクリックし、[ネットワーク探索を有効にする] をクリックして、[変更の保存] をクリックします。
デバイス関連付けサービスを起動するには、[スタート] チャームを右クリックし、[コンピューターの管理] をクリックします。その後、[サービスとアプリケーション] で [サービス] をクリックします。
中央のウィンドウで、[デバイス関連付けサービス] を右クリックし、[開始] をクリックします。
スキャン サーバーの設定を構成するには
サーバー マネージャーを開きます。
重要
分散スキャン サーバーの役割には、分散スキャン管理 (DSM) をサポートするスキャナーが必要です。Windows Server 2008 R2 は DSM を実装し、Web Services on Devices (WSD) テクノロジを使用してスキャン デバイスをシステムに統合します。 DSM の詳細については、MSDN テクニカル ライブラリの分散スキャン管理 (DSM) に関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=204841) を参照してください。
メニュー バーで、通知フラグをクリックします。 分散スキャン サーバーの展開後の通知が表示されます。 [追加の構成を行います] をクリックします。 スキャン管理コンソールが開きます。
左側のウィンドウで [スキャン サーバー] が選択されていることを確認します。 右側のウィンドウの [操作] で [ローカル スキャン サーバーの構成] をクリックします。スキャン サーバーの構成ウィザードが開きます。
スキャン サーバーの構成ウィザードの指示に従って、スキャン サーバーのサービス アカウント、電子メール サーバーの情報、一時スキャン フォルダーとそのサイズ、SSL 暗号化証明書、セキュリティ設定オプション用のユーザー認証 (Kerberos またはクライアント証明書) を変更します。
重要
セキュリティ設定オプション用に [ユーザー認証を必須にする] を選択した場合は、Active Directory のスキャン サーバーのコンピューター オブジェクトに対する書き込みアクセス許可が Scan Operators グループにあることを確認する必要があります。 これを行うには、次の手順を使用します。
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[Active Directory ユーザーとコンピューター] を開きます。
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[表示]、[拡張機能] の順にクリックします。
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ドメインを展開したら、スキャン サーバー コンピューターの配置場所に応じて、コンピューターまたはドメイン コントローラー フォルダーのいずれかを展開します。
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スキャン サーバー コンピューター アカウントを見つけ、それを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。
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[セキュリティ] タブをクリックし、[追加] をクリックします。
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[選択するオブジェクト名を入力してください] ボックスに「scan」と入力し、[名前の確認] をクリックします。 Scan Operators グループがテキスト ボックスに表示されます。 [OK] をクリックします。
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Scan Operators のアクセス許可の領域で、[書き込み] チェック ボックスをオンにし、[OK] をクリックします。
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[Active Directory ユーザーとコンピューター] を閉じます。
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スキャン サーバーの構成後、Windows Server 2003 または Windows Server 2008 ドメイン環境がある場合は、Active Directory のスキーマ拡張機能の LDF ファイルをドメイン コントローラーにダウンロードします。 このファイルは、Microsoft ダウンロード センターにアクセスして Windows Server 2008 R2 分散スキャン管理の Active Directory スキーマ更新プログラムに関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=150121) から入手できます。 この LDF ファイルにより、AD DS スキーマがスキャン プロセス コンテナー オブジェクトを含むように拡張されます。 スキャン プロセス情報は AD DS に保存されます。 このスキーマの適用後、ドメインにセットアップしたスキャン サーバーは新しいスキーマで動作します。
注意
この構成プロセスの実行中、証明書が必要になります。 スキャン サーバーに接続しているクライアントとデバイスによって信頼されている証明機関 (CA) が発行した証明書を選択してください。 証明書のサブジェクト名は、スキャン サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) と一致する必要があります。
注意
スキャンしたドキュメントを SharePoint サイトに配信するスキャン プロセスを定義する場合は、ウィザードで SharePoint の URL を手動で入力する必要があります。ブラウザーのアドレス バーから SharePoint の URL をコピーして貼り付けることはできません。 また、スキャン プロセスの数をエンド ユーザーが管理できる数に制限することをお勧めします。 定義するスキャン プロセスが多すぎると、エンド ユーザーが混乱することがあります。
手順 3: スキャン デバイスを追加および共有する
この時点で、デバイスを追加および共有できるようになりました。
MMC スナップインを使用して、サーバーと同じサブネットにあるプリンターとスキャナーを管理できます。
スキャン管理スナップインを使用して、ネットワーク上の管理対象のスキャナーを追加できます。 リモート管理はサポートされていません。 スキャン サーバーの管理はローカル コンソールから行う必要があります。
注意
WSD プリンターを追加するには、ネットワーク検出が既に有効になっている必要があります。 手順については、このドキュメントの「ネットワーク上の WSD プリンターおよびスキャナーを検出するには」を参照してください。
ネットワーク スキャナーをスキャン サーバーに追加するには
[スタート] チャームをクリックし、[スキャン管理] をクリックします。
重要
分散スキャン サーバーの役割には、分散スキャン管理 (DSM) をサポートするスキャナーが必要です。Windows Server 2012 は DSM を実装し、Web Services on Devices (WSD) テクノロジを使用してスキャン デバイスをシステムに統合します。 DSM をサポートする使用可能なスキャナーの一覧については、「分散スキャン管理 (DSM) スキャナー」を参照してください。 DSM の詳細については、MSDN テクニカル ライブラリの分散スキャン管理 (DSM) に関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=204841) を参照してください。
左側のウィンドウで、[スキャン管理] をクリックし、[管理対象のスキャナー] を右クリックして [管理] をクリックします。
スキャナーを追加するには、[スキャナーの追加または削除] ダイアログ ボックスで、スキャナーのホスト名、IP アドレス、または URI を入力して [追加] をクリックします。
注意
スキャナーは WSD をサポートしている必要があります。 TCP/IP および USB スキャナーはサポートされていません。
その他の資料
詳細については、Microsoft Web サイトで次の情報を参照してください。
印刷およびドキュメント サービスについては、「印刷とドキュメント サービスの概要」を参照してください。
FAX サーバーについては、「FAX サーバーのステップ バイ ステップ ガイド」を参照してください。
Microsoft および業界のプロフェッショナルの意見を読んだり、プロフェッショナルと意見交換したりするには、Windows Server フォーラム内の印刷/FAX のフォーラム (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=171028) を参照してください。
スキャナーとプリンターの WSD については、印刷およびスキャン用の Web Services on Devices の実装に関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=144068) を参照してください。