マイクロソフト セキュリティ情報 MS13-091 - 重要
Microsoft Office の脆弱性により、リモートでコードが実行される (2885093)
公開日: 2013年11月13日
バージョン: 1.0
概説
概要
このセキュリティ更新プログラムは、非公開で報告された 3件の Microsoft Office に存在する脆弱性を解決します。この脆弱性が悪用された場合、Microsoft Office ソフトウェアの影響を受けるバージョンで特別に細工された WordPerfect の文書ファイルが開かれると、リモートでコードが実行される可能性があります。攻撃者により、最も深刻な脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
このセキュリティ更新プログラムは、サポートされているエディションの Microsoft Office 2003、Microsoft Office 2007、Microsoft Office 2010、Microsoft Office 2013、および Microsoft Office 2013 RT について、深刻度「重要」と評価されています。詳細情報については、このセクションの「影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア」のサブセクションを参照してください。
このセキュリティ更新プログラムは Microsoft Office ソフトウェアが特別に細工されたファイルを解析する方法を修正することにより、この脆弱性を排除します。これらの脆弱性の詳細については、次の「脆弱性の情報」のセクションの特定の脆弱性に関するサブセクション「よく寄せられる質問 (FAQ)」を参照してください。
推奨する対応策: お客様は Microsoft Update サービスを使用して Microsoft Update からオンラインで更新プログラムをチェックするための自動更新を構成することができます。Microsoft Update から更新プログラムをオンラインでチェックするために自動更新を有効にし、構成しているお客様は、通常このセキュリティ更新プログラムは自動でダウンロードおよびインストールされるため、特に操作をする必要はありません。自動更新を有効にしていない場合、この更新プログラムを手動で Microsoft Update で確認し、インストールする必要があります。自動更新の具体的な構成オプションの詳細については、 サポート技術情報 294871 を参照してください。
管理者およびエンタープライズのインストール、またはこのセキュリティ更新プログラムを手動でインストールしたいエンドユーザーは、更新プログラムの管理ソフトウェアまたは Microsoft Update サービスで更新プログラムを確認して、この更新プログラムをできる限り早期に適用することを推奨します。
このセキュリティ情報の後半の「検出および展開ツールとガイダンス」を参照してください。
サポート技術情報
サポート技術情報 | 2885093 |
---|---|
ファイルに関する情報 | あり |
SHA1/SHA2 ハッシュ | あり |
既知の問題 | なし |
影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア
ここに記載されているソフトウェアをテストし、影響を受けるバージョンまたはエディションを確認しました。その他のバージョンまたはエディションはサポート ライフサイクルが終了したか、または影響を受けません。ご使用中のソフトウェアのバージョンまたはエディションのサポート ライフサイクルを確認するには、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。
影響を受けるソフトウェア
Microsoft Office スイートおよびその他のソフトウェア | 最も深刻な脆弱性の影響 | 総合的な深刻度 | 置き換えられる更新プログラム |
---|---|---|---|
Microsoft Office 2003 | |||
[Microsoft Office 2003 Service Pack 3](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=6ed9095a-de88-4354-9bf4-4432fd9594fa) (ファイル コンバーター) (2760494) | リモートでコードが実行される | 重要 | [MS09-073](https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=163833) の 975051 |
Microsoft Office 2007 | |||
[Microsoft Office 2007 Service Pack 3](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=ee32a48f-2eb0-4267-a52a-a27138a801b8) (ファイル コンバーター) (2760415) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
Microsoft Office 2010 | |||
[Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=af058c6d-5655-44da-97b0-a3c9441332b4) (ファイル コンバーター) (2553284) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=a74aebe9-1b09-48ae-b5f5-da078d0b0cb7) (校正ツール) (2760781) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=af058c6d-5655-44da-97b0-a3c9441332b4) (ファイル コンバーター) (2553284) | 対象外 [1] | 深刻度なし | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=a74aebe9-1b09-48ae-b5f5-da078d0b0cb7) (校正ツール) (2760781) | 対象外 [1] | 深刻度なし | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=84f1fae7-3208-4d91-9f62-30a55f99da43) (ファイル コンバーター) (2553284) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=65432bd6-68c3-4f2a-a305-4c1c9fe17c81) (校正ツール) (2760781) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=84f1fae7-3208-4d91-9f62-30a55f99da43) (ファイル コンバーター) (2553284) | 対象外 [1] | 深刻度なし | なし |
[Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=65432bd6-68c3-4f2a-a305-4c1c9fe17c81) (校正ツール) (2760781) | 対象外 [1] | 深刻度なし | なし |
Microsoft Office 2013 | |||
[Microsoft Office 2013 (32 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=d26026a8-ddb4-41ff-bad2-6df8e3e7d6de) (ファイル コンバーター) (2768005) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
[Microsoft Office 2013 (64 ビット版)](https://www.microsoft.com/download/ja-jp/details.aspx?familyid=24ed8a9f-d651-4e0d-a5d9-172310fea378) (ファイル コンバーター) (2768005) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
Microsoft Office 2013 RT[2] (ファイル コンバーター) (2768005) | リモートでコードが実行される | 重要 | なし |
[2] この更新プログラムは、Windows Update を通じてのみ入手可能です。
影響を受けないソフトウェア
Office およびその他のソフトウェア |
---|
Microsoft Office 互換機能パック Service Pack 3 |
Microsoft Office for Mac 2011 |
更新プログラムに関する FAQ
一部の影響を受けるソフトウェアについて、複数の更新プログラム パッケージがあります。「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されているすべての更新プログラムをソフトウェアにインストールする必要がありますか?
はい。お客様は、各システムにインストールされているソフトウェア向けに提供されている、すべての更新プログラムを適用する必要があります。
これらのセキュリティ更新プログラムは、特別な順番でインストールする必要がありますか?
いいえ。1 つのバージョンの Microsoft Office ソフトウェア用の複数の更新プログラムは、どのような順番でも適用できます。
システムにインストールしていないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか?
Microsoft Office の更新プログラムに関するサービス モデルが原因で、システムにインストールしていないソフトウェアに対応する更新プログラムが提供される可能性があります。たとえば、Office の特定の製品をインストールしていない場合でも、その Microsoft Office 製品に対応する更新プログラムが提供される可能性があります。この動作と推奨事項の詳細については、 マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。
「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか?
更新プログラムが、複数の Microsoft Office 製品間で共有されているか同じ Microsoft Office 製品の複数のバージョン間で共有されているコンポーネントに存在する、脆弱性の影響を受けるコードに対応する場合、その更新プログラムは、脆弱性の影響を受けるコンポーネントが含まれるすべてのサポートされる製品およびバージョンに適用可能であると見なされます。
たとえば、更新プログラムが Microsoft Office 2007 製品に適用される場合は、Microsoft Office 2007 のみが「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されている可能性があります。しかしその更新プログラムは、「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていない Microsoft Word 2007、Microsoft Excel 2007、Microsoft Visio 2007、Microsoft 互換機能パック、Microsoft Excel Viewer、その他の Microsoft Office 2007 製品に適用される可能性があります。
たとえば、更新プログラムが Microsoft Office 2010 製品のみに適用される場合は、Microsoft Office 2010 が「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されている可能性があります。しかしその更新プログラムは、「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていない Microsoft Word 2010、Microsoft Excel 2010、Microsoft Visio 2010、Microsoft Visio Viewer、その他の Microsoft Office 2010 製品に適用される可能性があります。
この動作と推奨事項の詳細については、 マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。更新プログラムが適用される可能性のある Microsoft Office 製品については、特定の更新プログラムに関連するサポート技術情報を参照してください。
脆弱性の影響を受けないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます 。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか?
場合によっては、「影響を受けないソフトウェア」の表に記載されている、あるいは「影響を受けるソフトウェア」の表でセキュリティ上の影響について「対象外」と記載のある Office 製品に更新プログラムが適用される場合があります。たとえば、インストール済みの Office 製品または Office 製品のバージョンが影響を受けないとこのセキュリティ情報に記載されている場合でも、Microsoft Office のセキュリティ更新プログラムが提供されることがあります。詳細については、 マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。
影響を受けないソフトウェアに更新プログラムが提供される場合がありますが、提供された更新プログラムを適用しないことで、システムのセキュリティ リスクが高くなるということはありません。ただし、マイクロソフトはユーザーのシステムに提供される更新プログラムはすべてインストールすることを推奨します。これは、複数の Office 製品で共有ファイルの一貫性を維持するのに役立ちます。場合によっては、影響を受けないソフトウェアの更新プログラムが、システム上の該当ファイルは既に最新の状態であると検出し、その結果としてファイルのインストールが必要ないこともあります。
影響を受けないバージョンの Microsoft Office ソフトウェアに更新プログラムを提供するのは、Microsoft Office の更新プログラムのサービス モデルに問題があるということですか?
いいえ。サービス モデルは、Microsoft Office ソフトウェアの共有コンポーネントに更新プログラムが適用されるしくみに基づいています。更新プログラムが提供されている一部の製品は、脆弱性の影響を受けるコードにアクセスしない可能性があります。その場合、そのソフトウェアは脆弱性の影響を受けません。ただし、更新のメカニズムは正しく機能しています。お使いのシステム上で、この更新プログラムの適用対象範囲に含まれる製品バージョンが検出されたため、この更新プログラムが提供されます。これは、複数の Office 製品で共有ファイルの一貫性を維持するのに役立ちます。
なぜこの更新プログラムはいくつかの報告されたセキュリティ上の脆弱性を解決するのですか?
これらの問題を解決するために必要な変更が関連するファイルに存在するため、この更新プログラムはいくつかの脆弱性を解決します。
このセキュリティ情報で説明しているソフトウェアの旧バージョンを使用しています。どうすればよいですか?
このセキュリティ情報の一覧の影響を受けるソフトウェアのテストを行い、影響を受けるリリースを確認しました。その他のリリースは、サポート ライフサイクルが終了しました。製品のライフサイクルに関する詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。
今後、脆弱性の影響を受けないようにするため、旧リリースのソフトウェアを使用しているお客様は、サポート対象のリリースに移行することを強く推奨します。使用するソフトウェアのサポート ライフサイクルを確認するには、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。これらのソフトウェアのリリースのサービス パックの詳細については、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。
以前のソフトウェアに関するカスタム サポートが必要なお客様は、担当営業、またはマイクロソフト アカウント チームの担当者、担当テクニカル アカウント マネージャー (TAM)、またはカスタム サポート オプションのマイクロソフト パートナー担当者までご連絡ください。プレミア契約をお持ちでないお客様は、マイクロソフト サポート契約センター (営業時間 9:30-12:00 13:00-19:00 土日祝祭日を除く TEL:0120-17-0196 FAX:03-5388-8253) までお問い合わせください。連絡先の情報は、Microsoft Worldwide Information Web サイトの Contact Information のプルダウン リストから国を選択し、[Go] ボタンをクリックすると、連絡先の電話番号が表示されます。お問い合わせの際、お住まいの地域のプレミア サポート営業担当にご連絡ください。詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシー FAQ を参照してください。
脆弱性の情報
深刻度および脆弱性識別番号
次の深刻度の評価は、脆弱性の影響が最も深刻な場合を想定しています。深刻度の評価およびセキュリティ上の影響に関連して、このセキュリティ情報の公開から 30 日間でこの脆弱性が悪用される可能性に関する情報については、11 月のセキュリティ情報の概要の Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。詳細については、Microsoft Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。
影響を受けるソフトウェア | WPD ファイル形式のメモリ破損の脆弱性 - CVE-2013-0082 | Word のスタック バッファー上書きの脆弱性 - CVE-2013-1324 | Word のヒープの上書きの脆弱性 - CVE-2013-1325 | 総合的な深刻度 |
---|---|---|---|---|
Microsoft Office 2003 | ||||
Microsoft Office 2003 Service Pack 3 | 重要 リモートでコードが実行される | 重要 リモートでコードが実行される | 重要 リモートでコードが実行される | 重要 |
Microsoft Office 2007 | ||||
Microsoft Office 2007 Service Pack 3 | 重要 リモートでコードが実行される | 重要 リモートでコードが実行される | 重要 リモートでコードが実行される | 重要 |
Microsoft Office 2010 | ||||
Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版) | 対象外 | 重要 リモートでコードが実行される | 対象外 | 重要 |
Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版) | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 深刻度なし |
Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版) | 対象外 | 重要 リモートでコードが実行される | 対象外 | 重要 |
Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版) | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 深刻度なし |
Microsoft Office 2013 | ||||
Microsoft Office 2013 (32 ビット版) | 対象外 | 重要 リモートでコードが実行される | 対象外 | 重要 |
Microsoft Office 2013 (64 ビット版) | 対象外 | 重要 リモートでコードが実行される | 対象外 | 重要 |
Microsoft Office 2013 RT | 対象外 | 重要 リモートでコードが実行される | 対象外 | 重要 |
WPD ファイル形式のメモリ破損の脆弱性 - CVE-2013-0082
影響を受ける Microsoft Office ソフトウェアが特別に細工された WordPerfect の文書 (.wpd) ファイルを処理する方法に、リモートでコードが実行される脆弱性が存在します。攻撃者がこの脆弱性の悪用に成功した場合、影響を受けるシステムを完全に制御する可能性があります。攻撃者は、その後、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除などを行ったり、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があります。
Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、CVE-2013-0082 を参照してください。
問題を緩和する要素
緩和する要素は、既定の状態における設定、一般的な構成または最善策を示し、脆弱性悪用の深刻度が下がる場合があります。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。
- この脆弱性は、電子メールを介して、自動的に悪用されることはありません。電子メール メッセージで送信された添付ファイルを開かない限り、攻撃は実行されません。
- Web ベースの攻撃のシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性の悪用を意図した特別に細工した WordPerfect の文書ファイルが含まれている Web サイトをホストする可能性があります。さらに、影響を受けた Web サイトおよびユーザー提供のコンテンツまたは広告を受け入れる、またはホストする Web サイトには、この脆弱性を悪用する可能性のある特別に細工されたコンテンツが含まれる可能性があります。しかし、すべての場合において、強制的にユーザーに攻撃者が制御するコンテンツを表示させたり特別に細工されたファイルを開かせたりすることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。一般的には、ユーザーに電子メール メッセージまたはインスタント メッセンジャーのメッセージ内のリンクをクリックさせ、攻撃者の Web サイトへユーザーを誘導した上で特別に細工したファイルを開かせるといった手口が使われます。
- この脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
回避策
回避策は、根本的な脆弱性を正すものではありませんが、更新プログラムを適用するまでの間、既知の攻撃方法の阻止に役立つ設定または構成の変更を示します。マイクロソフトは次の回避策をテストし、回避策が機能性を低下させるかどうかの情報を提供しています。
影響を受ける WordPerfect ファイル コンバーター (wpft632.cnv) へのアクセスを制限する
警告: このセキュリティ更新プログラムをインストールする前に、この回避策を実行する前の状態に戻す必要があります。
注: これらのコマンドを使用するには、管理者である必要があります。
Windows XP および Windows Server 2003
32-bit および 64-bit オペレーティング システムでは、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
echo y| cacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" /E /P everyone:N
さらに、64-bit オペレーティング システムの場合は、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
echo y| cacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" /E /P everyone:N
64-bit オペレーティング システム上の Office ソフトウェアの構成によっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2
32-bit および 64-bit オペレーティング システムでは、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
takeown /f "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" /save %TEMP%\wpft632_ACL.TXT icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" /deny everyone:(F)
さらに、64-bit オペレーティング システムの場合は、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
takeown /f "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" /save %TEMP%\wpft632_ACL32.TXT icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft632.cnv" /deny everyone:(F)
64-bit オペレーティング システム上の Office ソフトウェアの構成によっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
回避策の影響:これらのステップを実行した後、ユーザーは WordPerfect6 コンバーターを使用できなくなります。
回避策の解除方法:
Windows XP および Windows Server 2003 では、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
cacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\works632.cnv" /E /R everyone cacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\works632.cnv" /E /R everyone
Office ソフトウェアの構成およびオペレーティング システムのバージョンによっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2 では、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\works632.cnv" /grant everyone:(F) icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\" /restore %TEMP%\works632_ACL.TXT icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\works632.cnv" /grant everyone:(F) icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\" /restore %TEMP%\works632_ACL32.TXT
Office ソフトウェアの構成およびオペレーティング システムのバージョンによっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
信頼できない、または信頼できるソースから予期せず受け取った WordPerfect 文書ファイルを開かない
信頼できない、または信頼できるソースから予期せず受け取った WordPerfect 文書ファイルを開かないでください。ユーザーが特別な細工がされたファイルを開いた場合、この脆弱性が悪用される可能性があります。
よく寄せられる質問
この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか?
これはリモートでコードが実行される脆弱性です。
何が原因で起こりますか?
この脆弱性は、WordPerfect の文書 (.wpd) ファイルを処理するための Microsoft Office コンポーネントがメモリ内のオブジェクトを適切に処理しない場合に起こります。攻撃者が任意のコードを実行する方法でシステム メモリが破損する可能性があります。
この脆弱性を利用して、攻撃者は何を行う可能性がありますか?
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、現在のユーザーのコンテキストで任意のコードが実行される可能性があります。現在のユーザーが管理者ユーザー権限でログオンしている場合、攻撃者が影響を受けるコンピューターを完全に制御する可能性があります。攻撃者は、その後、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除などを行ったり、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
攻撃者はこの脆弱性を悪用するために、どのような方法を用いると考えられますか?
この脆弱性が悪用されるには、ユーザーが Microsoft Office ソフトウェアの影響を受けるバージョンで、特別に細工されたファイルを開くことが攻撃者にとっての必要条件となります。
電子メールの攻撃シナリオでは、攻撃者は特別に細工したファイルをユーザーに送信し、影響を受けるバージョンの Microsoft Office ソフトウェアでそのファイルを開くよう誘導することにより、この脆弱性を悪用する可能性があります。
Web ベースの攻撃のシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性の悪用を意図した特別に細工した WordPerfect の文書ファイルが含まれている Web サイトをホストする可能性があります。さらに、侵害された Web サイトやユーザー提供のコンテンツを受け入れたりホストしたりする Web サイトに、特別に細工したコンテンツが含まれていて、この脆弱性が悪用される可能性があります。攻撃者は、特別な細工がされた Web サイトにユーザーを強制的に訪問させ、特別に細工されたファイルを開かせることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。たとえば、ユーザーをだましてリンクをクリックさせ、自分の Web サイトに誘導した上で、影響を受けるバージョンの Microsoft Office ソフトウェアで特別に細工したファイルを開くように仕向けるといった手口が使われます。
主にどのようなコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか?
ワークステーションやターミナル サーバーなどの影響を受ける Microsoft Office ソフトウェアを使用しているコンピューターが主にこの脆弱性による危険にさらされます。管理者がユーザーにサーバーへのログオンおよびプログラムの実行を許可している場合、サーバーが影響を受ける可能性が高くなります。しかし、最善策では、これを許可しないことを強く推奨しています。
この更新プログラムはどのように問題を修正しますか?
この更新プログラムは Microsoft Office が特別に細工された WordPerfect の文書ファイルを解析する方法を修正することにより、この脆弱性を排除します。
このセキュリティ情報のリリース時に、この脆弱性は一般に公開されていたのですか?
いいえ。マイクロソフトは協調的な脆弱性の公開を通して、この脆弱性に関する情報を受けました。
このセキュリティ情報のリリース時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を受けていましたか?
いいえ。マイクロソフトは、このセキュリティ情報が最初に公開された際に、この脆弱性が一般で悪用され、お客様が攻撃されていたことを示す情報を受けていませんでした。
Word のスタック バッファー上書きの脆弱性 - CVE-2013-1324
影響を受ける Microsoft Office ソフトウェアが特別に細工された WordPerfect の文書ファイルを処理する方法に、リモートでコードが実行される脆弱性が存在します。攻撃者がこの脆弱性の悪用に成功した場合、影響を受けるシステムを完全に制御する可能性があります。攻撃者は、その後、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除などを行ったり、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、CVE-2013-1324 を参照してください。
問題を緩和する要素
緩和する要素は、既定の状態における設定、一般的な構成または最善策を示し、脆弱性悪用の深刻度が下がる場合があります。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。
- この脆弱性は、電子メールを介して、自動的に悪用されることはありません。電子メール メッセージで送信された添付ファイルを開かない限り、攻撃は実行されません。
- Web ベースの攻撃のシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性の悪用を意図した特別に細工した WordPerfect の文書ファイルが含まれている Web サイトをホストする可能性があります。さらに、影響を受けた Web サイトおよびユーザー提供のコンテンツまたは広告を受け入れる、またはホストする Web サイトには、この脆弱性を悪用する可能性のある特別に細工されたコンテンツが含まれる可能性があります。しかし、すべての場合において、強制的にユーザーに攻撃者が制御するコンテンツを表示させたり特別に細工されたファイルを開かせたりすることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。一般的には、ユーザーに電子メール メッセージまたはインスタント メッセンジャーのメッセージ内のリンクをクリックさせ、攻撃者の Web サイトへユーザーを誘導した上で特別に細工したファイルを開かせるといった手口が使われます。
- この脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
回避策
回避策は、根本的な脆弱性を正すものではありませんが、更新プログラムを適用するまでの間、既知の攻撃方法の阻止に役立つ設定または構成の変更を示します。マイクロソフトは次の回避策をテストし、回避策が機能性を低下させるかどうかの情報を提供しています。
影響を受ける WordPerfect ファイル コンバーター (wpft532.cnv) へのアクセスを制限する
警告: このセキュリティ更新プログラムをインストールする前に、この回避策を実行する前の状態に戻す必要があります。
注: これらのコマンドを使用するには、管理者である必要があります。
Windows XP および Windows Server 2003
32-bit および 64-bit オペレーティング システムでは、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
echo y| cacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /P everyone:N
さらに、64-bit オペレーティング システムの場合は、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
echo y| cacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /P everyone:N
64-bit オペレーティング システム上の Office ソフトウェアの構成によっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2
32-bit および 64-bit オペレーティング システムでは、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
takeown /f "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /save %TEMP%\wpft532_ACL.TXT icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /deny everyone:(F)
さらに、64-bit オペレーティング システムの場合は、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
takeown /f "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /save %TEMP%\wpft532_ACL32.TXT icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /deny everyone:(F)
64-bit オペレーティング システム上の Office ソフトウェアの構成によっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
回避策の影響:これらのステップを実行した後、ユーザーは WordPerfect5 コンバーターを使用できなくなります。
回避策の解除方法:
Windows XP および Windows Server 2003 では、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
cacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /R everyone cacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /R everyone
Office ソフトウェアの構成およびオペレーティング システムのバージョンによっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2 では、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /grant everyone:(F) icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\" /restore %TEMP%\wpft532_ACL.TXT icacls "%ProgramFiles(x86%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /grant everyone:(F) icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\" /restore %TEMP%\wpft532_ACL32.TXT
Office ソフトウェアの構成およびオペレーティング システムのバージョンによっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
信頼できない、または信頼できるソースから予期せず受け取った WordPerfect 文書ファイルを開かない
信頼できない、または信頼できるソースから予期せず受け取った WordPerfect 文書ファイルを開かないでください。ユーザーが特別な細工がされたファイルを開いた場合、この脆弱性が悪用される可能性があります。
よく寄せられる質問
この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか?
これはリモートでコードが実行される脆弱性です。
何が原因で起こりますか?
この脆弱性は、WordPerfect の文書ファイルを処理するための Microsoft Office コンポーネントがメモリ内のオブジェクトを適切に処理しない場合に起こります。攻撃者が任意のコードを実行する方法でシステム メモリが破損する可能性があります。
この脆弱性を利用して、攻撃者は何を行う可能性がありますか?
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、現在のユーザーのコンテキストで任意のコードが実行される可能性があります。現在のユーザーが管理者ユーザー権限でログオンしている場合、攻撃者が影響を受けるコンピューターを完全に制御する可能性があります。攻撃者は、その後、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除などを行ったり、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
攻撃者はこの脆弱性を悪用するために、どのような方法を用いると考えられますか?
この脆弱性が悪用されるには、ユーザーが Microsoft Office ソフトウェアの影響を受けるバージョンで、特別に細工されたファイルを開くことが攻撃者にとっての必要条件となります。
電子メールの攻撃シナリオでは、攻撃者は特別に細工したファイルをユーザーに送信し、影響を受けるバージョンの Microsoft Office ソフトウェアでそのファイルを開くよう誘導することにより、この脆弱性を悪用する可能性があります。
Web ベースの攻撃のシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性の悪用を意図した特別に細工した WordPerfect の文書ファイルが含まれている Web サイトをホストする可能性があります。さらに、侵害された Web サイトやユーザー提供のコンテンツを受け入れたりホストしたりする Web サイトに、特別に細工したコンテンツが含まれていて、この脆弱性が悪用される可能性があります。攻撃者は、特別な細工がされた Web サイトにユーザーを強制的に訪問させ、特別に細工されたファイルを開かせることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。たとえば、ユーザーをだましてリンクをクリックさせ、自分の Web サイトに誘導した上で、影響を受けるバージョンの Microsoft Office ソフトウェアで特別に細工したファイルを開くように仕向けるといった手口が使われます。
主にどのようなコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか?
ワークステーションやターミナル サーバーなどの影響を受ける Microsoft Office ソフトウェアを使用しているコンピューターが主にこの脆弱性による危険にさらされます。管理者がユーザーにサーバーへのログオンおよびプログラムの実行を許可している場合、サーバーが影響を受ける可能性が高くなります。しかし、最善策では、これを許可しないことを強く推奨しています。
この更新プログラムはどのように問題を修正しますか?
この更新プログラムは Microsoft Office が特別に細工された WordPerfect の文書ファイルを解析する方法を修正することにより、この脆弱性を排除します。
このセキュリティ情報のリリース時に、この脆弱性は一般に公開されていたのですか?
いいえ。マイクロソフトは協調的な脆弱性の公開を通して、この脆弱性に関する情報を受けました。
このセキュリティ情報のリリース時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を受けていましたか?
いいえ。マイクロソフトは、このセキュリティ情報が最初に公開された際に、この脆弱性が一般で悪用され、お客様が攻撃されていたことを示す情報を受けていませんでした。
Word のヒープの上書きの脆弱性 - CVE-2013-1325
影響を受ける Microsoft Office ソフトウェアが特別に細工された WordPerfect の文書ファイルを処理する方法に、リモートでコードが実行される脆弱性が存在します。攻撃者がこの脆弱性の悪用に成功した場合、影響を受けるシステムを完全に制御する可能性があります。攻撃者は、その後、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除などを行ったり、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、CVE-2013-1325 を参照してください。
問題を緩和する要素
緩和する要素は、既定の状態における設定、一般的な構成または最善策を示し、脆弱性悪用の深刻度が下がる場合があります。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。
- この脆弱性は、電子メールを介して、自動的に悪用されることはありません。電子メール メッセージで送信された添付ファイルを開かない限り、攻撃は実行されません。
- Web ベースの攻撃のシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性の悪用を意図した特別に細工した WordPerfect の文書ファイルが含まれている Web サイトをホストする可能性があります。さらに、影響を受けた Web サイトおよびユーザー提供のコンテンツまたは広告を受け入れる、またはホストする Web サイトには、この脆弱性を悪用する可能性のある特別に細工されたコンテンツが含まれる可能性があります。しかし、すべての場合において、強制的にユーザーに攻撃者が制御するコンテンツを表示させたり特別に細工されたファイルを開かせたりすることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。一般的には、ユーザーに電子メール メッセージまたはインスタント メッセンジャーのメッセージ内のリンクをクリックさせ、攻撃者の Web サイトへユーザーを誘導した上で特別に細工したファイルを開かせるといった手口が使われます。
- この脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
回避策
回避策は、根本的な脆弱性を正すものではありませんが、更新プログラムを適用するまでの間、既知の攻撃方法の阻止に役立つ設定または構成の変更を示します。マイクロソフトは次の回避策をテストし、回避策が機能性を低下させるかどうかの情報を提供しています。
影響を受ける WordPerfect ファイル コンバーター (wpft532.cnv) へのアクセスを制限する
警告: このセキュリティ更新プログラムをインストールする前に、この回避策を実行する前の状態に戻す必要があります。
注: これらのコマンドを使用するには、管理者である必要があります。
Windows XP および Windows Server 2003
32-bit および 64-bit オペレーティング システムでは、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
echo y| cacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /P everyone:N
さらに、64-bit オペレーティング システムの場合は、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
echo y| cacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /P everyone:N
64-bit オペレーティング システム上の Office ソフトウェアの構成によっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2
32-bit および 64-bit オペレーティング システムでは、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
takeown /f "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /save %TEMP%\wpft532_ACL.TXT icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /deny everyone:(F)
さらに、64-bit オペレーティング システムの場合は、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
takeown /f "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /save %TEMP%\wpft532_ACL32.TXT icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /deny everyone:(F)
64-bit オペレーティング システム上の Office ソフトウェアの構成によっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
回避策の影響:これらのステップを実行した後、ユーザーは WordPerfect5 コンバーターを使用できなくなります。
回避策の解除方法:
Windows XP および Windows Server 2003 では、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
cacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /R everyone cacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /E /R everyone
Office ソフトウェアの構成およびオペレーティング システムのバージョンによっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows Server 2012、Windows 8.1、および Windows Server 2012 R2 では、昇格されたコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。
icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /grant everyone:(F) icacls "%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\" /restore %TEMP%\wpft532_ACL.TXT icacls "%ProgramFiles(x86%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\wpft532.cnv" /grant everyone:(F) icacls "%ProgramFiles(x86)%\Common Files\Microsoft Shared\TextConv\" /restore %TEMP%\wpft532_ACL32.TXT
Office ソフトウェアの構成およびオペレーティング システムのバージョンによっては、上記で参照されているファイルのうち一部が存在しない場合があります。
信頼できない、または信頼できるソースから予期せず受け取った WordPerfect 文書ファイルを開かない
信頼できない、または信頼できるソースから予期せず受け取った WordPerfect 文書ファイルを開かないでください。ユーザーが特別な細工がされたファイルを開いた場合、この脆弱性が悪用される可能性があります。
よく寄せられる質問
この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか?
これはリモートでコードが実行される脆弱性です。
何が原因で起こりますか?
この脆弱性は、WordPerfect の文書ファイルを処理するための Microsoft Office コンポーネントがメモリ内のオブジェクトを適切に処理しない場合に起こります。攻撃者が任意のコードを実行する方法でシステム メモリが破損する可能性があります。
この脆弱性を利用して、攻撃者は何を行う可能性がありますか?
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、現在のユーザーのコンテキストで任意のコードが実行される可能性があります。現在のユーザーが管理者ユーザー権限でログオンしている場合、攻撃者が影響を受けるコンピューターを完全に制御する可能性があります。攻撃者は、その後、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除などを行ったり、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
攻撃者はこの脆弱性を悪用するために、どのような方法を用いると考えられますか?
この脆弱性が悪用されるには、ユーザーが Microsoft Office ソフトウェアの影響を受けるバージョンで、特別に細工されたファイルを開くことが攻撃者にとっての必要条件となります。
電子メールの攻撃シナリオでは、攻撃者は特別に細工したファイルをユーザーに送信し、影響を受けるバージョンの Microsoft Office ソフトウェアでそのファイルを開くよう誘導することにより、この脆弱性を悪用する可能性があります。
Web ベースの攻撃のシナリオでは、攻撃者がこの脆弱性の悪用を意図した特別に細工した WordPerfect の文書ファイルが含まれている Web サイトをホストする可能性があります。さらに、侵害された Web サイトやユーザー提供のコンテンツを受け入れたりホストしたりする Web サイトに、特別に細工したコンテンツが含まれていて、この脆弱性が悪用される可能性があります。攻撃者は、特別な細工がされた Web サイトにユーザーを強制的に訪問させ、特別に細工されたファイルを開かせることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。たとえば、ユーザーをだましてリンクをクリックさせ、自分の Web サイトに誘導した上で、影響を受けるバージョンの Microsoft Office ソフトウェアで特別に細工したファイルを開くように仕向けるといった手口が使われます。
主にどのようなコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか?
ワークステーションやターミナル サーバーなどの影響を受ける Microsoft Office ソフトウェアを使用しているコンピューターが主にこの脆弱性による危険にさらされます。管理者がユーザーにサーバーへのログオンおよびプログラムの実行を許可している場合、サーバーが影響を受ける可能性が高くなります。しかし、最善策では、これを許可しないことを強く推奨しています。
この更新プログラムはどのように問題を修正しますか?
この更新プログラムは Microsoft Office が特別に細工された WordPerfect の文書ファイルを解析する方法を修正することにより、この脆弱性を排除します。
このセキュリティ情報のリリース時に、この脆弱性は一般に公開されていたのですか?
いいえ。マイクロソフトは協調的な脆弱性の公開を通して、この脆弱性に関する情報を受けました。
このセキュリティ情報のリリース時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を受けていましたか?
いいえ。マイクロソフトは、このセキュリティ情報が最初に公開された際に、この脆弱性が一般で悪用され、お客様が攻撃されていたことを示す情報を受けていませんでした。
更新プログラムに関する情報
検出および展開ツールとガイダンス
管理者がセキュリティ更新プログラムを展開するときに役立つリソースがいくつかあります。
- Microsoft Baseline Security Analyzer (MBSA) を使用して、管理者はローカル システムとリモート システムの不足しているセキュリティ更新プログラムと一般的な誤ったセキュリティ構成をスキャンできます。
- Windows Server Update Services (WSUS)、Systems Management Server (SMS)、および System Center Configuration Manager は、管理者がセキュリティ更新プログラムを配布するときに役に立ちます。
- Application Compatibility Toolkit に含まれている Update Compatibility Evaluator コンポーネントは、インストールされているアプリケーションに対する Windows の更新プログラムのテストおよび確認を効率化する手助けをします。
これらのツールの詳細、およびネットワーク経由でセキュリティ更新プログラムを展開するためのガイダンスについては、「セキュリティ ツール」を参照してください。
セキュリティ更新プログラムの展開
影響を受けるソフトウェア
影響を受けるソフトウェア用の特定のセキュリティ更新プログラムについては、該当リンクの情報を参照してください。
Office 2003 (すべてのエディション)
参照表
次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。
セキュリティ更新プログラムのファイル名 | Microsoft Office 2003 Service Pack 3 office2003-kb2760494-fullfile-jpn.exe |
インストール スイッチ | サポート技術情報 197147 を参照してください。 |
再起動の必要性 | この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。 再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。 |
削除に関する情報 | [コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。 注: この更新プログラムを削除する場合、CD ドライブに Microsoft Office 2003 の CD を挿入するようメッセージが表示される場合があります。さらに、[コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] から更新プログラムをアンインストールするオプションがない場合もあります。この問題について、いくつかの考えられる原因があります。削除の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 903771 を参照してください。 |
ファイルに関する情報 | Microsoft Office 2003 Service Pack 3 サポート技術情報 2760494 を参照してください。 |
レジストリ キーの確認 | 対象外 |
セキュリティ更新プログラムのファイル名 | Microsoft Office 2007 convloc2007-kb2760415-fullfile-x86-glb.exe |
インストール スイッチ | サポート技術情報 912203 を参照してください。 |
再起動の 必要性 | この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。 再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。 |
削除に関する 情報 | [コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。 |
ファイル に関する情報 | サポート技術情報 2760415 を参照してください。 |
レジストリ キーの確認 | 対象外 |
セキュリティ更新プログラムのファイル名 | Microsoft Office 2010 (32 ビット版) convloc2010-kb2553284-fullfile-x86-glb.exe proofloc2010-kb2760781-fullfile-x86-glb.exe |
Microsoft Office 2010 (64 ビット版): convloc2010-kb2553284-fullfile-x64-glb.exe proofloc2010-kb2760781-fullfile-x64-glb.exe |
|
インストール スイッチ | サポート技術情報 912203 を参照してください。 |
再起動の 必要性 | この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。 再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。 |
削除に関する 情報 | [コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。 |
ファイル に関する情報 | サポート技術情報 2553284 およびサポート技術情報 2760781 を参照してください。 |
レジストリ キーの確認 | 対象外 |
セキュリティ更新プログラムのファイル名 | Microsoft Office 2013 (32 ビット版): convloc2013-kb2768005-fullfile-x86-glb.exe |
Microsoft Office 2013 (64 ビット版): convloc2013-kb2768005-fullfile-x64-glb.exe |
|
インストール スイッチ | サポート技術情報 912203 を参照してください。 |
再起動の 必要性 | この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。 再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。 |
削除に関する 情報 | [コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。 |
ファイル に関する情報 | サポート技術情報 2768005 を参照してください。 |
レジストリ キーの確認 | 対象外 |
適用 | この更新プログラムは、Windows Update を通じて入手可能です。 |
再起動の必要性 | この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。 再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。 |
削除に関する情報 | [コントロールパネル]、[システムとセキュリティ]、[WindowsUpdate]、[インストールされた更新プログラム]の順にクリックし、更新プログラムの一覧から選択します。 |
ファイルに関する情報 | サポート技術情報 2768005 を参照してください。 |