lightweight pooling (サーバー構成オプション)

適用対象:SQL Server

簡易プーリングオプション (別名 ファイバー モード) は、対称型マルチプロセッシング (SMP) 環境で発生するコンテキストの過剰な切り替えによるシステムのオーバーヘッドを削減する手段を提供する場合に使用します。 コンテキストの過度の切り替えが発生した場合、簡易プーリングを使用してコンテキストの切り替えをインラインで行い、ユーザーまたはカーネルのリング遷移を削減することによって、スループットを向上できます。

制限事項

簡易プーリングでは、共通言語ランタイム (CLR) の実行はサポートされていません。 [有効済み clr] オプションまたは [簡易プーリング] オプションのいずれかを無効にしてください。 CLR に依存していてファイバー モードで正しく動作しない機能には、Hierarchy データ型レプリケーション、およびポリシー ベースの管理があります。

簡易プーリングは、SQL Server Express エディションではサポートされていません。

解説

Windows ファイバーに基づくファイバー モードは、ワーカー スレッドのコンテキスト切り替えがパフォーマンスの重要なボトルネックである状況を対象としています。 このシナリオはまれであるため、一般的なシステムのパフォーマンスやスケーラビリティがファイバー モードで向上することはほとんどありません。 Windows Server ではコンテキスト切り替えが改良されているため、ファイバー モードの必要性が少なくなっています。

ルーチン処理にファイバー モード スケジューリングを使用することはお勧めしません。 これは、ファイバー モードにより、コンテキストの切り替えがもたらす本来の利点が損なわれることでパフォーマンスが低下するおそれがあることと、スレッド ローカル ストレージ (TLS) やスレッド所有オブジェクト (Windows ミューテックス など) を使用する SQL Server コンポーネントが、ファイバー モードでは正常に機能しない場合があるためです。

lightweight pooling を 1 に設定すると、 SQL Server はファイバー モード スケジューリングに切り替わります。 このオプションの既定値は 0 です。

lightweight pooling オプションは拡張オプションです。 sp_configure システム ストアド プロシージャを使用して設定を変更する場合、[show Advanced options] が 1 に設定されている場合にのみ簡易プーリングを変更できます。 この設定は、サーバーを再起動した後に有効になります。