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OLE DB コマンド変換

適用対象: SQL Server Azure Data Factory の SSIS 統合ランタイム

OLE DB コマンド変換では、データ フロー内の各行に対して SQL ステートメントが実行されます。 たとえば、データベース テーブル内の行を挿入、更新、または削除する SQL ステートメントを実行できます。

OLE DB コマンド変換は、次の方法で構成できます。

  • 各行に対して変換が実行する SQL ステートメントを指定します。

  • SQL ステートメントがタイムアウトになる時間を秒数で指定します。

  • 既定のコード ページを指定します。

通常、SQL ステートメントにはパラメーターが含まれます。 パラメーター値は変換入力内の外部列に格納され、入力列を外部列にマップすることによって、入力列をパラメーターにマップします。 たとえば、 ProductKey 列の値を使用し、 DimProduct テーブルの行を探して削除するには、 Param_0 という名前の外部列を ProductKey という名前の入力列にマップし、SQL ステートメント DELETE FROM DimProduct WHERE ProductKey = ?を実行します。 OLE DB コマンド変換で用意されているパラメーター名は変更できません。 パラメーター名は、 Param_0Param_1のように指定されます。

[詳細エディター] ダイアログ ボックスを使用して OLE DB コマンド変換を構成する場合、SQL ステートメント内のパラメーターは変換入力内の外部列に自動的にマップされ、 [最新の情報に更新] ボタンをクリックすると、各パラメーターの特性が定義されます。 ただし、OLE DB コマンド変換で使用する OLE DB プロバイダーが、パラメーターから取得するパラメーター情報をサポートしていない場合、外部列を手動で構成する必要があります。 つまり、外部入力に渡すパラメーターごとに列を変換に追加し、 Param_0などの名前が使用されるように列名を更新します。さらに、DBParamInfoFlags プロパティの値を指定し、パラメーター値を含む入力列を外部列にマップする操作が必要です。

DBParamInfoFlags の値は、パラメーターの特性を表します。 たとえば、値 1 は、パラメーターが入力パラメーターであることを表し、値 65 は、パラメーターが入力パラメーターであり、NULL 値を含めることができることを表します。 この値は、OLE DB DBPARAMFLAGSENUM 列挙値と一致する必要があります。 詳細については、OLE DB のリファレンス マニュアルを参照してください。

OLE DB コマンド変換には、 SQLCommand カスタム プロパティがあります。 このプロパティは、パッケージの読み込み時にプロパティ式で更新できます。 詳細については、「Integration Services (SSIS) の式」、「パッケージでプロパティ式を使用する」、および「変換のカスタム プロパティ」を参照してください。

この変換は、1 つの入力、1 つの標準出力、および 1 つのエラー出力をとります。

ログ記録

OLE DB コマンド変換による外部データ プロバイダーの呼び出しをログに記録できます。 このログ機能を使用すると、OLE DB コマンド変換による外部データ ソースへの接続およびコマンドに関するトラブルシューティングを行うことができます。 OLE DB コマンド変換による外部データ プロバイダーの呼び出しのログを記録するには、パッケージ ログ記録を有効にして、パッケージ レベルで Diagnostic イベントを選択する必要があります。 詳細については、「 パッケージ実行のトラブルシューティング ツール」を参照してください。

変換は、 SSIS デザイナーまたはオブジェクト モデルを使用して構成できます。 プログラムによってこの変換を構成する方法の詳細については、開発者ガイドを参照してください。

OLE DB コマンド変換を構成する

OLE DB コマンド変換を追加して構成するには、パッケージに 1 つ以上のデータ フロー タスクと、フラット ファイル ソースや OLE DB ソースなどの変換元があらかじめ含まれている必要があります。 この変換は、通常、パラメーター化クエリを実行するために使用されます。

OLE DB コマンド変換を構成するには

  1. SQL Server Data Tools (SSDT)で、目的のパッケージが含まれている Integration Services プロジェクトを開きます。

  2. ソリューション エクスプローラーで、パッケージをダブルクリックして開きます。

  3. [データ フロー] タブをクリックし、次に [ツールボックス]で、OLE DB コマンド変換をデザイン画面にドラッグします。

  4. OLE DB コマンド変換をデータ フローに連結します。連結するには、緑または赤の矢印のコネクタを、データ ソースまたは前の変換から OLE DB コマンド変換にドラッグします。

  5. コンポーネントを右クリックし、[編集] または [詳細エディターの表示]をクリックします。

  6. [接続マネージャー] タブで、 [接続マネージャー] 一覧から OLE DB 接続マネージャーを選択します。 詳細については、「 OLE DB 接続マネージャー」を参照してください。

  7. [コンポーネントのプロパティ] タブをクリックし、[SQL コマンド] ボックスの参照ボタン ( [...] ) をクリックします。

  8. [文字列値エディター]で、各パラメーターのパラメーター マーカーとして疑問符 (?) を使用して、パラメーター化 SQL ステートメントを入力します。

  9. [最新の情報に更新] をクリックします。 [更新]をクリックすると、この変換は各パラメーターに対する列を External Columns コレクションに作成し、DBParamInfoFlags プロパティを設定します。

  10. [入力プロパティと出力プロパティ] タブをクリックします。

  11. [OLE DB コマンドの入力]を展開し、次に [外部列]を展開します。

  12. [外部列] 一覧に、SQL ステートメント内の各パラメーターに対する列が表示されていることを確認します。 列名は、 Param_0Param_1のように表示されます。

    この列名は変更できません。 列名を変更すると、 Integration Services によって OLE DB コマンド変換の検証エラーが生成されます。

    また、このデータ型も変更できません。 各列の DataType プロパティは、正しいデータ型に設定されます。

  13. [外部列] 一覧に列が表示されていない場合は、手動で列を追加する必要があります。

    • SQL ステートメントのパラメーターごとに、 [列の追加] を 1 回ずつクリックします。

    • 列名を、 Param_0Param_1のように更新します。

    • DBParamInfoFlags プロパティの値を指定します。 この値は、OLE DB DBPARAMFLAGSENUM 列挙値と一致する必要があります。 詳細については、OLE DB のリファレンス マニュアルを参照してください。

    • データ型に応じて列のデータ型を指定し、列のコード ページ、長さ、有効桁数、および小数点以下桁数を指定します。

    • 未使用のパラメーターを削除するには、 [外部列]でパラメーターを選択し、 [列の削除]をクリックします。

    • [列マッピング] をクリックし、 [使用できる入力列] 一覧の列を [使用できる変換先列] 一覧のパラメーターにマップします。

  14. [OK] をクリックします。

  15. 更新したパッケージを保存するには、 [ファイル] メニューの [保存] をクリックします。

参照

データ フロー
Integration Services の変換