SQL Server 2017 の Integration Services の新機能

適用対象: SQL Server Azure Data Factory の SSIS Integration Runtime

このトピックでは、SQL Server 2017 (14.x) Integration Services で追加または更新された機能について説明します。

Note

SQL Server 2017 には、SQL Server 2016 の機能と、SQL Server 2016 更新プログラムで追加された機能も含まれています。 SQL Server 2016 の新しい SSIS 機能については、 「SQL Server 2016 で Integration Services の新機能」を参照してください。

このリリースの重要なポイント

SQL Server 2017 の Integration Services の最も重要な新機能は以下のとおりです。

  • Scale Out。複数の worker コンピューター間に SSIS パッケージの実行をより簡単に配布し、単一のマスター コンピューターから実行と worker を管理します。 詳しくは、「Integration Services Scale Out」(Integration Services の Scale Out) をご覧ください。

  • Linux の Integration Services。 Linux コンピューターで SSIS パッケージを実行できます。 詳しくは、「SSIS で Linux 上のデータの抽出、変換、読み込みを行う」 をご覧ください。

  • 接続性の向上。 更新された OData コンポーネントで、Microsoft Dynamics AX Online と Microsoft Dynamics CRM Online の OData フィードに接続できます。

Azure Data Factory の新機能

2017 年 9 月リリースの Azure Data Factory バージョン 2 のパブリック プレビュー版を使用すると、次の処理ができるようになります。

  • Azure SQL Database 上の SSIS カタログ データベース (SSISDB) にパッケージを展開する。
  • Azure に展開されているパッケージを、Azure-SSIS Integration Runtime (Azure Data Factory バージョン 2 のコンポーネント) で実行する。

詳細については、「Lift and shift SQL Server Integration Services workloads to the cloud」 (SQL Server Integration Services ワークロードをクラウドにリフト アンド シフトする) を参照してください。

これらの新機能では、SQL Server Data Tools (SSDT) のバージョン 17.2 以降が必要ですが、SQL Server 2017 または SQL Server 2016 は必要ありません。 パッケージを Azure に展開すると、常に最新のパッケージ形式となるように、パッケージの展開ウィザードによってパッケージがアップグレードされます。

Azure Feature Pack の新機能

SQL Server の接続性の向上だけでなく、Integration Services Feature Pack for Azure に Azure Data Lake Store のサポートが追加されました。 詳しくは、ブログの投稿「New Azure Feature Pack Release Strengthening ADLS Connectivity」(新しい Azure Feature Pack のリリースで強化された ADLS 接続) をご覧ください。 また、「Integration Services (SSIS) 用の Azure Feature Pack」もご覧ください。

SQL Server Data Tools (SSDT) の新機能

Visual Studio 2017 または Visual Studio 2015 で SQL Server バージョン 2012 から 2017 までを対象とする SSIS プロジェクトとパッケージを開発できるようになりました。 詳細については、「 SQL Server Data Tools (SSDT) のダウンロード」を参照してください。

SQL Server 2017 RC1 での SSIS の新機能

SSIS の Scale Out での新しい機能と変更された機能

  • スケール アウト マスターで高可用性を実現できるようになりました。 SSISDB に対して Always On を有効にし、Scale Out Master サービスをホストするサーバーに Windows Server フェールオーバー クラスタリングをセットアップできます。 Scale Out Master にこの変更を適用することで、単一障害点を回避し、スケール アウト配置全体の高可用性を実現できます。
  • スケール アウト ワーカーの実行ログのフェールオーバー処理が改善されました。 Scale Out Worker が予期せず停止した場合、実行ログはローカル ディスクに保存されます。 後で worker が再起動すると、保存されているログを再度読み込んで、SSISDB への保存を続けます。
  • ストアド プロシージャ [catalog].[create_execution]runincluster パラメーターは、一貫性とわかりやすさを理由に、名前が runinscaleout に変更されました。 このパラメーター名の変更には、次の影響があります。
    • Scale Out でパッケージを実行する既存のスクリプトがある場合は、スクリプトが RC1 で動作するように、パラメーター名を runincluster から runinscaleout に変更します。
    • SQL Server Management Studio (SSMS) 17.1 とそれより前のバージョンでは、RC1 の Scale Out でパッケージの実行をトリガーできません。 "@runincluster はプロシージャ create_execution のパラメーターではありません" というエラー メッセージが表示されます。この問題は、SSMS の次のリリースであるバージョン 17.2 で修正されます。 SSMS のバージョン 17.2 以降では、新しいパラメーター名と Scale Out でのパッケージ実行がサポートされています。SSMS バージョン 17.2 が利用可能になるまでは、回避策として、既存バージョンの SSMS を使用してパッケージ実行スクリプトを生成し、そのスクリプトで runincluster パラメーターの名前を runinscaleout に変更したうえで、スクリプトを実行します。
  • SSIS カタログに、SSIS パッケージを実行する既定のモードを指定するための新しいグローバル プロパティが追加されました。 runinscaleout パラメーターを null に設定して [catalog].[create_execution] ストアド プロシージャを呼び出すと、この新しいプロパティが適用されます。 このモードは、SSIS SQL エージェント ジョブにも適用されます。 新しいグローバル プロパティは、SSMS の SSISDB ノードの [プロパティ] ダイアログ ボックスで、または次のコマンドで設定できます。
    EXEC [catalog].[configure_catalog] @property_name=N'DEFAULT_EXECUTION_MODE', @property_value=1
    

SQL Server 2017 CTP 2.1 での SSIS の新機能

SSIS の Scale Out での新しい機能と変更された機能

  • Scale Out で実行をトリガーするときに、Use32BitRuntime パラメーターを使用できるようになりました。
  • Scale Out でのパッケージ実行に対する SSISDB へのログ記録のパフォーマンスが向上しました。 イベント メッセージとメッセージ コンテキストのログが、1 つずつではなくバッチ モードで SSISDB に書き込まれるようになりました。 この機能強化についての追加の注意事項を次に示します。
    • 現在のバージョンの SQL Server Management Studio (SSMS) での一部のレポートでは、現在、Scale Out での実行に対するこれらのログが表示されません。SSMS の次のリリースではサポートされる予定です。 影響を受けるレポートは、"すべての接続" レポート、"エラー コンテキスト" レポート、Integration Service ダッシュボードの "接続情報" セクションなどです。
    • 新しい列 event_message_guid が追加されました。 Scale Out でこれらの実行ログのクエリを行うときは、event_message_id を使うのではなく、この列を使って [catalog].[event_message_context] ビューと [catalog].[event_messages] ビューを結合します。
  • SSIS Scale Out 用の管理アプリケーションを入手するには、SQL Server Management Studio (SSMS) 17.1 以降をダウンロードしてください。

SQL Server 2017 CTP 2.0 での SSIS の新機能

SQL Server 2017 CTP 2.0 には、SSIS の新機能はありません。

SQL Server 2017 CTP 1.4 での SSIS の新機能

SQL Server 2017 CTP 1.4 には、SSIS の新機能はありません。

SQL Server 2017 CTP 1.3 での SSIS の新機能

SQL Server 2017 CTP 1.3 には、SSIS の新機能はありません。

SQL Server 2017 CTP 1.2 での SSIS の新機能

SQL Server 2017 CTP 1.2 には、SSIS の新機能はありません。

SQL Server 2017 CTP 1.1 での SSIS の新機能

SQL Server 2017 CTP 1.1 には、SSIS の新機能はありません。

SQL Server 2017 CTP 1.0 での SSIS の新機能

SSIS のスケール アウト

スケール アウト機能により、複数のコンピューターで SSIS を実行することが簡単になりました。

Scale Out Master と Scale Out Worker をインストールすると、パッケージを配布し、さまざまな Worker で自動的に実行できます。 実行が予期せずに終了した場合、自動的に再試行されます。 また、Master を利用し、すべての実行と Worker が中央管理されます。

詳細については、 「Integration Services Scale Out」を参照してください。

Microsoft Dynamics オンライン リソースのサポート

OData ソースと OData 接続マネージャーで、Microsoft Dynamics AX Online と Microsoft Dynamics CRM Online の OData フィードに接続できるようになりました。