プログラムによる接続マネージャーの操作

適用対象: SQL Server Azure Data Factory の SSIS Integration Runtime

Integration Services では、関連付けられた接続マネージャー クラスの AcquireConnection メソッドは、マネージド コードで接続マネージャーを操作する場合に呼び出すことの多いメソッドです。 マネージド コードを記述する場合、接続マネージャーの機能を使用するには AcquireConnection メソッドを呼び出す必要があります。 このメソッドは、マネージド コードを記述する場所がスクリプト タスク、スクリプト コンポーネント、カスタム オブジェクト、またはカスタム アプリケーションのいずれであっても、呼び出す必要があります。

AcquireConnection メソッドを正常に呼び出すには、次の点を理解しておく必要があります。

• AcquireConnection メソッドからマネージド オブジェクトを返す接続マネージャーはどれか

  多くの接続マネージャーはアンマネージド COM オブジェクト (System.__ComObject) を返します。このオブジェクトをマネージド コードから使用するのは簡単ではありません。 このような接続マネージャーには、使用頻度の高い OLE DB 接続マネージャーも含まれます。

• マネージド オブジェクトを返す接続マネージャーの AcquireConnection メソッドによって返されるオブジェクトは何か

  戻り値を適切な型にキャストするには、AcquireConnection メソッドによって返されるオブジェクトの型を把握しておく必要があります。 たとえば、SqlClient プロバイダーを使用する場合、ADO.NET 接続マネージャーの AcquireConnection メソッドは、開かれている SqlConnection オブジェクトを返します。 これに対し、ファイル接続マネージャーの AcquireConnection メソッドは、文字列のみを返します。

このトピックでは、Integration Services に付属の接続マネージャーについて、上記の点を説明します。

マネージド オブジェクトを返さない接続マネージャー

次の表に、AcquireConnection メソッドからネイティブ COM オブジェクト (System.__ComObject) を返す接続マネージャーを示します。 これらのアンマネージド オブジェクトは、マネージド コードから簡単には使用できません。

接続マネージャーの種類	接続マネージャー名
ADO (ADO)	ADO 接続マネージャー
MSOLAP90	Analysis Services 接続マネージャー
EXCEL	Excel 接続マネージャー
FTP	FTP 接続マネージャー
HTTP	HTTP 接続マネージャー
ODBC	ODBC 接続マネージャー
OLEDB	OLE DB 接続マネージャー

通常は、マネージド コードから ADO.NET 接続マネージャーを使用すると、ADO、Excel、ODBC、または OLE DB の各データ ソースに接続できます。

AcquireConnection メソッドからの戻り値

次の表に、AcquireConnection メソッドからマネージド オブジェクトを返す接続マネージャーを示します。 これらのマネージド オブジェクトは、マネージド コードから簡単に使用できます。

接続マネージャーの種類	接続マネージャー名	戻り値の型	追加情報
ADO.NET	ADO.NET 接続マネージャー	System.Data.SqlClient.SqlConnection
FILE	ファイル接続マネージャー	System.String	ファイルへのパス。
FLATFILE	フラット ファイル接続マネージャー	System.String	ファイルへのパス。
MSMQ (MSMQ)	MSMQ 接続マネージャー	System.Messaging.MessageQueue
MULTIFILE	複数ファイル接続マネージャー	System.String	いずれかのファイルへのパス。
MULTIFLATFILE	複数フラット ファイル接続マネージャー	System.String	いずれかのファイルへのパス。
SMOServer	SMO 接続マネージャー	Microsoft.SqlServer.Management.Smo.Server
SMTP	SMTP 接続マネージャー	System.String	例: SmtpServer=<server name>;UseWindowsAuthentication=True;EnableSsl=False;
WMI	WMI 接続マネージャー	System.Management.ManagementScope
SQLMOBILE	SQL Server Compact 接続マネージャー	System.Data.SqlServerCe.SqlCeConnection

関連項目

スクリプト タスクでのデータ ソースへの接続
スクリプト コンポーネントでのデータ ソースへの接続
カスタム タスクでのデータ ソースへの接続