データ接続文字列の作成 - レポート ビルダーおよび SSRS

適用対象: SQL Server 2016 (13.x) Reporting Services 以降 Power BI Report Server SharePoint

レポート ビルダーおよび Reporting Services の改ページ調整されたレポートにデータを含めるには、最初に "データ ソース" への "接続文字列" を作成する必要があります。 この記事では、データの接続文字列の作成方法と、データ ソースの資格情報に関連する重要な情報について説明します。 データ ソースには、データ ソースの種類、接続情報、および使用する資格情報の種類が含まれています。 詳しい背景情報については、「SQL Server Reporting Services (SSRS) でのレポート データの概要」を参照してください。

組み込みデータ拡張機能

Reporting Services の既定のデータ拡張機能には、Microsoft SQL Server、Microsoft Azure SQL Database、Microsoft SQL Server Analysis Services が含まれます。 Reporting Services でサポートされるデータ ソースおよびバージョンの一覧については、「Reporting Services でサポートされるデータ ソース (SSRS)」を参照してください。

一般的な接続文字列の例

接続文字列は、データ プロバイダーの接続プロパティのテキスト表現です。 次の表に、さまざまなデータ接続に使用される接続文字列の例を示します。

Note

Connectionstrings.com では、接続文字列の別の例を見ることができます。

データ ソース 説明
ローカル サーバーの SQL Server データベース Data Source="(local)"; Initial Catalog=AdventureWorks データ ソースの種類を Microsoft SQL Serverに設定します。 詳細については、「SQL Server の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
SQL Server 名前付きインスタンス Data Source=<host>\MSSQL13.<InstanceName>; Initial Catalog=AdventureWorks データ ソースの種類を Microsoft SQL Serverに設定します。 詳細については、「SQL Server の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
Azure SQL データベース Data Source=<host>.database.windows.net; Initial Catalog=AdventureWorks; Encrypt=True データ ソースの種類を Microsoft Azure SQL Database に設定します。 Azure SQL 接続の種類 (SSRS) に関するページを参照してください。
SQL Server 並列データ ウェアハウス HOST=<IP address>; database=AdventureWorks; port=<port> データ ソースの種類を Microsoft SQL Server Parallel Data Warehouseに設定します。 詳細については、「SQL Server 並列データ ウェアハウスの接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
ローカル サーバーの Analysis Services データベース Data Source=localhost; Initial Catalog=Adventure Works DW データ ソースの種類を Microsoft SQL Server Analysis Servicesに設定します。 詳細については、「MDX のための Analysis Services の接続の種類 (SSRS)」または「DMX のための Analysis Services の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
Sales パースペクティブを持つ Analysis Services テーブル モデル データベース Data Source=<servername>; Initial Catalog=Adventure Works DW; cube='Sales' データ ソースの種類を Microsoft SQL Server Analysis Servicesに設定します。 cube= 設定にパースペクティブの名前を指定します。 詳しくは、「パースペクティブ (SSAS テーブル)」をご覧ください。
Azure Analysis Services Data Source=asazure://aspaaseastus2.asazure.windows.net/<server name>; Initial Catalog=AdventureWorks データ ソースの種類を Microsoft SQL Server Analysis Servicesに設定します。 詳細については、「Microsoft SQL Server Analysis Services データ処理拡張機能」を参照してください。
Oracle サーバー Data Source=<host> データ ソースの種類を Oracleに設定します。 レポート デザイナーがインストールされているコンピューターとレポート サーバーに、Oracle クライアント ツールがインストールされている必要があります。 詳細については、「Oracle の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
SAP NetWeaver BI データ ソース Data Source=https://mySAPNetWeaverBIServer:8000/sap/bw/xml/soap/xmla データ ソースの種類を SAP NetWeaver BIに設定します。 詳細については、「SAP NetWeaver BI の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
Hyperion Essbase データ ソース Data Source=https://localhost:13080/aps/XMLA; Initial Catalog=Sample データ ソースの種類を Hyperion Essbaseに設定します。 詳細については、「Hyperion Essbase の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
Teradata データ ソース Data Source=<NNN>.<NNN>.<NNN>.<NNN>; データ ソースの種類を Teradataに設定します。 接続文字列は、各フィールドが 1 ~ 3 桁の 4 つのフィールドで構成されるインターネット プロトコル (IP) アドレスです。 詳細については、「Teradata の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
Teradata データ ソース Database=<database name>; Data Source=<NNN>.<NNN>.<NNN>.<NNN>; Use X Views=False; Restrict to Default Database=True 前の例と同様に、データ ソースの種類を Teradataに設定します。 Database タグで指定した既定のデータベースのみを使用して、データ間の関係を自動的に検出しないようにしてください。
XML データ ソース、Web サービス data source=https://adventure-works.com/results.aspx データ ソースの種類を XMLに設定します。 接続文字列は、Web サービス記述言語 (WSDL) をサポートする Web サービスの URL です。 詳細については、「XML の接続の種類 (SSRS)」を参照してください。
XML データ ソース、XML ドキュメント https://localhost/XML/Customers.xml データ ソースの種類を XMLに設定します。 接続文字列は XML ドキュメントへの URL です。
XML データ ソース、埋め込み XML ドキュメント データ ソースの種類を XMLに設定します。 XML データはレポート定義に埋め込まれています。
SharePoint リスト Data Source=https://MySharePointWeb/MySharePointSite/ データ ソースの種類を SharePoint Listに設定します。
Power BI Premium データセット (Reporting Services 2019 および Power BI Report Server (2020 年 1 月) 以降) Data Source=powerbi://api.powerbi.com/v1.0/myorg/<workspacename>; Initial Catalog=<datasetname> データ ソースの種類を Microsoft SQL Server Analysis Servicesに設定します。

localhostを使用してレポート サーバーに接続できない場合は、TCP/IP プロトコルのネットワーク プロトコルが有効になっていることを確認します。 詳細については、「 Configure Client Protocols」を参照してください。

これらの種類のデータ ソースへの接続に必要な設定の詳細については、「外部データ ソースのデータを追加する (SSRS)」または「Reporting Services でサポートされるデータ ソース (SSRS)」で、目的のデータ接続の記事を参照してください。

パスワードの特殊文字

パスワードを要求したり、接続文字列にパスワードを含めるように ODBC データ ソースや SQL データ ソースを構成し、ユーザーが句読点のような特殊文字を使用してパスワードを入力した場合、基になるデータ ソースのドライバーによってはその特殊文字を検証することができません。 レポートを処理する際に、この問題によって、"パスワードが無効です" というメッセージが表示される場合があります。 パスワードを変更できない場合は、データベース管理者と連携して、適切な資格情報をシステム ODBC データ ソース名 (DSN) の一部としてサーバーに格納することができます。 詳細については、.NET Framework ドキュメントの「OdbcConnection.ConnectionString」を参照してください。

式に基づく接続文字列

式に基づく接続文字列は実行時に評価されます。 たとえば、データ ソースをパラメーターとして指定し、接続文字列にパラメーター参照を含めて、ユーザーがレポートのデータ ソースを選択できるようにすることができます。 たとえば、ある多国籍企業がいくつもの国や地域にデータ サーバーを持っているとします。 式ベースの接続文字列を使用すると、販売レポートを実行するユーザーは、レポートの実行前に特定の国/地域のデータ ソースを選択することができます。

次の例では、SQL Server の接続文字列でデータ ソースの式を使用する方法を示します。 この例では、 ServerNameというレポート パラメーターが作成されているものとします。

="Data Source=" & Parameters!ServerName.Value & "; Initial Catalog=AdventureWorks"  

データ ソースの式は、実行時またはレポートのプレビュー時に処理されます。 式は、Visual Basic で記述する必要があります。 データ ソースの式を定義する際には、次のガイドラインに従います。

  • 静的な接続文字列を使用してレポートをデザインする。 静的な接続文字列とは、式を使わずに設定した接続文字列です (たとえば、レポート固有のデータ ソースまたは共有データ ソースの作成手順に従うと、静的な接続文字列を定義することになります)。 静的な接続文字列を使用することで、レポート デザイナーでデータ ソースに接続し、レポートの作成に必要なクエリ結果を取得することができます。

  • データ ソースの接続を定義する際には、共有データ ソースを使用しない。 共有データ ソース内では、データ ソースの式を使用できません。 レポートの埋め込みデータ ソースを定義する必要があります。

  • 資格情報は接続文字列とは別に指定する。 保存された資格情報、要求された資格情報、または統合セキュリティを使用することができます。

  • レポート パラメーターを追加してデータ ソースを指定する。 パラメーター値には、使用可能な値の静的な一覧を指定するか (この場合、使用可能な値には、レポートで使用できるデータ ソースを指定する必要があります)、実行時にデータ ソースの一覧を取得するクエリを定義します。

  • データ ソースの一覧が同じデータベース スキーマを共有するようにする。 すべてのレポートのデザインは、スキーマ情報から始まります。 レポートの定義で使用されているスキーマと、実行時にレポートが使用する実際のスキーマが一致しないと、レポートが実行されない場合があります。

  • レポートをパブリッシュする前に、静的な接続文字列を式で置き換える。 レポートのデザインが完了するまでは、静的な接続文字列を式で置き換えません。 式を使用すると、レポート デザイナー内でクエリを実行できなくなります。 さらに、レポート データ ペイン内のフィールド一覧と、[パラメーター] の一覧が、自動的に更新されなくなります。

次のステップ

SQL Server Reporting Services (SSRS) のレポート データの概要共有データ ソースを作成および変更する
埋め込みデータ ソースを作成および変更する
配置プロパティを設定する
レポート データ ソースに関する資格情報と接続情報を指定する

その他の質問 Reporting Services のフォーラムに質問してみてください