ページ分割されたレポートのテーブル、マトリックス、および一覧 (レポート ビルダー)

適用対象: Microsoft レポート ビルダー (SSRS) Power BI Report Builder SQL Server Data Tools のレポート デザイナー

レポート ビルダーで、テーブル、マトリックス、および一覧は、行と列で構成されたセルにページ分割されたレポート データを表示する "データ領域" です。 セルには通常、テキスト、日付、数字などのテキスト データが含まれていますが、ゲージ、グラフ、または画像などのレポート アイテムも含めることができます。 テーブル、マトリックス、および一覧をまとめて Tablix データ領域と呼ぶことがあります。

テーブル、マトリックス、および一覧のテンプレートは、セルにデータを表示できる柔軟なグリッドである Tablix データ領域に基づいて構築されます。 テーブルおよびマトリックスのテンプレートでは、セルは行と列で構成されます。 テンプレートは基になる汎用の Tablix データ領域の一種であるため、レポートの作成時に、テンプレート形式を組み合わせてデータを表示し、テーブル、マトリックス、または一覧を変更して別のデータ領域の機能を含めることができます。 たとえば、追加したテーブルがニーズに合わない場合は、列グループを追加してテーブルをマトリックスに変更できます。

テーブルとマトリックスのデータ領域では、入れ子になったテーブル、マトリックス、一覧、グラフ、およびゲージを含めることで、データの複雑なリレーションシップを表示できます。 テーブルとマトリックスには表形式のレイアウトがあり、各データは 1 つのデータ ソースに基づいて構築された 1 つのデータセットから取得されます。 テーブルとマトリックスの重要な違いとして、テーブルに含めることができるのは行グループのみであるのに対し、マトリックスには行グループと列グループを含めることができます。

一覧はこれとは多少異なります。 一覧は、自由形式のレイアウトをサポートし、異なるデータセットのデータを使用した複数のピア テーブルまたはマトリックスを含むことができます。 一覧は、請求書などのフォームにも使用できます。

次の図は、テーブル、マトリックス、または一覧を含んだ簡単なレポートを示しています。

RS_TableMatrixList

テーブル、マトリックス、および一覧をすぐに使用するには、「チュートリアル: 基本的な表レポートの作成 (レポート ビルダー)」、「チュートリアル: マトリックス レポートの作成 (レポート ビルダー)」、および「チュートリアル: 自由形式のレポートの作成 (レポート ビルダー)」を参照してください。

Note

テーブル、マトリックス、および一覧は、レポート パーツとしてレポートとは別にパブリッシュできます。 レポート パーツの詳細を参照してください。 しかし、レポート パーツは SQL Server Reporting Services 2019 以降の SQL Server Reporting Services のすべてのリリースでは非推奨となり、SQL Server Reporting Services 2022 以降および Power BI Report Server で廃止されました。

テーブル

テーブルを使用すると詳細データの表示やデータの行グループへの編成、またはその両方が可能です。 テーブル テンプレートには、テーブル ヘッダー行およびデータの詳細行と共に、3 つの列が含まれます。 次の図では、デザイン画面で初期のテーブル テンプレートが選択されています。

デザイン画面上のテーブル テンプレート、選択

データは、1 つのフィールドまたは複数のフィールドでグループ化することも、独自の式を記述してグループ化することもできます。 入れ子になったグループや独立した隣接するグループの作成、グループ化されたデータの集計値の表示、グループへの合計の追加などを行うことができます。 たとえば、テーブルに [Category] という名前の行グループがある場合は、各グループの小計とレポートの総計を追加できます。 テーブルを見やすくし、強調するデータを強調表示するには、セルを結合し、書式をデータとテーブルの見出しに適用します。

最初は詳細データまたはグループ化されたデータを非表示にして、ユーザーが表示するデータを対話的に選択できるドリルダウンの切り替えを含めることもできます。

詳細については、「テーブル (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。

Matrix

PivotTable またはクロス集計と同様に、マトリックスは、行と列にグループ化した集計データ サマリの表示に使用します。 グループの行と列の数は、各行グループおよび列グループに含まれている一意の値の数によって決定します。 次の図では、デザイン画面で初期のマトリックス テンプレートが選択されています。

ツールボックスから追加された新しいマトリックス、選択

データは、複数のフィールドまたは式によって、行グループと列グループにグループ化できます。 実行時にレポート データとデータ領域が組み合わされると、列グループに列、行グループに行がそれぞれ追加され、マトリックスはページ上で縦横に拡大されます。 マトリックス セルには、そのセルが所属する行グループと列グループの交差部分にスコープを設定した集計値が表示されます。 たとえば、マトリックスに行グループ (Category) と売上の合計を表示する 2 つの列グループ (Territory および Year) がある場合、レポートには Category グループ内の各値に対して売上の合計を含む 2 つのセルが表示されます。 2 つの交差部分のセルにはそれぞれスコープが設定されます。1 つのセルは "Category および Territory" で、もう 1 つは "Category および Year" です。マトリックスには、入れ子になったグループと隣接するグループを含めることができます。 入れ子になったグループには親子リレーションシップ、隣接するグループにはピア リレーションシップがあります。 マトリックス内には、入れ子になった行および列グループの任意のレベルの小計や、すべてのレベルの小計が追加できます。

マトリックス データを読みやすくし、強調するデータを強調表示するには、セルを結合するか、水平方向および垂直方向に分割し、書式をデータとグループの見出しに適用します。

ドリルダウン トグルを含めて、最初は詳細データを非表示にすることもできます。ユーザーは、トグルをクリックすることにより、表示するデータの量を調整できます。

詳細については、 マトリックスの作成に関するページを参照してください。

List

一覧は、自由形式のレイアウトの作成に使用します。 グリッド レイアウトのみに制限されず、フィールドは一覧内に自由に配置できます。 一覧は、多数のデータセット フィールドを表示するフォームの設計に使用したり、グループ化されたデータの場合は、複数のデータ領域を並列に表示するコンテナーとして使用したりすることができます。 たとえば、一覧にグループを定義し、テーブル、グラフ、およびイメージを追加し、従業員や患者のレコードを表示する際と同様に、各グループ値についてテーブルまたはグラフィック形式で値を表示することができます。

ツールボックスから追加された新しい一覧、選択

詳細については、「 一覧がある請求書とフォームを作成する」を参照してください。

データを準備する

テーブル、マトリックス、および一覧のデータ領域には、データセットのデータが表示されます。 データセットのデータを取得するクエリのデータを準備することも、テーブル、マトリックス、または一覧でプロパティを設定してデータを準備することもできます。

レポートのデータセットのデータを取得するために使用する Transact-SQL などのクエリ言語では、フィルターを適用してデータのサブセットだけを取得したり、レポートを読みやすくするために null 値や空白を定数に置き換えたり、データを並べ替えたりグループ化したりすることにより、データを準備できます。

レポートのテーブル、マトリックス、または一覧のデータ領域でデータを準備する場合は、データ領域またはデータ領域内のセルのプロパティを設定します。 データのフィルター処理または並べ替えを行うには、データ領域のプロパティを設定します。 たとえば、データを並べ替えるには、並べ替える列と並べ替えの方向を指定します。 フィールドに別の値を表示する場合は、フィールドを表示するセル テキストの値を設定します。 たとえば、フィールドが空または NULL である場合に Blank と表示するには、式を使用して値を設定します。

詳細については、「Tablix データ領域に表示するデータの準備 (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。

テーブル、マトリックス、または一覧を構築して構成する

テーブルまたはマトリックスをレポートに追加する場合は、テーブルまたはマトリックス ウィザードを使用するか、レポート ビルダーおよびレポート デザイナーに用意されたテンプレートから手動で構築できます。 一覧は、一覧のテンプレートから手動で構築します。

ウィザードを使用すると、手順に従ってテーブルやマトリックスを簡単に構築および構成できます。 ウィザードを完了した後、または Tablix データ領域を最初から構築する場合、さらに詳細に構成および調整できます。 データ領域の右クリック メニューで表示されるダイアログ ボックスで、改ページ、ヘッダーとフッターの繰り返しと表示設定、表示オプション、フィルター、並べ替えなどの一般的に使用するプロパティを簡単に設定できます。 ただし、Tablix データ領域にはレポート ビルダーのプロパティ ペインでのみ設定できる追加のプロパティも多数含まれています。 たとえば、テーブル、マトリックス、または一覧のデータセットが空の場合にメッセージを表示するには、プロパティ ペインの NoRowsMessage Tablix プロパティでメッセージ テキストを指定します。

Tablix テンプレート間で切り替える

最初に選択した Tablix テンプレートによる制限はありません。 グループ、合計、ラベルなどの追加に伴い、Tablix デザインを変更できます。 たとえば、テーブルから開始し、その後詳細行を削除したり、列グループを追加したりする場合があります。 詳細については、「Tablix データ領域の柔軟性について (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。

Tablix 機能を追加することで、テーブル、マトリックス、または一覧の改良を続けることができます。 Tablix 機能には、詳細データやグループ化されたデータの集計を行および列に表示する機能が含まれます。 入れ子構造のグループ、独立した隣接するグループ、または再帰的なグループを作成できます。 グループ データのフィルター処理や並べ替えが可能なほか、複数のグループ式をグループ定義に含めることにより、グループを簡単に組み合わせることができます。

さらに、グループの合計、またはデータ領域の総合計を追加することもできます。 行や列を非表示にしてレポートを簡潔化し、ドリルダウン レポートのように非表示のデータ表示をユーザーが切り替えることができるようにすることができます。 詳細については、「レポート ページでの Tablix データ領域の表示の制御 (レポート ビルダーおよび SSRS)」を参照してください。

操作方法に関するトピック

このセクションでは、レポートでのテーブル、マトリックス、および一覧の操作方法を詳しく示す手順を一覧表示します。具体的には、行と列のデータの表示、列の追加と削除、セルの結合、および行と列グループの小計を含める方法を示します。

このセクションの内容

次の各トピックでは、Tablix データ領域の使用に関する追加情報について説明します。

Tablix データ領域 (レポート ビルダーおよび SSRS)
Tablix データ、詳細データ、およびグループ化されたデータの領域、列グループおよび行グループ、静的および動的な行と列など、Tablix データ領域に関連する主な概念について説明します。

Tablix データ領域へのデータの追加 (レポート ビルダーおよび SSRS)
Tablix データ領域に詳細データ、グループ化されたデータ、小計と総計、およびラベルを追加する方法について詳しく説明します。

レポート ページでの Tablix データ領域の表示の制御 (レポート ビルダーおよび SSRS)
レポートに表示したときの Tablix データ領域の表示方法を変更するための Tablix データ領域のプロパティについて説明します。

行見出しと列見出しの制御 (レポート ビルダーおよび SSRS)
テーブル、マトリックス、または一覧のデータ領域が上下または左右の複数のページにわたる場合、行見出しおよび列見出しの表示を制御する方法について説明します。

複数の再帰型階層グループの作成 (レポート ビルダーおよび SSRS)
親子間のリレーションシップがデータセットのフィールドで表されている再帰型データを表示する方法について説明します。

グループについて (レポート ビルダーおよび SSRS)
グループの概要、グループを使用する状況、およびさまざまな Tablix データ領域に使用できるグループについて説明します。

参照

データセット フィルター、データ領域フィルター、およびグループ フィルターの追加 (レポート ビルダー)
入れ子になったデータ領域 (レポート ビルダーおよび SSRS)
同じデータセットへの複数のデータ領域のリンク (レポート ビルダーおよび SSRS)
式 (レポート ビルダーおよび SSRS)
データのフィルター、グループ化、および並べ替え (レポート ビルダーおよび SSRS)
レポート パラメーター (レポート ビルダーおよびレポート デザイナー)
グラフ (レポート ビルダーおよび SSRS)
ゲージ (レポート ビルダーおよび SSRS)