ワークロードに適したディスクの種類を選択する

完了

提案された Azure アプリケーションに対して設計者が選択する必要のあるディスクの種類を詳しく調べてみましょう。

あなたの医療機関には、処方薬の在庫を管理し、開業医が地域の診療所で常にそれを使用できるようにする、ビジネス クリティカルなシステムがあります。 あなたは、システムをできるだけ変更せずに Azure に移行したいと考えています。 あなたは、現在の物理サーバーと一致する仮想マシンのセットを Azure に作成してから、システムを移行することを検討しています。 移行の前に、各仮想マシンに適したディスクの種類を選択する必要があります。

このユニットでは、提案された Azure インフラストラクチャでの各仮想サーバーの要件を調べて、特定のディスクの種類が最適である理由を確認します。

Diagram of on-premises servers for the prescription drugs stocks database.

運用データベース サーバー

最初に、処方薬在庫システム用の運用データベースをホストする仮想マシンを設計する必要があります。 このシステムはビジネスに不可欠です。 世界中の大多数の従業員が業務に使用しています。 オンプレミス システムのデータベース サーバーは頻繁に使用されます。 物理ディスクは、IOPS とスループットの点で容量に近い状態で実行されます。

通常期間中とピーク需要時 (成功したマーケティング キャンペーンの期間中など) の両方について、オンプレミス システムのパフォーマンスを監視および分析しました。 この調査では、高速のディスクと低待機時間によってシステムが支えられていること、そしてパフォーマンスが低下するとすべてのユーザーに影響することが示されています。 クラウドへの移行後も現在のパフォーマンスが確実に維持されるようにするには、50,000 IOPS と最大 1,000 MBps のスループットをサポートするディスクに、データベースを格納する必要があります。

この要件により、意思決定がシンプルになります。 Premium SSD マネージド ディスクの最大サイズは P80 ですが、このサイズは 20,000 の最大 IOPS と 900 MBps の最大スループットをサポートします。 必要なパフォーマンスがサポートされるのは、最大サイズの Ultra Disk だけです。

Ultra Disk をアタッチできるのは、可用性ゾーン内の仮想マシンのみであることに注意してください。 仮想サーバーがデータセンター全体のハードウェア障害に対して脆弱ではないため、この要件によって高可用性が実現されます。 また、仮想マシンがホストされている可用性ゾーン間のレプリケートが Azure によって自動的に行われる、マネージド ディスクを使用する必要があります。

データ ウェアハウス サーバー

次に、処方薬のデータ ウェアハウスがホストされているサーバーについて検討します。 運用データベースからのデータは、このデータ ウェアハウスに定期的にエクスポートされ、長期的な傾向を簡単に分析できるように再構造化されます。 これらのサーバーでは、複雑なレポートのニーズに対応するように設計されたデータ キューブもホストされています。

オンプレミスのシステムでは、メインのデータセンターに 1 台のデータ ウェアハウス サーバーがあり、地域オフィスにも複数のサーバーが存在します。 これらのデータ ウェアハウス サーバー用の仮想マシン イメージを作成してあり、それを使用することで、複数の Azure リージョンに仮想マシンの複数のインスタンスを簡単にデプロイできるようにします。 あなたの分析では、これらのサーバーにはハイ パフォーマンスのディスクが必要であることが示されていますが、運用データベース サーバーで必要になるような極端なパフォーマンスは必要ありません。

Azure で最もハイ パフォーマンスのディスクは、Premium SSD v2 マネージド ディスク、Premium SSD マネージド ディスク、Ultra ディスクです。 ただし、Ultra Disk と Premium SSD v2 マネージド ディスクは、現在、仮想マシン イメージをサポートしていません。 そのため、このワークロードのデータ ディスクに最適なディスクの種類は、Premium SSD マネージド ディスクです。

スタンバイ データベース サーバー

オンプレミスのシステムには、メインの処方薬在庫データベースのレプリカが実行されているスタンバイ サーバーがあります。 メイン サーバーで障害が発生した場合など、まれに、ユーザー エクスペリエンスのサービスを中断しないよう、データベース クエリがこのサーバーにリダイレクトされます。 クラウドベースのシステムにも同様のスタンバイ仮想マシンが必要です。

この仮想マシンはほとんどの時間は使われないため、限られた予算内で実装するよう求められています。 設計者は、プライマリ仮想マシンのまれな障害の間は、パフォーマンスが低下しても許されると考えています。

Premium SSD マネージド ディスクまたは Premium SSD v2 マネージド ディスクまで予算を増やす可能性は低いことがわかります。 このような状況では、マネージド ディスクを使用する Standard SSD が最適な選択肢です。このディスクでは、同じサイズの Standard ハード ディスク ドライブ (HDD) と同等以上のパフォーマンスと、より一貫したパフォーマンスが得られます。

管理 Web インターフェイス

オンプレミスのシステムには、データにメンテナンス ルーチンを実装する一連のストアド プロシージャが含まれています。 また、管理者がデータベースのパフォーマンスを監視するために使用するデータ ビューのセットもあります。 オンプレミスシ ステムには、管理者の作業を容易にするため、管理者がこれらのストアド プロシージャを実行してパフォーマンス レポートを表示するために使用できるサイトをホストしている Web サーバーがあります。 このサーバーをクラウドに移行し、Azure 仮想マシンでホストします。

やはり、コストを最小限に抑える必要があります。 そのサイトは、20 人の管理者のチームによってのみ使用され、ディスク ドライブには低い負荷しかかかりません。ディスクは、Web アプリケーションのコード ファイルを格納するためにのみ使用されます。 このサーバーはビジネス クリティカルなシステムではないため、厳密な可用性の要件はありません。

この場合は、Web サーバーで Standard HDD を使用することにより、コストを最小限に抑えることができます。 管理要件を最小限に抑えるため、マネージド ディスクを使用できます。

自分の知識をチェックする

1.

管理 Web インターフェイス サーバーで、あなたは Azure Backup を使用して仮想マシンのディスクの内容を保護したいと考えているものとします。 この要件により、選択するディスクの種類はどのように変わりますか?

2.

スタンバイ データベース サーバーについて、要件が変更されたとします。 あなたは、常時 1,100 以上の IOPS が絶対に必要であると判断します。 この要件により、選択するディスクの種類はどのように変わりますか?