オフラインの構成

完了

今日では、これまで以上に人と人がインターネットでつながっていますが、フィールド エージェントは遠隔地や地下などの場所で作業する場合があるため、インターネットにアクセスできないことがあります。 しかし、たとえインターネットにアクセスできなくても、作業指示書や予約の情報にはアクセスする必要があります。 Dynamics 365 Field Service Mobile アプリケーションのオフライン機能を使用すると、エージェントはインターネットにアクセスできないときでも、必要な情報を継続して入手することができます。 作業指示書、メモ、サービス タスク、写真などの項目を、オフラインで作業しながら入手します。 インターネットに再び接続すると、データが自動的にサーバーに同期されます。

組織はモバイル アプリケーションをデプロイする段階になったら、作業者がオフラインの間にどの情報を使用できようにするかを検討する必要があります。 たとえば、部下である作業者従業員は、作業指示書と予約のみが必要な場合があります。 フィールド サービス マネージャーには、モバイル アプリを使用しているオペレーターには許可しないような、より広範な情報へのアクセスを許可することが必要になる場合があります。

現場の作業者に対して定義されたオフライン プロファイルを基に、アプリはローカルに存在するデータベースへのデータのダウンロードを、デバイスにあらかじめ定義された間隔で、あるいはオンデマンドで実行します。 アプリケーションがオフライン モードに切り替わると、すべてのデータがローカル デバイス上のデータベースから直接読み取られます。 サーバーのデータは読み取りません。 この方法で、インターネットに接続できないときでも同じようにアプリを実行することができます。

Field Service Mobile アプリをオフラインで使用するには、次の手順に従ってオフライン機能を構成します。

  1. オフライン プロファイルを設定する (既定で 1 つ存在します)。

  2. オフライン プロファイルにユーザーを追加する。

  3. オフライン プロファイルを公開する。

  4. オフライン プロファイルを Field Service Mobile のモデル駆動型アプリに追加する。

詳細については、「Field Service (Dynamics 365) モバイル アプリでオフライン機能を構成する」を参照してください。

オフライン プロファイルの設定

既定で、Field Service Mobile - オフライン プロファイルと呼ばれるオフライン プロファイルが用意されており、ユーザーに割り当てて簡単に使用することができます。 このプロファイルに Field Service テーブルに対して推奨される既定の設定が含まれています。 他のオフライン プロファイルも、必要に応じて作成することができます。 オフライン プロファイルは、Microsoft Power Platform 管理センターから作成および編集する必要があります。

管理センターから、プロファイルを定義する環境を識別して選択する必要があります。 この環境は、Dynamics 365 Field Service のデプロイ先の環境です。 画面の右上にある設定を選択します。 オフライン プロファイルは、ユーザーとアクセス許可 > モバイルの構成で設定します。

プロファイルで、次の 3 つの項目に対してどのデータを使用可能にするかを定義します。

  • テーブル - オフラインで使用できるテーブルと、データを同期する頻度を指定します。

  • フィルター - 各テーブルでどのデータをオフラインで使用可能にするかを指定します。 たとえば、既定では現在の日付の前後 7 日間の範囲に含まれる予約エンティティのみを取得するようにフィルターが設定されます。

  • リレーションシップ - 2 つのテーブル間にリレーションシップが存在することを指定します。

項目を関連付けることで、すべてのエンティティにフィルターを設定する手間が省けるため、時間を節約できます。 関連するエンティティに設定されたフィルターに従って、エンティティを関連付けることができます。

詳細については、「Field Service (Dynamics 365) モバイル アプリでオフライン機能を構成する」を参照してください。

オフライン プロファイルの変更の開始

既定の Field Service Mobile - オフライン プロファイルを使用して、出発点とすることをお勧めします。 そうすれば、プロファイルの使用をすぐに開始しながら、ビジネスの要件に応じてプロファイルを更新するのに役立ちます。 つまり、テーブルに関連付けられたフィルター、リレーションシップ、同期の間隔を、必要に応じて変更することができます。 既定で用意されているテーブルを使用し、Field Service で使用する重要な項目をこのテーブルに含めることを強くお勧めします。

オフラインで使用できるデータを定義するには、オフラインで使用可能なデータ セクションの管理を選択し、使用するテーブルを編集します。 通常、テーブルにはそれぞれフィルターがあらかじめ関連付けられています。 どの情報をオフラインで使用可能にするかをパーソナライズするために、データ ダウンロードのフィルターを選択します。

オフラインで使用可能にする情報には、次の 4 つのオプションがあります。

  • 組織の行 - ダウンロードするユーザー関連データを指定できます。 3 つのオプションから選択できます (複数選択可能です)。

    • ユーザーの行 - ユーザーが所有するか、ユーザーに割り当てられているテーブル レコードをダウンロードします。

    • チームの行 - ユーザーがメンバーとして所属するチームが所有または割り当てられているテーブル レコードをダウンロードします。

    • 事業単位の行 - ユーザーと同じ事業単位に属するユーザーが所有または割り当てられているテーブル レコードをダウンロードします。

  • すべての行 - そのテーブルのすべての行をダウンロードします。

  • 関連する行のみ - 定義されたリレーションシップに基づいて、関連するテーブルに格納されているデータをダウンロードします。 リレーションシップがテーブルに定義されていない場合、データはダウンロードされません。

  • ユーザー定義 - カスタム フィルターを定義して、ダウンロードするデータを制御できます。

たとえば、予約可能リソースの予約(つまり、予約) テーブルのダウンロード フィルターがユーザー定義にセットされているとします。 カスタム フィルターは、7 日後または今日、リソースの予約を開始または終了するよう設定されています。 予約のデータを現時点で最新、かつ作業者にとって最も関連のある状態に保つことができます。

重要

[すべての行] を指定してフィルターを設定することもできますが、必要でない限り、このオプションの使用は避けてください。 テーブルのすべてのデータがダウンロードされるため、データの量が莫大になると同期にかなりの時間が必要になる可能性があります。

既定のオフライン プロファイルは、Field Service の更新中に定期的に更新されます。 エンティティのオフライン同期フィルターを変更すると、そのエンティティの同期フィルターは更新を受信しなくなります。 変更されていない他のエンティティの同期フィルターは、未公開の状態にある更新を受け取ります。 管理者は更新を確認し、更新を適用するか、または現在の同期フィルターを続行するかを判断できます。 この方法でのみ、同期フィルターやリレーションシップは更新を受け取りながら、特定の変更を維持することができます。

詳細については、「Field Service (Dynamics 365) モバイル アプリでオフライン機能を構成する」を参照してください。

同期間隔

オフラインで使用可能にするデータを識別した後に、レコード データをユーザーのデバイスに自動で同期する頻度を定義する必要があります。 同期間隔は、最短で 5 分、最長で 1 日に設定できます。 同期間隔を定義する際には、使用するデータについて考慮する必要があります。 たとえば、予約データなどの頻繁に変更されるレコードには、同期間隔を短い期間で設定します。 これにより、接続が失われた場合でも、最新の予約データを使用することができます。 製品やアカウントなど、変更の回数が少ないレコードについては、頻繁に同期する必要はありません。

既定の Field Service Mobile - オフライン プロファイルには、レコードの種類ごとにあらかじめ同期間隔が、それぞれのレコードの種類の典型的な使用パターンに基づいて定義されています。 この定義を変更する場合は、その項目について調査してから変更することをお勧めします。 同期するデータによっては (データ量が多い場合など)、同期中にモバイル アプリケーションのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。

詳細については、「同期間隔」を参照してください。

オフライン プロファイルにユーザーとチームを追加する。

オフライン プロファイルを作成するごとに、プロファイルを適用するユーザーまたはチームを定義する必要があります。 ユーザーやチームをオフライン プロファイルに追加するには、プロファイル画面の右側にあるオフライン アクセスを使用するユーザー パネルを使用します。 ユーザーは、個別に追加するか、チームの一部として追加できます。 組織の多くのユーザーにオフライン アクセスが必要な場合は、チームを使用することでユーザー アクセスを簡単に管理することができます。 チームをプロファイルに追加すると、チームのすべてのメンバーがプロファイルに追加されます。 そのチームのユーザーが、チームに表示されます。 ユーザーがチームから追加または削除されると、オフライン プロファイルにもそれが反映されます。 ユーザーを個別に追加すると、そのユーザーはオフライン プロファイルに直接表示されます。

ユーザーまたはチームは、同時に 1 つのオフライン プロファイルにのみ追加できます。 ユーザーまたはチームを別のオフライン プロファイルに追加すると、そのユーザーには既に別のオフライン プロファイルが適用されていることを示す警告が表示されます。 それでも追加を続行すると、ユーザーまたはチームが新しいプロファイルに移動されます。

詳細については、「オフライン データを構成する」を参照してください。

オフライン プロファイルをアプリに追加する。

オフライン プロファイルを定義し、それを適用するユーザーまたはチームを追加したら、オフライン プロファイルを Field Service Mobile アプリケーションに関連付ける必要があります。 アプリケーションにアクセスするには、https://yourenvironment.crm.dynamics.com/apps に移動し、Field Service Mobile の Service Mobile のアプリ デザイナーに移動します。

アプリ デザイナーで、設定ボタンを選択します。 [全般] タブで、オンラインで使用可能を選択してから、使用するモバイル オフライン プロファイルを設定します。

詳細については、「Field Service (Dynamics 365) モバイル アプリでオフライン機能を構成する」を参照してください。

その他の詳細

デバイスのデータとサーバーのデータの間に不一致が生じた場合に、同期の競合が発生することがあります。 たとえば、現場の作業者がモバイル アプリで作業指示書を変更し、バックオフィスのディスパッチャーが自分のコンピューターで同じ作業指示書を変更した場合、これらの変更は両社の間でまだ同期されません。

競合エラーは、管理者が設定した情報に基づいて解決されます。 競合はエンティティ レベルで発生し、各フィールドでは発生しません。

詳細については、「同期の競合」を参照してください。

詳細については、「構成の考慮事項」の記事を参照してください。