コンテキストについて理解する
コンテキストによる DAX メジャーへの影響は、理解するのが難しい概念です。 以下の視覚エフェクトでは、コンテキストによる DAX メジャーへの影響が実演され、それらが相互作用するしくみを確認できます。
以下の 3 つの視覚エフェクトでは、まったく同じ DAX メジャーが使用されています。Total Sales です。
それぞれの視覚エフェクトでは同じ DAX メジャーが、したがって同じ DAX 式が使用されていますが、各視覚エフェクトでは異なる結果が生成されます。 たとえば、最初の視覚エフェクトでは、データセット全体に対する Total Sales メジャーが表示されています。 このデータセットでは、Total Sales は 135 万米国ドルです。 2 番目の視覚エフェクトでは、Total Sales が年別に分けられています。 たとえば、2014 年の Total Sales は 23 万米国ドルです。 3 番目の視覚エフェクトでは、Total Sales が Product ID 別に分けられています。
Power BI では、一度しかメジャーを定義していなくても、異なる方法でこれらの視覚エフェクト内で使用することができます。 それぞれの合計は正確で、かつ迅速に実行されます。 DAX メジャーがどのように使用されるかというコンテキストによって、これらの合計が正確に計算されます。
また、視覚エフェクト間の相互作用によって、DAX メジャーの計算方法も変更されます。 たとえば、2 番目の視覚エフェクトを選択してから 2015 を選択すると、次のスクリーンショットに示すような結果が表示されます。
2 番目の視覚エフェクトで 2015 を選択することにより、DAX メジャーのフィルター コンテキストが変更されました。 最初の視覚エフェクトが、2015 年の売上と等しくなるように変更されました。66 万米国ドルです。 また、Product ID ごとに Total Sales が分けられましたが、2015 年の結果のみが表示されています。 これらの計算はメモリ内ですばやく変更され、ユーザーに対して非常に対話的な方法で結果が表示されました。
DAX メジャーの定義は変更されていません。次の例に示すように、これは元のままです。
Total Sales = sum('Sales OrderDetails'[Total Price])
このシナリオは、コンテキストと DAX が連動するしくみを説明するためのシンプルな方法です。 その他の多くの要因によって、DAX 式の評価方法が影響を受けます。 スライサーやページ フィルターなどによって、DAX 式が計算および表示される方法が影響を受ける可能性があります。
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