導入

完了

オープンソースのカスタム コネクタを作成し、すべてのユーザーが利用できるよう認定することができます。 オープンソースにすることで、コネクタが Microsoft Power Platform GitHub リポジトリに公開されるようになります。

Microsoft Power Platform GitHub リポジトリ

Microsoft Power Platform GitHub リポジトリには、カスタムおよび認定済みの 2 つのグループに分けることができる複数のタイプのコネクタがあります。

カスタム コネクタは、どのユーザーでも GitHub リポジトリから環境にインポートし、コネクタの共同作成に参加して導入を検討することができるコネクタです。 カスタム コネクタを作成した場合、自分自身およびコネクタを明示的に共有したユーザーだけが使用できます。 カスタム コネクタを Microsoft Power Platform GitHub リポジトリに追加すると、ユーザーが環境に簡単にコネクタをインポートできるようになります。

カスタム コネクタの認定が必要となるケース

Microsoft Power Automate、Microsoft Power Apps、Microsoft Azure Logic Apps のすべてのユーザーの公式コネクタ覧にコネクタを表示するには、カスタム コネクタを認定する必要があります。

カスタム コネクタの認証には多くの理由がありますが、API を使いやすくする、認知度を高める、リーチを拡大するというのが主な理由です。 カスタム コネクタが社内向けではなく、幅広いユーザーにとって役立つ API へのアクセスを提供している場合は、そのカスタム コネクタを認定しましょう。 API の基礎となるサービスを Microsoft テクノロジでホストする必要はありません。 実際、コネクタは、Microsoft 以外のソリューションと Microsoft Power Platform ソリューションを統合する場合に便利です。 コネクタは、無償 API 用でも有償 API 用でも認定できます。

公開前に、Microsoft は、認定コネクタが認定基準を満たしているかどうかを確認します。 次の 2 タイプのコネクタの発行者が使用可能です。

  • 検証済み発行者 - 認証済み発行者の主な要件は、基礎となるサービスを所有するか、API を使用する明示的な権限を提示して、製品に適したユーザー シナリオを提供することです。

  • 独立系発行者 - このタイプの発行者は、コネクタの背後にある基礎となるサービスを所有していません。 たとえば、API のユーザーが会社に所属していない場合、そのユーザーは API 用のコネクタを送信することで、コネクタの認定を受けることができます。 発行者がこのタイプである場合、コミュニティ内のユーザーは、Microsoft Power Platform コネクタ エコシステムに参加できるようになります。

コネクタの初回の認定と更新は無料です。 次のユニットでは、認定プロセスについて詳しく説明します。

オープンソースのカスタム コネクタを作成するケース

作成したカスタム コネクタが他のユーザーにとってもメリットとなると判断した場合、どれもオープンソース化の候補となります。 コネクタを認証する場合、最初のステップとして定義をオープンソースにします。 次に、作成しようとしている API のリポジトリに既存のカスタム コネクタ定義が存在するかどうかを確認する必要があります。 定義が見つかった場合、重複するコネクタを作成するのではなく、pull request を送信することで、共同作成によってコネクタを改善するための変更を行うことをお勧めします。

次の例は、オープンソースのカスタム コネクタの作成に最適なケースと適していないケースを示しています。

オープンソースに最適な例 オープンソースに適していない例
誰でも使用できるように公開されている API 用のコネクタ 社内ネットワーク内でのみ使用できるプライベート API 用のコネクタ

ほとんどの共同作成では、共同作成者使用許諾契約書 (CLA) に同意する必要があります。 この同意は、ご自身の共同作成内容を使用する権利を Microsoft に供与する権利をお持ちであり、かつ実際に供与することを宣言するものです。 詳細については、「共同作成者使用許諾契約書」を参照してください。

GitHub リポジトリには、コネクタを含む 3 つのメイン フォルダーがあります。

  • custom-connectors

  • independent-publisher-connectors

  • certified-connectors

custom-connectors フォルダーには、完全に機能するコネクタ サンプルが格納されており、機能の拡張やコネクタの使用を目的として、Microsoft Power Platform に展開することができます。 これらのサンプルは、認定コネクタではありませんが、オープンソース コミュニティによって作成および管理されており、コネクタの概念に基づく有用なシナリオや例が提供されます。 これらのコネクタは、既定では Power Apps、Power Automate、Logic Apps に展開されないため、他の 2 つのフォルダーとは異なります。

independent-publisher-connectors フォルダーには、コネクタの背後にある基礎となるサービスを所有していない発行者が送信したコネクタが格納されています。 これらのコネクタは、Microsoft Power Platform 内でプレミアム コネクタとして展開し、使用することができます。 このフォルダへの新しいコネクタの送信、このフォルダ内にあるコネクタへの機能追加、このフォルダ内にあるコネクタに関連する問題の解決は、誰でも実行できます。 このフォルダは、独立系発行者コネクタのコミュニティによって管理されます。このコミュニティは、独立系発行者やプロジェクト コーディネーターによって構成されます。 master ブランチは Microsoft コネクタ認定チームが管理し、コネクタのバージョンは Microsoft Power Platform に展開されているバージョンと同一のバージョンになっています。 dev ブランチはコネクタの管理者と Microsoft コネクタ認定チームが管理し、バージョンの認定および展開前にコミュニティがコネクタを開発できるようにしています。

certified-connectors フォルダーには、既に展開済みであり、Microsoft Power Platform 内ですぐに使用できる認定コネクタが格納されています。 Microsoft コネクタ認定プログラムの要件は、新しい認定コネクタをコミュニティが共同作成できるオープンソースにすることです。 Microsoft コネクタ認定チームは、certified-connectors フォルダーを管理してており、master ブランチ内のコネクタのバージョンが Microsoft Power Platform に展開されているバージョンと同じになるようにしています。 dev ブランチはコネクタの所有者と Microsoft コネクタ認定チームが管理し、バージョンの認定および展開前にコミュニティがコネクタを開発できるようにしています。

GitHub リポジトリを共同作成するには、まずリポジトリの独自のコピーを取得 (つまり、フォークを作成) できます。 手順については、フォークの作成で説明されています。 フォークを作成したら、pull request を使用することで、コネクタを共同作成する準備を行うことができます。 Microsoft Power Platform コネクタ CLI を使用すると、コネクタ資産をダウンロードできます。

Microsoft Power Platform コネクタ CLI

コネクタ資産を使用するには、Microsoft Power Platform コネクタ CLI のインストール手順を使用して Microsoft Power Platform コネクタ CLI をダウンロードします。

Microsoft Power Platform コネクタ CLI は、paconn とも呼ばれます。

Microsoft Power Platform コネクタ CLI を使用したサインイン

コネクタ ファイルをダウンロードするには、Microsoft Power Platform コネクタ CLI を使用してサインインする必要があります。 次のコマンドを実行してサインインします。

paconn login

このコマンドを実行すると、デバイス コード サインイン プロセスを使用してサインインするよう求めるメッセージが表示されます。 サインイン プロセスを求めるメッセージに従います。

Microsoft Power Platform コネクタ CLI を使用したダウンロード

オープンソース コネクタの作成に必要なファイルを準備するには、Microsoft Power Platform コネクタ CLI から paconn download コマンドを使用します。

次のコマンドを実行してカスタム コネクタ ファイルをダウンロードします。

paconn download

このコマンドを実行すると、デバイス サインインが開始され、ユーザーに代わって paconn が Microsoft Power Platform 環境にアクセスできるようになります。 認証が完了すると、paconn により環境の一覧が表示され、環境を選択できます。その後、コネクタの一覧が表示され、コネクタを選択できます。

環境 ID とコネクタ ID がわかっている場合、次のコマンド ライン構文を使用することで、それらの ID を求めるメッセージをスキップできます。

paconn download -e [Microsoft Power Platform Environment GUID] -c [Connector ID]

ダウンロードには次の 4 つのファイルが含まれています。

  • apiDefintion.swagger.json - 含まれているコネクタ (すべてのトリガーやアクションなど) の OpenAPI 定義。

  • apiProperties.json - ポリシー テンプレートと、OpenAPI 仕様の一部ではないその他の拡張コネクタ プロパティを定義します。

  • icon.png - コネクタが使用されているときにデザイナーでサービスを表す小さいアイコン。

  • settings.json - このファイルは、paconn にパラメーターを提供する代わりに使用されます。

カスタム コネクタをオープンソースにして認定すると、API の知名度が高まります。 オープンソース リポジトリでコネクタ定義を共同作成することで、他のユーザーがカスタム コネクタを使用できるようになります。 認定コネクタを使用しているユーザーは、更新が公開されると自動的に更新される定義を使用していることになります。 オープンソース コネクタの定義を使用している場合、ユーザーは自分のコピーに更新を適用する必要があります。 このモジュールの残りの部分では、カスタム コネクタを認定する方法と、進展に伴ってライフサイクルを管理する方法について説明します。