データ ストレージのために設計する
Azure Storage の設計の最初のステップは、Tailwind Traders 組織をサポートするために必要なデータの種類を決めることです。 一般に、データは、構造化、半構造化、非構造化の 3 つの方法に分類できます。 ほとんどの組織では、すべてのデータの種類にストレージ オプションを提供する必要があります。
データの種類について知っておくべきこと
次の表では、3 つのデータの種類ついて説明します。 これらのさまざまな種類が組織でどのように使われているかを検討してください。
構造化 | 半構造化 | 非構造化 |
---|---|---|
構造化データは、共有スキーマを持つリレーショナル形式で格納されます。 多くの場合、構造化データは、行、列、キーから成るデータベース テーブルに含まれます。 | 半構造化データでは、整理の程度が低くなります。 データ フィールドは、テーブル、行、列にきちんと収まりません。 半構造化データには、データがどのように編成されているかを明確にするタグが含まれています。 データは、シリアル化言語を使って定義されます。 | 非構造化データは、最も整理されていません。 このデータは、一緒に格納される情報の組み合わせですが、データに明確なリレーションシップはありません。 非構造化データの形式は、"非リレーショナル" と呼ばれます。 |
- 医療記録、電話帳、金融口座などのリレーショナル データベース - eコマース Web サイトのアプリケーション データ |
- ハイパーテキスト マークアップ言語 (HTML) ファイル - JavaScript Object Notation (JSON) ファイル - 拡張マークアップ言語 (XML) ファイル |
- 写真、ビデオ、オーディオなどのメディア ファイル - Word 文書や PowerPoint スライドなどの Office ファイル - PDF、TXT、RTF などのテキスト ファイル |
注意
このモジュールでは、構造化されていない非リレーショナル データのストレージ オプションを確認します。 構造化されたリレーショナル データの処理方法については、モジュール「リレーショナル データ用にデータ ストレージ ソリューションを設計する」をご覧ください。
データ ストレージを選択するときに考慮すべきこと
Azure の非リレーショナル データは、複数の異なるデータ オブジェクトに格納できます。 ここでは、4 つのストレージ オブジェクトを実装するシナリオについて見ていきます。 Tailwind Traders でこれらのオプションを確認しながら、ご自分の組織にとって最も関心のある非リレーショナル データの種類について考えてください。 実装が必要になるかもしれないストレージ オブジェクトを検討してください。
Azure Blob Storage を検討する。 Azure Blob Storage を使って、大量の非構造化データを格納します。 BLOB とは、Binary Large OBject (バイナリ ラージ オブジェクト) の頭文字です。 Blob Storage は、画像やマルチメディア ファイルによく使われます。
Azure Files を検討する。 Azure Files は、クラウドでのフル マネージドのファイル共有を提供します。 このストレージ データは、業界標準のサーバー メッセージ ブロック (SMB) プロトコル、ネットワーク ファイル システム (NFS) プロトコル、Azure Files REST API を介してアクセスできます。
Azure マネージド ディスクを検討する。 Azure マネージド ディスクを使って Azure Virtual Machines をサポートします。 これらのディスクは、Azure によって管理されるブロックレベルのストレージ ボリュームです。 マネージド ディスクは、オンプレミス サーバーの物理ディスクと同じように動作しますが、実行されるのは仮想環境です。
Azure Queue Storage を検討する。 多数のメッセージを格納するには、Azure Queue Storage を使います。 Queue Storage は、通常、作業のバックログを作成して非同期的に処理するために使われます。