Connected Field Service の概要

完了

Connected Field Service は、IoT (モノのインターネット) テレメトリをビジネス アクションに結びつける Dynamics 365 Field Service に対するアドオン ソリューションです。 これを利用することで、企業は多くの場合、事後対応型の業務体制をプロアクティブな (先回り型の) 体制へと進化させ、顧客との連携方法に関するビジネス モデルを変革することができます。

このモジュールでは、Connected Field Service を Azure の IoT 機能と連携させることで、完全な IoT ソリューションを実装する方法について見ていきます。

完全な IoT ソリューションをわかりやすく捉えるには、次の 3 つの主要領域を押さえるのが効果的です。

IoT の重要な領域である、モノ、分析情報、およびアクションの図。

モノのインターネットについてはさまざまなメリットが取り沙汰されていますが、テレメトリの取得に関する細かな事柄に注目が集まりがちで、検出された問題への対処方法や、技術者を現場に派遣する方法のことは忘れられがちです。

プロアクティブな検出と診断

Connected Field Service は、"分析情報に基づくアクション" の重要な構成要素です。 IoT デバイスを顧客の資産として接続すれば、作業指示書の作成や技術者の派遣を効果的に実行することができます。 これにより、顧客が問題に気づきさえしていないうちに、問題を検出して診断することが可能になります。 たとえば、オンサイト訪問を事前対応的にスケジュールしたり、デバイスに自動リセットコマンドを送信したりすることも可能になります。 技術者はオンサイト訪問を行うときに、その作業指示書に関連するその顧客の詳細が登録された Field Service モバイル アプリケーションを使用できます。 これらの訪問は、Dynamics 365 Field Service のスケジューリング機能を使用してスケジュールされ、最適化されます。

次の図は、Microsoft Azure IoT 参照アーキテクチャから抜粋したものです。これはビジネス統合に焦点を置いたもので、Connected Field Service は参照アーキテクチャのこの部分に適合します。

Microsoft Azure 参照アーキテクチャの図。Connected Field Service によるビジネス統合の部分が強調表示されている。

全体的な Connected Field Service ソリューションを構築するにあたっては、分析情報の生成も、その一環として含まれる場合があります。 たとえば、テレメトリ データ内の異常を検出するよう、ストリーム処理を変更することがあります。 たとえば、温調ルームを監視している場合を考えてみましょう。 室温の急激な上昇を検知することは簡単ですが、 気温が 8 時間にわたってゆっくりと上昇した場合に、その上昇を検出して分析情報を生成することができれば、ビジネス バリューはさらに高まります。 そうすれば、温度が顧客にとって危機的なレベルに達する前に、技術者を派遣することが可能になります。

インストール

Connected Field Service アドオンを構成する (後のユニットで実行します) 場合は、その展開をサポートするための Azure コンポーネントを展開することになります。 また、これによって、異常の検出や Dynamics 365 Field Service への通知送信のためのテンプレート ソリューションが、Azure リソース グループ内にインストールされます。

さらに、Dynamics 365 Field Service アプリのインストール時には、Dynamics 365 Field Service アプリケーションを基盤に構築された環境内に、Connected Field Service のアドオン ソリューションが自動的にインストールされます。 これらのソリューションには、次のエンティティが含まれています。これらは、Azure IoT との統合をサポートするエンティティの主要なサブセットです。カスタマイズを実行する際には、これらのエンティティを操作することになります。

エンティティ名 説明
IoT 通知 重要なイベントのため IoT Hub テレメトリから送信されたイベント
IoT デバイス IoT Hub に登録できる接続されているデバイス
IoT デバイス カテゴリ デバイスのグループ化
IoT デバイス コマンド IoT Hub に接続されたデバイスへの送信メッセージ
IoT デバイス登録履歴 デバイスでの登録活動の履歴を追跡します

ソリューションでは、Connected Field Service ソリューションをカスタマイズするときに作業を自動化するために使用できる複数のワークフローとアクションもインストールされます。

次のユニットでは、展開のオプションを調べ、自分のソリューションに適したものを選択する方法について説明します。