Microsoft Dataverse Azure ソリューションの概要

完了

Microsoft Dataverse は堅牢な Microsoft Power Platform の一部です。そのため、このサービスでは、Microsoft Azure ソリューションとの統合を容易にするための機能が多数提供されています。 このレッスンでは、Azure ソリューションとの統合に関する標準的なベスト プラクティスについて説明すると共に、それらが Dataverse とどのように関連するかについて説明します。

Azure の統合ソリューションの比較

Azure には Dataverse との統合が可能な、さまざまなソリューションがあります。 以下のセクションでは、各ソリューションの概要について説明します。 ただし、このモジュールでは、統合の効率化に役立つソリューションのうち、Dataverse 内でユーティリティが事前構成されている次のものについてのみ説明し、その他の内容については今後のレッスンで説明することとします。

  • Microsoft Azure Service Bus

  • Microsoft Azure Event Hubs

  • Microsoft Azure Logic Apps

Logic Apps

Azure Logic Apps では、さまざまな環境をカバーして複雑な統合を調整できる、堅牢なビジュアル インターフェイスが提供されます。 Microsoft Power Automate のワークフローと同じ機能が多数用意されているので、Power Automate でのワークフローの準備に詳しい方は、両者の類似点についてお気づきになることでしょう。 どちらのソリューションでも、既成のコネクタや独自に作成したコネクタを使用して、必要なシステムに接続することができます。 最も重要な点として、Logic Apps には、さまざまな Dataverse イベント (行の作成や更新など) に基づいてアクションをトリガーできる、Microsoft Dataverse コネクタが用意されています。

Azure Service Bus

Azure Service Bus は、Microsoft のクラウド MaaS (Messaging as a Service) プラットフォームです。 メッセージは、ポイント ツー ポイント通信用のキューとの間で送受信されます。 また、Service Bus では、Topics 機能を使用したパブリッシュ/サブスクライブ メカニズムも提供されます。この機能については、このモジュールでは説明しません。

Azure API Management

Azure API Management では、Power Platform で使用するために作成したカスタム API を管理することができます。 作成した API のロジックを、内部の独自データ、外部のサービス、または Dataverse API で使用できます。 Azure API Management ポータルから API 定義をエクスポートし、Power Platform のカスタム コネクタを作成できます。

Event Grid

Microsoft Azure Event Grid は、さまざまなイベントを処理できる、イベント駆動型のパブリッシュ/サブスクライブ フレームワークです。 Dataverse では、Event Grid インスタンスと統合するための既成の機能 (Service Bus や Event Hubs について提供されているような統合機能) は用意されていませんが、イベント駆動型の統合が必要な場合には、Event Grid の使用について検討することをお勧めします。

Event Hubs

Azure Event Hubs は、Apache Kafka の Microsoft 版で、1 秒あたりの数百万件のイベントをサポートできる、リアルタイムのデータ取り込みサービスを提供するものです。 このサービスは、大量のデータ ストリームをリアルタイムに取り込む必要がある場合 (たとえば、ビジネス アプリケーション内でアプリケーション テレメトリのような項目を取り込む必要がある場合など) に適していますが、ビジネス アプリケーション統合のシナリオにおいては、あまり使用されません。 技術的に言うと、Event Hubs は Azure では統合ソリューションとして見なされません (主に "ビッグデータ" に使用されるため、分析ソリューションと見なされます)。Dataverse を使用して Event Hub にイベントを発行することができます。

適切な Azure 統合ソリューションの選択

どの Azure 統合ソリューションが自社のニーズに適しているのか判断しづらい場合は、次の表に示す情報を参考にしてください。

目的 使用するソリューション
ワークフローを作成し、ビジネス プロセスを調整して、クラウドやオンプレミス上の数百のサービスに接続する。 Logic Apps
オンプレミスとクラウドベースのアプリケーションやサービスに接続して、メッセージング ワークフローを実装する。 Service Bus
社内の開発者用と社外の開発者用の API を発行し、さまざまな場所でホストされているバックエンド システムへの接続に使用できるようにする。 API Management
パブリッシュ/サブスクライブ モデルを採用したフル マネージド型のイベントルーティング サービスを使用して、サポートされている Azure サービスやサードパーティ サービスに接続し、イベントベースのアプリ開発を簡素化する。 Event Grid
最大数十万のソースからデータをリアルタイムかつ継続的に取得し、1 秒あたり 100 万件のイベントをストリーミングする。 Event Hubs

Azure の幅広い Integration Services フレームワークに関する詳細なガイダンスについては、こちらの Azure Integration Services ホワイトペーパーを参照してください。

また、Azure Web サイトにある、「Azure メッセージング サービスの中から選択する - Azure Event Grid、Event Hubs、および Service Bus」の記事も参考になります。