SAP HANA on Azure (Large Instances) をスケーリングする

完了

Compute

スケールアップまたはスケールダウンするには、HANA Large Instances で使用できる多数のサーバー サイズから選択します。 サイズは Type I と Type II に分類され、さまざまなワークロードに対応できます。 今後 3 年間のワークロードに合わせて拡張できるサイズを選択してください。 1 年のコミットメントを使用することもできます。 1 つの HANA Large Instances インスタンスを使用して、1 つのブレード上の S/4HANA と SAP Business Suite on HANA を 20 TB までスケールアップできます。

複数ホストのスケールアウト配置は、通常、データベース パーティション分割戦略の 1 つとして BW/4HANA デプロイに使用されます。 スケールアウトするには、インストール前に HANA テーブルの配置を計画します。 インフラストラクチャの観点から考えると、複数のホストを共有ストレージ ボリュームに接続することで、HANA システムのコンピューティング worker ノードのいずれかで障害が発生したときに、スタンバイ ホストによる引き継ぎが迅速に行われます。

開発段階のシナリオでは、SAP Quick Sizer を使用して、HANA 上への SAP ソフトウェアの実装に必要なメモリを計算できます。 データ量の増加に伴って、HANA のメモリ要件が増加します。 システムの現在のメモリ消費量に基づいて将来の消費量を予測し、ご自身の需要を HANA Large Instances サイズのいずれかにマップします。

既に SAP デプロイがある場合は、SAP によって提供されるレポートを使用して、既存のシステムで使用されているデータを確認し、HANA インスタンスのメモリ要件の計算できます。 たとえば、次の SAP Note をご覧ください。

ストレージ

追加のストレージは 1 TB 単位で購入できます。 この追加のストレージは、追加のボリュームとして追加することや、1 つ以上の既存のボリュームを拡張するために使用できます。 最初にデプロイしたボリュームのサイズを小さくすることはできません。 また、ボリュームの名前やマウント名を変更することもできません。 ストレージ ボリュームは、NFS4 ボリュームとして HANA L インスタンス ユニットにアタッチされます。

SAP HANA のデータ階層化と拡張ノード

SAP では、さまざまな SAP NetWeaver リリースの SAP BW および SAP BW/4HANA のデータ階層化モデルをサポートしています。 HANA L インスタンスでは、SAP HANA 拡張ノードを使用した SAP BW/4HANA および SAP BW on HANA に関する記事で説明されているように SAP HANA 拡張ノードのオプション 1 構成を使用できます。 オプション 2 の構成は次の HANA L インスタンス SKU を使用して設定できます: S72m、S192、S192m、S384、S384m。

ドキュメントを参照しても、すぐには利点を確認できないかもしれません。 しかし、SAP のサイズ変更ガイドラインを見ると、オプション 1 およびオプション 2 の SAP HANA 拡張ノードを使用することによる利点を確認できます。 以下に例を示します。

  • SAP HANA のサイズ変更ガイドラインでは通常、メモリの 2 倍のデータ ボリュームが必要です。 ホット データで SAP HANA インスタンスを実行した場合、メモリの 50% 以下しかデータが入っていません。 残りのメモリは、SAP HANA が作業を実行するために残しておくのが理想です。
  • つまり、2 TB のメモリを持つ HANA L インスタンス S192 ユニットで SAP BW データベースを実行すると、データ ボリュームとしては 1 TB しかありません。
  • 追加でオプション 1 の SAP HANA 拡張ノードと S192 HANA L インスタンス SKU を使った場合、データ ボリュームに 2TB の容量が追加されます。 オプション 2 の構成では、ウォーム データ ボリューム用に 4 TB が追加されます。 ホット ノードと比較した場合、オプション 1 ではデータの格納に "ウォーム" 拡張ノードの全メモリ容量をご利用いただけます。 オプション 2 の SAP HANA 拡張ノード構成では、データ ボリュームに 2 倍のメモリをご利用いただけます。
  • その結果、オプション 1 ではデータ容量が 3 TB、ホットとウォームの割合が 1:2 になります。 オプション 2 の拡張ノード構成では、データ容量が 5 TB、ホットとウォームの割合が 1:4 になります。

メモリに対してデータ ボリュームが大きいほど、求めるウォーム データがディスク ストレージに保存されている可能性が高くなります。