SAP HANA on Azure (Large Instances) の ExpressRoute FastPath に関する考慮事項を調べる
2019 年 5 月から、Microsoft では、HANA Large Instances から、SAP アプリケーション VM がホストされている Azure 仮想ネットワークへの接続を最適化する目的で、ExpressRoute FastPath を提供しています。 これを使用する主なメリットは、VM と HANA Large Instances の間のデータ フローが ExpressRoute ゲートウェイを通じてルーティングされなくなることです。 代わりに、Azure 仮想ネットワークのサブネットに割り当てられている VM は、専用のエンタープライズ エッジ ルーターと直接通信します。
ExpressRoute FastPath 機能では、SAP アプリケーション VM が稼働しているサブネットが、HANA L インスタンスに接続されているのと同じ Azure 仮想ネットワーク内にあることが必要です。 HANA L インスタンス ユニットに直接接続されている Azure 仮想ネットワークにピアリングされている Azure 仮想ネットワーク内の VM には、ExpressRoute FastPath のメリットはありません。 したがって、ExpressRoute 回線がハブ仮想ネットワークに接続され、SAP アプリケーション層を含む仮想ネットワーク (スポーク) がピアリングされている、従来の典型的なハブとスポークの仮想ネットワーク設計では、ExpressRoute FastPath による最適化のメリットは得られません。 また、ExpressRoute FastPath では、今のところユーザー定義ルーティング規則 (UDR) はサポートされていません。 ExpressRoute FastPath には、UltraPerformance ExpressRoute ゲートウェイが必要です。
詳細については、「ExpressRoute 仮想ネットワーク ゲートウェイと FastPath」を参照してください。