導入

完了

このモジュールでは、要件の取り扱い方法について説明します。 あなたは現在、プリセールス フェーズを終了し、プロジェクトを次のフェーズに移行しようとしているところだとします。 使用する方法論によっては、スプリントやイテレーションのたびに、要件への対応を再確認することになる場合があります。 このモジュールでは、方法論にこだわらず、要件の収集方法や取り扱い方法について、たびたび説明していきます。

このモジュールでは、次の内容を学習します。

  • 主要要件の収集ワークショップ。

  • 機能要件と非機能要件の違い。

  • 要件の確認と最終決定。

顧客の導入

このモジュールでは、Woodgrove Bank という顧客について紹介します。このレッスンに含まれている演習やディスカッションでは、この顧客を想定したうえで、顧客を支援する方法を考えていきます。

Woodgrove Bank は、米国に 14 のオフィスを構えるほか、イギリスとドイツにもオフィスを構えています。 Woodgrove Bank は、商業融資と投資に重点を置いた、大手グローバル金融サービス プロバイダーです。 管理ユーザーはオフィスで就業し、モバイルでの活動は行いません。 ただし、すべての中間層マネージャーについては、クライアントを使用して自宅オフィスや現地での業務を遂行できるようにする必要があります。 Woodgrove のチームは、複数のシステムが分離された現状に不便を感じています。そのため、それらのデータを接続するソリューションによって、財務上の成功と顧客満足度を促進できるようにすることを希望しています。 社内用の環境については、規制に関する懸案事項はそれほど多くありません。ただし、Woodgrove Bank の各チーム内には、それぞれ固有の担当職務があります。

次の表は、Woodgrove Bank の顧客対応チームについて説明したものです。

チーム 説明
ビジネス成長および資産管理 年間取引が 10 億ドル未満の当座預金を担当します。 ここで言う成長とは、会社の再投資に使用されるローンのことを指します。 これらの顧客は、同じアカウント管理者グループによって管理されます。顧客ごとに個別の管理者が割り当てられることはありません。
Fortune 500 このチームが担当する各顧客には、すべての銀行業務の基本連絡先として、シニア アカウント マネージャーが割り当てられます。 この部署で管理されている会社は、Fortune 500 から除外された場合でも、引き続きこの部署によって管理されることになります。
グループ ポートフォリオ管理 このチームは、複数の組織を持つ会社について、共通の傘下にある取引先企業の親会社/子会社を管理します。
新規ビジネス開発 このチームは、主に新規ビジネスに向けたマーケティングを担当します。 取引先企業が見込みありと評価されて有効になると、その取引先企業は適切な管理チームへと受け渡されます。
公的機関/官公庁/高等教育 Woodgrove Bank は、世界中のさまざまな国の政府機関や民間大学において、優先的に使用されている金融業者です。 このチームは、同行がサービスを提供している大口の非営利組織も担当しています。
消費者金融 Woodgrove では企業向けの商品に重点を置いているので、このチームは最も小規模なチームとなっています。 ただし、大口の消費者向けサービスもケースバイケースで提供されています。 このチームでは、外部の見込顧客に対しては営業を打っておらず、多くの場合は、企業顧客の経営幹部向けにサービスを提供しています。
リレーションシップ マネージャー このチームは、他の各チームのメンバーによって構成されています。これにより、取引先企業の担当チームが変更され、顧客とのやり取りの方法が変わった場合にも、一貫したエクスペリエンスが維持されるようになっています。 このチームは、ユーザーのベスト プラクティスの策定も担当しています。
エスカレーション コール センター 同行では、年中無休のコール センターを運営しています。 各事業所 (シカゴとフランクフルト) にそれぞれ 5 人体制のチーム (1 人のマネージャーと 4 人の顧客サービス担当者) を配置すると共に、マニラ (フィリピン) の委託コール センターに 2 つのチームを配置して、アジア太平洋 (APAC) 地域を昼夜シフト体制でカバーしています。

これらのチームに加えて、Woodgrove Bank には、銀行の全体的な運営を管理し、必要に応じて各チームを支援する、Cスイートの幹部陣が存在します。

Woodgrove Bank は、新しいシステムをパイロット フェーズで導入し、CEO が 4 か月後の年次総会 (AGM) で初期成果を発表できるようにしたいと希望しています。