チュートリアル: エディター拡張機能でショートカットキーを使用する

[アーティクル]
06/19/2023

エディター拡張機能でショートカットキーに応答することができます。次のチュートリアルでは、ショートカットキーを使用してテキストビューにビュー修飾を追加する方法について説明します。このチュートリアルは、ビューポート修飾エディターテンプレートに基づいており、+ 文字を使用して修飾を追加できます。

Managed Extensibility Framework (MEF) プロジェクトを作成する

C# VSIX プロジェクトを作成します。 ([新しいプロジェクト] ダイアログで、[Visual C#]、[拡張機能]、[VSIX プロジェクト] の順に選択します。) ソリューションに KeyBindingTest という名前を付けます。
Editor Text Adornment 項目テンプレートをプロジェクトに追加し、KeyBindingTest という名前を付けます。詳細については、「エディター項目テンプレートを使用して拡張機能を作成する」を参照してください。
次の参照を追加し、CopyLocal を false に設定します。

Microsoft.VisualStudio.Editor

Microsoft.VisualStudio.OLE.Interop

Microsoft.VisualStudio.Shell.14.0

Microsoft.VisualStudio.TextManager.Interop

KeyBindingTest クラスファイルで、クラス名を PurpleCornerBox に変更します。左余白に表示される電球を使用して、その他の適切な変更を行います。コンストラクター内で、修飾レイヤーの名前を KeyBindingTest から PurpleCornerBox に変更します。

this.layer = view.GetAdornmentLayer("PurpleCornerBox");

KeyBindingTestTextViewCreationListener.cs クラスファイルで、AdornmentLayer の名前を KeyBindingTest から PurpleCornerBox に変更します。

[Export(typeof(AdornmentLayerDefinition))]
[Name("PurpleCornerBox")]
[Order(After = PredefinedAdornmentLayers.Selection, Before = PredefinedAdornmentLayers.Text)]
public AdornmentLayerDefinition editorAdornmentLayer;

TYPECHAR コマンドを処理する

Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前では、エディター拡張機能でコマンドを処理する唯一の方法は、IOleCommandTarget ベースのコマンドフィルターを実装することでした。 Visual Studio 2017 バージョン 15.6 では、エディターコマンドハンドラーに基づく最新の簡略化されたアプローチが導入されました。次の 2 つのセクションでは、従来のアプローチと最新のアプローチの両方を使用してコマンドを処理する方法について説明します。

コマンドフィルターを定義する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンドフィルターは、修飾をインスタンス化することによってコマンドを処理する IOleCommandTarget の実装です。

クラスファイルを追加し、その名前を KeyBindingCommandFilterにします。

ディレクティブを使用して以下を追加します。

using System;
using System.Runtime.InteropServices;
using Microsoft.VisualStudio.OLE.Interop;
using Microsoft.VisualStudio;
using Microsoft.VisualStudio.Text.Editor;

KeyBindingCommandFilter という名前のクラスは、IOleCommandTarget から継承する必要があります。
```
internal class KeyBindingCommandFilter : IOleCommandTarget
```
テキストビュー、コマンドチェーンの次のコマンド、およびコマンドフィルターが既に追加されているかどうかを表すフラグの非公開フィールドを追加します。
```
private IWpfTextView m_textView;
internal IOleCommandTarget m_nextTarget;
internal bool m_added;
internal bool m_adorned;
```

テキストビューを設定するコンストラクターを追加します。

public KeyBindingCommandFilter(IWpfTextView textView)
{
    m_textView = textView;
    m_adorned = false;
}

QueryStatus() メソッドを次のように実装します。

int IOleCommandTarget.QueryStatus(ref Guid pguidCmdGroup, uint cCmds, OLECMD[] prgCmds, IntPtr pCmdText)
{
    return m_nextTarget.QueryStatus(ref pguidCmdGroup, cCmds, prgCmds, pCmdText);
}

プラス記号 (+) 文字が入力された場合にビューに紫色のボックスが追加されるように Exec() メソッドを実装します。

int IOleCommandTarget.Exec(ref Guid pguidCmdGroup, uint nCmdID, uint nCmdexecopt, IntPtr pvaIn, IntPtr pvaOut)
{
    if (m_adorned == false)
    {
        char typedChar = char.MinValue;

        if (pguidCmdGroup == VSConstants.VSStd2K && nCmdID == (uint)VSConstants.VSStd2KCmdID.TYPECHAR)
        {
            typedChar = (char)(ushort)Marshal.GetObjectForNativeVariant(pvaIn);
            if (typedChar.Equals('+'))
            {
                new PurpleCornerBox(m_textView);
                m_adorned = true;
            }
        }
    }
    return m_nextTarget.Exec(ref pguidCmdGroup, nCmdID, nCmdexecopt, pvaIn, pvaOut);
}

コマンドフィルターを追加する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

修飾プロバイダーにより、テキストビューにコマンドフィルターを追加する必要があります。この例では、テキストビューの作成イベントをリッスンする IVsTextViewCreationListener をプロバイダーに実装しています。また、この修飾プロバイダーから、修飾の Z オーダーを定義する修飾レイヤーもエクスポートされます。

KeyBindingTestTextViewCreationListener ファイルに、次の using ディレクティブを追加します。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.ComponentModel.Composition;
using Microsoft.VisualStudio;
using Microsoft.VisualStudio.OLE.Interop;
using Microsoft.VisualStudio.Utilities;
using Microsoft.VisualStudio.Editor;
using Microsoft.VisualStudio.Text.Editor;
using Microsoft.VisualStudio.TextManager.Interop;

テキストビューアダプターを取得するには、IVsEditorAdaptersFactoryService をインポートする必要があります。
```
[Import(typeof(IVsEditorAdaptersFactoryService))]
internal IVsEditorAdaptersFactoryService editorFactory = null;
```

KeyBindingCommandFilter を追加するように TextViewCreated メソッドを変更します。

public void TextViewCreated(IWpfTextView textView)
{
    AddCommandFilter(textView, new KeyBindingCommandFilter(textView));
}

AddCommandFilter ハンドラーにより、テキストビューアダプターが取得され、コマンドフィルターが追加されます。

void AddCommandFilter(IWpfTextView textView, KeyBindingCommandFilter commandFilter)
{
    if (commandFilter.m_added == false)
    {
        //get the view adapter from the editor factory
        IOleCommandTarget next;
        IVsTextView view = editorFactory.GetViewAdapter(textView);

        int hr = view.AddCommandFilter(commandFilter, out next);

        if (hr == VSConstants.S_OK)
        {
            commandFilter.m_added = true;
             //you'll need the next target for Exec and QueryStatus
            if (next != null)
            commandFilter.m_nextTarget = next;
        }
    }
}

コマンドハンドラーを実装する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 以降)

まず、最新のエディター API を参照するようにプロジェクトの Nuget 参照を更新します。

プロジェクトを右クリックし、[NuGet パッケージの管理] を選択します。
Nuget パッケージマネージャーで、[更新] タブを選択し、[すべてのパッケージを選択] チェックボックスをオンにしてから、[更新] を選択します。

コマンドハンドラーは、修飾をインスタンス化することによってコマンドを処理する ICommandHandler<T> の実装です。

クラスファイルを追加し、その名前を KeyBindingCommandHandlerにします。

ディレクティブを使用して以下を追加します。

using Microsoft.VisualStudio.Commanding;
using Microsoft.VisualStudio.Text.Editor;
using Microsoft.VisualStudio.Text.Editor.Commanding.Commands;
using Microsoft.VisualStudio.Utilities;
using System.ComponentModel.Composition;

KeyBindingCommandHandler という名前のクラスにより、ICommandHandler<TypeCharCommandArgs> から継承し、ICommandHandler としてエクスポートする必要があります。
```
[Export(typeof(ICommandHandler))]
[ContentType("text")]
[Name("KeyBindingTest")]
internal class KeyBindingCommandHandler : ICommandHandler<TypeCharCommandArgs>
```
コマンドハンドラーの表示名を追加します。
```
public string DisplayName => "KeyBindingTest";
```
GetCommandState() メソッドを次のように実装します。このコマンドハンドラーにより、コアエディターの TYPECHAR コマンドが処理されるため、コマンドの有効化をコアエディターに委任できます。
```
public CommandState GetCommandState(TypeCharCommandArgs args)
{
    return CommandState.Unspecified;
}
```

プラス記号 (+) 文字が入力された場合にビューに紫色のボックスが追加されるように ExecuteCommand() メソッドを実装します。

public bool ExecuteCommand(TypeCharCommandArgs args, CommandExecutionContext executionContext)
{
    if (args.TypedChar == '+')
    {
        bool alreadyAdorned = args.TextView.Properties.TryGetProperty(
            "KeyBindingTextAdorned", out bool adorned) && adorned;
        if (!alreadyAdorned)
        {
            new PurpleCornerBox((IWpfTextView)args.TextView);
            args.TextView.Properties.AddProperty("KeyBindingTextAdorned", true);
        }
    }

    return false;
}

修飾レイヤーの定義を KeyBindingTestTextViewCreationListener.cs ファイルから KeyBindingCommandHandler.cs にコピーしてから、KeyBindingTestTextViewCreationListener.cs ファイルを削除します。

/// <summary>
/// Defines the adornment layer for the adornment. This layer is ordered
/// after the selection layer in the Z-order.
/// </summary>
[Export(typeof(AdornmentLayerDefinition))]
[Name("PurpleCornerBox")]
[Order(After = PredefinedAdornmentLayers.Selection, Before = PredefinedAdornmentLayers.Text)]
private AdornmentLayerDefinition editorAdornmentLayer;

すべての行に修飾を表示する

元の修飾は、テキストファイルのすべての文字 "a" に表示されていました。 + 文字に応答して修飾を追加するようにコードを変更したので、+ 文字が入力された行にのみ修飾が追加されます。すべての "a" に修飾がもう一度表示されるように修飾コードを変更することができます。

KeyBindingTest.cs ファイルで、ビュー内のすべての行を反復処理し、"a" 文字を修飾するように CreateVisuals() メソッドを変更します。

private void CreateVisuals(ITextViewLine line)
{
    IWpfTextViewLineCollection textViewLines = this.view.TextViewLines;

    foreach (ITextViewLine textViewLine in textViewLines)
    {
        if (textViewLine.ToString().Contains("a"))
        {
            // Loop through each character, and place a box around any 'a'
            for (int charIndex = textViewLine.Start; charIndex < textViewLine.End; charIndex++)
            {
                if (this.view.TextSnapshot[charIndex] == 'a')
                {
                    SnapshotSpan span = new SnapshotSpan(this.view.TextSnapshot, Span.FromBounds(charIndex, charIndex + 1));
                    Geometry geometry = textViewLines.GetMarkerGeometry(span);
                    if (geometry != null)
                    {
                        var drawing = new GeometryDrawing(this.brush, this.pen, geometry);
                        drawing.Freeze();

                        var drawingImage = new DrawingImage(drawing);
                        drawingImage.Freeze();

                        var image = new Image
                        {
                            Source = drawingImage,
                        };

                        // Align the image with the top of the bounds of the text geometry
                        Canvas.SetLeft(image, geometry.Bounds.Left);
                        Canvas.SetTop(image, geometry.Bounds.Top);

                        this.layer.AddAdornment(AdornmentPositioningBehavior.TextRelative, span, null, image, null);
                    }
                }
            }
        }
    }
}

コードのビルドとテスト

KeyBindingTest ソリューションをビルドし、実験用インスタンスで実行します。
テキストファイルを作成するか、開きます。文字 "a" を含む単語をいくつか入力してから、テキストビューの任意の場所に + と入力します。

ファイル内のすべての "a" 文字に紫色の四角形が表示されます。

次の方法で共有

チュートリアル: エディター拡張機能でショートカットキーを使用する

Managed Extensibility Framework (MEF) プロジェクトを作成する

TYPECHAR コマンドを処理する

コマンドフィルターを定義する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンドフィルターを追加する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンドハンドラーを実装する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 以降)

すべての行に修飾を表示する

コードのビルドとテスト

その他のリソース

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チュートリアル: エディター拡張機能でショートカット キーを使用する

Managed Extensibility Framework (MEF) プロジェクトを作成する

TYPECHAR コマンドを処理する

コマンド フィルターを定義する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンド フィルターを追加する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンド ハンドラーを実装する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 以降)

すべての行に修飾を表示する

コードのビルドとテスト

その他のリソース

チュートリアル: エディター拡張機能でショートカットキーを使用する

コマンドフィルターを定義する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンドフィルターを追加する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 より前)

コマンドハンドラーを実装する (Visual Studio 2017 バージョン 15.6 以降)