リボンデザイナー

[アーティクル]
10/10/2023

リボンデザイナーは、ビジュアルなデザインキャンバスです。リボンデザイナーを使用すると、Microsoft Office アプリケーションのリボンに、カスタムのタブ、グループ、およびコントロールを追加できます。

適用対象: このトピックの情報は、Excel、InfoPath 2013 と InfoPath 2010、Outlook、PowerPoint、Project、Visio、Word のアプリケーションのドキュメントレベルのプロジェクトおよび VSTO アドインプロジェクトに適用されます。詳細については、「Office アプリケーションおよびプロジェクトの種類別の使用可能な機能」を参照してください。

リボンデザイナーを開くには、プロジェクトにリボン (ビジュアルデザイナー) 項目を追加します。その後、デザインツールを使用して、以下のタスクを実行できます。

リボンレイアウトをデザインする
イベントを処理し、コントロールのプロパティを設定する
Backstage ビューにコントロールを追加する

Note

リボンデザイナーでは行うことのできないタスクがあります。これらのタスクとその実行方法の詳細については、「リボンの概要」を参照してください。

プロジェクトへのリボン (ビジュアルデザイナー) 項目の追加

リボンデザイナーを使用するには、プロジェクトに新しいリボン (ビジュアルデザイナー) 項目を追加します。詳細については、「方法: リボンのカスタマイズの概要」を参照してください。

新しいリボン (ビジュアルデザイナー) 項目を追加すると、Visual Studio により、次のファイルがプロジェクトに自動的に追加されます。

リボンコードファイル。このファイルの名前は、[新しい項目の追加] ダイアログボックスでリボン (ビジュアルデザイナー) 項目に指定した名前になります。このファイルには、リボンのイベントを処理するコードを追加します。
リボンデザイナーコードファイル。このファイルには、リボンデザイナーによって生成されるコードが格納されます。直接編集することはできません。
リソースファイル。このファイルには、リボンの各コントロールのプロパティ値が格納されます。

別のプロジェクトに既存のリボン (ビジュアルデザイナー) 項目がある場合は、[既存項目の追加] ダイアログボックスを使用して、その項目を現在のプロジェクトで再利用できます。

リボンをデザインする

リボンデザイナーを開くには、次の 3 つの方法があります。

ソリューションエクスプローラーでリボンコードファイルをダブルクリックします。
ソリューションエクスプローラーで、リボンコードファイルを右クリックしてから、[デザイナーの表示] をクリックします。
ソリューションエクスプローラーでリボンコードファイルを選択してから、[表示] メニューの [デザイナー] をクリックします。

リボンデザイナーには、既定のタブとグループがあります。既定のタブとグループは、リボンデザイナーから削除することができます。既定のグループを削除するには、[Group1] を右クリックしてから、[削除] をクリックします。既定のタブを削除するには、デザインサーフェイス上の空の領域を右クリックしてから、[リボンタブの削除] をクリックします。

リボンデザイナーにカスタムタブ、グループ、およびコントロールを追加することもできます。これらのコントロールは、ツールボックスの [Office リボンコントロール] グループに含まれています。 [Office リボンコントロール] グループからリボンデザイナーにコントロールを追加するには、次の 3 つの方法があります。
リボンデザイナーの適切な領域にコントロールをドラッグします。
コントロールをクリックし、リボンデザイナーの適切な領域をクリックします。
デザイナーの適切な領域を選択し、ツールボックスにあるコントロールをダブルクリックします。

リボンデザインのワークフロー

リボンのレイアウトをデザインするときの基本的な手順は次のとおりです。

リボンにカスタムタブを追加します。
タブにグループを追加します。
グループにコントロールを追加します。

コントロールのドロップ操作を行うことができるのは、グループだけです。タブやリボンに対してコントロールを直接ドラッグすることはできません。グループのドロップ操作を行うことができるのは、タブだけです。リボンに対してグループを直接ドラッグすることはできません。

コントロールを正確な位置にドラッグして、配置します。 [プロパティ] ウィンドウを使用してコントロールのプロパティを設定することもできます。

コントロールは、リボン上のタブ間でドラッグすることはできません。コントロールを別のタブに移動する場合は、[切り取り] コマンドを使用してタブからコントロールを切り取り、別のタブに貼り付ける必要があります。コントロールを切り取って貼り付けると、イベントハンドラーの動作が停止します。イベントハンドラーに再接続するには、[プロパティ] ウィンドウを使用します。詳細については、「[プロパティ] ウィンドウ」を参照してください。

リボンにカスタムタブを追加する

リボンにカスタムタブを追加するには、次の 3 つの方法があります。

ツールボックスからタブを追加します。
リボンデザイナーを右クリックしてから、[リボンタブの追加] をクリックします。
タブコレクションエディターを開いてから、[追加] をクリックします。

Tab コレクションエディターを開くには、[プロパティ] ウィンドウで Tabs プロパティを選択し、省略記号ボタンをクリックします。

タブを追加すると、グループを追加してコントロールを含めることができます。

リボンからカスタムタブを削除する

リボンからカスタムタブを削除するには、次の 3 つの方法があります。

デザイナーを右クリックしてから、[リボンタブの削除] をクリックします。
[プロパティ] ウィンドウのコマンド ペインで、[リボンタブの削除] をクリックします。
タブコレクションエディターを開き、タブを選択してから、[削除] をクリックします。

リボンのタブの位置を変更する

リボンのカスタムタブの順序を変更できます。また、リボン上の組み込みタブの前または後ろにカスタムタブを配置することもできます。詳細については、「方法: リボンのタブの位置を変更する」を参照してください。

リボンの組み込みタブをカスタマイズする

組み込みタブは、Microsoft Office アプリケーションのリボンに初めから含まれているタブです。たとえば、[データ] タブは、Excel の組み込みタブです。

組み込みタブには、グループやコントロールを追加できます。既定では、カスタムグループは組み込みタブの最後のグループとして表示されます。ただし、タブ上で組み込みグループの前または後ろにカスタムグループを配置することができます。

組み込みグループを削除することはできません。

組み込みタブをカスタマイズする方法の詳細については、「方法: 組み込みタブをカスタマイズする」を参照してください。

タブにグループを追加する

グループを使用すると、リボンのコントロールを論理的に整理できます。タブにグループを追加します。グループに、他のすべてのコントロールを追加します。

グループにコントロールを追加する

グループに 1 つ以上のコントロールを追加します。各コントロールの説明を次の表に示します。

コントロール	説明
ボックス	グループ内のコントロールを整理するコンテナー。区分線、グループ、タブを除き、任意のコントロールを追加できます。ボックスは水平または垂直にできます。
Button	アクションを起動するボタン。ボタンは、グループ、ボタングループ、ドロップダウンリスト、ギャラリ、メニュー、分割ボタンのいずれかに追加できます。
ButtonGroup	1 つ以上のボタン、トグルボタン、メニュー、分割ボタン、ギャラリを含むグループ。ボタングループは、グループまたはメニューに追加できます。
CheckBox	オンまたはオフにしてオプションの有効/無効を切り換えるボックス。
ComboBox	リストボックスが付属したエディットボックス。ユーザーは、選択内容を入力したり、選択したりできます。ボックスには、現在の選択項目が表示されます。実行時に、リボンが Office アプリケーションに読み込まれる前または読み込まれた後に項目の追加や削除を行うには、Items プロパティを使用します。
DropDown	ユーザーが選択できる項目の一覧。ユーザーがドロップダウンリストに新しい項目を入力することはできません。一覧に項目を追加するには、Items プロパティを使用します。実行時に項目を追加および削除できます。一覧にボタンを追加するには、Buttons プロパティを使用します。ただし、実行時にリボンが Office アプリケーションに読み込まれた後で、ボタンの追加や削除を行うことはできません。
EditBox	ユーザーがテキストを入力できるボックス。
ギャラリー	ユーザーが選択できる項目を配列やグリッドで視覚的に示すメニュー。メニューの選択項目のレイアウトを調整できます。ギャラリの項目やボタンを表示する行や列の数を指定するには、ColumnCount プロパティと RowCount プロパティを使用します。
ラベル	リボン上のコントロールの識別に使用できるテキスト。
メニュー	ドロップダウンリスト。次のいずれかのコントロールを含めることができます。 - ボタン - チェックボックス - ギャラリー - メニュー - 分割ボタン - トグルボタン - 区切り記号リボンデザイナーのメニューにコントロールを追加するには、メニューの下向き矢印をクリックし、メニューのデザインサーフェイスを開きます。その後、ツールボックスからメニューにリボンコントロールをドラッグできます。コントロールを並べ替えるには、コントロールを目的の位置にドラッグします。リボンが Office アプリケーションに読み込まれた後でコントロールを RibbonMenu に追加する場合は、リボンが読み込まれる前に Dynamic プロパティを true に設定する必要があります。この方法については、「リボンオブジェクトモデルの概要」を参照してください。
Separator	一覧内の項目を分割するために使用する細いバー。グループに追加すると、バーは垂直に表示されます。メニュー追加すると、バーは水平に表示されます。
SplitButton	メニューが付属したボタン。以下の任意のコントロールを含めることができます。 - ボタン - チェックボックス - ギャラリー - メニュー - 分割ボタン - トグルボタン - 区切り記号メニューと同様に、分割ボタンにも独自のデザインサーフェイスがあります。ただし、メニューとは異なり、分割ボタンに含まれる項目を更新できるのは、リボンが Office アプリケーションに読み込まれる前だけです。分割ボタンに含まれる項目を更新する方法については、「リボンオブジェクトモデルの概要」を参照してください。
ToggleButton	押された状態または押されていない状態で表示されるボタン。

イベントの処理とプロパティの設定

リボンデザイナーでは、[プロパティ] ウィンドウを使用して、デザイン時にコントロールのプロパティを設定できます。さらにリボンでは、厳密に型指定されたオブジェクトモデルが公開されます。これを使用して、実行時にリボンコントロールのプロパティを取得し、設定できます。

デザイナー上の任意のコントロールをダブルクリックすると、そのコントロールの既定のイベントのイベントハンドラーが開きます。他のすべてのコントロールイベントのイベントハンドラーを作成するには、[プロパティ] ウィンドウを使用します。

リボンのイベントとプロパティは、Microsoft.Office.Tools.Ribbon 名前空間に格納されています。 リボン (ビジュアルデザイナー) 項目によって、自動的にこのアセンブリへの参照がプロジェクトに追加され、適切な using または Imports ステートメントがリボンコードファイルの先頭に挿入されます。

実行時のリボンイベントの処理およびリボンコントロールのプロパティの設定については、「リボンオブジェクトモデルの概要」を参照してください。

Backstage ビューをカスタマイズする

リボンデザイナーを使用して、[ファイル] タブをクリックしたときに表示されるメニューにコントロールを追加できます。このメニューは Backstage ビューと呼ばれます。

リボンデザイナーを使用して、ビルトインコントロールの前または後ろにコントロールを配置することはできません。ビルトインコントロールは、Backstage ビューで既に表示されているコントロールです。ビルトインコントロールの前または後ろにコントロールを配置するには、リボン XML を使用する必要があります。 リボン (XML) の詳細については、「リボン XML」を参照してください。 Backstage ビューのカスタマイズの詳細については、開発者向け Office 2010 Backstage ビューの概要および開発者向け Office 2010 Backstage ビューのカスタマイズに関するそれぞれのページを参照してください。

Backstage ビューにコントロールを追加する方法については、「方法: Backstage ビューにコントロールを追加する」を参照してください。