テスト コンピューターへのドライバーの展開
Visual Studio 開発環境の利点を利用して、WDK は、テスト コンピューター上でドライバーのビルド、展開、デバッグができるようにするテスト機能を提供します。 WDK を使ってテスト システムにドライバーを適切に展開するには、まず、テスト コンピューターをセットアップし、構成する必要があります。 ドライバーをさまざまなテスト シナリオでテストする場合は、複数のコンピューターをセットアップして構成できます。
テスト コンピューターのセットアップ
- 「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 10)」の手順に従ってください。
注 テスト コンピューターの設定に関して問題が発生した場合は、「ドライバーの展開、テスト、およびデバッグに関する構成のトラブルシューティング」をご覧ください。
ドライバー ソリューションの展開プロパティの設定
ドライバー プロジェクトのプロパティ ページで、ドライバーのテスト用の展開方法を細かく制御できます。 各構成でドライバー ソリューションをビルドするたびに、自動的にドライバーが展開されるようにすることができます。
ドライバー プロジェクトのプロパティ ページを開きます。 ソリューション エクスプローラーでドライバー プロジェクトを長押し (または右クリック) し、 [プロパティ] を選びます。
ドライバー プロジェクトのプロパティ ページで、 [構成プロパティ] 、 [ドライバーのインストール] 、 [Deployment](展開) の順に選びます。
構成済みのテスト コンピューターを選択するか、テスト用に構成するコンピューターの名前を選択します。 「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 10)」をご覧ください。
ドライバー パッケージ プロジェクトの展開を有効にすると、ソリューションのビルド時に選ばれたテスト コンピューターにドライバーが自動的に展開されます。 ドライバーのインストールと展開に必要なオプションは、 [展開] プロパティ ページを使って構成できます。 「ドライバー パッケージ プロジェクトの展開プロパティ」をご覧ください。
テスト コンピューターへの展開を有効にする際は、テストの効果を高めるために、テスト コンピューター上でドライバーの検証ツール、KMDF 検証ツール、UMDF 検証ツールを自動的に有効化し、構成することもできます。 ドライバー パッケージ プロジェクトに対してこれらのオプションを設定するには、 [構成プロパティ] 、 [ドライバーのインストール] の順に選んでから、次のプロパティ ページを選びます。
ドライバーのビルドと、テスト コンピューターへのドライバーの展開
- ドライバーを展開する前に、ドライバー ソリューションをビルドできることを確認します。 ドライバー ソリューションには、ドライバーをテスト コンピューターにインストールできるようにするために、ドライバーとドライバー パッケージが含まれている必要があります。 詳しくは、「ドライバー パッケージの作成」と「ドライバーのビルド」をご覧ください。
- また、テスト コンピューターにドライバーを展開する際は、あらかじめドライバー パッケージに署名しておく必要があります。 「開発中とテスト中のドライバーへの署名」をご覧ください。
- 構成したテスト コンピューターを選びます。
- ドライバーを展開するには、 [ビルド] メニューの [ソリューションのビルド] または [ソリューションの配置] を選びます。ビルドと配置を行って、デバッグを開始するには、F5 キーを押します。
- テスト コンピューターでは、変更が必要であることの確認を求めるダイアログ ボックスが表示される場合があります。 その場合、確認するまで展開は一時停止します。
ドライバーを展開すると、テスト コンピューターの %Systemdrive%\drivertest\drivers フォルダーにドライバー ファイルがコピーされます。 展開中に何か異変に気付いた場合は、テスト コンピューターにファイルがコピーされているかどうかを確認してください。 .inf、.cat、test cert、.sys など、必要なファイルがすべて %systemdrive%\drivertest\drivers フォルダーに存在することを確認します。
ドライバー展開のトラブルシューティング
ここでは、Visual Studio と WDK を使っている場合に、テスト コンピューターへのドライバー展開をトラブルシューティングする際のヒントをいくつか示します。
展開がエラー コード2 で失敗する
次のレジストリ キーを追加します。
HKLM\Software\Microsoft\DriverTest\Service
このキーの下に DWORD 値 DebugSession を作成し、0 に設定します。
この値を設定する必要があるのは 1 回だけであり、値は将来の展開まで保持されます。
ドライバー プロジェクトの展開プロパティが見つからない
展開プロパティは、ドライバー パッケージがある場合のみ使うことができます。 ドライバー ソリューションにドライバー パッケージ プロジェクトがない場合は、追加する必要があります。 ドライバー パッケージには、インストールに必要な INF ファイルなどのコンポーネントが含まれています。 詳しくは、「ドライバー パッケージ」と「ドライバー パッケージの作成」をご覧ください。
ドライバー パッケージを追加したら、ソリューション エクスプローラーでドライバー パッケージ プロジェクトを長押し (または右クリック) して [プロパティ] を選びます。 ドライバー パッケージのプロパティ ページで、 [構成プロパティ] 、 [ドライバーのインストール] 、 [Deployment]\(展開\) の順にクリックします。
ターゲット コンピューターを選択、構成、または特定する際の問題
Windows Driver Kit (WDK) 8.1 と Windows Driver Kit (WDK) 8 を使ってターゲット コンピューターをセットアップする手順については、「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 10)」をご覧ください。 ターゲット コンピューターのプロビジョニングで問題が発生した場合は、「ドライバーの展開、テスト、およびデバッグに関する構成のトラブルシューティング」をご覧ください。
ターゲット コンピューターで N バージョンまたは KN バージョンの Windows を実行している場合は、N バージョンと KN バージョンの Windows 用の Media Feature Pack をインストールする必要があります。 詳しくは、「ドライバーの展開およびテストのためのコンピューターのプロビジョニング (WDK 10)」をご覧ください。
64 ビット バージョンの Windows にドライバーをインストールする際の問題
Windows Vista 以降、すべての 64 ビット バージョンの Windows では、読み込むドライバーのデジタル署名がドライバー コードに必要です。 「ドライバーへの署名」と「開発中とテスト中のドライバーへの署名」をご覧ください。
ドライバーをインストールする際の問題 (一般)
WDK では、ドライバー パッケージをテスト コンピューターに展開およびインストールできますが、インストールに必要なすべてのコンポーネント (INF ファイルなど) がドライバーにある場合だけです。 詳しくは、「ドライバー パッケージ」をご覧ください。 Visual Studio と WDK の外部にドライバーをインストールできることを確認してください。 たとえば、デバイス コンソール ユーティリティの Devcon を使って、ドライバーをインストールできるかどうかをテストします。 デバイス (存在する場合) がターゲット コンピューターに接続されていることを確認します。 詳しくは、「デバイスとドライバーのインストール」と「ドライバー パッケージの作成」をご覧ください。