アクセシビリティのチェック リスト

Windows アプリをアクセシビリティ対応にするために役立つチェック リストを示します。

ここでは、アプリをアクセシビリティ対応にするときに使用できるチェック リストを示します。

  1. コンテンツやアプリの対話型の UI 要素にアクセシビリティ対応の名前 (必須) と説明 (省略可能) を設定します。

    アクセシビリティ対応の名前とは、スクリーン リーダーが UI 要素を読み上げるときに使う短い説明の文字列です。 TextBlockTextBox などの一部の UI 要素では、既定のアクセシビリティ対応の名前としてテキスト コンテンツを昇格させるものがあります。「基本的なアクセシビリティ情報」をご覧ください。

    暗黙的なアクセシビリティ対応の名前として内部テキスト コンテンツを昇格させない画像などのコントロールに対し、明示的にアクセシビリティ対応の名前を設定する必要があります。 フォーム要素のラベルのテキストは、ラベルと入力を関連付けるために、Microsoft UI オートメーション モデルの LabeledBy ターゲットとして使うことができるようにする必要があります。 ユーザーに、通常アクセシビリティ対応の名前に含まれているものよりも詳しい UI のガイダンスを提供する場合は、アクセシビリティ対応の説明やヒントを用意すると、UI の内容がわかりやすくなります。

    詳しくは、「アクセシビリティ対応の名前」と「アクセシビリティ対応の説明」をご覧ください。

  2. キーボード アクセシビリティを実装します。

    • UI 用の既定のタブ インデックスの順序をテストします。 必要に応じてタブ インデックスの順序を調整します。このとき、特定のコントロールの有効化または無効化、一部の UI 要素の TabIndex の既定値の変更が必要になる場合があります。
    • コンポジット要素に方向キーのナビゲーションをサポートするコントロールを使います。 既定のコントロールの場合、通常、方向キーのナビゲーションは既に実装されています。
    • キーボードのアクティブ化をサポートするコントロールを使います。 既定のコントロール、特に UI オートメーションの Invoke パターンをサポートするものの場合は、基本的にキーボードのアクティブ化が利用できます。該当するコントロールの説明書をご覧ください。
    • 対話式操作をサポートする UI の一部に対するアクセス キーを設定するか、ショートカット キーを実装します。
    • UI で使うカスタム コントロールで、アクティブ化用に適切な AutomationPeer サポートを設定した状態でコントロールが実装され、アクティブ化キー、トラバーサル キー、アクセス キーまたはショートカット キーのサポートに必要なキー処理の上書きが定義されていることを確認します。

    詳しくは、「キーボード操作」をご覧ください。

  3. テキストが読み取り可能なサイズであることを確認する

    • Windows にはユーザーが利用できるさまざまなユーザー補助ツールと設定が含まれており、ユーザーはテキストを読み取るためのニーズや設定に合わせて調整できます。 次に例を示します。
      • 拡大鏡ツールは UI で選択された領域を拡大できます。 アプリ内のテキストのレイアウトによって、拡大鏡を使用した読み取りが困難にならないようにする必要があります。
      • [設定] -> [システム] -> [表示] -> [拡大縮小とレイアウト] のグローバルなスケールと解像度の設定。 ディスプレイ デバイスの機能に左右されるため、実際に使用できるサイズ変更のオプションは異なる場合があります。
      • [設定] -> [簡単操作] -> [表示] のテキスト サイズ設定。 [テキストを大きくする] 設定を調整すると、すべてのアプリケーションと画面で、サポートされるコントロール内のテキストのサイズのみが指定されます (すべての UWP テキスト コントロールで、カスタマイズまたはテンプレートを使用しないテキスト スケーリング エクスペリエンスがサポートされています)。

      注意

      [すべてのものを大きくする] 設定を使用すると、ユーザーは、通常、テキストとアプリのサイズを主要画面のみで指定できます。

  4. テキスト コントラストが適切であること、ハイ コントラスト テーマで要素が正しくレンダリングされること、色が正しく使われていることを確認するため、UI を表示して検証します。

    • 色分析ツールを使って、視覚的なテキストのコントラスト比が 4.5:1 以上であることを検証します。
    • ハイ コントラスト テーマに切り替え、アプリの UI が読みやすく使いやすいことを確認します。
    • UI が情報を伝える唯一の手段として色を使っていないことを確認します。

    詳しくは、「ハイ コントラスト テーマ」と「アクセシビリティに対応したテキストの要件」をご覧ください。

  5. アクセシビリティ ツールを実行し、報告された問題に対処して、画面の読み上げを確認します。

    Inspect などのツールを使ってプログラムによるアクセスを検証し、AccChecker などの診断ツールを実行して一般的なエラーを見つけます。画面の読み上げの確認には、ナレーターを使います。

    詳しくは、「アクセシビリティ テスト」をご覧ください。

  6. アプリ マニフェストの設定がアクセシビリティ ガイドラインに準拠しているかどうかを確認します。

  7. Microsoft Store でアプリがアクセシビリティ対応であることを宣言します。

    アクセシビリティ サポートの基準を実装したら、Microsoft Store でアプリがアクセシビリティ対応であることを宣言することで、より多くのユーザーにアプリを提供し、さらに良い評価を得ることができます。

    詳しくは、「ストア内のアクセシビリティ」をご覧ください。