データ分析 - データ オーバーレイ
引き続き Visio 2007 の新機能です。ピボットダイアグラムを加工して作った図面は便利ですが、組織図のような形状ではビジュアル レポートとしてはあまり見栄えがよくありません。データグラフィックとピボットダイアグラム図面をリッチなレポートとして利用するシナリオを紹介します。
実はピボットダイアグラムの各ノードは自由に移動することができます。ノード図形の位置を変えたり、コネクタを削除してしまっても、ノード図形とデータソースとの関連付けはなくなりませんから、データの更新は引き続き行えます。図形の位置が変わることもありません (ここでブレークダウンを行うと自動レイアウト機能により図形は元の場所に戻り、コネクタも復活します)。この手法を使ってレポートを作ってみましょう。
まずは接続したデータをブレークダウンしてデータを希望の切り口とします。今回はコールセンターのコール状況とトレンドを地域別にブレークダウンしてみました。
コネクタを削除し、日本地図の背景ページを作成し、ノード図形をそれぞれの都道府県の上に移動してみました。
ビジュアル レポートとよぶにふさわしい見栄えとなりました。状況がつかみやすくなっただけでなく、地理的な条件と数値の関係も見えてくるかもしれません。この形式にしておけば、あとはデータの同期を行うだけで数値やアイコンが更新されます。定期的に発行するレポート作成がだいぶ楽になるでしょう。
分析が必要でない場合はピボットダイアグラムを使わないで普通のデータグラフィック図面を作成し、背景に合わせて配置するだけでもビジュアル レポートになります。
たとえば、Web ページの各リンクのクリック状況をデータグラフィックで表現した場合。背景にその Web ページのイメージをもってきて、図形を配置すると、トレンドのリンクの位置や大きさの関係がすぐにわかります。
位置とデータの関係を可視化するのあれば、地図や座席表の上に図形を置く、が典型的な利用シナリオになるでしょう。
スキー場のリフトの混雑具合も、読み込めるデータがあればこのように表現できます。これをそのまま Web ページとして発効すれば、Web サイトに置く素材としてそのまま使えますね。
このように背景の上にデータ グラフィックやノード図形を配置するシナリオを、我々はデータ オーバーレイと呼び、新しいデータの可視化の方法として紹介しています。
評価版には製品版と同様、サンプルのデータと図面がいくつか入っていますので、ぜひこの機能の便利さを体験していただきたいと思います。