Azure アプリのパブリック プレビューの紹介
執筆者: Michael Flanakin (Program manager)
このポストは、5 月 10 日に投稿された Introducing the Azure app public preview の翻訳です。
週末が近づく金曜日の午後。仕事はここまですべて順調です。会議の予定もなく、今週やることはすべて完了しました。それならちょっと早いけど、家に帰ることにしましょう。いそいそと会社を出て自宅に向かっていると、悪い予感は的中。突然電話が…。「重要なサービスが停止したから会社に戻ってこい」という、会社からの無情な呼び出しです。
いつ何が起きるかは、予測することができません。しかし、事前に準備をしておくことはできます。そこでお勧めなのが、新しいプレビュー版 Azure モバイル アプリを利用することです。これがあれば、いつでもどこにいても Azure リソースにアクセスすることができます。
- Azure リソースの状態と重要なメトリックを確認
- 正常性に関する重要な問題の通知やアラートを受信
- 一般的な問題を簡単な操作で解決
- アプリ内で強力な Azure Cloud Shell スクリプトを実行 (近日提供開始予定)
いつでもどこからでも Azure アプリで不測の事態に対応できるため、このように残念な思いをしながら会社に戻らなくても済むようになります。ただし、これらの機能は、ロードマップに掲載されているようなごく一部の機能に過ぎません。アプリで提供されている機能はほかにもあります。
必要なリソースに 1 タップでアクセス
Azure アプリを使用すると、あらゆるサービスのあらゆるサブスクリプションのリソースを手軽に持ち運べます。すべてのリソースやリソース グループをスクロールして探すか、名前で検索するか、リソースの種類で絞り込めば、必要なリソースが見つかります。
リソースの情報として、以下が表示されます (該当する場合のみ)。
- 状態
- 過去 1 週間に発生したエラー数と、アクティビティ ログ全体へのリンク
- 重要なプロパティ ([Essentials] セクション)
- 主要な使用状況メトリック
- 関連するリソース
- リソースのすべてのプロパティ
サブスクリプションやリソースを数多く所有している場合、スクロールやフィルターで目的のリソースを探し出すのは少々面倒です。このような場合は、状況を常に把握する必要のあるリソースをお気に入り一覧に追加しておけば、スワイプやタップの手間を軽減できます。リストへの追加は、リソースを開いて星のアイコンをタップするだけです。これで、次回アプリを使用するときには [Favorites] タブから目的のリソースにすばやくアクセスできます。
パーソナライズされた通知とアラート
おそらく、クラウドでビジネスを構築するうえで最も重要な点は、すべてが問題なく稼働しているか、また予期しないイベントによる影響を顧客が受けていないかを確実に把握することです。Azure アプリを使用すれば、これらのことについて推測に頼る必要がなくなります。[Notifications] タブを開くと、Azure の正常性に関するアラートや監視しているリソースの重要なメトリックがリストに表示されます。
過去 1 週間の間に、一部のサブスクリプション内のリソースが Azure の正常性に関するイベントの影響を受けていた場合、[Notifications] タブのリストからその詳細を確認できます。正常性に関するアラートでは、毎回以下の情報が表示されます。
- 状態
- 影響を受けたサブスクリプションへのリンク
- 最新の通知内容の詳細
- 一意のイベント追跡用 ID
- 影響を受けたリージョンの一覧
- 影響を受けたサービスの一覧
- 過去 1 週間分の状態の簡単な履歴
また、カスタムのリソース メトリック ルールに基づいたアラートもリストに表示されます。各メトリックのアラートには次の情報が含まれます。
- 状態 ([Activated] または [Resolved])
- 関連するリソースへのリンク
- アラート ルールの説明 (指定している場合)
- 過去 1 週間分の状態の簡単な履歴
メトリックのアラートは、[Notifications] タブだけでなく、リソースの詳細でも表示されます。通知をタップすると詳細が表示されます。
一般的な問題を迅速に解決
多くのサービスが簡単なコマンドに対応しており、リソースに関する一般的な問題を Azure アプリから解決できます。
- Analysis Services サーバーを一時停止、再開
- API Management ポータルをブラウザーで開く
- App Service Web アプリとデプロイメント スロットを起動、停止、再起動
- App Service 環境を開始、停止
- プラン内や環境内のすべての App Service Web アプリを再起動
- App Service Web アプリやデプロイメント スロットをブラウザーで開く
- Content Delivery Network のエンドポイントを開始、停止
- クラウド サービスのスロットを開始、停止、スワップ
- HDInsight ポータルをブラウザーで開く
- Log Analytics ワークスペースを Operations Management Suite アプリで開く
- Logic Apps ワークフローを有効化、無効化
- Scheduler のジョブ コレクションを有効化、無効化
- Stream Analytics のジョブを有効化、無効化
- 仮想マシンを起動、停止、再起動
- RDP アプリを使用して Windows 仮想マシンに接続
- 仮想マシン スケール セット インスタンスを起動、停止、再起動
- Visual Studio Team Services アカウントをブラウザーで開く
このほかにも多数の機能の開発を進めています。このアプリはモバイル ワーカーを補助することを目的としているため、Azure ポータルの全機能を Azure アプリで使用できるわけではありません。ただし、お客様が外出時に特に必要となる機能については、追加していきたいと考えています。ご希望の機能がありましたら、フィードバック フォーラム (英語) でお知らせください。今後数週間から数か月の間に最新情報をお伝えしてまいりますので引き続きご注目ください。
Azure Cloud Shell が持ち運び可能に (近日提供開始予定)
スクリプト作成や自動化に関心のある方は、Azure ポータルから使用する Azure Cloud Shell をお気に入りいただけるかと思います。Azure CLI と Azure PowerShell (近日提供開始予定) のどちらをお好みの場合でも、Cloud Shell はカスタマイズ可能なワークスペースとしてご利用いただけます。Cloud Shell では、Azure のすべてのコマンド ライン ツールのほか、cURL、Git、Vim などの関連するユーティリティも使用できます。そのうえ、どこからでも使用できるというメリットがあります。
初めにポータルからセッションを開始すると、オフィスを離れるときに中断したところから再開できます。Cloud Shell では、セッションやデバイスに関係なくコード、構成、アクティビティが $Home ディレクトリに保存されます。そのため、作業を途中で保存しておけば、あらゆるデバイスで作業を再開できます。Azure モバイル アプリのメリットを活かして、どこからでも $Home ディレクトリ内の任意のスクリプトにアクセスできます。複雑なロールバックやスクリプトの再デプロイメントにも対応しています。Azure モバイル アプリは必要なときにいつでも使用できるため、PC のある場所へ移動したり、会社に戻ったりする必要はありません。ただ [Cloud Shell] タブを開くだけで、作業を進められます。
詳細については、Azure Cloud Shell の概要をご覧ください。
今後の展望
Azure モバイル アプリは、4 つのパブリック クラウドおよび国別クラウド (英語) 環境 (Azure Stack も含む) の約 75 種類のサービスに対応しています。今後数週間から数か月の間にさらに機能を拡充し、サポート範囲を広げていく予定です。今後もモバイル シナリオを重視し、シンプルな以下のミッションを実現してまいります。
- いつでもどこからでもクラウドに常に接続
- 重要な通知やアラートを常に把握
- 迅速なトラブルシューティングと問題解決で確実に管理
ぜひプレビュー版アプリをダウンロードしてご利用いただき、何かご要望がある場合にはフィードバック フォーラム (英語) でお聞かせください。また、最新情報にもご注目ください。Twitter アカウント (@AzureApp) をフォローすると最新情報をご確認いただけます。Azure モバイル アプリでは、Azure リソースの状態、重要なメトリック、アラートをきわめて迅速に確認できます。ぜひこのアプリをご活用ください。
(近日提供開始予定)