Visual Studio 2013 への Multi-Device Hybrid Apps アドインのインストール
Visual Studio 2013 で Android、IOS 用アプリを開発するためのアドイン Multi-Device Hybrid Apps について書いた前回の記事から、ずいぶんとあいだが空いてしまいましたが、今回はインストール方法について紹介します。
なお、 Multi-Device Hybrid Apps は、Visual Studio 2013 の Professional 以上にエディションにしかインストールできませんのでご注意ください。
Multi-Device Hybrid Apps を使用するメリット
VisualStudio 2013 と Multi-Device Hybrid Apps を使用しなくても Apache Cordove を使用した Android、iOS アプリの開発環境を構築することができます。
それでは Multi-Device Hybrid Apps を使用するメリットはなんでしょう?
それは環境構築にかかる工数が、それまでの方法とくらべ、圧倒的に少なくて済むということです。
VisualStudio 2013 Update2 + Multi-Device Hybrid Apps を使用しない、従来の方法で Windows OS に Cordove の開発環境を構築するには、大まかに以下のステップが必要となります。
- Node.js のインストール
- Node.js の npm コマンドを使用した Apache Cordove のインストール
- Apache Ant のインストール
- Java (JDK) のインストール
- Android SDK のダウンロードと展開
- Android SDK のパスを通すための作業
- Androud SDK にある SDK Manager を使用して必要なツールと拡張をインストールする
- ひな形となる Cordove プロジェクトの作成
- Cordove プロジェクトから、目的のプラットフォーム用のプロジェクトを作成
この手順は、インストールはもちろん、プロジェクトの作成まで、すべてコマンドラインで行います。
こう書くと、手順が多く操作も煩雑で、なんだかとても大変そうですが、じっさいのところとっても大変です。
Multi-Device Hybrid Apps の場合は、Windows 8.1 に Visual Studio 2013 Update 2 がインストールされた環境で、Multi-Device Hybrid Apps のセットアップウィザードを実行するだけです。
また、Cordove 開発環境が使用している各モジュールに更新が行われた場合には、VisualStudio が通知してくれるので、安心して使い続けることができます。
インストールの前提条件
Multi-Device Hybrid Apps アドインをインストールする前に、以下のソフトウェアと各オプションをインストールし、正常に動作するようにしておく必要があります。
Windows 8.1
Visual Studio 2013 の Professional,、Ultimate もしくは Premium エディション
以下の機能がインストールされている必要があります。
- Tools for Maintaining Store apps for Windows 8
- Windows Phone 8.0 SDK (Windows Phone 8.0 アプリを開発するのであれば)
Multi-Device Hybrid Apps アドインのインストール
Muiti-Device Hybrid Apps アドインのインストールは。インストールをイメージを入手して実行し、セットアップウィザードのボタンをクリックしていくだけです。
具体的な手順は以下のとおりです。
Multi-Device Hybrid Apps (Preview) の配布ページで 「Download」リンクをクリックします。
Multi-Device Hybrid Apps (Preview)
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/vstudio/dn722381Download Center に遷移するので、ページ内の [Download] ボタンをクリックします。
「Choose the download you want」のパネルが表示されるので、vs2013mda_0.1.1.exe と Documentation for Multi-Device Hybrid Apps for Visual Studio CTP1.1.pdf にチェックをつけ [Next] ボタンをクリックします。
exe ファイルは Multi-Device Hybrid Apps のインストールイメージ、pdf は Multi-Device Hybrid Apps の詳細なドキュメント(英語)です。このドキュメントは、Multi-Device Hybrid Apps についての非常に詳細な情報が書かれているので一読されるのをおすすめします。
exe ファイルと pdf ファイルは別々にダウンロードされるので、「download.microsoft.com から vs2013mda.exe を実行または保存しますか?」ダイアログで [実行] ボタンをクリックしします。
インストールウィザードが起動してくるので、[Select All] にチェックが付いた状態で [INSTALL] ボタンをクリックし、インストールを行ってください。
あとはウィザードの内容にしたがって作業を進めてください。
なお、インストール作業は、必ずコンピューターをネットワークに接続した状態でインストールをおこなってください。
Muiti-Device Hybrid Apps がインストールするもの
Muiti-Device Hybrid Apps アドインのセットアップウィザードは、以下のサードパーティー製のものも同時にインストールします。
- Joyent Node.js --- Apache Cordova のコマンドラインインターフェースと Apache Ripper エミュレーターを Visual Studio に統合します。
- Git CLI --- プラグイン用に git の URL を手動で追加する場合にのみ必要です。
- Google Chrome --- Apache Ripper エミュレーターを動作させるのに必要です。
- Apache Ant 1.8.0+ --- Android ビルドプロセスの依存関係として必要です。
- Oracle Java JDK 7--- 〃
- Android SDK --- 〃
- SQLLite for Windows Runtime --- SQL 接続を Windows アプリに追加するのに必要です。(WebSQL のポリフィルプラグイン)
- Apple iTunes --- Windows PC に接続された iOS デバイスにアプリを展開するのに必要、…とのことです。(できる??)
アンインストールする際、Muiti-Device Hybrid Apps のインストーラーは、これれらのすべてを削除してはくれませんので、残ったものに関してはそれぞれ個別にアンインストールする必要がありますのでご注意ください。
まとめ
今回は、Visual Studio 2013 で、Android、IOS 用アプリを開発するためのアドイン Multi-Device Hybrid Apps のインストール方法について紹介しました。
前述したとおり、このアドインは無償の Visual Studio 2013 Express エディションでは使用することができません。
Visual Studio 2013 Express をお使いの方は、がんばって従来どおりの方法で Apache Cordova の開発環境を構築する、というのもスキルと忍耐力が養われて良いのですが、個人的にお勧めなのは、Apache Cordova の開発環境を提供している以下のようなクラウドサービスを使用することです。
Monaca
https://monaca.mobi/ja/
PhoneGap Build 体験版
https://creative.adobe.com/ja/products/phonegap-build
上記のサービスは、ローカルにいちいち開発環境を構築する必要がないうえ、基本機能は無料で使用することができます。
そうそう、Windows ストア アプリもよろしくお願いいたしますね。
Comments
- Anonymous
February 12, 2015
Multi-Device Hybrid Apps は CTP3 のタイミングで、名前が Visual Studio Tools for Apache Cordova に変更になりました。 Window 7 上の Visual Studio 2013 でも使用可能となり、Windows 8.1、Windows Phone 8.1 のアプリも開発可能になりました。 また、ドキュメントも日本語のしっかりしたものが用意されましたので、ご一読くださいませ。 msdn.microsoft.com/.../dn771545.aspx