SharePoint 2013 クロスサイト発行の概要: パート 1
原文の記事の投稿日: 2012 年 10 月 18 日 (木曜日)
みなさん、こんにちは。SharePoint チームのプログラム マネージャー、Seth Bibler です。今日は、SharePoint 2013 のすばらしい新機能の 1 つ、クロスサイト発行 (ここでは XSP と呼びますが、これはこの機能の正式な名称ではありません) について説明します。この機能を使用すると、ある場所で作成したコンテンツを、検索を通じて別の場所で表示することができます。これにより、サイトを新しい方法で生成できるようになります。XSP によってサイト コレクションの壁が初めて取り払われて、サイト コレクション、Web アプリケーション、およびファームにまたがってコンテンツを共有できるようになりました。
最新の Web エクスペリエンスの新機能に関する以前の投稿で、Contoso Electronics という架空の企業が紹介されています。この企業は、新しい販売 Web サイトに SharePoint 2013 を使おうとしています。この企業には、販売記事 Web ページのライブラリがあります。これらの記事は、パブリック サイトの一部として、インターネットで匿名のユーザーが表示できる必要があります。また、各記事の HTML を再フォーマットしなくても、パブリック サイトのその他の部分と同じように表示される必要があります。ここで必要とされているのは、検索駆動型のコンテンツです。XSP は、このソリューションの重要な要素となります。
この投稿では、XSP のコンセプトについて説明します。次回の投稿では、Contoso Electronics の例から離れて、XSP を使用して構築できるサイトの種類について説明します。では、まず基本要素を確認しましょう。
基本要素
以下の論理コンポーネントを考慮に入れる必要があります。
- オーサリング サイト: 作成者がコンテンツを作成したりホストしたりする場所です。XSP のソースと考えることができます。カタログとしてマークされるリストはここにあります。
- カタログ: オーサリング サイトのリストやライブラリに追加できる属性です。リストやライブラリをカタログとしてマークすると、そのコンテンツに他のサイト コレクションから簡単にアクセスできるようになります。
- 検索: カタログを発行サイトに接続するエンジンです。
- 用語ストア: ターゲット サイトで発行するためのコンテンツの整理に使用されるメタデータ用語を保持します。
- 発行サイト: 訪問者が訪れてコンテンツを表示したり読んだりする場所です。
XSP の基本要素を簡単な図にまとめると、図 1 のようになります。
図 1. 基本的なクロスサイト発行環境
管理ナビゲーションは、このブログ投稿の範囲を超える機能ですが、上の図の用語ストアの位置付けを理解するためには、この機能の用途を簡単に説明しておく必要があります。オーサリング サイトでコンテンツを整理するには、管理メタデータ サイト列を使用して記事を種類で分類します。これらのタグ付け用語は、発行側で、ナビゲーション構造を構築するために使用されたり、記事データを取得するための検索クエリの一部として使用されたりします。図 2 は、オーサリング サイトでタグ付けされて発行サイトで表示される記事を示しています。
図 2. オーサリング サイト コレクションでタグ付けされて別のサイト コレクションで発行される記事ページ
これは、Contoso Electronics のソリューションに直接つながります。Contoso Electronics には、セキュリティで保護されたオーサリング サイトがあり、そのページ ライブラリに、インターネットで表示する販売記事が含まれています。Contoso Electronics のソリューションでは、まず、このページ ライブラリにメタデータ サイト列を追加して、すべてのページが適切にタグ付けされるようにします。その後、そのページ ライブラリを、匿名で利用可能なカタログとして共有します。これにより、次回の検索のクロールでインデックスが作成されます。次に、発行側でそのカタログに接続して、タグ付け用語のセットをナビゲーションに固定します。最後に、自動的に生成されるカテゴリ ページとアイテム詳細ページ (検索エンジンに対してクエリを実行するコンテンツ検索 Web パーツが含まれています) をカスタマイズして発行します。これで、インターネットで検索クエリに基づいて販売記事が表示されるようになります。
図 3. Contoso Electronics の基本的なクロスサイト発行環境
このように検索を使用して 2 つのサイトの間でコンテンツを共有する機能は、一見平凡に見えるかもしれませんが、よく考えると、これにより、SharePoint の発行でさまざまな新しい可能性が開けることがわかります。これは実にすばらしい機能ですが、まだほんの始まりにすぎません。
この機能によって可能になること
複数の場所で使用するためだけに同じものを何度も作成しなければならない場合があります。共通ライブラリのコンテンツを表示する少数のサイトを作成する場合などがこれに当たります。たとえば、Contoso Electronics では、米国でインターネット サイトを作成しましたが、カナダでもサイトを立ち上げたいと考えています。このような場合に XSP を使用すると、1 つの場所で作成したコンテンツを、他の多くの場所で表示することができます。
図 4. 同じコンテンツを使用する複数のサイトへのクロスサイト発行
実装の観点から見ると、これは、同じカタログに接続された新しい発行サイトにすぎません。マスター ページ、ページ レイアウト、表示テンプレートなどのスタイルは適用できますが、同じ 1 つのカタログのコンテンツを表示するため、ごく簡単に立ち上げることができます。
XSP は、このようなサイトの構築を支援するために作られた一連のツールと考えるのが最もわかりやすいかもしれません。匿名検索アクセス、管理ナビゲーション、タグ付け用語のセット、フレンドリ URL、コンテンツ検索 Web パーツ、カテゴリ ページとアイテム詳細ページ、結果のソース、クエリ ルールなどの機能はすべて個別に構成できますが、XSP を使用すると、サイト、サイト コレクション、およびファームにまたがるコンテンツの共有がより簡単になります。
これらの機能については、今後のブログ投稿やドキュメントで説明します。
XSP を使い始める
ぜひ実際に XSP を使ってみてください。既に公開されているドキュメントを以下に示します。まだ公開されていないドキュメントもたくさんありますが、この機能を使い始める際にはこれらの記事が役に立ちます。
TechNet
SharePoint Server 2013 でクロスサイト発行を計画する
SharePoint Server 2013 でクロスサイト発行を構成する
MSDN
SharePoint 2013 でのクロスサイト発行
次回の投稿
XSP の構成は、高度な発行シナリオです。次週のブログ投稿では、可能なサイト トポロジについて検討します。
これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「SharePoint 2013 Cross-Site Publishing Overview: Part 1」をご覧ください。