PowerShell を使用した複数の IP 構成での負荷分散
この記事では、1 つのセカンダリ ネットワーク インターフェイス (NIC) に複数の IP アドレスがある Azure Load Balancer の使用方法について説明します。 このシナリオには、Windows を実行する 2 つの VM があり、各 VM にプライマリ NIC とセカンダリ NIC が 1 つずつ存在します。 セカンダリ NIC にはそれぞれ 2 つの IP 構成が割り当てられています。 それぞれの VM は、contoso.com と fabrikam.com の両方の Web サイトをホストします。 それぞれの Web サイトは、セカンダリ NIC の IP 構成の 1 つにバインドされています。 ここで、Azure Load Balancer を使用して、それぞれの Web サイト用に 2 つのフロントエンド IP アドレスを公開して、トラフィックを Web サイトのそれぞれの IP 構成に分散します。 このシナリオでは、両方のフロントエンドと両方のバックエンド プール IP アドレスで同じポート番号を使用します。
複数の IP 構成で負荷分散を行うための手順
Note
Azure を操作するには、Azure Az PowerShell モジュールを使用することをお勧めします。 作業を始めるには、「Azure PowerShell をインストールする」を参照してください。 Az PowerShell モジュールに移行する方法については、「AzureRM から Az への Azure PowerShell の移行」を参照してください。
この記事で紹介するシナリオを実現するには、次の手順に従います。
Azure PowerShell をインストールします。 最新バージョンの Azure PowerShell をインストールし、サブスクリプションを選択して、ご利用のアカウントにサインインする方法については、「Azure PowerShell のインストールおよび構成方法」を参照してください。
次の設定を使用してリソース グループを作成します。
$location = "westcentralus". $myResourceGroup = "contosofabrikam"
詳細については、リソース グループの作成に関するページの手順 2. を参照してください。
VM を格納する可用性セットを作成します。 このシナリオでは、次のコマンドを使用します。
New-AzAvailabilitySet -ResourceGroupName "contosofabrikam" -Name "myAvailset" -Location "West Central US"
Windows VM の作成に関する記事の手順 3. ~ 5. に従って、単一の NIC を持つ VM を作成する準備をします。 手順 6.1. を実行し、手順 6.2. の代わりに次のコマンドを実行します。
$availset = Get-AzAvailabilitySet -ResourceGroupName "contosofabrikam" -Name "myAvailset" New-AzVMConfig -VMName "VM1" -VMSize "Standard_DS1_v2" -AvailabilitySetId $availset.Id
次に、Windows VM の作成に関する記事の手順 6.3. ~ 6.8. を実行します。
各 VM に 2 番目の IP 構成を追加します。 仮想マシンに複数の IP アドレスを割り当てる操作に関する記事の手順に従います。 次の構成設定を使用します。
$NicName = "VM1-NIC2" $RgName = "contosofabrikam" $NicLocation = "West Central US" $IPConfigName4 = "VM1-ipconfig2" $Subnet1 = Get-AzVirtualNetworkSubnetConfig -Name "mySubnet" -VirtualNetwork $myVnet
このチュートリアルでは、セカンダリ IP 構成をパブリック IP に関連付ける必要はありません。 コマンドを編集して、パブリック IP の関連付けの部分を削除します。
VM2 用に、この記事の手順 4. ~ 6. をもう一度実行します。 このとき、必ず VM 名を VM2 に置き換えてください。 2 つ目の VM には仮想ネットワークを作成する必要がありません。 ユース ケースに基づいて新しいサブネットを作成できます。
次のように、2 つのパブリック IP アドレスを作成して適切な変数に格納します。
$publicIP1 = New-AzPublicIpAddress -Name PublicIp1 -ResourceGroupName contosofabrikam -Location 'West Central US' -AllocationMethod Dynamic -DomainNameLabel contoso $publicIP2 = New-AzPublicIpAddress -Name PublicIp2 -ResourceGroupName contosofabrikam -Location 'West Central US' -AllocationMethod Dynamic -DomainNameLabel fabrikam $publicIP1 = Get-AzPublicIpAddress -Name PublicIp1 -ResourceGroupName contosofabrikam $publicIP2 = Get-AzPublicIpAddress -Name PublicIp2 -ResourceGroupName contosofabrikam
2 つのフロントエンド IP 構成を作成します。
$frontendIP1 = New-AzLoadBalancerFrontendIpConfig -Name contosofe -PublicIpAddress $publicIP1 $frontendIP2 = New-AzLoadBalancerFrontendIpConfig -Name fabrikamfe -PublicIpAddress $publicIP2
バックエンド アドレス プール、プローブ、および負荷分散規則を作成します。
$beaddresspool1 = New-AzLoadBalancerBackendAddressPoolConfig -Name contosopool $beaddresspool2 = New-AzLoadBalancerBackendAddressPoolConfig -Name fabrikampool $healthProbe = New-AzLoadBalancerProbeConfig -Name HTTP -RequestPath 'index.html' -Protocol http -Port 80 -IntervalInSeconds 15 -ProbeCount 2 $lbrule1 = New-AzLoadBalancerRuleConfig -Name HTTPc -FrontendIpConfiguration $frontendIP1 -BackendAddressPool $beaddresspool1 -Probe $healthprobe -Protocol Tcp -FrontendPort 80 -BackendPort 80 $lbrule2 = New-AzLoadBalancerRuleConfig -Name HTTPf -FrontendIpConfiguration $frontendIP2 -BackendAddressPool $beaddresspool2 -Probe $healthprobe -Protocol Tcp -FrontendPort 80 -BackendPort 80
これらのリソースを作成したら、ロード バランサーを作成します。
$mylb = New-AzLoadBalancer -ResourceGroupName contosofabrikam -Name mylb -Location 'West Central US' -FrontendIpConfiguration $frontendIP1 -LoadBalancingRule $lbrule -BackendAddressPool $beAddressPool -Probe $healthProbe
新しく作成したロード バランサーに、2 つ目のバックエンド アドレス プールとフロントエンド IP 構成を追加します。
$mylb = Get-AzLoadBalancer -Name "mylb" -ResourceGroupName $myResourceGroup | Add-AzLoadBalancerBackendAddressPoolConfig -Name fabrikampool | Set-AzLoadBalancer $mylb | Add-AzLoadBalancerFrontendIpConfig -Name fabrikamfe -PublicIpAddress $publicIP2 | Set-AzLoadBalancer Add-AzLoadBalancerRuleConfig -Name HTTP -LoadBalancer $mylb -FrontendIpConfiguration $frontendIP2 -BackendAddressPool $beaddresspool2 -Probe $healthProbe -Protocol Tcp -FrontendPort 80 -BackendPort 80 | Set-AzLoadBalancer
次のコマンドは、NIC を取得し、各セカンダリ NIC の両方の IP 構成をロード バランサーのバックエンド アドレス プールに追加します。
$nic1 = Get-AzNetworkInterface -Name "VM1-NIC2" -ResourceGroupName "MyResourcegroup"; $nic2 = Get-AzNetworkInterface -Name "VM2-NIC2" -ResourceGroupName "MyResourcegroup"; $nic1.IpConfigurations[0].LoadBalancerBackendAddressPools.Add($mylb.BackendAddressPools[0]); $nic1.IpConfigurations[1].LoadBalancerBackendAddressPools.Add($mylb.BackendAddressPools[1]); $nic2.IpConfigurations[0].LoadBalancerBackendAddressPools.Add($mylb.BackendAddressPools[0]); $nic2.IpConfigurations[1].LoadBalancerBackendAddressPools.Add($mylb.BackendAddressPools[1]); $mylb = $mylb | Set-AzLoadBalancer $nic1 | Set-AzNetworkInterface $nic2 | Set-AzNetworkInterface
最後に、Load Balancer の各フロントエンド IP アドレスを指すように DNS リソース レコードを構成する必要があります。 ドメインを Azure DNS でホストできます。 Azure DNS を Load Balancer で使用する方法の詳細については、「Azure DNS を他の Azure サービスで使用する」を参照してください。
次のステップ
- Azure で負荷分散サービスを組み合わせて使う方法について詳しくは、「Azure で負荷分散サービスを使用する」をご覧ください。
- Azure の各種ログを使って、ロード バランサーの管理やトラブルシューティングを行う方法については、Azure Load Balancer の Azure Monitor ログに関するページを参照してください。