Azure Arc 対応 Kubernetes でのカスタムの場所
Azure の場所の構造の拡張としての "カスタムの場所" 機能を使用すると、テナント管理者は、Azure サービス インスタンスをデプロイするターゲットの場所として、Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターを使用できます。 カスタムの場所の上にデプロイできる Azure オファリングの例としては、Azure Arc 対応の SQL Managed Instance や Azure Arc 対応 PostgreSQL サーバーなどのデータベースがあります。
Azure の場所と同様に、カスタムの場所にアクセスできるテナント内のエンド ユーザーは、会社のプライベート コンピューティングを使用してリソースをそこにデプロイできます。
カスタムの場所は、Azure Arc 対応 Kubernetes クラスター、クラスター接続、クラスター拡張機能の上にある抽象化レイヤーと考えることができます。 カスタムの場所によって、他の Azure サービスがクラスターにアクセスするために必要な粒度の細かい RoleBinding と ClusterRoleBinding が作成されます。 顧客が自分のクラスターにデプロイするリソースを管理するため、このような他の Azure サービスでクラスターにアクセスする必要があります。
アーキテクチャ
管理者がクラスターでカスタムの場所機能を有効にすると、クラスター上に ClusterRoleBinding が作成されて、カスタムの場所リソース プロバイダーによって使用される Azure AD アプリケーションが承認されます。 承認されると、カスタムの場所リソース プロバイダーは、このクラスターにカスタム リソースを作成するために他の Azure リソース プロバイダーで必要になる ClusterRoleBinding や RoleBinding を作成できます。 クラスターにインストールされているクラスター拡張機能により、承認するリソース プロバイダーの一覧が決まります。
ユーザーがクラスター上にデータ サービス インスタンスを作成すると、以下のことが行われます。
- PUT 要求が Azure Resource Manager に送信されます。
- PUT 要求が、Azure Arc 対応 Data Services RP に転送されます。
- RP により、カスタムの場所が存在する Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターに関連付けられている
kubeconfig
ファイルがフェッチされます。- カスタムの場所が、元の PUT 要求で
extendedLocation
として参照されます。
- カスタムの場所が、元の PUT 要求で
- Azure Arc 対応 Data Services リソース プロバイダーにより、
kubeconfig
を使用してクラスターとの通信が行われ、カスタムの場所にマップされている名前空間に、Azure Arc 対応 Data Services 型のカスタム リソースが作成されます。- Azure Arc 対応 Data Services オペレーターは、カスタムの場所が存在する前に、クラスター拡張機能の作成によってデプロイされています。
- Azure Arc 対応 Data Services オペレーターにより、クラスター上に作成された新しいカスタム リソースが読み取られ、データ コントローラーが作成されて、クラスター上の目的の状態の実現に変換されます。
SQL マネージド インスタンスと PostgreSQL インスタンスが作成される手順は、前述の手順と同じです。
次の手順
- クイックスタートを使用して、Kubernetes クラスターを Azure Arc に接続します。
- Azure Arc 対応 Kubernetes クラスターにカスタムの場所を作成します。