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Komprise Intelligent Tiering for Azure を使用してファイル ストレージを最適化する

事業や公共部門のエンタープライズは、多くの場合、ファイル データを何十年間も保持します。これらのファイルには、顧客の分析情報、ゲノム パターン、機械学習トレーニング データ、コンプライアンス情報などのビジネス的価値が含まれています。 このファイル データはボリュームが大きく、急速に増大する多様な内容を記録しているため、保存、バックアップ、管理にコストがかかります。 「2023 年の Komprise 非構造化データ管理レポート」に 示されているように、ほとんどの IT 組織は、ファイル データのストレージとバックアップに予算の 30% から 50% を費やしています。

ファイル データのストレージ コストを検討する際には、ファイル データのコストが、ファイル ストレージ自体のコストより、少なくとも 3 倍高くなることを考慮してください。 ファイル データは、単に保存できるというだけでなく、バックアップとレプリケートにより、ディザスター リカバリーのために保護される必要もあります。

品目 コスト
File Storage 1x
スナップショット 0.3x
DR 用ミラー (FS + スナップショットの 2 番目サイトのコピー) 1.3x
2 から 3 個のバックアップ (低コストのストレージ + バックアップ ソフトウェア) 1x+
合計 3.6x+

クラウドを使用してファイル データコストを削減する: 代替手段の比較

ファイル データの増加速度が増すにつれて、ファイル データストレージとバックアップのコストを削減しながらデータの増加を管理することが、エンタープライズ IT の優先事項となってきました。 ファイル データの大部分 (通常は 80% 程度まで) はコールドです。つまり、そのアクセス頻度は高くありません。 そのため、オンプレミスのファイル データを Azure Blob などのコスト効率の高いオブジェクト ストレージ層に階層化することで大幅に費用を節約できます。この場合のコストは、ファイル ストレージの 1/10 から 1/100 に低減できます。 よりハイ パフォーマンスなオンプレミスとクラウドのファイル ストレージ オプションと比較したときの、Azure Blob Archive のコスト内訳を次に示します。

品目 コスト/GB/月 Azure Blob Archive に対する相対コスト
オンプレミスの Flash/SSD $0.12 123x
オンプレミスのディスク $0.066 66x
Azure Blob Cool $0.015 15x
Azure Blob Archive 0.00099 ドル 1x

Azure Storage のブログ記事を読む:

Komprise Intelligent Tiering for Azure

Komprise Intelligent Tiering for Azure は、ファイルおよびオブジェクト ストレージ システム全体のデータを解析し、非アクティブなコールド データを識別します。 ポリシーに基づいて、対象となるファイルが Azure Blob に移動されます。 Komprise Transparent Move Technology (TMT™) では、プロセスやユーザーによる操作を変更することなく、データ ストレージ、スナップショット、バックアップ、DR フットプリントからファイル全体をオフロードします。 ファイルの階層化に対するこのアプローチでは、データストレージとバックアップの節約を最大化し、データがクラウドからアクセスされる際の不要なリハイドレートを防ぐことで、クラウドに対するエグレス コストを削減します。また、さまざまなデータの種類とグループに対して異なるポリシーを設定できます。 ユーザーは、以前ファイルが元の場所にあったのとまったく同じように、階層化されたデータに対してもアクセスでき、ロックインなしで Azure Blob 内のオブジェクトに直接アクセスできます。 また、すべてのネイティブな Azure データ サービスも使用できます。

階層化インターフェイスのスクリーンショット。

Komprise は、ご使用のすべてのファイルとオブジェクト データを解析します。 お客様が設定するポリシーにより、コールド ファイルを Azure に透過的に階層化し、予算額とポリシーに基づいた節約を瞬時に視覚化できます

階層化後の更新されたアイコンのスクリーンショット。

Komprise TMT によって移動されたファイルは、以前と同じように表示され、デスクトップ上の通常のファイルのように開けるので、ユーザーは違いを認識することはありません。 スタブはありません。 エージェントはありません。 この図は、Komprise によって階層化される前後の PDF ファイルを示しています。

Azure ブログの投稿「ファイル データ コストを 70% 節約する方法」を読む

Komprise Intelligent Tiering for Azure の開始

近方の Komprise チームが、お客様による Komprise Director コンソールとオンプレミス グリッドの設定をアシストします。 これは、インストール前レビュー、デプロイ フェーズ、初期トレーニングを含む簡単なプロセスです。 電源投入から最初の解析結果が表示されるまで、インストールの準備は最大 1 時間程度です。

Komprise Intelligent Tiering for Azure

Komprise Grid

Komprise ソフトウェアは簡単に設定でき、リソースの柔軟性を実現するために仮想環境で実行されます。 Komprise Grid では、最適なパフォーマンス、柔軟性、コストについて構成が可能で、顧客それぞれに固有の環境におけるニーズを満たします。 Komprise のデータ マネージャー (オブザーバー) とデータ ムーバー (Windows プロキシ) は、要件に合わせてオンプレミスまたはクラウドにデプロイできます。

  • ディレクター: - Komprise Grid の管理コンソール。 環境の構成、ポリシーの設定、アクティビティの監視、レポートとグラフの表示に使用されます。
  • オブザーバー: システムの中心部。 オブザーバーはディレクターと通信し、ストレージ システムの解析、レポートの要約、階層化するデータを識別しながらの階層化プランの実行、そして Azure Blob へのデータの移動を行ないます。その後、階層化されたファイルへの透過的なアクセスを、エンド ユーザーに対し継続的に提供します。
  • Windows Proxies: SMB/CIFS データ フローを簡素化および高速化するスケーラブルなデータ ムーバー。 Windows プロキシ データムーバーを簡単に追加して、拡大する環境や厳しいタイムラインでの、変化するパフォーマンス要件を満たします。

Komprise 階層化ソリューションのアーキテクチャ図。

検出と解析の共有

Komprise Analysis and Tiering 用のファイル共有の追加

  1. [データ ストア] ページから開始します。
  2. [データ ストアの追加] を使用して、解析用のストレージ システムとファイル共有を識別します。

データ ストアの追加インターフェイスのスクリーンショット。

  1. NAS 共有を追加する場合は、[ストレージの使用] で [標準] を選択し、追加するストレージ システムの適切なプラットフォームまたはプロバイダーを選択します。 Komprise では、標準の NAS プロトコルがサポートされています。 一覧に名前がないストレージ システムについては、[その他の NAS] オプションを使用します。

NAS の追加インターフェイスのスクリーンショット。

  1. Komprise がストレージ システムにアクセスできるようにするために、必要なシステム情報を指定します。 これは通常、ホスト名または IP アドレスです。 大規模な NAS システムでは、管理ポートとサインインが必要となることがあります。 詳細については、「Komprise 管理者ガイド: 概要」を参照してください。

  2. 解析と階層化用のファイル共有を有効にします。

共有の有効化インターフェイスのスクリーンショット。

  1. 次に、[プランへの追加をスキップして閉じる] を選択して、データ ストアの追加ウィザードを完了します。

Azure Blob ターゲットの追加

階層化されたデータを送信するターゲットを追加します。

  1. [データ ストア] ページで、[データ ストアの追加] を選択し、階層化プランのターゲットを追加します。 [ストレージの使用] で [ターゲット プラン] を選択し、プロバイダーとして Azure Blob Storage を選択します。

データ ストア階層化の追加インターフェイスのスクリーンショット。

  1. Komprise が Azure Blob コンテナーに接続できるようにするために必要な、適切な情報を入力します。

詳細なデータ ストアの追加インターフェイスのスクリーンショット。

階層化の新しいプランを作成する

Komprise プランでは、階層化するファイル共有元や、必要なファイルの非アクティブ期間などの識別を含む、階層化のポリシーを定義します。 Komprise は、定期的な転送間隔 (既定値は 7 日間) で指定された共有をスキャンし、プラン ポリシー (非アクティブ期間) を満たすすべてのファイルを、指定された Azure Blob コンテナーに階層化します。

  1. スクリーンの右上にある [すべてのアクション] を使用して、新しいプランを作成します。

新しい階層化プランの作成インターフェイスのスクリーンショット。

  1. プラン エディターで、ファイル共有の最初のグループに新しいグループ名を割り当てます。 グループ名を指定した後、「入力」とタイプして、編集用のグループを開きます。

  2. 階層化の移動操作を有効にする

移動の有効化インターフェイスのスクリーンショット。

  1. [共有の追加] を選択して、オンプレミスのファイル共有を階層化用に指定します。

共有の追加インターフェイスのスクリーンショット。

  1. [期間でフィルタリングされたファイル] を選択して、ファイルを階層化する非アクティブ期間のポリシーを指定します。 右側のヒートマップ (ドーナツ グラフ) に紫色のハッシュ領域が追加され、Komprise 推定がプラン ポリシーに従って移動するファイルの総量と数を示します。 紫色のハッシュ領域の上にマウスポインターを合わせると、値が表示されます。

年齢でフィルター インターフェイスのスクリーンショット。

  1. プランを表示する際、右下にある [コスト モデルの編集] をクリックすると、解析をカスタマイズしてコスト削減の正確な見積もりを確認できます。 左側にオンプレミスのストレージ コスト情報を入力し、右側にターゲットのストレージ コスト情報 (Azure Blob の場合) を入力します。

コスト モデルの編集インターフェイスのスクリーンショット。

  1. これらの財務系の値は、階層化のために識別されたデータに適用され、ヒートマップの下に 3 年間の節約額の数値とグラフとして表示されます。 次の画像は、1 年後の増加率とコストを示しています。 黄色の線は、データが階層化されていない場合の推定コストを示しているのに対し、青い線では Komprise による階層化で削減された場合のコストを表しています。

データ増加の表示インターフェイスのスクリーンショット。

  1. プラン エディターに戻り、階層化された古いファイル用の、階層化ターゲットを追加します。 [ターゲットへ] フィールドで、先ほど追加した Azure Blob ターゲットを選択します。

階層化先の構成インターフェイスのスクリーンショット。

  1. [編集を完了] を選択して、プランの構成を完了します。

  2. 次に、[アクティブ化またはテスト] を選択して、階層化操作を開始します。 最初にプランをテスト (推奨) する場合、Komprise は実際の移動は行なわず、選択した NAS 共有から Azure BLOB に移動すべきファイルの一覧のみを生成します。 プランをアクティブ化すると、Komprise はプランで定義されている条件を満たすファイルの、Azure Blob への移動を開始します。

階層化構成のテスト インターフェイスのスクリーンショット。

  1. アクティブ化を行なうと、新しい [プラン アクティビティ] タブが開き、階層化操作の結果を表示します。

アクティビティ表示のスクリーンショット。

コピーまたは移動の操作中、Komprise は、対象のファイルに対して NFS 用の完全な MD5 チェックサム処理と SMB 用の SHA-1 処理を実行し、データ転送における完全なデータ整合性を確保します。 ベンダーが異なる複数の NAS サーバーであっても、1 つのプランでカバーすることができます。 たとえば Komprise では、異なる部門に対して異なるポリシー グループを作成できます。 この機能は、さまざまなビジネス ユニットのデータを、中心的な IT 部門が管理している場合に便利です。

Komprise が透過的でネイティブなデータ アクセスを実現する方法

Komprise では、元のソースの場所にあるファイルへのシンボリック リンクを残したまま、ソースの NAS 共有から Azure Blob にファイルが階層化されます。 階層化されたファイルの読み取りまたは書き込みを、ユーザーまたはアプリケーションが実行しようとした場合、ファイルへのアクセスにはシンボリック リンクが使用されます。 このリンクは Komprise のグリッド オブザーバーを指しており、このオブザーバーがファイルの格納場所を追跡します。 オブザーバーは、背後に隠されたファイルを Azure から取得し、数秒以内にファイルの読み取り/書き込み要求を処理します。 これにより、ユーザーとアプリケーションは、オブジェクト ストレージを使用するようにアプリケーションをリファクタリングしたり、別のファイル共有の場所を指定したりすることなく、引き続き同じ保存先でこれらのファイルにアクセスできます。

Komprise の既定では、コンテンツを変更せずに、ファイルをネイティブ形式のままで移動します。 ファイルが Azure に移動されると、Azure 内のネイティブなオブジェクトとして、これらのファイルにアクセスできるようになります。 これにより、多くの新しい魅力的なシナリオが顧客に提供されます。 たとえば、お客様はこのデータをデータ レイクの基盤として使用できます。これにより、Azure Synapse AnalyticsAzure Machine Learning などのサービスを使用して、データのクエリと探索を行うことが可能になります。 これには可能性が無限にあります。そして多くのお客様が、これまで思いついたこともない方法で、コールド データの価値を引き出しています。

その他の Komprise ライセンス オプション

Komprise Intelligent Tiering for Azure には、Azure 移行プログラムのお客様が無料で利用することが可能な、Komprise Elastic Data Migration が含まれています。 一方、Komprise Deep Analytics は含まれていません。この機能は検索に似たインターフェイスであり、Komprise Global File Index と Intelligent Data Management Platform のデータ管理とデータ ワークフロー機能のロックを解除します。 これらの機能とアップグレードの詳細については、Komprise にお問い合わせください

Komprise Intelligent Tiering for Azure を選ぶ理由

全体的なコスト削減に加えて、Komprise Intelligent Tiering for Azure を使用したハイブリッド クラウド階層化には、次のような利点があります。

  • 既存のストレージへの投資を活用: Komprise はコールド ファイルを Azure に透過的に階層化するので、お客様は既存の NAS ストレージを引き続き使用できます。 ユーザーとアプリケーションは、引き続き、ファイルがオンプレミスに置かれているかのように、表示とアクセスができます。
  • Azure Data Services を活用: Komprise は、特許取得の Transparent Move Technology (TMT) を使用して、ファイル オブジェクトの二重性を維持します。 これにより、階層化されたファイルを Azure でオブジェクトとして表示でき、クラウドを最大限活用して、すべての Azure Data Services をネイティブに使用できます。
  • 異種ベンダー ストレージ間で機能: Komprise は、すべてのファイルおよびオブジェクト ストレージで機能し、データを解析して、それを Azure のファイル層とオブジェクト層に対して透過的に階層化します。
  • Azure での継続的なライフサイクル管理: Komprise は継続的に、Azure 内のデータ ライフサイクルの管理を行ないます。 データは、よりコールドになるにつれて、設定したポリシーに基づき、Azure Blob Cool から Azure Blob Archive に移動していきます。

詳細を確認し、節約額のカスタマイズされた評価を取得するには、Komprise にアクセス してください。