配列の宣言
"配列宣言" では、配列に名前を付けて、その要素の型を指定します。 また、配列の要素数も定義できます。 配列型の変数は、配列要素の型へのポインターと見なされます。
構文
declaration
:
declaration-specifiers
optinit-declarator-list
;
init-declarator-list
:
init-declarator
init-declarator-list
,
init-declarator
init-declarator
:
declarator
declarator
=
initializer
declarator
:
pointer
opt direct-declarator
direct-declarator
:
direct-declarator
[
constant-expression
opt ]
constant-expression
は省略可能であるため、構文には以下の 2 つの形式があります。
最初の形式は、配列変数の定義です。 角かっこ内の
constant-expression
引数には、配列内の要素数を指定します。constant-expression
は、存在する場合、0 より大きい整数型の値を持つ必要があります。 各要素は、type-specifier
で指定した型になります。これには、void
を除く任意の型を指定できます。 配列の要素を関数型にすることはできません。2 番目の形式は、別の場所で定義されている変数の宣言です。 この場合、角かっこ内の
constant-expression
引数を省略しますが、角かっこは必要です。 この形式を使用できるのは、以前に配列を初期化しているか、パラメーターとして宣言している場合、または、プログラム内の他の場所で明示的に定義された配列への参照として宣言している場合だけです。
どちらの形式でも、direct-declarator
で変数に名前を付け、変数の型を変更できます。 direct-declarator
の後に続く角かっこ ( [ ]
) により、宣言子が配列型に変更されます。
配列型オブジェクト宣言で型修飾子を使用できますが、修飾子は配列自体にではなく、要素に適用されます。
次の形式で、配列宣言子に続けて角かっこで囲んだ定数式のリストを指定することにより、配列の配列 ("多次元" 配列) を宣言できます。
type-specifier
declarator
[
constant-expression
]
[
constant-expression
]
...
角かっこ内の各 constant-expression
によって、特定の次元の要素数が定義されます。2 次元配列には角かっこで囲まれた式が 2 つあり、3 次元配列には 3 つあります (以下、同様です)。 配列を初期化しているか、パラメーターとして宣言している場合、または、プログラム内の他の場所で明示的に定義された配列への参照として宣言している場合は、最初の定数式を省略できます。
「Interpreting More Complex Declarators」 (さらに複雑な宣言子の解釈) に説明されているように、複雑な宣言を使用して、さまざまな型のオブジェクトへのポインターの配列を定義できます。
配列は行ごとに格納されます。 たとえば、次の配列はそれぞれに 3 つの列がある 2 つの行で構成されています。
char A[2][3];
最初の行の 3 つの列が先に格納され、その後で 2 行目の 3 つの列が格納されます。 つまり、最後の添字が最も速く変化します。
配列の個々の要素を参照するには、「Postfix Operators」 (後置形式の演算子) の説明に従って添字式を使用します。
使用例
これらの例は配列宣言を示しています。
float matrix[10][15];
matrix
という 2 次元配列には 150 個の要素があり、それぞれが float
型です。
struct {
float x, y;
} complex[100];
この例は、構造体の配列の宣言です。 この配列には 100 個の要素があります。各要素は、2 つのメンバーを含む構造体です。
extern char *name[];
このステートメントは、char
へのポインターの配列の型と名前を宣言しています。 name
の実際の定義は、他の場所で発生します。
Microsoft 固有の仕様
配列の最大サイズを保持するために必要な整数型は、size_t
のサイズになります。
Microsoft 固有の仕様はここまで