ICLRTask::Reset メソッド
ホストでタスクを完了したことを共通言語ランタイム (CLR) に通知し、CLR で現在の ICLRTask インスタンスを再利用して別のタスクを表すことができるようにします。
構文
HRESULT Reset (
[in] BOOL fFull
);
パラメーター
fFull
[in] ランタイムで、現在の ICLRTask
インスタンスに関連するセキュリティおよびロケール情報に加えて、スレッドに関連するすべての静的な値をリセットする必要がある場合は true
。それ以外の場合は false
。
値が true
の場合、ランタイムでは、AllocateDataSlot または AllocateNamedDataSlot を使用して格納されたデータがリセットされます。
戻り値
HRESULT | 説明 |
---|---|
S_OK | Reset が正常に返されました。 |
HOST_E_CLRNOTAVAILABLE | CLR がプロセスに読み込まれていないか、CLR がマネージド コードを実行できないまたは呼び出しを処理できない状態です。 成功 |
HOST_E_TIMEOUT | 呼び出しがタイムアウトになりました。 |
HOST_E_NOT_OWNER | 呼び出し元がロックを所有していません。 |
HOST_E_ABANDONED | ブロックされたスレッドまたはファイバーが待機しているときに、イベントが取り消されました。 |
E_FAIL | 原因不明の致命的なエラーが発生しました。 メソッドにより E_FAIL が返されると、そのプロセス内で CLR が使用できなくなります。 後続のホスティング メソッドの呼び出しでは HOST_E_CLRNOTAVAILABLE が返されます。 |
解説
CLR では、以前に作成された ICLRTask
インスタンスをリサイクルして、新しいタスクが必要になるたびに新しいインスタンスを繰り返し作成するオーバーヘッドを回避することができます。 ホストでは、タスクを完了したときに ICLRTask::ExitTask ではなく ICLRTask::Reset
を呼び出すことで、この機能が有効にされます。 ICLRTask
インスタンスの通常のライフサイクルの概要を次に示します。
ランタイムで新しい
ICLRTask
インスタンスが作成されます。ランタイムで IHostTaskManager::GetCurrentTask が呼び出され、現在のホスト タスクへの参照が取得されます。
ランタイムで、新しいインスタンスをホスト タスクに関連付けるために、IHostTask::SetCLRTask が呼び出されます。
タスクが実行され、完了します。
ホストで、
ICLRTask::ExitTask
を呼び出すことによってタスクが破棄されます。
Reset
では、このシナリオが次の 2 つの方法で変更されます。 上記の手順 5 では、ホストで Reset
が呼び出されてタスクがクリーンな状態にリセットされた後、関連する IHostTask インスタンスから ICLRTask
インスタンスが切り離されます。 必要であれば、ホストで IHostTask
インスタンスをキャッシュして再利用することもできます。 上記の手順 1 では、ランタイムで新しいインスタンスを作成する代わりに、キャッシュからリサイクルされた ICLRTask
が取得されます。
この方法は、ホストに再利用可能なワーカー タスクのプールがある場合に適しています。 ホストでは、IHostTask
インスタンスの 1 つが破棄されると、ExitTask
を呼び出すことによって、対応する ICLRTask
が破棄されます。
必要条件
:「システム要件」を参照してください。
ヘッダー: MSCorEE.h
ライブラリ: MSCorEE.dll にリソースとして含まれます
.NET Framework のバージョン: 2.0 以降で使用可能
関連項目
.NET