チュートリアル: Windows Communication Foundation サービス コントラクトを定義する

このチュートリアルでは、基本的な Windows Communication Foundation (WCF) アプリケーションの作成に必要な 5 つのタスクのうち 1 番目のタスクについて説明します。 このチュートリアルの概要については、「チュートリアル: Windows Communication Foundation アプリケーション入門」を参照してください。

WCF サービスを作成する場合、最初のタスクとして、サービス コントラクトを定義します。 サービス コントラクトでは、サービスがサポートする操作を指定します。 操作は Web サービス メソッドと見なすことができます。 サービス コントラクトを作成するには、C# または Visual Basic でインターフェイスを定義します。 インターフェイスには、次のような性質があります。

  • インターフェイスの各メソッドは、特定のサービス操作に対応しています。
  • インターフェイスごとに、ServiceContractAttribute 属性を適用する必要があります。
  • 操作つまりメソッドごとに、OperationContractAttribute 属性を適用する必要があります。

このチュートリアルでは、以下の内容を学習します。

  • WCF サービス ライブラリ プロジェクトを作成します。
  • サービス コントラクト インターフェイスを定義します。

WCF サービス ライブラリ プロジェクトを作成し、サービス コントラクト インターフェイスを定義する

  1. Visual Studio を管理者として開きます。 そのためには、 [スタート] メニューの Visual Studio プログラムを選択してから、ショートカット メニューの [その他]>[管理者として実行] を選択します。

  2. WCF サービス ライブラリ プロジェクトを作成します。

    1. [ファイル] メニューで [新規作成]>[プロジェクト] の順に選択します。

    2. [新しいプロジェクト] ダイアログの左側にある [Visual C#] または [Visual Basic] を展開し、 [WCF] カテゴリを選択します。 Visual Studio のウィンドウの中央のセクションに、プロジェクト テンプレートの一覧が表示されます。 [WCF サービス ライブラリ] を選択します。

      Note

      [WCF] プロジェクト テンプレート カテゴリが表示されない場合は、Visual Studio の Windows Communication Foundation コンポーネントをインストールすることが必要な場合があります。 [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスで、左側の [Visual Studio インストーラーを開く] リンクを選択します。 [個別のコンポーネント] タブを選択し、 [開発アクティビティ] カテゴリで [Windows Communication Foundation] を見つけて選択します。 [変更] を選択して、コンポーネントのインストールを開始します。

    3. ウィンドウの下部で、 [名前] に「GettingStartedLib」と入力し、 [ソリューション名] に「GettingStarted」と入力します。

    4. [OK] を選択します。

      Visual Studio によって、プロジェクトが作成されます。それには、次の 3 つのファイルが含まれます: IService1.cs (または、Visual Basic プロジェクトの場合は IService1.vb)、Service1.cs (または、Visual Basic プロジェクトの場合は Service1.vb)、App.config。これらのファイルは、Visual Studio によって次のように定義されます。

      • IService1 ファイルには、サービス コントラクトの既定の定義が含まれます。
      • Service1 ファイルには、サービス コントラクトの既定の実装が含まれます。
      • App.config ファイルには、Visual Studio WCF サービス ホスト ツールに既定のサービスを読み込むために必要な構成情報が含まれます。 WCF サービス ホスト ツールの詳細については、「WCF サービス ホスト (WcfSvcHost.exe)」を参照してください。

      Note

      Visual Basic 開発者向け環境設定を使用して Visual Studio をインストールした場合は、ソリューションが表示されないことがあります。 この場合は、 [ツール] メニューの [オプション] を選択し、 [オプション] ウィンドウで [プロジェクトとソリューション]>[全般] を選択します。 [常にソリューションを表示] を選択します。 また、 [作成時に新しいプロジェクトを保存] がオンになっていることを確認します。

  3. ソリューション エクスプローラーから、IService1.cs または IService1.vb ファイルを開き、そのコードを次のコードに置き換えます。

    using System;
    using System.ServiceModel;
    
    namespace GettingStartedLib
    {
            [ServiceContract(Namespace = "http://Microsoft.ServiceModel.Samples")]
            public interface ICalculator
            {
                [OperationContract]
                double Add(double n1, double n2);
                [OperationContract]
                double Subtract(double n1, double n2);
                [OperationContract]
                double Multiply(double n1, double n2);
                [OperationContract]
                double Divide(double n1, double n2);
            }
    }
    
    Imports System.ServiceModel
    
    Namespace GettingStartedLib
    
        <ServiceContract(Namespace:="http://Microsoft.ServiceModel.Samples")> _
        Public Interface ICalculator
    
            <OperationContract()> _
            Function Add(ByVal n1 As Double, ByVal n2 As Double) As Double
            <OperationContract()> _
            Function Subtract(ByVal n1 As Double, ByVal n2 As Double) As Double
            <OperationContract()> _
            Function Multiply(ByVal n1 As Double, ByVal n2 As Double) As Double
            <OperationContract()> _
            Function Divide(ByVal n1 As Double, ByVal n2 As Double) As Double
        End Interface
    End Namespace
    

    このコントラクトは、オンライン電卓を定義します。 ICalculator インターフェイスが ServiceContractAttribute 属性 (ServiceContract と簡略化されています) でマークされていることに注意してください。 この属性により、コントラクト名を区別するための名前空間が定義されます。 コードにより、各電卓操作が OperationContractAttribute 属性 (OperationContract と簡略化されています) でマークされています。

次のステップ

このチュートリアルでは、以下の内容を学習しました。

  • WCF サービス ライブラリ プロジェクトを作成します。
  • サービス コントラクト インターフェイスを定義します。

次のチュートリアルに進み、WCF サービス コントラクトを実装する方法を学習してください。