次の方法で共有


フレンド アセンブリ

"フレンド アセンブリ" とは、別のアセンブリの internal (C#) または Friend (Visual Basic) 型およびメンバーにアクセスできるアセンブリです。 AssemblyA にアセンブリ属性を追加して AssemblyB をフレンド アセンブリとして指定すると、AssemblyB からアクセスできるように AssemblyA 内の型とメンバーをパブリックとしてマークする必要がなくなります。 この方法は、特に次の状況で利便性を発揮します。

  • 単体テスト中、テスト コードが別のアセンブリで実行されている状況で、C# では internal、または Visual Basic では Friend としてマークされる、そのテスト対象のアセンブリ内のメンバーにアクセスしなければならないとき。

  • クラス ライブラリの開発中、そのライブラリへの追加機能が別のアセンブリにある状況で、C# では internal、または Visual Basic では Friend としてマークされる、既存アセンブリ内のメンバーにアクセスしなければならないとき。

Remarks

InternalsVisibleToAttribute 属性を利用し、特定のアセンブリの 1 つまたは複数のフレンド アセンブリを特定できます。 次の例では、AssemblyA において InternalsVisibleToAttribute 属性が使われ、フレンド アセンブリとしてアセンブリ AssemblyB を指定しています。 これにより、アセンブリ AssemblyB では、Assembly A の中で internal (C#) または Friend (Visual Basic) としてマークされているすべての型とメンバーにアクセスすることができます。

Note

AssemblyA のような別のアセンブリの internal 型または internal メンバーにアクセスする AssemblyB のようなアセンブリをコンパイルするときは、-out コンパイラ オプションを使用して、出力ファイル (.exe または .dll) の名前を明示的に指定する必要があります。 この指定は必ず行ってください。コンパイラが外部参照にバインドする時点ではまだ、ビルド中のアセンブリの名前が生成されていないためです。 詳細については、「OutputAssembly (C#)」または「-out (Visual Basic)」を参照してください。

using System.Runtime.CompilerServices;
using System;

[assembly: InternalsVisibleTo("AssemblyB")]

// The class is internal by default.
class FriendClass
{
    public void Test()
    {
        Console.WriteLine("Sample Class");
    }
}

// Public class that has an internal method.
public class ClassWithFriendMethod
{
    internal void Test()
    {
        Console.WriteLine("Sample Method");
    }

}
Imports System.Runtime.CompilerServices
<Assembly: InternalsVisibleTo("AssemblyB")>

' Friend class.
Friend Class FriendClass
    Public Sub Test()
        Console.WriteLine("Sample Class")
    End Sub
End Class

' Public class with a Friend method.
Public Class ClassWithFriendMethod
    Friend Sub Test()
        Console.WriteLine("Sample Method")
    End Sub
End Class

internal (C#) または Friend (Visual Basic) 型およびメンバーにアクセスできるのは、明示的にフレンドとして指定されたアセンブリだけです。 たとえば、AssemblyBAssembly A のフレンドであり、Assembly CAssemblyB が参照されている場合、Assembly Ainternal (C#) または Friend (Visual Basic) 型に Assembly C からアクセスすることはできません。

コンパイラは、InternalsVisibleToAttribute 属性に渡されるフレンド アセンブリ名の基本検証を実行します。 Assembly AAssemblyB がフレンド アセンブリとして宣言されている場合、検証規則は次のとおりです。

  • Assembly A に厳密な名前が付けられている場合、AssemblyB にも厳密な名前が付けられている必要があります。 属性に渡されるフレンド アセンブリ名は、アセンブリ名と、AssemblyB の署名に使用される厳密な名前のキーの公開キーで構成されている必要があります。

    AssemblyB の厳密な名前を、フレンド アセンブリ名として InternalsVisibleToAttribute 属性に渡すことはできません。 アセンブリのバージョン、カルチャ、アーキテクチャ、公開キー トークンは含めないでください。

  • Assembly A が厳密な名前でない場合、フレンド アセンブリの名前は、アセンブリ名のみで構成されている必要があります。 詳細については、署名のないフレンド アセンブリを作成する」を参照してください。

  • AssemblyB に厳密な名前が付けられている場合、プロジェクトの設定またはコマンド ラインの /keyfile コンパイラ オプションを使用して、AssemblyB に対して厳密な名前のキーを指定する必要があります。 詳細については、署名されたフレンド アセンブリを作成する」を参照してください。

StrongNameIdentityPermission クラスも型を共有する機能を提供しますが、次のような違いがあります。

  • フレンド アセンブリはアセンブリ全体に適用されますが、StrongNameIdentityPermission は個々の型に適用されます。

  • AssemblyB との間で共有したい型が Assembly A に数百個存在する場合、そのすべてに対して StrongNameIdentityPermission を追加する必要があります。 フレンド アセンブリを使用した場合、フレンド関係を 1 回宣言するだけで済みます。

  • StrongNameIdentityPermission を使用する場合、共有する型をパブリックとして宣言する必要があります。 フレンド アセンブリを使用する場合、共有する型は internal (C#) または Friend (Visual Basic) として宣言します。

アセンブリの internal (C#) または Friend (Visual Basic) 型およびメソッドに、モジュール ファイル ( internal 拡張子の付いたファイル) からアクセスする方法については、「Friend」または「-moduleassemblyname (Visual Basic)」を参照してください。

関連項目