標準の数値書式指定文字列
一般的な数値型を書式設定するには、標準の数値書式指定文字列を使用します。 標準の数値書式指定文字列の形式は [format specifier][precision specifier]
です。
"書式指定子"は、数値書式の種類 (通貨やパーセントなど) を指定する単一の英文字です。 空白を含む複数の英文字で構成される数値書式指定文字列は、カスタム数値書式指定文字列として解釈されます。 詳細については、「カスタム数値形式文字列」をご覧ください。
"精度指定子" は、結果の文字列の桁数に影響する、省略可能な整数です。 .NET 7 以降のバージョンでは、有効桁数の最大値は 999,999,999 です。 .NET 6 では、有効桁数の最大値は Int32.MaxValue です。 以前のバージョンの .NET では、有効桁数は 0 - 99 の範囲で指定できます。 精度指定子は、数値の文字列表現の桁数を制御します。 精度指定子では、数値を丸めません。 丸め操作を実行するには、Math.Ceiling、Math.Floor、または Math.Round の各メソッドを使用します。
精度指定子によって結果文字列内の小数部の桁数を制御する場合、結果文字列では無限に正確な結果に最も近い表現可能な結果に丸められた数値が反映されます。 同じように近い表現可能な結果が 2 つある場合は、次のようになります。
- .NET Framework および .NET Core 2.0 までの .NET Core の場合、ランタイムにより最下位の数字が大きい方の結果が選択されます (つまり、MidpointRounding.AwayFromZero が使用されます)。
- .NET Core 2.1 以降の場合、ランタイムでは最下位の数字が同一である結果が選択されます (つまり、MidpointRounding.ToEven が使用されます)。
注意
精度指定子は、結果文字列の桁数を決定します。 結果文字列に先頭または末尾のスペースを埋め込むには、複合書式指定機能を使用して、書式指定項目に alignment コンポーネントを定義します。
標準の数値書式指定文字列は、以下をサポートしています。
全数値型の
ToString
メソッドの一部のオーバーロード。 たとえば、Int32.ToString(String) メソッドおよび Int32.ToString(String, IFormatProvider) メソッドに数値書式指定文字列を指定できます。すべての数値型の
TryFormat
メソッド。たとえば、Int32.TryFormat(Span<Char>, Int32, ReadOnlySpan<Char>, IFormatProvider) および Single.TryFormat(Span<Char>, Int32, ReadOnlySpan<Char>, IFormatProvider)。.NET の複合書式指定機能でもサポートされています。この機能を使用するメソッドには、Console クラスおよび StreamWriter クラスの一部の
Write
メソッドとWriteLine
メソッド、String.Format メソッド、StringBuilder.AppendFormat メソッドがあります。 複合書式指定機能により、複数のデータ項目の文字列表現を 1 つの文字列にまとめ、フィールド幅を指定し、フィールドの数値の位置を揃えることができます。 詳細については、「複合書式指定」をご覧ください。C# と Visual Basic の補間文字列。複合書式指定文字列と比較すると、構文は単純です。
ヒント
書式指定ユーティリティである .NET Core Windows Forms をダウンロードできます。このアプリケーションを使用すると、書式指定文字列を数値または日付と時刻の値に適用して、結果の文字列を表示できます。 ソース コードは C# と Visual Basic で利用できます。
標準書式指定子
次の表に、標準数値書式指定子の説明および書式指定子ごとのサンプル出力を示します。 標準の数値書式指定文字列の使用方法については、「メモ」をご覧ください。それらを使用する包括的な例については、「コード例」をご覧ください。
特定のカルチャに合わせて文字列を書式指定すると、その結果は次の例とは異なる場合があります。 オペレーティング システムの設定、ユーザー設定、環境変数、および使用中の .NET バージョンはいずれも書式指定に影響を及ぼす可能性があります。 たとえば、.NET 5 以降では、.NET によってプラットフォーム間でカルチャの書式指定を統合する試みが行われます。 詳細については、「.NET グローバリゼーションと ICU」を参照してください。
書式指定子 | 名前 | 説明 | 例 |
---|---|---|---|
"B" または "b" | バイナリ | 結果: バイナリ文字列。 サポート: 整数型のみ (.NET 8 以上)。 精度指定子:結果文字列の桁数。 詳細情報: バイナリ ("B") 書式指定子。 |
42 ("B") -> 101010 255 ("b16") -> 0000000011111111 |
"C" または "c" | 通貨 | 結果: 通貨値。 サポート:すべての数値型。 精度指定子:小数部の桁数。 既定の精度指定子:NumberFormatInfo.CurrencyDecimalDigits によって定義されます。 詳細情報:通貨 ("C") 書式指定子。 |
123.456 ("C", en-US) -> \$123.46 123.456 ("C", fr-FR) -> 123,46 € 123.456 ("C", ja-JP) -> ¥123 -123.456 ("C3", en-US) -> (\$123.456) -123.456 ("C3", fr-FR) -> -123,456 € -123.456 ("C3", ja-JP) -> -¥123.456 |
"D" または "d" | Decimal (10 進数型) | 結果: 必要に応じて負の符号が付く整数。 サポート:整数型のみ。 精度指定子:最小桁数。 既定の精度指定子:必要な最小桁数。 詳細情報:10 進数 ("D") 書式指定子。 |
1234 ("D") -> 1234 -1234 ("D6") -> -001234 |
"E" または "e" | 指数 | 結果: 指数表記。 サポート:すべての数値型。 精度指定子:小数部の桁数。 既定の精度指定子:6. 詳細情報:指数 ("E") 書式指定子。 |
1052.0329112756 ("E", en-US) -> 1.052033E+003 1052.0329112756 ("e", fr-FR) -> 1,052033e+003 -1052.0329112756 ("e2", en-US) -> -1.05e+003 -1052.0329112756 ("E2", fr-FR) -> -1,05E+003 |
"F" または "f" | 固定小数点 | 結果: 必要に応じて負の符号が付く整数と小数。 サポート:すべての数値型。 精度指定子:小数部の桁数。 既定の精度指定子:NumberFormatInfo.NumberDecimalDigits によって定義されます。 詳細情報:固定小数点 ("F") 書式指定子。 |
1234.567 ("F", en-US) -> 1234.57 1234.567 ("F", de-DE) -> 1234,57 1234 ("F1", en-US) -> 1234.0 1234 ("F1", de-DE) -> 1234,0 -1234.56 ("F4", en-US) -> -1234.5600 -1234.56 ("F4", de-DE) -> -1234,5600 |
"G" または "g" | 全般 | 結果: 固定小数点表記または指数表記のいずれかのより簡潔な形式。 サポート:すべての数値型。 精度指定子:有効桁数。 既定の精度指定子:数値型によって異なります。 詳細情報:一般 ("G") 書式指定子。 |
-123.456 ("G", en-US) -> -123.456 -123.456 ("G", sv-SE) -> -123,456 123.4546 ("G4", en-US) -> 123.5 123.4546 ("G4", sv-SE) -> 123,5 -1.234567890e-25 ("G", en-US) -> -1.23456789E-25 -1.234567890e-25 ("G", sv-SE) -> -1,23456789E-25 |
"N" または "n" | 数値 | 結果: 必要に応じて負の符号が付く整数と小数、桁区切り記号、および小数点記号。 サポート:すべての数値型。 精度指定子:小数部の桁数。 既定の精度指定子:NumberFormatInfo.NumberDecimalDigits によって定義されます。 詳細情報:数値 ("N") 書式指定子。 |
1234.567 ("N", en-US) -> 1,234.57 1234.567 ("N", ru-RU) -> 1 234,57 1234 ("N1", en-US) -> 1,234.0 1234 ("N1", ru-RU) -> 1 234,0 -1234.56 ("N3", en-US) -> -1,234.560 -1234.56 ("N3", ru-RU) -> -1 234,560 |
"P" または "p" | パーセント | 結果: 数値に 100 を掛けて、パーセント記号を付けて表示します。 サポート:すべての数値型。 精度指定子:小数部の桁数。 既定の精度指定子:NumberFormatInfo.PercentDecimalDigits によって定義されます。 詳細情報:パーセント ("P") 書式指定子。 |
1 ("P", en-US) -> 100.00 % 1 ("P", fr-FR) -> 100,00 % -0.39678 ("P1", en-US) -> -39.7 % -0.39678 ("P1", fr-FR) -> -39,7 % |
"R" または "r" | ラウンドトリップ | 結果: 同じ数値にラウンドトリップできる文字列。 サポート: Single、Double、および BigInteger。 メモ:BigInteger 型にのみお勧めします。 Double 型の場合は "G17"、Single 型の場合は "G9" を使用します。 精度指定子:無視されます。 詳細情報:ラウンドトリップ ("R") 書式指定子。 |
123456789.12345678 ("R") -> 123456789.12345678 -1234567890.12345678 ("R") -> -1234567890.1234567 |
"X" または "x" | 16 進数 | 結果: 16 進数文字列。 サポート:整数型のみ。 精度指定子:結果文字列の桁数。 詳細については、「16 進数 ("X") 書式指定子」を参照してください。 |
255 ("X") -> FF -1 ("x") -> ff 255 ("x4") -> 00ff -1 ("X4") -> 00FF |
その他の 1 文字 | 未定義の指定子 | 結果: 実行時に FormatException をスローします。 |
標準の数値形式文字列を使用する
注意
この記事の C# 例は、Try.NET インライン コード ランナーとプレイグラウンドで実行されます。 [実行] ボタンを選択すると、対話型ウィンドウで例が実行されます。 コードを実行したら、コードを変更し、 [実行] をもう一度選択して変更後のコードを実行できます。 変更後のコードが対話型ウィンドウで実行されるか、コンパイルできなかった場合、対話型ウィンドウにすべての C# コンパイラ エラー メッセージが表示されます。
標準の数値書式指定文字列を使用すると、次のいずれかの方法で数値の書式を定義できます。
これは
TryFormat
メソッドに渡すことも、format
パラメーターを持つToString
メソッドのオーバーロードに渡すこともできます。 次の例では、数値の書式を現在のカルチャ (ここでは en-US カルチャ) の通貨文字列に設定しています。Decimal value = static_cast<Decimal>(123.456); Console::WriteLine(value.ToString("C2")); // Displays $123.46
decimal value = 123.456m; Console.WriteLine(value.ToString("C2")); // Displays $123.46
Dim value As Decimal = 123.456d Console.WriteLine(value.ToString("C2")) ' Displays $123.46
String.Format、Console.WriteLine、StringBuilder.AppendFormat などのメソッドで使用される書式指定項目の
formatString
引数として渡す。 詳細については、「複合書式指定」をご覧ください。 次の例では、書式指定項目を使用して文字列に通貨値を挿入しています。Decimal value = static_cast<Decimal>(123.456); Console::WriteLine("Your account balance is {0:C2}.", value); // Displays "Your account balance is $123.46."
decimal value = 123.456m; Console.WriteLine("Your account balance is {0:C2}.", value); // Displays "Your account balance is $123.46."
Dim value As Decimal = 123.456d Console.WriteLine("Your account balance is {0:C2}.", value) ' Displays "Your account balance is $123.46."
オプションで、
alignment
引数を渡して数値フィールドの幅と、その値を右揃えまたは左揃えにするかどうかを指定します。 次の例では、通貨の値が 28 文字フィールドでは左揃えになっており、14 文字フィールドでは右揃えになっています。array<Decimal>^ amounts = { static_cast<Decimal>(16305.32), static_cast<Decimal>(18794.16) }; Console::WriteLine(" Beginning Balance Ending Balance"); Console::WriteLine(" {0,-28:C2}{1,14:C2}", amounts[0], amounts[1]); // Displays: // Beginning Balance Ending Balance // $16,305.32 $18,794.16
decimal[] amounts = { 16305.32m, 18794.16m }; Console.WriteLine(" Beginning Balance Ending Balance"); Console.WriteLine(" {0,-28:C2}{1,14:C2}", amounts[0], amounts[1]); // Displays: // Beginning Balance Ending Balance // $16,305.32 $18,794.16
Dim amounts() As Decimal = {16305.32d, 18794.16d} Console.WriteLine(" Beginning Balance Ending Balance") Console.WriteLine(" {0,-28:C2}{1,14:C2}", amounts(0), amounts(1)) ' Displays: ' Beginning Balance Ending Balance ' $16,305.32 $18,794.16
これは補間文字列の挿入式項目内で
formatString
引数として指定できます。 詳細については、C# リファレンスの文字列補間または Visual Basic リファレンスの補間文字列に関する記事を参照してください。
以降では、それぞれの標準の数値書式指定文字列について詳しく説明します。
バイナリ書式指定子 (B)
バイナリ ("B") 書式指定子は、数値を 2 進数の文字列に変換します。 この書式指定は、整数型で .NET 8 以上においてのみサポートされます。
精度指定子は、変換後の文字列の最小桁数を示します。 必要に応じて、精度指定子によって指定された桁数に達するまで、数値の左側にゼロが埋め込まれます。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されません。
通貨書式指定子 (C)
"C" (通貨) 書式指定子は、金額を表す文字列に数値を変換します。 精度指定子は、結果文字列の小数部の桁数を示します。 精度指定子を省略すると、NumberFormatInfo.CurrencyDecimalDigits プロパティによって既定の桁数が定義されます。
書式指定される値が指定または既定の小数部の桁数を超えている場合、小数値は結果文字列で丸められます。 指定した小数部の桁数の右側にある値が 5 以上の場合、結果文字列の最後の桁はゼロから離れる方向に丸められます。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 返される文字列の書式を制御する NumberFormatInfo のプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
CurrencyPositivePattern | 正の値の通貨記号の位置を定義します。 |
CurrencyNegativePattern | 負の値の通貨記号の位置を定義し、かっこと NegativeSign プロパティのどちらによって負の符号が表されるかを指定します。 |
NegativeSign | CurrencyNegativePattern でかっこを使用しないように示されている場合に使用される負の符号を定義します。 |
CurrencySymbol | 通貨記号を定義します。 |
CurrencyDecimalDigits | 通貨値の既定の小数点以下桁数を定義します。 この値は、精度指定子を使用してオーバーライドできます。 |
CurrencyDecimalSeparator | 整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
CurrencyGroupSeparator | 整数の桁を区切る文字列を定義します。 |
CurrencyGroupSizes | 桁を何桁ごとに区切るかを定義します。 |
次の例では、通貨書式指定子を使って Double 値の書式を設定します。
double value = 12345.6789;
Console::WriteLine(value.ToString("C", CultureInfo::CurrentCulture));
Console::WriteLine(value.ToString("C3", CultureInfo::CurrentCulture));
Console::WriteLine(value.ToString("C3",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("da-DK")));
// The example displays the following output on a system whose
// current culture is English (United States):
// $12,345.68
// $12,345.679
// kr 12.345,679
double value = 12345.6789;
Console.WriteLine(value.ToString("C", CultureInfo.CurrentCulture));
Console.WriteLine(value.ToString("C3", CultureInfo.CurrentCulture));
Console.WriteLine(value.ToString("C3",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("da-DK")));
// The example displays the following output on a system whose
// current culture is English (United States):
// $12,345.68
// $12,345.679
// 12.345,679 kr
Dim value As Double = 12345.6789
Console.WriteLine(value.ToString("C", CultureInfo.CurrentCulture))
Console.WriteLine(value.ToString("C3", CultureInfo.CurrentCulture))
Console.WriteLine(value.ToString("C3", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("da-DK")))
' The example displays the following output on a system whose
' current culture is English (United States):
' $12,345.68
' $12,345.679
' kr 12.345,679
10 進数書式指定子 (D)
"D" (10 進数) 書式指定子は、0 ~ 9 の数字から成る文字列に数値を変換します。負の数値の場合は、文字列の先頭にマイナス記号が挿入されます。 この書式指定は整数型でだけサポートされています。
精度指定子は、変換後の文字列の最小桁数を示します。 必要に応じて、精度指定子によって指定された桁数に達するまで、数値の左側にゼロが埋め込まれます。 精度指定子が指定されていない場合の既定値は、先行するゼロを含めずに整数を表すために必要な最小値です。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 次の表に示すように、結果文字列の書式に影響を与えるプロパティは 1 つです。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
NegativeSign | 数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
次の例では、10 進数の書式指定子を使って Int32 値の書式を設定します。
int value;
value = 12345;
Console::WriteLine(value.ToString("D"));
// Displays 12345
Console::WriteLine(value.ToString("D8"));
// Displays 00012345
value = -12345;
Console::WriteLine(value.ToString("D"));
// Displays -12345
Console::WriteLine(value.ToString("D8"));
// Displays -00012345
int value;
value = 12345;
Console.WriteLine(value.ToString("D"));
// Displays 12345
Console.WriteLine(value.ToString("D8"));
// Displays 00012345
value = -12345;
Console.WriteLine(value.ToString("D"));
// Displays -12345
Console.WriteLine(value.ToString("D8"));
// Displays -00012345
Dim value As Integer
value = 12345
Console.WriteLine(value.ToString("D"))
' Displays 12345
Console.WriteLine(value.ToString("D8"))
' Displays 00012345
value = -12345
Console.WriteLine(value.ToString("D"))
' Displays -12345
Console.WriteLine(value.ToString("D8"))
' Displays -00012345
指数書式指定子 (E)
指数 ("E") 書式指定子は、"-d.ddd…E+ddd" または "-d.ddd…e+ddd" という形式の文字列に数値を変換します。この "d" は 0 ~ 9 の 1 桁の数字を示します。 負の数値の場合、変換後の文字列の先頭にマイナス記号が挿入されます。 小数点の前には 1 桁の数字が必ず示されます。
精度指定子は、小数部の桁数を示します。 精度指定子を省略すると、小数部の桁数として既定の 6 桁が使用されます。
書式指定子が大文字の場合は指数部の前に "E" が挿入され、小文字の場合は "e" が挿入されます。 指数部は常に、プラス記号またはマイナス記号のいずれかと、3 桁以上の桁で構成されます。 指数部の桁数が最小桁数の 3 桁よりも少ない場合には、3 桁になるようにゼロが埋め込まれます。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 返される文字列の書式を制御する NumberFormatInfo のプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
NegativeSign | 係数と指数部の両方で数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
NumberDecimalSeparator | 係数の整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
PositiveSign | 指数部が正であることを示す文字列を定義します。 |
次の例では、指数書式指定子を使って Double 値の書式を設定します。
double value = 12345.6789;
Console::WriteLine(value.ToString("E", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 1.234568E+004
Console::WriteLine(value.ToString("E10", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 1.2345678900E+004
Console::WriteLine(value.ToString("e4", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 1.2346e+004
Console::WriteLine(value.ToString("E",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("fr-FR")));
// Displays 1,234568E+004
double value = 12345.6789;
Console.WriteLine(value.ToString("E", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 1.234568E+004
Console.WriteLine(value.ToString("E10", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 1.2345678900E+004
Console.WriteLine(value.ToString("e4", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 1.2346e+004
Console.WriteLine(value.ToString("E",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("fr-FR")));
// Displays 1,234568E+004
Dim value As Double = 12345.6789
Console.WriteLine(value.ToString("E", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 1.234568E+004
Console.WriteLine(value.ToString("E10", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 1.2345678900E+004
Console.WriteLine(value.ToString("e4", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 1.2346e+004
Console.WriteLine(value.ToString("E", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("fr-FR")))
' Displays 1,234568E+004
固定小数点書式指定子 (F)
固定小数点 ("F) 書式指定子は、"-ddd.ddd…" という形式の文字列に数値を変換します。この "d" は 0 から 9 の 1 桁の数字を示します。 負の数値の場合、変換後の文字列の先頭にマイナス記号が挿入されます。
精度指定子は、小数部の桁数を示します。 精度指定子を省略すると、現在の NumberFormatInfo.NumberDecimalDigits プロパティによって桁数が指定されます。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 結果文字列の書式を制御する NumberFormatInfo オブジェクトのプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
NegativeSign | 数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
NumberDecimalSeparator | 整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
NumberDecimalDigits | 既定の小数点以下桁数を定義します。 この値は、精度指定子を使用してオーバーライドできます。 |
次の例では、固定小数点の書式指定子を使って Double および Int32 値の書式を設定します。
int integerNumber;
integerNumber = 17843;
Console::WriteLine(integerNumber.ToString("F",
CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 17843.00
integerNumber = -29541;
Console::WriteLine(integerNumber.ToString("F3",
CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays -29541.000
double doubleNumber;
doubleNumber = 18934.1879;
Console::WriteLine(doubleNumber.ToString("F", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 18934.19
Console::WriteLine(doubleNumber.ToString("F0", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 18934
doubleNumber = -1898300.1987;
Console::WriteLine(doubleNumber.ToString("F1", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays -1898300.2
Console::WriteLine(doubleNumber.ToString("F3",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("es-ES")));
// Displays -1898300,199
int integerNumber;
integerNumber = 17843;
Console.WriteLine(integerNumber.ToString("F",
CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 17843.00
integerNumber = -29541;
Console.WriteLine(integerNumber.ToString("F3",
CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays -29541.000
double doubleNumber;
doubleNumber = 18934.1879;
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 18934.19
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F0", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 18934
doubleNumber = -1898300.1987;
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F1", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays -1898300.2
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F3",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("es-ES")));
// Displays -1898300,199
Dim integerNumber As Integer
integerNumber = 17843
Console.WriteLine(integerNumber.ToString("F", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 17843.00
integerNumber = -29541
Console.WriteLine(integerNumber.ToString("F3", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays -29541.000
Dim doubleNumber As Double
doubleNumber = 18934.1879
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 18934.19
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F0", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 18934
doubleNumber = -1898300.1987
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F1", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays -1898300.2
Console.WriteLine(doubleNumber.ToString("F3", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("es-ES")))
' Displays -1898300,199
一般書式指定子 (G)
一般 ("G") 書式指定子は、数値の型や、精度指定子が指定されているかどうかに応じて、固定小数点表記または指数表記のいずれかのより簡潔な形式に数値を変換します。 精度指定子は、結果文字列の有効桁数の最大値を定義します。 精度指定子が省略されている場合や、0 である場合は、次の表に示すように、数値の型によって既定の精度が決定されます。
数値型 | 既定の精度 |
---|---|
Byte または SByte | 3 桁 |
Int16 または UInt16 | 5 桁 |
Int32 または UInt32 | 10 桁 |
Int64 | 19 桁 |
UInt64 | 20 桁 |
BigInteger | 無制限 ("R" と同じ) |
Half | 数値を表すラウンドトリップ可能な最小の桁数 |
Single | 数値を表すラウンドトリップ可能な最小の桁数 (.NET Framework では、G7 が既定値) |
Double | 数値を表すラウンドトリップ可能な最小の桁数 (.NET Framework では、G15 が既定値) |
Decimal | 数値を表すラウンドトリップ可能な最小の桁数 |
数値を指数表記で表した結果の指数部が -5 よりも大きく、精度指定子よりも小さい場合は、固定小数点表記が使用されます。それ以外の場合は、指数表記が使用されます。 結果には必要に応じて小数点が含まれ、小数点の後続のゼロは省略されます。 精度指定子が存在し、指定された精度を結果の有効桁数が超える場合は、超過した桁は丸められ削除されます。
ただし、数値が Decimal で、精度指定子が省略されている場合は、常に固定小数点表記が使用され、後続のゼロは保持されます。
指数表記が使用される場合、結果の指数部には、書式指定子が "G" のときには "E"、書式指定子が "g" のときには "e" というプレフィックスが付きます。 指数部には少なくとも 2 桁が含まれます。 これは、指数部に少なくとも 3 桁が含まれる、指数書式指定子によって生成される指数表記の書式とは異なります。
"G17" 書式指定子を Double 値と共に使用すると、元の Double 値のラウンドトリップが正常に実行されます。 これは、Double が IEEE 754-2008 準拠の倍精度 (binary64
) 浮動小数点数 (最大 17 桁の精度) であるためです。 .NET Framework では、"R" 書式指定子の代わりにそれを使用することをお勧めします。これは、場合によっては、"R" を使用すると倍精度浮動小数点値のラウンドトリップに失敗するためです。
"G9" 書式指定子と Single 値を共に使用すると、元の Single 値のラウンド トリップが正常に実行されます。 これは、Single が IEEE 754-2008 準拠の単精度 (binary32
) 浮動小数点数 (最大 9 桁の精度) であるためです。 パフォーマンス上の理由から、"R" 書式指定子の代わりにこちらを使用することをお勧めします。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 結果文字列の書式を制御する NumberFormatInfo のプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
NegativeSign | 数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
NumberDecimalSeparator | 整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
PositiveSign | 指数部が正であることを示す文字列を定義します。 |
次の例では、一般書式指定子を使って、さまざまな浮動小数点値の書式を設定します。
double number;
number = 12345.6789;
Console::WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 12345.6789
Console::WriteLine(number.ToString("G",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("fr-FR")));
// Displays 12345,6789
Console::WriteLine(number.ToString("G7", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 12345.68
number = .0000023;
Console::WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 2.3E-06
Console::WriteLine(number.ToString("G",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("fr-FR")));
// Displays 2,3E-06
number = .0023;
Console::WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 0.0023
number = 1234;
Console::WriteLine(number.ToString("G2", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 1.2E+03
number = Math::PI;
Console::WriteLine(number.ToString("G5", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 3.1416
double number;
number = 12345.6789;
Console.WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 12345.6789
Console.WriteLine(number.ToString("G",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("fr-FR")));
// Displays 12345,6789
Console.WriteLine(number.ToString("G7", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 12345.68
number = .0000023;
Console.WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 2.3E-06
Console.WriteLine(number.ToString("G",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("fr-FR")));
// Displays 2,3E-06
number = .0023;
Console.WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 0.0023
number = 1234;
Console.WriteLine(number.ToString("G2", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 1.2E+03
number = Math.PI;
Console.WriteLine(number.ToString("G5", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 3.1416
Dim number As Double
number = 12345.6789
Console.WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 12345.6789
Console.WriteLine(number.ToString("G", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("fr-FR")))
' Displays 12345,6789
Console.WriteLine(number.ToString("G7", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 12345.68
number = .0000023
Console.WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 2.3E-06
Console.WriteLine(number.ToString("G", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("fr-FR")))
' Displays 2,3E-06
number = .0023
Console.WriteLine(number.ToString("G", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 0.0023
number = 1234
Console.WriteLine(number.ToString("G2", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 1.2E+03
number = Math.Pi
Console.WriteLine(number.ToString("G5", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 3.1416
数値書式指定子 (N)
"N" (Numeric: 数値) は、数値を "-d,ddd,ddd.ddd…" という形式の文字列に変換する書式指定子です。"-" は負数記号を示し (必要な場合)、"d" は数字 (0 ~ 9) を示し、"," は桁区切り記号を示し、"." は小数点記号を示します。 精度指定子は、小数部の桁数を示します。 精度指定子を省略すると、現在の NumberFormatInfo.NumberDecimalDigits プロパティによって小数部の桁数が定義されます。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 結果文字列の書式を制御する NumberFormatInfo のプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
NegativeSign | 数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
NumberNegativePattern | 負の値の書式を定義し、かっこと NegativeSign プロパティのどちらによって負の符号が表されるかを指定します。 |
NumberGroupSizes | 桁区切り記号の間の桁数を定義します。 |
NumberGroupSeparator | 整数の桁を区切る文字列を定義します。 |
NumberDecimalSeparator | 整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
NumberDecimalDigits | 既定の小数点以下桁数を定義します。 この値は、精度指定子を使用してオーバーライドできます。 |
次の例では、数値書式指定子を使って、さまざまな浮動小数点値の書式を設定します。
double dblValue = -12445.6789;
Console::WriteLine(dblValue.ToString("N", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays -12,445.68
Console::WriteLine(dblValue.ToString("N1",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("sv-SE")));
// Displays -12 445,7
int intValue = 123456789;
Console::WriteLine(intValue.ToString("N1", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 123,456,789.0
double dblValue = -12445.6789;
Console.WriteLine(dblValue.ToString("N", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays -12,445.68
Console.WriteLine(dblValue.ToString("N1",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("sv-SE")));
// Displays -12 445,7
int intValue = 123456789;
Console.WriteLine(intValue.ToString("N1", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 123,456,789.0
Dim dblValue As Double = -12445.6789
Console.WriteLine(dblValue.ToString("N", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays -12,445.68
Console.WriteLine(dblValue.ToString("N1", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("sv-SE")))
' Displays -12 445,7
Dim intValue As Integer = 123456789
Console.WriteLine(intValue.ToString("N1", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 123,456,789.0
パーセント書式指定子 (P)
パーセント ("P") 書式指定子は、数値に 100 を掛けて、パーセントを表す文字列に変換します。 精度指定子は、小数部の桁数を示します。 精度指定子を省略すると、現在の PercentDecimalDigits プロパティによって指定される既定の桁数が使用されます。
返される文字列の書式を制御する NumberFormatInfo のプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
PercentPositivePattern | 正の値のパーセント記号の位置を定義します。 |
PercentNegativePattern | 負の値のパーセント記号と負の符号の位置を定義します。 |
NegativeSign | 数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
PercentSymbol | パーセント記号を定義します。 |
PercentDecimalDigits | パーセント値の既定の小数点以下桁数を定義します。 この値は、精度指定子を使用してオーバーライドできます。 |
PercentDecimalSeparator | 整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
PercentGroupSeparator | 整数の桁を区切る文字列を定義します。 |
PercentGroupSizes | 桁を何桁ごとに区切るかを定義します。 |
次の例では、パーセント書式指定子を使って、浮動小数点値の書式を設定します。
double number = .2468013;
Console::WriteLine(number.ToString("P", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 24.68 %
Console::WriteLine(number.ToString("P",
CultureInfo::CreateSpecificCulture("hr-HR")));
// Displays 24,68%
Console::WriteLine(number.ToString("P1", CultureInfo::InvariantCulture));
// Displays 24.7 %
double number = .2468013;
Console.WriteLine(number.ToString("P", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 24.68 %
Console.WriteLine(number.ToString("P",
CultureInfo.CreateSpecificCulture("hr-HR")));
// Displays 24,68%
Console.WriteLine(number.ToString("P1", CultureInfo.InvariantCulture));
// Displays 24.7 %
Dim number As Double = .2468013
Console.WriteLine(number.ToString("P", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 24.68 %
Console.WriteLine(number.ToString("P", _
CultureInfo.CreateSpecificCulture("hr-HR")))
' Displays 24,68%
Console.WriteLine(number.ToString("P1", CultureInfo.InvariantCulture))
' Displays 24.7 %
ラウンドトリップ書式指定子 (R)
ラウンド トリップ ("R") 書式指定子は、文字列に変換された数値が解析され、同じ数値に戻るように試行します。 この書式指定は、Half、Single、Double、BigInteger の各型についてのみサポートされています。
.NET Framework と .NET Core のバージョン 3.0 より前では、"R" 書式指定子が Double 値の正常なラウンドトリップに失敗することがあります。 Double と Single の両方の値で、"R" 書式指定子のパフォーマンスが比較的低くなります。 値を適切にラウンドトリップするには、Double 値に "G17" 書式指定子を使用し、Single 値に "G9" 書式指定子を使用することをお勧めします。
この指定子を使用して BigInteger 値の書式を設定すると、その文字列形式に BigInteger 値の有効桁数がすべて含まれます。
精度指定子は、指定できますが無視されます。 ラウンドトリップ指定子と精度指定子の両方を指定すると、ラウンドトリップ指定子が優先されます。 結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されます。 結果文字列の書式を制御する NumberFormatInfo のプロパティの一覧を次の表に示します。
NumberFormatInfo のプロパティ | 説明 |
---|---|
NegativeSign | 数値が負であることを示す文字列を定義します。 |
NumberDecimalSeparator | 整数部と小数部を区切る文字列を定義します。 |
PositiveSign | 指数部が正であることを示す文字列を定義します。 |
次の例では、ラウンドトリップ書式指定子を使って BigInteger 値の書式を設定します。
#using <System.Numerics.dll>
using namespace System;
using namespace System::Numerics;
void main()
{
BigInteger value = BigInteger::Pow(Int64::MaxValue, 2);
Console::WriteLine(value.ToString("R"));
}
// The example displays the following output:
// 85070591730234615847396907784232501249
using System;
using System.Numerics;
public class Example
{
public static void Main()
{
var value = BigInteger.Pow(Int64.MaxValue, 2);
Console.WriteLine(value.ToString("R"));
}
}
// The example displays the following output:
// 85070591730234615847396907784232501249
Imports System.Numerics
Module Example
Public Sub Main()
Dim value = BigInteger.Pow(Int64.MaxValue, 2)
Console.WriteLine(value.ToString("R"))
End Sub
End Module
' The example displays the following output:
' 85070591730234615847396907784232501249
重要
場合によっては、/platform:x64
スイッチまたは /platform:anycpu
スイッチを使用してコンパイルして 64 ビット システムで実行すると、"R" 標準の数値書式指定文字列で書式設定される Double 値のラウンドトリップに失敗することがあります。 詳細については、次の段落を参照してください。
/platform:x64
スイッチまたは /platform:anycpu
スイッチを使用してコンパイルして 64 ビット システムで実行すると、"R" 標準の数値書式指定文字列を使用して書式設定される Double 値のラウンドトリップが失敗するという問題を回避するために、Double 値を "G17" 標準の数値書式指定文字列を使用して書式設定することができます。 次の例では、ラウンドトリップに失敗する Double 値を持つ "R" 書式指定文字列を使用しています。元の値のラウンドトリップに成功する "G17" 書式指定文字列も使用しています。
Console.WriteLine("Attempting to round-trip a Double with 'R':");
double initialValue = 0.6822871999174;
string valueString = initialValue.ToString("R",
CultureInfo.InvariantCulture);
double roundTripped = double.Parse(valueString,
CultureInfo.InvariantCulture);
Console.WriteLine("{0:R} = {1:R}: {2}\n",
initialValue, roundTripped, initialValue.Equals(roundTripped));
Console.WriteLine("Attempting to round-trip a Double with 'G17':");
string valueString17 = initialValue.ToString("G17",
CultureInfo.InvariantCulture);
double roundTripped17 = double.Parse(valueString17,
CultureInfo.InvariantCulture);
Console.WriteLine("{0:R} = {1:R}: {2}\n",
initialValue, roundTripped17, initialValue.Equals(roundTripped17));
// If compiled to an application that targets anycpu or x64 and run on an x64 system,
// the example displays the following output:
// Attempting to round-trip a Double with 'R':
// .NET Framework:
// 0.6822871999174 = 0.68228719991740006: False
// .NET:
// 0.6822871999174 = 0.6822871999174: True
//
// Attempting to round-trip a Double with 'G17':
// 0.6822871999174 = 0.6822871999174: True
Imports System.Globalization
Module Example
Public Sub Main()
Console.WriteLine("Attempting to round-trip a Double with 'R':")
Dim initialValue As Double = 0.6822871999174
Dim valueString As String = initialValue.ToString("R",
CultureInfo.InvariantCulture)
Dim roundTripped As Double = Double.Parse(valueString,
CultureInfo.InvariantCulture)
Console.WriteLine("{0:R} = {1:R}: {2}",
initialValue, roundTripped, initialValue.Equals(roundTripped))
Console.WriteLine()
Console.WriteLine("Attempting to round-trip a Double with 'G17':")
Dim valueString17 As String = initialValue.ToString("G17",
CultureInfo.InvariantCulture)
Dim roundTripped17 As Double = double.Parse(valueString17,
CultureInfo.InvariantCulture)
Console.WriteLine("{0:R} = {1:R}: {2}",
initialValue, roundTripped17, initialValue.Equals(roundTripped17))
End Sub
End Module
' If compiled to an application that targets anycpu or x64 and run on an x64 system,
' the example displays the following output:
' Attempting to round-trip a Double with 'R':
' .NET Framework:
' 0.6822871999174 = 0.68228719991740006: False
' .NET:
' 0.6822871999174 = 0.6822871999174: True
'
' Attempting to round-trip a Double with 'G17':
' 0.6822871999174 = 0.6822871999174: True
16 進書式指定子 (X)
16 進数 ("X") 書式指定子は、16 進数文字列に数値を変換します。 書式指定子の大文字と小文字によって、9 よりも大きい 16 進数値を示すアルファベット文字が大文字と小文字のどちらで表示されるかが決まります。 たとえば、"X" を指定すると "ABCDEF" となり、"x" を指定すると "abcdef" となります。 この書式指定は整数型でだけサポートされています。
精度指定子は、変換後の文字列の最小桁数を示します。 必要に応じて、精度指定子によって指定された桁数に達するまで、数値の左側にゼロが埋め込まれます。
結果文字列は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトの書式情報に影響されません。
次の例では、16 進数の書式指定子を使って Int32 値の書式を設定します。
int value;
value = 0x2045e;
Console::WriteLine(value.ToString("x"));
// Displays 2045e
Console::WriteLine(value.ToString("X"));
// Displays 2045E
Console::WriteLine(value.ToString("X8"));
// Displays 0002045E
value = 123456789;
Console::WriteLine(value.ToString("X"));
// Displays 75BCD15
Console::WriteLine(value.ToString("X2"));
// Displays 75BCD15
int value;
value = 0x2045e;
Console.WriteLine(value.ToString("x"));
// Displays 2045e
Console.WriteLine(value.ToString("X"));
// Displays 2045E
Console.WriteLine(value.ToString("X8"));
// Displays 0002045E
value = 123456789;
Console.WriteLine(value.ToString("X"));
// Displays 75BCD15
Console.WriteLine(value.ToString("X2"));
// Displays 75BCD15
Dim value As Integer
value = &h2045e
Console.WriteLine(value.ToString("x"))
' Displays 2045e
Console.WriteLine(value.ToString("X"))
' Displays 2045E
Console.WriteLine(value.ToString("X8"))
' Displays 0002045E
value = 123456789
Console.WriteLine(value.ToString("X"))
' Displays 75BCD15
Console.WriteLine(value.ToString("X2"))
' Displays 75BCD15
メモ
このセクションには、標準の数値書式指定文字列の使用に関する追加情報が含まれています。
コントロール パネルの設定
コントロール パネルの [地域と言語のオプション] での設定は、書式設定操作によって生成される結果の文字列に影響します。 これらの設定は、現在のカルチャに関連付けられた NumberFormatInfo オブジェクトを初期化するために使用され、このオブジェクトは書式設定の制御に使用される値を提供します。 コンピューターで使用する設定が異なる場合は、生成される文字列も異なります。
また、CultureInfo(String) コンストラクターを使用して、現在のシステム カルチャと同じカルチャを表す新しい CultureInfo オブジェクトをインスタンス化した場合、コントロール パネルの [地域と言語のオプション] 項目で設定されたカスタマイズが新しい CultureInfo オブジェクトに適用されます。 CultureInfo(String, Boolean) コンストラクターを使用すると、システムに対するカスタマイズが反映されない CultureInfo オブジェクトを作成できます。
NumberFormatInfo のプロパティ
書式設定は、現在の NumberFormatInfo オブジェクトのプロパティの影響を受けます。このオブジェクトは、現在のカルチャによって暗黙的に指定されるか、または書式設定を呼び出すメソッドの IFormatProvider パラメーターによって明示的に指定されます。 このパラメーターには、NumberFormatInfo オブジェクトまたは CultureInfo オブジェクトを指定してください。
注意
数値の書式設定に使用するパターンまたは文字列のカスタマイズの詳細については、NumberFormatInfo クラスに関するトピックを参照してください。
整数数値型と浮動小数点数値型
標準の数値書式指定子の記述で、整数数値型または浮動小数点数値型が参照されている場合があります。 整数数値型には、Byte、SByte、Int16、Int32、Int64、UInt16、UInt32、UInt64、および BigInteger があります。 浮動小数点数値型には、Decimal、Half、Single、Double があります。
浮動小数点の無限大値と NAN (非数) 値
Half、Single、または Double 浮動小数点型の値が正の無限大、負の無限大、または非数 (NaN) である場合は、書式指定文字列とは関係なく、書式設定された文字列は、それぞれ、現在適用可能な NumberFormatInfo オブジェクトによって指定される PositiveInfinitySymbol、NegativeInfinitySymbol、または NaNSymbol プロパティの値になります。
コードの例
次の例では、en-US カルチャおよびすべての標準数値書式指定子を使用して、整数値と浮動小数点数値を書式設定します。 この例では 2 つの特定の数値型 (Double および Int32) を使用していますが、他の数値基本型 (Byte、SByte、Int16、Int32、Int64、UInt16、UInt32、UInt64BigInteger、Decimal、Half、Single) でも類似した結果が得られます。
// Display string representations of numbers for en-us culture
CultureInfo ci = new CultureInfo("en-us");
// Output floating point values
double floating = 10761.937554;
Console.WriteLine("C: {0}",
floating.ToString("C", ci)); // Displays "C: $10,761.94"
Console.WriteLine("E: {0}",
floating.ToString("E03", ci)); // Displays "E: 1.076E+004"
Console.WriteLine("F: {0}",
floating.ToString("F04", ci)); // Displays "F: 10761.9376"
Console.WriteLine("G: {0}",
floating.ToString("G", ci)); // Displays "G: 10761.937554"
Console.WriteLine("N: {0}",
floating.ToString("N03", ci)); // Displays "N: 10,761.938"
Console.WriteLine("P: {0}",
(floating/10000).ToString("P02", ci)); // Displays "P: 107.62 %"
Console.WriteLine("R: {0}",
floating.ToString("R", ci)); // Displays "R: 10761.937554"
Console.WriteLine();
// Output integral values
int integral = 8395;
Console.WriteLine("C: {0}",
integral.ToString("C", ci)); // Displays "C: $8,395.00"
Console.WriteLine("D: {0}",
integral.ToString("D6", ci)); // Displays "D: 008395"
Console.WriteLine("E: {0}",
integral.ToString("E03", ci)); // Displays "E: 8.395E+003"
Console.WriteLine("F: {0}",
integral.ToString("F01", ci)); // Displays "F: 8395.0"
Console.WriteLine("G: {0}",
integral.ToString("G", ci)); // Displays "G: 8395"
Console.WriteLine("N: {0}",
integral.ToString("N01", ci)); // Displays "N: 8,395.0"
Console.WriteLine("P: {0}",
(integral/10000.0).ToString("P02", ci)); // Displays "P: 83.95 %"
Console.WriteLine("X: 0x{0}",
integral.ToString("X", ci)); // Displays "X: 0x20CB"
Console.WriteLine();
Option Strict On
Imports System.Globalization
Imports System.Threading
Module NumericFormats
Public Sub Main()
' Display string representations of numbers for en-us culture
Dim ci As New CultureInfo("en-us")
' Output floating point values
Dim floating As Double = 10761.937554
Console.WriteLine("C: {0}", _
floating.ToString("C", ci)) ' Displays "C: $10,761.94"
Console.WriteLine("E: {0}", _
floating.ToString("E03", ci)) ' Displays "E: 1.076E+004"
Console.WriteLine("F: {0}", _
floating.ToString("F04", ci)) ' Displays "F: 10761.9376"
Console.WriteLine("G: {0}", _
floating.ToString("G", ci)) ' Displays "G: 10761.937554"
Console.WriteLine("N: {0}", _
floating.ToString("N03", ci)) ' Displays "N: 10,761.938"
Console.WriteLine("P: {0}", _
(floating / 10000).ToString("P02", ci)) ' Displays "P: 107.62 %"
Console.WriteLine("R: {0}", _
floating.ToString("R", ci)) ' Displays "R: 10761.937554"
Console.WriteLine()
' Output integral values
Dim integral As Integer = 8395
Console.WriteLine("C: {0}", _
integral.ToString("C", ci)) ' Displays "C: $8,395.00"
Console.WriteLine("D: {0}", _
integral.ToString("D6")) ' Displays "D: 008395"
Console.WriteLine("E: {0}", _
integral.ToString("E03", ci)) ' Displays "E: 8.395E+003"
Console.WriteLine("F: {0}", _
integral.ToString("F01", ci)) ' Displays "F: 8395.0"
Console.WriteLine("G: {0}", _
integral.ToString("G", ci)) ' Displays "G: 8395"
Console.WriteLine("N: {0}", _
integral.ToString("N01", ci)) ' Displays "N: 8,395.0"
Console.WriteLine("P: {0}", _
(integral / 10000).ToString("P02", ci)) ' Displays "P: 83.95 %"
Console.WriteLine("X: 0x{0}", _
integral.ToString("X", ci)) ' Displays "X: 0x20CB"
Console.WriteLine()
End Sub
End Module
関連項目
.NET