約束手形の設定
適用: Microsoft Dynamics AX 2012 R3, Microsoft Dynamics AX 2012 R2, Microsoft Dynamics AX 2012 Feature Pack, Microsoft Dynamics AX 2012
約束手形とは、手形の振出人が特定の時期に特定の金額を支払うことを約束した契約書です。
仕入先請求書に対する支払に約束手形を使用するときは、仕入先勘定を借方に記入します。通常は、期日に約束手形で請求を決済します。約束手形を引き受けた銀行から通知を受け取ったら、約束手形を決済することができます。Microsoft Dynamics Ax では、約束手形の管理に仕訳帳を使用します。
取引用の約束手形は、次の手順で設定します。約束手形の一部の設定オプションは、特定のコンフィギュレーション キーが選択されている場合にのみ使用できます。詳細については、「Microsoft Dynamics AX の国や地域固有のトピック」を参照してください。
約束手形用の転記プロファイルの設定
約束手形、約束手形送金、または請求書送金を転記するときに使用する転記プロファイルを設定するには、"仕入先転記プロファイル" フォームを使用します。
買掛金管理 >設定 >仕入先転記プロファイル をクリックします。
[新規] をクリックするか CTRL + N キーを押して、仕入先のプロファイルを作成します。「PN」などの ID を入力し、次に「約束手形」などの説明を入力します。
[設定] クイック タブの [集計勘定] フィールドで、約束手形の金額を転記する集計勘定を選択します。
約束手形の場合、この勘定は、約束手形を転記するときには貸方に転記され、送金を転記するときには借方に転記されます。
約束手形の送金の場合、この勘定は、送金を転記するときには貸方に転記され、送金を決済するときには借方に転記されます。
請求の送金の場合、この勘定は、送金を転記するときには貸方に転記され、送金を決済するときには借方に転記されます。この勘定は、これらの取引での仕入先集計勘定を相殺します。
必要に応じて、他の勘定フィールドの値を選択します。
手順 2 から手順 4 を繰り返し、約束手形送金と請求書送金に使用する転記プロファイルを作成します。
フォームを閉じます。
約束手形の買掛金勘定パラメータの設定
買掛金管理 >設定 >買掛金管理パラメーター をクリックします。
[元帳と売上税] タブをクリックします。
[支払手形] ィールドで、約束手形または再振出約束手形を転記するときに使用する既定の転記プロファイルを選択します。
[請求の送金] フィールドで、請求の送金を転記するときに使用する既定の転記プロファイルを選択します。
[支払手形の送金] フィールドで、仕入先銀行送金為替を転記するときに使用する既定の転記プロファイルを選択します。
同じ仕訳帳明細行に対して複数の方法が支払提案に含まれるときにメッセージを表示する場合は、[支払提案に複数の支払方法が使用されている場合に警告します] チェック ボックスをオンにします。
[番号順序] タブをクリックします。
[支払手形 ID] 行で、約束手形支払ファイルを識別する番号順序を選択します。
[送金番号] 行で、送金ファイルを識別する番号順序を選択します。
フォームを閉じます。
約束手形の仕訳帳名の設定
約束手形で使用するには、少なくとも 4 つの仕訳帳名を作成します。約束手形仕訳帳ごとに、対応する仕訳伝票フォームの [支払手形] タブを使用して、約束手形についての情報を入力できます。転記後の約束手形仕訳帳明細行は、"支払手形仕訳帳" 照会フォーム、および "支払手形統計" フォームで確認できます。
一般会計 >設定 >仕訳帳 >仕訳帳名 をクリックします。
[新規] をクリックするか CTRL + N キーを押し、[名前] フィールドに仕訳帳名を入力します。詳細については、「仕訳帳の名前の設定 (フォーム)」を参照してください。
[一般] クイック タブの [仕訳帳タイプ] フィールドで、次のいずれかのオプションを選択します。
仕入先振出支払手形
仕入先再振出支払手形
顧客の銀行送金為替
仕入先決済支払手形
仕訳帳タイプに [顧客の銀行送金為替] を選択した場合は、[手数料転記] フィールドに送金手数料の転記方法を指定します。次のいずれかのオプションを選択できます。
[手数料を仕訳帳に保持] : 送金仕訳帳に手数料を保持します。支払金額の転記後に手数料を転記します。
[転送手数料、伝票番号を保持] : 元の支払と同じ伝票番号で手数料を転記します。送金手数料は、送金用の銀行口座に指定されている仕訳帳に転送され、元の伝票番号が維持されます。
[転送手数料、新規伝票番号] : 送金手数料は、送金用の銀行口座に対して指定された手数料仕訳帳に転送され、新しい伝票番号が割り当てられます。
手順 2. ～ 4. を繰り返して仕訳帳タイプごとに最低 1 つの仕訳帳名を設定します。
フォームを閉じます。
約束手形の支払方法の設定
約束手形に対し、少なくとも 1 つの支払方法を設定します。複数の銀行と取引がある場合は、銀行ごとに必要な為替手形送金形式に対応する支払方法を設定します。
複数の国や地域で事業を行っている場合は、それぞれの国や地域で使用されている約束手形エクスポート形式に対応する支払方法を設定します。詳細については、「Microsoft Dynamics AX の国や地域固有のトピック」および「支払方法 - 仕入先 (フォーム)」を参照してください。
買掛金管理 >設定 >支払 >支払方法 をクリックします。
[新規] をクリックするか Ctrl + N キーを押し、[支払方法] フィールドに「PN」などの ID を入力します。
[期間] フィールドで、自動支払提案の請求書が連結される期間を選択します。
[請求書] : 請求書ごとに 1 件ずつ支払振替が作成されます。
[日付] : 仕入先宛て請求書のうち、期日が同じものをすべて連結します。
[週] : 仕入先宛て請求書のうち、期日の週が同じものをすべて連結します。
[合計] : すべての仕入先宛て請求書を 1 つの支払に連結します。
[説明] フィールドに、支払方法の名前または簡単な説明を入力します。
[支払猶予期間] フィールドで、必要に応じて、指定された期間後に取引で現金割引が許可される日数を入力します。
[支払ステータス] フィールドで、この支払方法が割り当てられる支払を転記するために必要な支払ステータスを選択します。この支払方法を使用する支払を転記する前に、約束手形文書の印刷またはエクスポート ファイルの作成が必要であることを示すには、支払ステータスとして [送信済] を選択します。
[支払タイプ] フィールドで、[支払手形] を選択します。
(FRA) フランスの約束手形の支払方法を設定している場合は、[一般] クイック タブをクリックします。[手形のタイプ] フィールドで、[支払手形] を選択します。
[ファイル形式] FastTab をクリックします。
エクスポート形式を選択します。たとえば、[エクスポート形式] フィールドでは、[支払手形文書] を選択できます。これは、スペインをはじめとする複数の国や地域で必要な約束手形文書形式です。
注意
[エクスポート形式] フィールドが空の場合は、[設定] をクリックし、使用可能な形式を 1 つ選択します。
(FRA) [送金形式] フィールドで、送金フォーマットを選択します。
仕入先請求書の転記時に約束手形を振り出して転記する場合は、[請求転記時に引出仕訳帳を自動的に作成および転記] チェック ボックスをオンにします。振出約束手形仕訳帳で約束手形を手動で振り出す場合は、このチェック ボックスをオフにします。
仕入先請求書の転記時に約束手形を自動的に振り出す必要がある場合は、[エクスポート スクリプトの実行] をオンにして、約束手形情報をファイルに自動的にエクスポートできます。銀行口座ごとに支払ファイルを手動で作成する場合は、このチェック ボックスをオフにします。
顧客振出受取手形仕訳帳タイプを使用して支払を振出約束手形仕訳帳に転記する仕訳帳名を選択します。
注意
正しい仕訳帳タイプの仕訳帳名を選択するようにします。小切手など、支払方法が異なる場合は別の支払仕訳帳タイプが使用されます。
[支払属性] クイック タブをクリックし、支払提案を使用して請求書を選択する際に表示するオプションを選択します。
仕入先の銀行口座を含める場合は、[サードパーティ銀行] チェック ボックスをオンにします。
支払方法の銀行口座を含める場合は、[支払勘定] チェック ボックスをオンにします。
銀行または国や地域で所定のエクスポート形式がある場合は、その他のオプションを選択します。
注意
支払属性が使われるのは、支払提案を使用している請求書を選択した場合のみです。
[支払手数料の設定] をクリックし、"支払手数料の設定" フォームの支払方法に支払手数料を入力します。このフォームで設定する支払手数料は、再振出約束手形仕訳帳、送金仕訳帳、または決済約束手形仕訳帳で仕訳帳明細行を作成するときに、[支払手数料] タブで既定のエントリとして使用されます。詳細については、「仕入先支払手数料の設定 (フォーム)」を参照してください。
[仕入先の送金ファイル] をクリックし、生成される送金ファイルのリストを表示します。
必要に応じて、手順 2. ～ 17. を繰り返し、追加の支払方法を設定します。
フォームを閉じます。
約束手形の支払手数料の設定
約束手形での支払時に、仕入先から手数料が請求される場合は、支払手数料を設定できます。支払手数料は、顧客からの支払の回収プロセスに関連付けられた請求金額です。各支払手数料に複数の支払手数料設定明細行を関連付けることができます。設定明細行で、支払手数料の既定の金額の計算方法を制御します。たとえば、支払方法、支払仕様、通貨、および期間を設定する明細行を作成できます。また、期限切れとなる期間の長さに基づいた利息の割合など、日数間隔に基づいた割合や金額を設定する明細行も作成できます。
買掛金管理 >設定 >支払 >支払手数料 をクリックします。
[新規] をクリックするか CTRL + N キーを押し、支払手数料の情報を入力します。詳細については、「仕入先支払手数料 (フォーム)」を参照してください。
[支払手数料の設定] をクリックして、"支払手数料の設定" フォームを開きます。詳細については、「仕入先支払手数料の設定 (フォーム)」を参照してください。
[一般] タブをクリックします。
[支払方法] フィールドで、支払手数料の支払方法を選択します。支払手数料の支払方法は、手数料の基になる支払の支払方法と異なっていてもかまいません。
[支払詳細] フィールドで、支払方法に使用する支払仕様を選択します。
必要に応じて、手順 2. ～ 6. を繰り返し、追加の支払手数料を設定します。
フォームを閉じます。
銀行送金ファイルの送金手数料の設定
生成された各送金ファイルに、銀行から請求される送金手数料を設定できます。送金手数料が送金確認時に転記され、実際の手数料金額が判明します。これらの手数料は、仕入先に対して支払われて仕訳帳明細行に関連付けられる支払手数料とは異なるものです。
現金および銀行管理 >共通 >銀行口座 をクリックします。
銀行口座を選択するか [銀行口座] をクリックして新しい勘定を作成し、銀行口座に関する情報を入力します。詳細については、「銀行口座 (フォーム)」を参照してください。
[流通証券] FastTab をクリックします。
[手数料仕訳帳] フィールドで、生成された送金手数料の仕訳帳を選択します。
[取立費用手数料]、[割引利息手数料]、および [請求書の送金手数料] の各フィールドに、送金タイプごとに銀行から請求される金額を入力します。各手数料タイプに対して、手数料費用を転記する勘定科目を選択します。
フォームを閉じます。
約束手形のドキュメント レイアウトの設定
約束手形文書を印刷する銀行口座ごとに、必要なドキュメント レイアウトを指定します。
現金および銀行管理 >共通 >銀行口座 をクリックします。
銀行口座の選択または作成を行い、銀行口座の詳細情報を入力します。詳細については、「銀行口座 (フォーム)」を参照してください。
[設定] タブ、[支払手形] の順にクリックし、レイアウトを設定します。詳細については、「約束手形レイアウト (フォーム)」を参照してください。
フォームを閉じます。
約束手形の仕入先の設定
約束手形を使用して支払を行う仕入先ごとに、約束手形の既定の支払方法を設定できます。
買掛金管理 >共通 >仕入先 >すべての仕入先 をクリックします。 既存の仕入先を選択し、仕入先勘定をダブルクリックします。
[仕入先] フォームで、[支払] FastTab をクリックします。
[支払方法] フィールドで、約束手形に設定する支払方法を選択します。
必要に応じて支払仕様を選択します。
フォームを閉じます。