iOS でのフェデレーションを使った Microsoft Entra の証明書ベースの認証
セキュリティを強化するために、iOS デバイスは、次のアプリケーションやサービスに接続するとき、証明書ベースの認証 (CBA) を使用して、そのデバイス上のクライアント証明書で Microsoft Entra ID に対して認証できます。
- Microsoft Outlook や Microsoft Word などの Office モバイル アプリケーション
- Exchange ActiveSync (EAS) クライアント
証明書を使用すると、モバイル デバイスで特定のメールおよび Microsoft Office アプリケーションにユーザー名とパスワードの組み合わせを入力する必要がなくなります。
Microsoft モバイル アプリケーションのサポート
アプリケーション | サポート |
---|---|
Azure Information Protection アプリ | |
[ポータル サイト] | |
Microsoft Teams | |
Office (モバイル) | |
OneNote | |
OneDrive | |
Outlook | |
Power BI | |
Skype for Business | |
Word/Excel/PowerPoint | |
Yammer |
必要条件
iOS で CBA を使用するうえでの要件と考慮事項は次のとおりです。
- デバイスの OS バージョンは、iOS 9 以上である必要があります。
- Microsoft Authenticator は、iOS の Office アプリケーションに必要です。
- AD FS サーバーの認証 URL を含む識別プリファレンスを macOS キーチェーンに作成する必要があります。 詳細については、「Mac のキーチェーン アクセスで識別プリファレンスを作成する」を参照してください。
Active Directory フェデレーション サービス (AD FS) の要件と考慮事項は次のとおりです。
- AD FS サーバーで証明書認証を有効にし、フェデレーション認証を使用する必要があります。
- 証明書には拡張キー使用法 (EKU) を使用する必要があります。また、証明書の "サブジェクトの別名 (NT プリンシパル名) " にユーザーの UPN が含まれている必要があります。
AD FS の構成
Microsoft Entra ID でクライアント証明書を失効させるには、AD FS トークンに次の要求が必要です。 Microsoft Entra ID を使用すると、これらの要求が AD FS トークン (またはその他の SAML トークン) で使用できる場合に、このような要求を更新トークンに追加することができます。 更新トークンを検証する必要がある場合、この情報を使用して失効を確認します。
http://schemas.microsoft.com/ws/2008/06/identity/claims/<serialnumber>
- クライアント証明書のシリアル番号を追加します。http://schemas.microsoft.com/2012/12/certificatecontext/field/<issuer>
- クライアント証明書の発行者の文字列を追加します。
また、ベスト プラクティスとして、組織の AD FS エラー ページを次の情報で更新するようにしてください。
- iOS に Microsoft Authenticator をインストールするための要件
- ユーザー証明書を取得する手順
詳細については、AD FS サインイン ページのカスタマイズに関するページを参照してください。
Office アプリで先進認証を使用する
先進認証を有効にした一部の Office アプリでは、要求で prompt=login
が Microsoft Entra ID に送信されます。 既定では、Microsoft Entra ID によって、AD FS への要求で prompt=login
が wauth=usernamepassworduri
(U/P 認証を実行するように AD FS に要求) と wfresh=0
(SSO 状態を無視して、新しい認証を実行するように AD FS に要求) に変換されます。 これらのアプリに対して証明書ベースの認証を有効にするには、既定の Microsoft Entra の動作を変更します。
既定の動作は、フェデレーション ドメインの設定で "PromptLoginBehavior" を "無効" に設定することによって更新します。 次の例に示すように、New-MgDomainFederationConfiguration コマンドレットを使用してこのタスクを実行できます。
New-MgDomainFederationConfiguration -DomainId <domain> -PromptLoginBehavior "disabled"
Exchange ActiveSync クライアントのサポート
iOS 9 以降では、ネイティブの iOS メール クライアントがサポートされます。 その他の Exchange ActiveSync アプリケーションについては、この機能のサポート状況をアプリケーションの開発者にお問い合わせください。
次のステップ
ご自分の環境で証明書ベースの認証を構成しようとする場合は、証明書ベースの認証の概要に関するページで手順を参照してください。