レッスン 3: HRApplicationServices アプリケーションの構成
目標: IIS マネージャーからアクセスした Windows Server AppFabric を使用して、Web アプリケーションに永続性と監視を構成します。ユーザー インターフェイスで変更を加えると、サービスやアプリケーションの構成を定義する Web.config ファイルに反映されます。
目的: AppFabric で永続性と監視を構成します。
前提条件
Windows Server AppFabric をインストールして構成します。詳細については、「レッスン 1: 概要」を参照してください。
チュートリアル ファイルをインストールします。詳細については、「レッスン 1: 概要」を参照してください。
HRApplicationServices ワークフロー サービスを配置します。詳細については、「レッスン 2: HRApplicationServices ワークフロー サービスの配置」を参照してください。
監視ストアと永続化ストアの作成
監視と永続性は AppFabric の 2 つの主要機能です。監視は単純にすべてのワークフローとそのステップ、記録時間、および状態を追跡します。永続性ではワークフローの実ステップが格納されるので、エラーの発生時に特に役立ちます。エラーが発生すると、ワークフローが中断されます。エラーが修復されると、AppFabric により追跡対象のワークフローが再開されます。監視と追跡のデータは、2 つの個別のデータベースに含まれます。AppFabric を構成して、これらのイベント用の既定のデータベースを作成できます。または、これらのデータベースの独自バージョンを作成して、AppFabric でご使用のアプリケーションに独自のデータベースを使用できます。別の方法として、1 つのデータベースを作成して、監視と永続性の両方に使用することもできます。
永続化ストアや監視ストアを作成する場合は、まず新しいストアを初期化して、使用できるように準備する必要があります。初期化時にストアが存在しない場合は作成されます (作成先のサーバーでストアを作成する権限を持っている必要があります)。以降のステップでは、データベース名として ApplicationServerMonitoringDB および ApplicationServerWorkflowInstanceStore を使用しています。これらの名前は、監視データベースおよび永続化データベースがチュートリアルの実行前に既に構成されていたかどうか、およびそれらのデータベースにどのような名前が使用されていたかによって異なる場合があります。チュートリアルを実行する前に構成されていなかった場合は、以下に指定されているように、ApplicationServerMonitoring および ApplicationServerWorkflowInstanceStore の推奨名を使用してください。
ContosoHR ソリューションでは、展開中に永続性のデータベースとして WF4Persistence というデータベース名を使用します。IIS 環境では、異なる永続性データベースを使用します。また、AppFabric を構成して、未処理の例外によってワークフローを中断することもできます。
アプリケーションに監視ストアと永続性ストアを設定するには
[スタート] をクリックし、「inetmgr」と入力して、IIS マネージャーを起動します。
IIS マネージャーで、[既定の Web サイト] を展開して HRApplicationServices アプリケーションを右クリックし、[WCF サービスと WF サービスの管理] をクリックして、[構成] をクリックします。
[監視] をクリックして、監視の構成を表示します。以下の図のようなダイアログが表示されます。
[接続文字列] の下で、ドロップダウン ボックスをクリックして、使用する監視データベースの名前を選択します。既定の名前 (AppFabric のセットアップ時に作成された名前) は、AppFabricMonitoringDB です。
レベルが [正常性の監視] に設定されていることを確認します。
レベルをより高い値または低い値に設定すると、生成されるイベントの種類を確認できます。より高い値に設定すると、より多くのイベントが生成されるので、パフォーマンスに影響が生じます。
ダイアログ ボックスの左パネルで [ワークフロー永続化] をクリックします。
[SQL Server ワークフロー永続化] の下で、[SQL Server] ストア ボックスをクリックし、使用する監視データベースの名前を選択します。既定の名前は defaultSqlPersistenceStore です。
[OK] をクリックして、ダイアログ ボックスを閉じます。
監視と永続性の詳細については、「監視を構成する」および「ワークフロー永続化を構成する」を参照してください。
アプリケーションの自動開始
自動開始を有効にすると、オペレーティング システムにより IIS サービスが開始された時点で、ホストされる WF または WCF サービスのインスタンスが自動的に作成されます。対応するサーバーが起動すると、サービスが自動的に開始されます。これは、初回の応答時間を短縮するために、最初の要求を受信する前に実行されます。
アプリケーションを自動的に開始するには
[スタート] をクリックし、「inetmgr」と入力して、IIS マネージャーを起動します。
[HRServicesApplication] ノードを選択します。
ノードを右クリックし、[WCF サービスと WF サービスの管理] をクリックして、[構成] をクリックします。
左ペインで [自動開始] をクリックします。
設定が [有効 (すべてのサービスが自動開始する)] になっていることを確認します。
[OK] をクリックして、ダイアログ ボックスを閉じます。
まとめ
このレッスンでは、HRApplicationServices ワークフロー アプリケーションを構成して、監視と永続性を有効にし、監視レベルと、監視および追跡に使用するデータベースを設定しました。また、アプリケーションの自動開始を有効にして、パフォーマンスを向上させました。
次のステップ
次の「レッスン 4: HRApplicationServices アプリケーションの正常性の監視」では、アプリケーションを実行し、AppFabric ダッシュボードで生成されたイベントを調べます。
関連項目
概念
レッスン 1: 概要
レッスン 2: HRApplicationServices ワークフロー サービスの配置
レッスン 4: HRApplicationServices アプリケーションの正常性の監視
レッスン 5: AppFabric を使用した中断されているワークフローの再開
その他のリソース
2011-12-05