__declspec
Microsoft 固有の仕様 →
ストレージ クラス情報を指定するための拡張属性構文は、__declspec キーワードを使用します。指定した型のインスタンスは、このキーワードに指定した Microsoft 固有のストレージ クラス属性 (以降の一覧を参照) を付けて保存されます。 他のストレージ クラス修飾子の例としては、static および extern キーワードがあります。 ただし、これらのキーワードは C および C++ 言語の ANSI 仕様の一部であるため、拡張属性構文では扱われません。 拡張属性構文は、Microsoft 固有の C および C++ 言語拡張を簡略化し、標準化します。
文法
decl-specifier:
__declspec ( extended-decl-modifier-seq )extended-decl-modifier-seq:
extended-decl-modifieroptextended-decl-modifier extended-decl-modifier-seq
extended-decl-modifier:
align(#)allocate("segname")
appdomain
code_seg("segname")
deprecated
dllimport
dllexport
jitintrinsic
naked
noalias
noinline
noreturn
nothrow
novtable
process
property({get=get_func_name|,put=put_func_name})
restrict
safebuffers
selectany
thread
uuid("ComObjectGUID")
空白は、宣言修飾子のシーケンスを区切ります。 その例は以降のセクションで示します。
拡張属性の文法は、次の Microsoft 固有のストレージ クラス属性をサポートしています。align、allocate、appdomain、code_seg、deprecated、dllexport、dllimport、jitintrinsic、naked、noalias、noinline、noreturn、nothrow、novtable、process、restrict、safebuffers、selectany、thread。 また、次の COM オブジェクトの属性もサポートしています。property、uuid。
code_seg、dllexport、dllimport、naked、noalias、nothrow、property、restrict、selectany、thread、 uuid の各ストレージ クラス属性は、適用先のオブジェクトまたは関数の宣言のみのプロパティです。 thread 属性はデータとオブジェクトにのみ影響を与えます。 naked 属性は関数にのみ影響を与えます。 dllimport および dllexport 属性は関数、データ、オブジェクトに影響を与えます。 property、selectany、および uuid 属性は COM オブジェクトに影響を与えます。
__declspec キーワードは単純な宣言の先頭に置く必要があります。 コンパイラは警告なしに、宣言内で * または & の後、変数識別子の前に置かれた __declspec キーワードを無視します。
ユーザー定義型の宣言の先頭で指定された __declspec 属性は、その型の変数に適用されます。 次に例を示します。
__declspec(dllimport) class X {} varX;
この場合、属性は varX に適用されます。 class または struct キーワードの後に置かれた __declspec 属性はユーザー定義の型に適用されます。 次に例を示します。
class __declspec(dllimport) X {};
この場合、属性は X に適用されます。
単純な宣言に __declspec 属性を使用するための一般的なガイドラインは次のとおりです。
decl-specifier-seq declarator-list;
decl-specifier-seq には特に、基本型 ( int、float、typedef、クラス名など)、ストレージ クラス ( static、extern など)、または __declspec 拡張属性を含める必要があります。 init-declarator-list には特に、宣言のポインターの一部を含める必要があります。 次に例を示します。
__declspec(selectany) int * pi1 = 0; //OK, selectany & int both part of decl-specifier
int __declspec(selectany) * pi2 = 0; //OK, selectany & int both part of decl-specifier
int * __declspec(selectany) pi3 = 0; //ERROR, selectany is not part of a declarator
次のコードでは、整数型のスレッド ローカル変数を宣言して特定の値に初期化します。
// Example of the __declspec keyword
__declspec( thread ) int tls_i = 1;