コンピューターの設定およびテストの設定を使用した診断情報の収集
テストを実行するときに、Microsoft Test Manager および Visual Studio でテストの設定を使用して、追加のデータを収集できます。 たとえば、テストを実行しながら、ビデオ記録を作成する場合があります。 用意されている診断データ アダプターでは、次の作業を行うことができます。
各 UI 操作ステップをテキスト形式で収集する
再生用に各 UI 操作を記録する
システム情報を収集する
イベント ログ データを収集する
再現不可能なバグの特定に役立つ IntelliTrace データを収集する
また、診断データ アダプターを使用して、テスト コンピューターの動作を変更することもできます。 たとえば、Visual Studio のテストの設定により、さまざまなネットワーク トポロジのボトルネックをエミュレートして、チームのアプリケーションのパフォーマンスを評価できます。
このトピックの内容
Microsoft Test Manager でのテストの設定の使用
Visual Studio でのテストの設定の使用
診断データ アダプターの詳細
Microsoft Test Manager でのテストの設定の使用
Microsoft Test Manager を使用し、テスト計画を構成してテストを実行します。 テスト計画では、2 つのテストの設定を使用できます。
手動での実行
自動での実行
このテストの設定は、Microsoft Test Manager のテスト計画の [プロパティ] ページを使用して作成します。
両方のテストの設定を構成すると、1 台のコンピューターまたは複数のコンピューターのロールをエミュレートできるラボ環境を使用できます。 テストの設定には、診断データ アダプターを使用してコンピューター ロールごとに収集する、データの種類の構成設定が含まれています。
その他に知っておく必要があること
ノートMicrosoft Test Manager で自動テストを実行するには、ラボ環境を使用する必要があります。
ヒント
- 追加のガイダンスについては、「Testing for Continuous Delivery with Visual Studio 2012 – Chapter 3: Lab Environments (Visual Studio 2012 を使用した連続的な配信のためのテスト – 第 3 章: ラボ環境)」および「Testing for Continuous Delivery with Visual Studio 2012 – Chapter 6: A Testing Toolbox (Visual Studio 2012 を使用した連続的な配信のためのテスト – 第 6 章: テスト ツールボックス)」を参照してください。
Microsoft Test Manager でのテストの設定の主なタスク
Microsoft Test Manager でテストの設定を作成および構成するには、次のトピックを参照してください。
タスク |
関連するトピック |
---|---|
Microsoft Test Manager で使用するテストの設定を作成する: テスト計画の手動テストおよび自動テストに対して個別のテストの設定を作成できます。 |
|
Microsoft Test Manager でテストの設定を更新する: 既存のテストの設定を修正するには、ラボ センター、またはテスト計画の [プロパティ] アクティビティから編集します。 |
|
Microsoft Test Manager でテスト計画の既存のテストの設定を選択する: テストの設定は Team Foundation Server に格納されます。これを選択して、複数のテスト計画で使用することができます。 |
ラボ環境
ラボ環境は、アプリケーションの開発およびテストに使用できる仮想マシンまたは物理マシンのコレクションです。 ラボ環境には、ワークステーション、Web サーバー、データベース サーバーなど、多階層アプリケーションのテストに必要な複数のコンピューター ロールを含めることができます。 Microsoft Test Manager を使用して、またはラボ環境で自動テストを実行して、ラボ環境を作成および管理することも、ラボ環境で手動テストを実行することもできます。 ラボ環境を使用してテストを実行すると、そのテストによってデータが収集されます。または、テストの設定で構成した特定のコンピューター ロールごとにコンピューターの動作が影響されます。 さらに、ラボ環境でビルド、配置、テストのワークフローを使用して、アプリケーションでの自動テストのビルド、配置、および実行のプロセスを自動化できます。
テスト計画のテストの設定と環境の例を次の図に示します。
次の図は、テストの設定用のコンピューター ロールのセットを定義する方法を示しています。 この後で、テストの実行時に使用する、各コンピューター ロールに割り当てられたコンピューターまたは仮想マシンが含まれているラボ環境を選択できます。 少なくともテストの設定で定義されたコンピューター ロールのセットが含まれているラボ環境であれば、どれでも選択できます。 次の図に示すように、ラボ環境には、テストの設定で指定されていない他のコンピューター ロールが含まれることもあります。
Visual Studio でのテストの設定の使用
Visual Studio を使用して単体テスト、コード化された UI テスト、Web パフォーマンス テスト、またはロード テストを実行するには、テストを実行するときに使用するテストの設定を構成および選択します。 リモートでテストを実行したり、データを収集したり、テスト コンピューターに影響を与えたりするには、テストの設定で使用するテスト コントローラーを指定する必要があります。 テスト コントローラーには、テストの設定の各ロールに使用できるエージェントが含まれます。
その他に知っておく必要があること
ノートこのバージョンの Visual Studio には、Visual Studio 2010 との間にテストの設定に関する互換性の問題がいくつかあり、注意が必要です。
このバージョンの Visual Studio では、単体テスト プロジェクトまたはコード化された UI テスト プロジェクトが追加されるとき、テストの設定がソリューションに取り込まれません。 これは、機能拡張、回復力、およびパフォーマンスを向上させるための単体テスト フレームワークの機能強化の結果です。 ただし、.testsettings ファイルを含む既存の Visual Studio 2010 テスト プロジェクトを開くことはでき、このテスト プロジェクトは引き続き機能します。 また、データおよび診断アダプターから特定のデータを収集する必要がある場合、またはテスト コントローラーでテストを実行する必要がある場合は、.testsettings ファイルをソリューションに追加できます。ただし、必要がない限りこれはお勧めできません。
.testsettings ファイルが含まれる Visual Studio 2010 テスト プロジェクトを開く場合、または .testsettings ファイルをソリューションに追加する必要がある場合は、0c15317e-80c6-4317-aed3-82b8e15e3901#CreateTestSettingVSHowDoIUseし、0c15317e-80c6-4317-aed3-82b8e15e3901#EditTestSettingする手順が変更されています。
Web パフォーマンスおよびロード テスト プロジェクトをソリューションに追加するとき、そのソリューションにはまだ .testsettings ファイルが含まれています。ただし、0c15317e-80c6-4317-aed3-82b8e15e3901#CreateTestSettingVSHowDoIUseし、0c15317e-80c6-4317-aed3-82b8e15e3901#EditTestSettingする手順は変更されています。
ラボ環境は、Microsoft Test Manager を使用してテストを実行する場合にのみ使用されます。Visual Studio を使用してテストを実行する場合には使用されません。
Visual Studio でのテストの設定の主なタスク
Visual Studio でテストの設定を作成および構成するには、次のトピックを参照してください。
タスク |
関連するトピック |
---|---|
Visual Studio で使用するテストの設定を作成する: サポートされる診断データ アダプターを使用して、単体テスト、コード化された UI テスト、Web パフォーマンス テスト、およびロード テストのテストの設定を作成できます。 |
|
Visual Studio のテスト設定を編集する: 既存のテストの設定を修正するには、その設定を編集します。 |
|
ソリューションで使用するテストの設定を指定する: ソリューションには、複数のテストの設定ファイルを含めることができます。 テストのニーズに応じて、これらの中から使用するテストの設定ファイルを選択できます。 |
|
リモート コンピューターを使用できるように Visual Studio のテストを構成する: リモートでテストを実行したり、データを収集したり、テスト コンピューターに影響を与えたりするには、テスト コントローラーおよびテスト エージェントをインストールして構成します。 |
診断データ アダプターの詳細
次の表は、ローカル コンピューター ロールまたはリモート コンピューター ロールで使用できるように診断データ アダプターを構成するさまざまな方法の概要を示しています。
テストの設定で使用される診断データ アダプター |
ローカル コンピューター上の手動テスト |
自動テスト |
手動テスト: ロール セットと環境を使用したデータの収集 |
メモ |
||
---|---|---|---|---|---|---|
操作ログ: 操作ログは、テスト中に実行される各 UI 操作のテキスト説明が収集します。 操作ログは、テストのテスト結果と一緒に保存されます。 操作ログを表示すると、実行された操作を確認できます。 |
○ |
X |
○ (メモを参照) |
|
||
IntelliTrace およびテストの影響用の ASP.NET クライアント プロキシ: このプロキシを使用すると、IntelliTrace 診断データ アダプターとテスト影響診断データ アダプターでクライアントから Web サーバーへの http 呼び出しに関する情報を収集できます。 |
○ |
はい |
○ |
|
||
ASP.NET プロファイラー:ASP.NET Web アプリケーションのパフォーマンス データを収集する ASP.NET プロファイリングを含むテストの設定を作成できます。 |
X |
○ (メモを参照) |
X |
|
||
コード カバレッジ (Visual Studio 2010): テストでカバーされるコードの範囲を調べるために使用するコード カバレッジ情報を含むテストの設定を作成できます。 |
X |
○ (メモを参照) |
いいえ |
注意 この診断データ アダプターは、Visual Studio のテスト設定のみに適用できます。これは Microsoft Test Manager におけるテストの設定には使用されません。また、このアダプターは、Visual Studio 2010 テスト プロジェクトとの互換性を目的としています。 注意 コード カバレッジは、自動テストが Microsoft Test Manager から実行されるか、レガシ MSTest ランナーを使用して Visual Studio からリモートの Test Agent で実行されるときに、互換性のために適用されます。 |
||
イベント ログ: イベント ログ収集を指定し、これをテスト結果に含めるようにテストの設定を構成できます。 |
○ |
はい |
はい |
|||
IntelliTrace:IntelliTrace 用に診断データ アダプターを構成して、特定の診断トレース情報を収集することで、再現が難しいバグを分離できます。 これにより、この情報を含む IntelliTrace ファイルが作成されます。 IntelliTrace ファイルの拡張子は .iTrace です。 テストが失敗した場合は、バグを作成できます。 テスト結果と共に保存される IntelliTrace ファイルがこのバグに自動的にリンクされます。 IntelliTrace ファイルにデータが収集されることによって、コードのエラーを再現して診断するために必要な時間が短縮され、この結果、デバッグの生産性が向上します。 この IntelliTrace ファイルから、別のコンピューターでローカル セッションをシミュレートできます。 これにより、バグを再現できない危険性が減少します。 |
○ |
はい |
○ |
詳細については、「IntelliTrace の使用」を参照してください。 |
||
ネットワーク エミュレーション: テストの設定を使用して、テストに対して人為的なネットワーク負荷をかけることを指定できます。 ネットワーク エミュレーションでは、ダイヤルアップなどの特定のネットワーク接続の速度をエミュレートすることにより、マシンに対する通信に影響を与えます。
|
X |
○ (メモを参照) |
X |
クライアント ロールまたはサーバー ロールに対してネットワーク エミュレーション診断データ アダプターを使用できます。 これらのロールは相互に通信を行うため、このアダプターを両方のロールに使用する必要はありません。 注意 この診断データ アダプターは、Visual Studio のテスト設定のみに適用できます。これは Microsoft Test Manager におけるテストの設定には使用されません。 注意 ネットワーク接続の速度を向上するためにネットワーク エミュレーションを使用することはできません。 警告 ネットワーク エミュレーション診断データ アダプターをテストの設定に含め、それをローカル コンピューター上で使用する場合は、ネットワーク エミュレーション ドライバーをコンピューターのネットワーク アダプターのいずれかにバインドする必要があります。ネットワーク エミュレーション診断データ アダプターが正常に動作するためには、ネットワーク エミュレーション ドライバーが必要です。ネットワーク エミュレーション ドライバーは、次の 2 つの方法でインストールされ、アダプターにバインドされます。
Visual Studio Test Agent をインストールせずに、ローカル コンピューターのコマンド ラインからネットワーク エミュレーション ドライバーをインストールすることもできます。この場合、VSTestConfig NETWORKEMULATION /install コマンドを使用します。 警告 ネットワーク エミュレーション アダプターは、ロード テストでは無視されます。ロード テストでは、ロード テスト シナリオのネットワーク ミックスで指定された設定が使用されます。詳細については、「ロード テスト シナリオでの仮想ネットワークの種類の指定」と「方法: 配布されたロード テストのテスト設定を作成する」を参照してください。 |
||
システム情報: テストを実行するコンピューターのシステム情報を含めるようにテストの設定を構成できます。 |
○ |
はい |
はい |
|||
テスト影響: テスト ケースの実行時にアプリケーション コードのどのメソッドが使用されたかについての情報を収集できます。 これを、開発者が加えたアプリケーション コードの変更と合わせて使用することにより、このような開発上の変更によって影響を受けたテストを判別できます。 |
○ |
はい |
○ |
|
||
ビデオ レコーダー: テストの実行時にデスクトップ セッションのビデオ記録を作成できます。 ビデオは、再現するのが困難なアプリケーション上の懸案事項をチーム メンバーが特定するのに役立ちます。 |
○ |
○ (メモを参照) |
○ |
実行方法については、「方法: テスト エージェントを設定して、デスクトップと対話するテストを実行する」を参照してください。 |
その他に知っておく必要があること
ノート- カスタム診断データ アダプターを作成して、標準的なアダプターに含まれていない特定のテスト環境を実行できます。
関連タスク
診断データ アダプターを作成してカスタム データを収集する、またはテスト コンピューターに影響を与える
カスタム診断データ アダプターを作成および使用して、データを収集したり、使用可能なシステム メモリの削減、使用可能なディスク容量の削減、テスト時の他のリソースの割り当てと保持など、コンピューターに影響を与えるタスクを行ったりすることができます。
Microsoft Test Manager を使用して、テスト計画から手動テスト、探索的テスト セッション、および自動テストを実行できます。 テスト計画からいずれかのテスト実行すると、収集された診断データはテスト結果に追加されます。
Microsoft Visual Studio を使用したシステム テストの実行
Visual Studio でテストの設定を構成したら、テストを実行し、アプリケーションのボトルネックとバグの特定に役立つ診断データを収集できます。
外部リソース
ガイダンス
参照
テスト コンピューターでのテストの実行またはデータの収集の設定
方法: 配布されたロード テストのテスト設定を作成する
Compatibility of Test Settings with Visual Studio 2010