June 2006 DirectX SDK の新しい機能

  • Direct3D 10 テクノロジ プレビュー
  • PIX
  • Microsoft クロスプラットフォーム オーディオ作成ツール (XACT)
  • D3DX9

Direct3D 10 テクノロジ プレビュー

Direct3D 10 テクノロジ プレビューでは、次世代グラフィック ハードウェアで稼動するゲームや高性能マルチメディア アプリケーションなどに対応する、一連の最新グラフィック API を紹介しています。このテクノロジ プレビューには、リファレンス情報、概念上の要旨、開発者向けライブラリ、チュートリアル、および Direct3D 10 の使用方法を紹介するサンプルが記載されています。追加コンテンツについては、今後の SDK リリースで紹介します。

June 2006 DirectX SDK の Direct3D 10 テクノロジ プレビューを使って構築されたサンプルとアプリケーションの実行には、Windows Vista Beta2 が必要です。Windows Vista Beta2 は、MSDN サブスクライバーで入手できます。

Windows Vista February CTP と Windows Vista Beta2 の間では、Direct3D 10 コア API の構文がいくつか変更されていることに注意してください。複数の API が追加されたり、名前が変更されたり、削除されたりしています。すべての変更のリストは、June 2006 に含まれている Direct3D 10 ドキュメントの Direct3D 10 ヘッダーと動作のアップデートのページを参照してください。すべての Direct3D 10 サンプルとチュートリアルは、新しい構文に対応するように、この SDK で更新されています。また、このリリースでは新しいサンプルも追加されています。後続の SDK でも引き続き一貫した改良が行われる予定です。

このテクノロジ プレビューの既知の制限事項については、Microsoft DirectX SDK の Readme を参照してください。

このドキュメント セットは、C/C++ プログラミング言語を使用している開発者向けに書かれています。

HLSL シェーダー コンパイル

Direct3D10 February 2006 テクニカル プレビューからは、新しい HLSL コンパイラ ターゲット ダウンレベル (Direct3D9) シェーダー モデルのプレビュー バージョンが含まれています。コンパイラ プレビューはこの SDK でアップデートされており、シェーダー コード生成に一貫した改良が加えられています。また、D3DX9 エフェクト システム (fx_2_0 ターゲット) で使用するコンパイル用 Direct3D9 エフェクト ファイルもサポートするようになっています。

Using FXC10 included in this SDK, you can try out the new compiler (with new language features such as Improved Flow Control Management) on Shader Model 3.0 and below. すべての HLSL 最適化および新機能がこのリリースで使用できるようになる訳ではないことに注意してください。生成されたシェーダーは、完全には最適化されません。

この新しいコンパイラは、今後のリリースで D3DX9 に統合される予定です。D3DX9 HLSL コンパイラでのシェーダーのコンパイルに関する問題を解決するために、可能な場合は開発者が (FXC10 経由) 新しいコンパイラでそれぞれのシェーダーを試し、マイクロソフトに問題を報告する際にその結果を含めることをお勧めします。

サンプル

Direct3D 10 用の新しい SoftParticles サンプルです。SoftParticles 引数のさまざまなパーティクル レンダリング テクニックによって、見苦しいパーティクルやジオメトリ交差アーティファクトを避けることができます。これは、テクスチャーとして深度バッファーを逆に読み取り、それらがシーン ジオメトリに近づくにつれてパーティクルが消えることで実現されています。

Direct3D 10 サンプルでは、サンプルに対してのみ、カスタム バイナリ メッシュ形式 (.sdkmesh) を使用しています。ローダー関数は、sdkmesh.h および sdkmesh.cpp にあります。meshconvert.exe ツールは、.x 形式から .sdkmesh 形式に変換するのに使用します。

デバッグ レイヤー

追加のパイプラインおよびパラメーターの検証が、Direct3D 10 デバッグ レイヤーに追加されています。

PIX

June で更新された PIX には、次のような大きな変更点と新機能があります。

  • ピクセル履歴と呼ばれる新機能が導入されました。PIX でシングル フレーム キャプチャーを検証する場合、レンダー ターゲットまたはサーフェスでピクセルを選択し、それをデバッグすることができます。このオプションが選択されている場合、深度、アルファ、ステンシルなどのテストが失敗しても、フレームでピクセルに接触しているものはすべて表示されます。これは、ピクセル シェーダーからのピクセルの値、およびピクセルに影響をあたえる各プリミティブのフレームバッファー値を示しています。「ピクセル履歴ビュー」を参照してください。
  • リアルタイム カウンターは、対応する HUD チェックボックスをオンにしておくと、ゲームの上部に表示することができます。これによって、ゲーム終了後にレポートを取得するだけなく、ゲームのプレイ中もリアルタイムでカウンターの値を確認することができます。「HUD」を参照してください。
  • PIX では、Windows Vista Beta2 に含まれている新しい Direct3D 10 API をサポートしています。PIX は、今後 Windows Vista のプレベータ 2 ビルドでは実行できません。
  • 実験で、ターゲット プログラムとしてフル ストリーム キャプチャー データを含む PIXRun ファイルを指定することができます。これを指定した場合、PIX はデータを PIXRun ファイルで再生し、ストリームで実験を実行します。これは、このリリース以前に可能になっていましたが、設定が難しいという問題がありました。
  • 現在は、イベント ウィンドウでイベント行を選択し、それらをクリップボードにコピーすることができるようになっています。通常の Windows のルールに従って、イベント ウィンドウから 1 つまたは複数の行を選択することができます。

Microsoft クロスプラットフォーム オーディオ作成ツール (XACT)

June で更新された XACT には、次のような大幅な変更があります。

  • XACT GUI によって、XACT プロジェクト間での、変数、カテゴリ、およびプリセットのインポート、エクスポート、および共有が可能になりました。複数のサウンド デザイナーと作曲家が 1 つのゲームの作業を行う際に、各自の XACT プロジェクトを維持しながら、必要な設定のみを共有することができます。

D3DX9

The D3DX9 library has not been updated in this release. DLL は、DirectX April 2006 SDK リリース以降、変更されていません。ただし、今後のリリースで更新される予定です。

D3DX9 HLSL コンパイラでのシェーダーのコンパイルに関する問題を解決するために、可能な場合は開発者が (HLSL シェーダー コンパイル 参照) 新しいコンパイラでそれぞれのシェーダーを試し、マイクロソフトに問題を報告する際にその結果を含めることをお勧めします。

関連項目

August 2008 DirectX SDK の新しい機能