ソフトウェア デザイン エンジニア、Jack Lin 著
Microsoft Corporation
2004 年 12 月
はじめに
ここでは、Windows の標準 IME をインストールして使用する方法を説明します。
目次
- IME のインストール
- 簡体字中国語 IME
- 繁体字中国語 IME
- 日本語 IME
- 韓国語 IME
- 要件
IME のインストール
以下では、IME をインストールおよび使用して、4 種類の東アジア言語固有の複雑な文字を入力する方法について説明します。各言語固有の機能について説明しています。
IME の機能をアプリケーションに実装する方法については、「ゲームでの IME の使用」を参照してください。
IME は、既定では Microsoft Windows XP システムにはインストールされません。IME をインストールするには、次の手順を実行します。
コントロール パネルから [地域と言語のオプション] を開きます。
[言語] タブで、[東アジア言語のファイルをインストールする] チェック ボックスをオンにします。
[補足言語サポートのインストール] ダイアログ ボックスが表示され、言語ファイルに必要な記憶域容量が表示されます。
[OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。
[言語] タブで [OK] をクリックします。
別のダイアログ ボックスが開いて、Windows XP のインストール ディスク、または言語サポート ファイルが配置されているネットワーク共有場所が要求されます。Windows XP の CD-ROM を挿入するか、適切なネットワーク上の場所に移動して、[OK] をクリックします。必要なファイルがインストールされて、コンピューターの再起動を求めるメッセージが表示されます。
[はい] をクリックしてコンピューターを再起動します。
再起動後に、コントロール パネルの [地域と言語のオプション] をもう一度開きます。
[言語] タブで、[詳細] をクリックします。[テキスト サービスと入力言語] ウィンドウが表示されます。
[設定] タブで [追加] をクリックします。[入力言語の追加] ウィンドウが表示されます。
[入力言語] で [中国語 (台湾)] を選択して、[キーボード レイアウト/入力システム] で [Microsoft New Phonetic IME 2002a] を選択します。
[OK] をクリックします。続いて、同じようにして別の言語と IME を追加できます。
もう一度 [追加] をクリックして、[入力言語] で [中国語 (中国)] を選択して、[キーボード レイアウト/入力システム] で [Install Supplemental Language Support] を選択して、[OK] をクリックします。
もう一度 [追加] をクリックして、[入力言語] で [日本語] を選択して、[キーボード レイアウト/入力システム] で [Microsoft IME Standard 2002 ver. 8.1] を選択して、[OK] をクリックします。
もう一度 [追加] をクリックして、[入力言語] で [韓国語] を選択して、[キーボード レイアウト/入力システム] で [Korean Input System (IME 2002)] を選択して、[OK] をクリックします。[テキスト サービスと入力言語] ウィンドウで、[インストールされているサービス] ボックスの一覧に、新たに追加した 4 つの IME が表示されていることを確認します。
[OK] をクリックして、[テキスト サービスと入力言語] ウィンドウを閉じます。
[OK] をクリックして、[地域と言語のオプション] ウィンドウを閉じます。Windows タスク バーに、下図に赤い丸で囲まれている入力ロケール インジケーターが表示されていることを確認します。このインジケーターは、複数の入力言語がインストールされている場合に表示されます。
簡体字中国語 IME
ここでは、Windows のメモ帳で簡体字中国語 IME (PinYin) を使用して、いくつかの中国語文字を入力する方法を説明します。
メモ帳を起動します ([スタート] ボタンをクリックして、[すべてのプログラム]、[アクセサリ] の順にポイントします)。メモ帳でいくつかの文字を入力します。これらの文字を入力しておくと、後の手順で表示される IME ウィンドウが見やすくなります。
メモ帳をアクティブ アプリケーションにした状態で、入力ロケール インジケーターをクリックして [中国語 (中国)] をクリックします。インジケーターの表示が [CH] に変化して、入力言語が "中国語 (中国)" に切り替わったことが示されます。
カーソルをメモ帳内に置きます。Home キーを押して、カーソルを行頭に移動します。N キー、I キーの順に押します。次の図は、画面に表示される内容を示しています。小さい横長の長方形は、現在の読みの文字列を表示する読み表示ウィンドウです。N キーと I キーを押したため、現在の読みの文字列は "ni" です。
数字の 3 キーを押します。メモ帳には、次の図のように表示されます。N+I+3 は、簡体字中国語 Pinyin ではひとまとまりの発音に相当するため、IME 側では、これらのキーの組み合わせに基づいてユーザーが入力しようとしている文字を推測できます。ひとまとまりの発音が入力されたため、読み表示ウィンドウが閉じられます。メモ帳のカーソルの上に 1 つの文字が表示されます。この文字は、メモ帳に表示されているのではなく、メモ帳の前面に配置された別のウィンドウに表示されているため、その背面にあるメモ帳内の既存の文字は隠れています。この新しいウィンドウはコンポジション ウィンドウと呼ばれ、ここに表示される文字列は複合文字列と呼ばれます。画面上では、複合文字列には下線が付いています。
次に、H、A、O、3 の各キーを順番に押して、別の文字を入力します。読み表示ウィンドウは、H キーが押されたときに開いて、3 キーが押されたときに閉じます。次の図のように、この時点では複合文字列は 2 文字になっています。
左方向キーを 1 回押します。コンポジション ウィンドウのカーソルが左に 1 文字分だけ移動して、2 つ目の入力文字の位置に移ります。次の図のように、メモ帳の前面に新しいウィンドウが表示されます。このウィンドウは候補ウィンドウと呼ばれます。このウィンドウには、入力した発音に一致する文字やフレーズが列挙されます。候補リストから目的の単語を選択できます。この例では、同じ発音の 2 つの候補文字が表示されています。
数字の 2 キーを押して、2 つ目の項目を選択します。候補ウィンドウが閉じて、複合文字列が選択した文字に切り替わります。
Enter キーを押します。これにより、入力が完了したことが IME に通知されて、入力された文字列がアプリケーション (この例ではメモ帳) に送信されます。コンポジション ウィンドウが閉じて、2 つの文字が WM_CHAR を介してメモ帳に送信されます。次の図では、2 つの文字はメモ帳内のテキストとして表示されているため、下線は消えています。これらの 2 文字は挿入されたため、メモ帳内の "ABCDEFG" という既存テキストは右側に移動しています。これで、IME を使用して 2 つの簡体字中国語文字を正しく入力できました。
繁体字中国語 IME
ここでは、メモ帳で繁体字中国語 IME (New Phonetic) を使用して、いくつかの中国語文字を入力する方法を説明します。
メモ帳を起動します。メモ帳でいくつかの文字を入力します。これらの文字を入力しておくと、後の手順で表示される IME ウィンドウが見やすくなります。
Windows タスク バー上の入力ロケール インジケーターをクリックして、[中国語 (台湾)] をクリックします。インジケーターの表示が [CH] に変化して、入力言語が "中国語 (台湾)" に切り替わったことが示されます。
カーソルをメモ帳内に置きます。Home キーを押して、カーソルを行頭に移動します。S キー、U キーの順に押します。次の図は、画面に表示される内容を示しています。小さい縦長の長方形は、現在の読みの文字列を表示する読み表示ウィンドウです。次の図に示すように、S キーと U キーが押されたために、読みの文字列は 2 文字になっています。
数字の 3 キーを押します。メモ帳には、次の図のように表示されます。S+U+3 は、繁体字中国語ではひとまとまりの発音に相当するため、IME 側では、これらのキーの組み合わせに基づいてユーザーが入力しようとしている文字を推測できます。ひとまとまりの発音が入力されたため、読み表示ウィンドウが閉じられます。メモ帳のカーソルの上に 1 つの文字が表示されます。この文字は、メモ帳に表示されているのではなく、メモ帳の前面に配置された別のウィンドウに表示されているため、その背面にあるメモ帳内の既存の文字は隠れています。この新しいウィンドウはコンポジション ウィンドウと呼ばれ、ここに表示される文字列は複合文字列と呼ばれます。画面上では、複合文字列には下線が付いています。
次に、C、L、および 3 の各キーを順番に押して、別の文字を入力します。読み取りウィンドウは、C キーが押されたときに開いて、3 キーが押されたときに閉じます。次の図のように、この時点では複合文字列は 2 文字になっています。
下方向キーを 1 回押します。次の図のように、メモ帳の前面に新しいウィンドウが表示されます。このウィンドウは候補ウィンドウと呼ばれます。このウィンドウには、入力した発音に一致する文字やフレーズが列挙されます。候補リストから目的の単語を選択できます。この例では、同じ発音の 3 つの候補文字が表示されています。
数字の 2 キーを押して、2 つ目の項目を選択します。候補ウィンドウが閉じて、複合文字列が選択した文字に切り替わります。
Enter キーを押します。これにより、入力が完了したことが IME に通知されて、入力された文字列がアプリケーション (この例ではメモ帳) に送信されます。コンポジション ウィンドウが閉じて、これらの 2 文字は WM_CHAR を介してメモ帳に送信されます。次の図では、2 つの文字はメモ帳内のテキストとして表示されているため、下線は消えています。これらの 2 文字は挿入されたため、メモ帳内の "ABCDEFG" という既存テキストは右側に移動しています。これで、IME を使用して 2 つの繁体字中国語文字を正しく入力できました。
日本語 IME
ここでは、メモ帳で日本語 IME を使用して、いくつかの日本語文字を入力する方法を説明します。
メモ帳を起動します。メモ帳でいくつかの文字を入力します。これらの文字を入力しておくと、後の手順で表示される IME ウィンドウが見やすくなります。
メモ帳をアクティブ アプリケーションにした状態で、入力ロケール インジケーターをクリックして [日本語] をクリックします。インジケーターの表示が [JP] に変化して、入力言語が "日本語" に切り替わったことが示されます。
カーソルをメモ帳内に置きます。Home キーを押して、カーソルを行頭に移動します。N キー、I キーの順に押します。次の図は、画面に表示される内容を示しています。N+I は、日本語ではひとまとまりの発音に相当するため、IME 側では、これらのキーの組み合わせに基づいてユーザーが入力しようとしている文字を推測できます。メモ帳のカーソルの上に 1 つの文字が表示されます。この文字は、メモ帳に表示されているのではなく、メモ帳の前面に配置された別のウィンドウに表示されているため、その背面にあるメモ帳内の既存の文字は隠れています。この新しいウィンドウはコンポジション ウィンドウと呼ばれ、ここに表示される文字列は複合文字列と呼ばれます。画面上では、複合文字列には下線が付いています。
次に、H、O、N、G、および O の各キーを順番に押して、さらに 3 文字を入力します。次の図のように、この時点で複合文字列は 4 文字になっています。
Space キーを押します。これにより、IME に入力テキストを語句に変換するように指定します。次の図では、"にほんご" という発音が "日本語" という語句に変換されています。
下方向キーを 1 回押します。次の図のように、メモ帳の前面に新しいウィンドウが表示されます。このウィンドウは候補ウィンドウと呼ばれます。このウィンドウには、入力された発音に一致する語句が列挙されます。候補リストから目的の項目を選択できます。この例では、同じ発音の 3 つの候補文字が表示されています。次の図では、2 番目の項目が選択されているため、この項目が複合文字列として表示されています。このように、複合文字列として表示されている項目の 1 つ下の項目を選択するには、下方向キーを押します。
数字の 2 キーを押して、2 つ目の項目を選択します。候補ウィンドウが閉じて、複合文字列が選択した文字に切り替わります。
Enter キーを押します。これにより、入力が完了したことが IME に通知されて、入力された文字列がアプリケーション (この例ではメモ帳) に送信されます。コンポジション ウィンドウが閉じて、これらの 2 文字は WM_CHAR を介してメモ帳に送信されます。次の図では、2 つの文字はメモ帳内のテキストとして表示されているため、下線は消えています。これらの 2 文字は挿入されたため、メモ帳内の "ABCDEFG" という既存テキストは右側に移動しています。これで、IME を使用していくつかの日本語文字を正しく入力できました。
韓国語 IME
ここでは、メモ帳で韓国語 IME を使用して、いくつかの韓国語文字を入力する方法を説明します。
メモ帳を起動します。メモ帳でいくつかの文字を入力します。これらの文字を入力しておくと、後の手順で表示される IME ウィンドウが見やすくなります。
メモ帳をアクティブ アプリケーションにした状態で、入力ロケール インジケーターをクリックして [韓国語] をクリックします。インジケーターの表示が [KO] に変化して、入力言語が "韓国語" に切り替わったことが示されます。
カーソルをメモ帳内に置きます。Home キーを押してカーソルを行頭に移動してから、G キーを押します。次の図は、画面に表示される内容を示しています。"G" に対応する表音文字がメモ帳に表示されて、ブロック カーソルで強調表示されます。この強調表示された文字は、複合文字列と呼ばれます。他の言語の IME とは異なり、ユーザーが 1 つの表音文字を入力すると同時に、複合文字列はメモ帳に送信されて、既存のテキストの左側に挿入されます。
ユーザーが追加の表音文字を入力するたびに挿入された複合文字列が変化するため、この時点では、複合文字列は暫定文字で表示されています。次に、K キー、S キーの順に押します。キーを押すたびに、暫定文字が変化することに注目してください。
右側の Ctrl キーを押します。候補ウィンドウが開いて、入力した G + K + S という発音に対して選択できる韓国語の漢字が一覧表示されます。
数字の 1 キーを押して、1 つ目の項目を選択します。候補ウィンドウが閉じて、複合文字列が選択した文字に切り替わります。
R、N、および R の各キーを順番に押します。右側の Ctrl キーを押して、もう 1 つ文字を入力します。
1 キーを押して、1 つ目の項目を選択します。これで、IME を使用して 2 つの韓国語文字を正しく入力できました。入力した韓国語文字は、メモ帳内の文字列として表示されています。
要件
オペレーティング システム | Windows?XP |
ハード ディスクの空き領域 | 230 MB 以上 |
外国語ファイルの場所 | Windows XP のインストール CD-ROM、または Windows XP のインストール ファイルが配置されたネットワーク上の場所 |
所要時間 | 外国語ファイルをインストールするのに約 10 分、4 種類の IME の使用法を確認するのにそれぞれ約 10 分。 |