August 2007 DirectX SDK の新しい機能

このバージョンの DirectX SDK には、次の新しい機能、ツール、およびドキュメントが含まれています。

  • 新規リリースのスケジュール
    DirectX SDK の August 2007 リリース以降、マイクロソフトでは、年間 4 回の更新プログラムの配信を予定しています。現在配信が予定されている 5 つのリリースは次のとおりです。

    • 2007 年 8 月
    • 2007 年 11 月 (10 月と 12 月の代わり)
    • 2008 年 3 月 (2 月と 4 月の代わり)
    • 2008 年 6 月
    • 2008 年 8 月

    この配信スケジュールは、新しい機能やツールを定期的にリリースするというマイクロソフトのこれまでの実績を踏襲する一方で、テクノロジ開発をより長期的な視点で計画することを可能にします。

  • Direct3D 10.1 テクニカル プレビュー
    Direct3D 10.1 は、次世代のグラフィック ハードウェアで使用できる一連の新しいレンダリング機能を提供するための、Direct3D 10.0 の機能とは独立した差分更新です。

    • シェーダー コードで動的にインデックスを生成可能な TextureCube 配列
    • 更新されたシェーダー モデル (シェーダー モデル 4.1)
    • パターンのパレットからリソース用に MSAA サンプル パターンを選択し、対応するサンプル ポジションを取得する機能
    • ブロック圧縮テクスチャーをレンダリングする機能
    • リソースをコピーする際のさらなる柔軟性
    • すべての unorm および snorm 形式のブレンディングのサポート

    このテクニカル プレビューでは、これらの機能とこれらをサポートするいくつかの新しい API について紹介します。August 2007 Direct3D 10.1 テクニカル プレビューには、Windows Vista SP1 Beta が必要です。これは、正式リリース後に MSDN サブスクライバーで入手できるようになります。

  • XAudio2 Beta : クロスプラットフォームの新しいオーディオ API
    August リリースには、XAudio2 の Beta 1 が含まれています。XAudio2 は、Xbox 360 XAudio API をベースとしたクロスプラットフォームの新しいオーディオ API (Windows および Xbox 360) です。XAudio2 は、Windows XP および Windows Vista 用の低レベル オーディオ シグナル処理ライブラリです。次を含む現代的なオーディオ パイプラインを提供します。

    • チャンネルごとのフル ボリュームおよびマッピング コントロールを持つマルチチャンネルおよびサラウンドサウンド サポート
    • プログラム可能なクロスプラットフォーム DSP エフェクト フレームワーク
    • 音声ごとのフィルタリング、任意のサブミキシング、およびマルチレート処理
    • マルチコアの最適化、ブロック不可の API デザイン
    • プラグ可能な一般化された 3D 空間性サポート、独立した X3DAudio マス ライブラリによって提供されるすべての機能を備えた実装

    XAudio2 は、DirectSound の代わりとなるゲーム オーディオ API として設計されています。

    フィードバックとバグ報告、ディスカッション フォーラムへのリンク、およびオーディオ フィードバックの調査については、Microsoft Connect XAudio2 Beta の Web サイトにアクセスしてご確認ください。

  • XACT のセッション ウィンドウ
    XACT の UI には、新しい機能であるセッション ウィンドウがあります。セッション ウィンドウにより、サウンド デザイナーは、サウンドやカテゴリから成る複数の仮想ミキシング コンソールを作成することが可能になります。サウンド デザイナーは、セッション ウィンドウを使用することで、マルチトラックのミキシング コンソールのような外観を持つボリューム コントロールに簡単にアクセスして、複数のサウンドまたはカテゴリを処理することができます。サウンドは、セッション ウィンドウから個別に試聴できます。また、サウンドが再生中であるかどうかや、サウンドのインスタンスの数など、基本的なサウンドの状態も表示できます。セッション ウィンドウ機能の一部として、カテゴリに対してミュートおよびソロがサポートされるようになりました。これにより、サウンド デザイナーは、自分たちのゲームにサウンドをより簡単にミキシングすることが可能になります。

  • GDFTrace ツール
    GDFTrace.exe は、新しいコマンドライン ツールで、バイナリに含まれているゲーム エクスプローラー メタデータを表示し、すべての警告を強調表示します。

  • 新しい記事と更新された記事
    このリリースには、新しい記事と更新された記事の両方があります。

    • Games for Windows 技術要件および Games for Windows テスト要件は、どちらも August 2007 リリースで更新されており、いくつかの細かい要件変更、重要な説明、および追加サポートされるマテリアルが加わえられています。
    • シンボルを使ったデバッグに関する記事では、デバッグ処理でシンボルを使う場合の最適な方法について詳細に述べられています。Microsoft シンボル サーバーの使い方、および独自のプライベート シンボル サーバーを設定して使用する方法についても説明します。ここで紹介するベスト プラクティスに従うことで、問題をデバッグする能力が高まり、問題に関連するシンボルと実行可能ファイルがすべて自分のコンピューター上にない場合にも対応できるようになります。
  • 新しいサンプルと更新されたサンプル
    このリリースには、新しいサンプルと更新されたサンプルの両方があります。

    • XAudio2BasicSound サンプルでは、XAudio2 ライブラリを初期化し、さまざまなサウンド ファイルを再生する方法が示されています。
    • ContentStreaming サンプルは、バックグラウンドのストリーミング コンテンツがよりスムーズに表示されるように書き直されています。これは、常にビデオまたはシステム RAM を超える量のデータを表示しなければならないアプリケーションで役立ちます。

以前のリリース

以前のリリースに追加されている機能の詳細については、「以前のリリースに追加されている機能」を参照してください。