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エミュレーターにおける Windows Phone アプリの実行

Windows Phone のみに適用されます

Windows Phone エミュレーターは、Windows Phone をシミュレートするデスクトップ アプリケーションです。 このエミュレーターは、物理デバイスがなくても、コンピューター上に Windows Phone アプリのデバッグとテストが可能な仮想化環境を提供します。 一般的なタッチと回転イベントのシミュレーションや、エミュレートしたい物理的な画面サイズと解像度の選択が可能です。 位置、ネットワーク、通知、センサー、加速度計、およびオプションの SD カードなど、一般的に使用される多数の機能をテストすることもできます。

エミュレーターでテストできる機能の詳細については、「Test app features in Windows Phone Emulator」を参照してください。

Visual Studio と連携して、エミュレーターは、Windows Phone アプリを設計、開発、デバッグ、およびテストできる完全な環境を提供します。

このトピックの内容

  • エミュレーターで Windows Phone アプリを実行

    • Visual Studio からアプリを実行

    • アプリケーション配置ツールを使用したアプリの実行

  • エミュレーター ツールバーを使用して Windows Phone エミュレーターを構成する

  • エミュレーターのシミュレートされたハードウェア ボタンを使用

  • エミュレーターでコンピューターのキーボードを使用する

  • カスタム化チェックポイントの保存と読み込み

  • エミュレーターのスクリーンショットのキャプチャ

エミュレーターで Windows Phone アプリを実行

Windows Phone アプリの開発中は、Windows Phone エミュレーターを利用して、アプリを迅速に配置してテストすることができます。 ただしアプリを Windows Phone ストアで公開する前に、実際の Windows Phone デバイス上でアプリをテストすることをお勧めします。 これで、ユーザーが経験するアプリの動作をそのまま確認することができます。

Windows Phone アプリを Windows Phone エミュレーターで初めて実行する場合には、次のイベントが発生します。

  1. エミュレーターが開始します。

  2. エミュレーターは、Windows Phone オペレーティング システムを読み込みます。

  3. エミュレーターは、Windows Phone スタート画面を表示します。

  4. アプリがエミュレーターに配置されます。

  5. アプリがエミュレーターで実行されます。

選択したエミュレーターをすでに実行している場合、アプリは実行中のエミュレーターに配置されて開始されます。 各エミュレーターで一度に実行できるのは、1 つのインスタンスだけです。

ヒント

エミュレーターでアプリをテストしている場合、デバッグ セッションとデバッグ セッションの間もエミュレーターを開いたままにしておいてください。これはアプリを迅速に繰り返して実行できるようにするためです。

Visual Studio からアプリを実行

Visual Studio からアプリを配置および実行するには

  1. Visual Studio から、Windows Phone プロジェクトを開きます。

  2. [標準] ツールバーで、エミュレーター オプションの 1 つを選択します。

    Windows Phone エミュレータのイメージのリスト

  3. アプリを配置して実行してデバッグするには、[デバッグ] メニューで [デバッグの開始] をクリックするか、 F5 キーを押します。

    デバッグせずにアプリを配置して実行するには、[デバッグ] メニューで [デバッグなしで開始] をクリックするか、 Ctrl + F5 キーを押します。

    アプリが配置されて開始します。

    実行せずにアプリを配置するには、[ビルド] メニューで [ソリューションの配置] をクリックします。

実行中のアプリを停止するには

  • 実行中のアプリを停止するには、次のどれかを実行します。

    • Visual Studio の [デバッグ] メニューで、[デバッグの停止] をクリックするか、Shift + F5 キーを押します。

    • エミュレーターで、[戻る] ボタンを押してアプリを終了します。 アプリの現在のページがスタート ページでない場合には、[戻る] ボタンを数回押さなければならない場合があります。

    アプリが終了してスタート画面が開きます。 現在のデバッグ セッションは終わります。

デバッグせずにアプリを再起動するには

  1. エミュレーターのスタート画面で、左にスワイプしてアプリ一覧を表示します。

  2. アプリ一覧で、アプリ アイコンをタップします。 デバッグせずにアプリが再起動します。

実行中のアプリを非アクティブ化するには

  1. アプリを実行する前に、Visual Studio のソリューション エクスプローラーでプロジェクトを右クリックしてから、[プロパティ] を選択して [プロジェクト デザイナー] を開きます。

  2. アプリが非アクティブ化したときに休止状態にしたい場合は、[プロジェクト デザイナー][デバッグ] ページで、[デバッグ中の非アクティブ化時に廃棄する] チェックボックスをオフのままにします。 アプリが非アクティブ化したときに廃棄済みにしたい場合は、チェックボックスをオンにします。

  3. [デバッグ] メニューで、[デバッグの開始] をクリックするか、F5 キーを押して、アプリを実行します。

  4. エミュレーターで、[開始] ボタンを押します。 スタート画面が表示され、アプリが非アクティブ化されます。 [デバッグ中の非アクティブ化時に廃棄する] チェックボックスの設定に従い、アプリは休止状態になるか廃棄済みになります。

休止状態または廃棄済みのアプリを再アクティブ化 するには

  • エミュレーターで、[戻る] ボタンを押してアプリに戻ります。 他のページへ移動した場合や別のアプリを開いた場合は、アプリを再アクティブ化するために [戻る] ボタンを何度か押さなければならないことがあります。

    デバッグ セッションが再開します。 デバッガがアプリからデタッチされている場合、F5 キーを押してデバッグ セッションを再開しなければならないことがあります。

アプリケーション配置ツールを使用したアプリの実行

アプリをエミュレーターで実行するために、Windows Phone アプリケーション配置ツール (AppDeploy.exe) を使用することもできます。 このツールは、Windows Phone 開発ツールのインストール時にインストールされるスタンドアロンのアプリです。

詳細については、「アプリケーション配置ツールを使用した Windows Phone アプリの配置」を参照してください。

エミュレーター ツールバーを使用して Windows Phone エミュレーターを構成する

次のスクリーン ショットは、エミュレーター ツールバーで利用できる構成ボタンを示します。

Windows Phone の [エミュレータ] ツールバー

ツールバー ボタン

構成オプション

Windows Phone の [エミュレータ] ツールバーの入力オプション

シングル ポイント入力またはマルチ ポイント入力の構成

マルチ ポイント入力を有効にしている場合には、画面にタッチせずに右クリックで 2 つのタッチ ポイントを移動することができます。 それから、左クリックで両方のタッチ ポイントを同時に移動することができます。

Windows Phone の [エミュレータ] ツールバーの向き

エミュレーターの方向の構成

Windows Phone エミュレーターの向きを、縦、横 - 左、横 - 右のどれか 1 つに変更することができます。 方向を変更する際にエミュレーターのサイズは変わりません。

方向を変更するには、[左に回転] ボタンか [右に回転] ボタンをクリックします。

Windows Phone の [エミュレータ] ツールバーのサイズ オプション

エミュレーターのサイズの構成

ホスト コンピューター画面上のエミュレーターのサイズを変更することができます。 エミュレーターのドット/インチ (DPI) はズーム値とは関係なく、ホスト モニターの DPI に基づきます。

  • エミュレーターを画面を合わせるには、[画面に合わせる] ボタンをクリックします。

  • ズーム設定を変更するには、[ズーム] ボタンをクリックします。 [ズーム] ダイアログ ボックスが開きます。 [ズーム] ダイアログ ボックスで、ズーム値を 33 ~ 100 の範囲で入力します。

エミュレーターのシミュレートされたハードウェア ボタンを使用

エミュレーター画面の右側にあるシミュレートされたハードウェア ボタンを使用することで、スマート フォンのハードウェア ボタンの使用をシミュレートします。

  • [電源] ボタンをクリックして、ディスプレイのオンとオフの切り替えをシミュレートします。 クリックしたままにすると、電源オフをシミュレートします。

  • [Volume Up] または [Volume Down] ボタンをクリックすると、着信および通知のスピーカーの音量の変更をシミュレートします。

  • [カメラ] ボタンは、カメラ アプリを起動します。 カメラ アプリのコントロールを使用して、写真やビデオの撮影をシミュレートすることができます。

次のスクリーン ショットは、シミュレートされたハードウェア ボタンを示します。

  1. 左側の画像には、エミュレーターのスタート画面を表示しています。

  2. 中央の画像は、[電源] ボタンをタップしてディスプレイをオフにしたあとのエミュレーターの表示です。

  3. 右側の画像は、[Volume Up] ボタンをタップして音量を大きくしたあとのエミュレーターの画面表示です。

Windows Phone エミュレータのボタン

エミュレーターでコンピューターのキーボードを使用する

エミュレーターは、開発用コンピューターのハードウェア キーボードの Windows Phone キーボードへのマッピングをサポートしています。 キーの動作は、Windows Phone デバイスと同じです。

既定では、ハードウェア キーボードは有効ではありません。 この実装は、使用する前に配置する必要のあるスライド キーボードと同じです。 ハードウェア キーボードを有効にするまで、エミュレーターはコントロール キーからのキー入力だけを受け入れます。

ローカライズされた Windows 開発コンピューターのキーボードの特殊文字は、エミュレーターではサポートされていません。 ローカライズされたキーボードにある特殊文字を入力するには、代わりにソフトウェア入力パネル (SIP) を使用します。

コンピューターのキーボードをエミュレーターで使用するには

  • PageUp キーを押します。

    または

  • PAUSE/BREAK キーを押します。

エミュレーターでコンピューターのハードウェア キーボードの使用をやめるには

  • PageDown キーを押します。

    または

  • PAUSE/BREAK キーを押します。

次の表は、 デバイス上のボタンやその他のコントロールをエミュレートするために使用できるハードウェア キーボードのキーをリストしています。

コンピューターのハードウェア キー

のハードウェア ボタン

説明

F1

BACK

長押しは期待どおりに機能する。

F2

START

長押しは期待どおりに機能する。

F3

SEARCH

F4

該当しない。

F5

該当しない。

F6

CAMERA HALF

途中まで押された状態の専用のカメラ ボタン。

F7

CAMERA FULL

専用のカメラ ボタン

F8

該当しない。

F9

VOLUME UP

F10

VOLUME DOWN

F11

該当しない。

F12

POWER

F12 キーを 2 回押すとロック画面が有効になる。

長押しは期待どおりに機能する。

ESC

BACK

長押しは期待どおりに機能する。

PAUSE/BREAK

キーボードの切り替え

ハードウェア キーボードを切り替える。

PAGE UP

Keyboard Up

ハードウェア キーボードを有効化する。

PAGE DOWN

Keyboard Down

ハードウェア キーボードを無効化する。

カスタム化チェックポイントの保存と読み込み

エミュレーターの [追加のツール][チェックポイント] タブを使用して、エミュレーターの状態のスナップショットを保存します。 この機能は、同じデータと設定を使ってアプリを頻繁にテストする場合に有用です。

たとえば、アプリに複数の連絡先が必要な場合、それらの連絡先レコードを作成しておいて、エミュレーターのスナップショットを保存しておくことができます。 こうしない場合は、エミュレーターを起動するたびに連絡先レコードを再作成する必要があります。

  • [新しいチェックポイント] をクリックして、後でアプリを再度テストするために必要なデータと設定状態になっているエミュレーターの新しいスナップショットをキャプチャします。 [チェックポイント] リストに新しいチェックポイントが追加されます。

    デバッガがエミュレーターにアタッチされている間は、チェックポイントをキャプチャできません。

  • [チェックポイント] リストからチェックポイントを選択して、チェックポイントに関する情報を確認します。

  • [既定] の列でラジオ ボタンを選択して、保存したチェックポイントをアクティブなエミュレーターの既定のチェックポイントにします。

  • [復元] をクリックしてエミュレーターの Windows Phone オペレーティング システムを再起動し、選択したスナップショットをロードします。

  • [削除] をクリックして、不要になったスナップショットを削除します。

常に、元のエミュレーターの画像が**[チェックポイント]** リストの最初の項目として表示されます。これは、変更したり削除したりできません。 しかし、別のスナップショットを既定のエミュレーターの画像として選択することはできます。

Windows Phone エミュレータの [チェックポイント] タブ

エミュレーターのスクリーンショットのキャプチャ

その他のツール ウィンドウにあるスクリーンショット ツールを使用して、Windows Phone アプリのスクリーンショットを作成することができます。 このツールは、実行中のエミュレーターの解像度に一致する PNG ファイルを作成します。

Windows Phone エミュレータのスクリーンショット

エミュレーターに組み込まれたスクリーンショット ツールを使用してアプリのスクリーンショットを作成するには

  1. スクリーンショットの品質を最適化するには、エミュレーターのズーム レベルを 100% に設定します。 ズーム レベルを高く設定するほど、スクリーンショットの品質が向上します。

  2. エミュレーターでアプリを起動します。

  3. エミュレーター ツールバーで展開ボタンをクリックして、[その他のツール] ウィンドウを開きます。

  4. [スクリーンショット] タブをクリックします。

  5. アプリの準備が整ったら、[キャプチャ] ボタンをクリックします。

    スクリーンショットがワークスペースに表示されます。

  6. [保存] ボタンをクリックして、[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスを開きます。

  7. 保存する場所と [ファイル名] を選択してから、[保存] をクリックします。

  8. オプションとして、アプリ内の別のページに移動して追加のスクリーンショットをキャプチャします。

  9. 別の画面解像度でエミュレーターを起動して、同じスクリーンショットを別の解像度でキャプチャします。 アプリをデバッグで動作した場合、そのアプリを別のエミュレーターで実行するには、その前にデバッグを停止する必要があります。

Windows Phone ストアに送信するスクリーンショットをキャプチャする前に、エミュレーター画面のフレーム レート カウンターを無効にします。

スクリーンショットをキャプチャする前に、エミュレーターのフレーム レート カウンターを無効にするには

  • Visual Studio でのリリース ビルドを指定します。 リリース ビルドを指定してから、[ビルド] メニューの [app name] の配置 リンクを選択することで、アプリを起動します。

  • EnableFrameRateCounter の値を true に設定する app.xaml.cs または app.xaml.vb ファイル内のコード行をコメント アウトすることもできます。